Geiruのモンハン生活 ~ハンターの休憩場~

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第6話「殺気」



-灼熱の火山地帯-
「バカ野郎!もっとガンナーは前だ!!」一人の傷だらけで白髪まじりの老兵が叫んだ。「すみません、ハメド隊長。ただちに!」一兵卒はそう返した。そう、この怒鳴った老兵こそが、アレンの祖先のデール・ハメドだ。 ハメドは「現在の状況は!?」と大声で双眼鏡を持った、遠くを覗き込んでる兵士に聞いた。するとその兵士は「10km先まで龍の大群が来てます!どうしますか!?」と返事した。ハメドは心の中で覚悟を決めた。そう、歴戦の勇士のハメドでさえも、龍の大群を相手にしたことはなかったのだ。そして大声で全兵士にこう叫んだ。「野郎ども、聞いてるか!?俺達はここで死ぬかもしれねぇ、しかしだ!最後まで、指一本でも動く限り巨大トカゲのバケモノ達の抵抗してやろうじゃねぇか!覚悟が決まったやつから俺の後についてこい!!」そう叫んで、ハメドはバベルという黄金の槍と盾が対になったランスを持ちだし、龍の大群へ向かって突撃した。そして「おお、やってやるぜ!」「トカゲの大群なんかに負けるかよ!」と兵士達も士気を鼓舞して、自らを奮い立たせ、各々の好きな武器を持ち、後に続いた。もはや滅茶苦茶である。四方八方から龍の火炎や尻尾を振り回しての攻撃など、もはや隠れる場所すらなくなっていた。ある者は食いちぎられ、ある者は火炎で焼かれ、ある者はマグマに落とされ…・人間達には勝つ術は無きに等しかった。どんどん人数が減って行く。しかし、ハメドは死ななかった。以前ココットの英雄と共に戦い抜いた腕が、彼にはあった。黄金に輝くバベルで龍を突く!たちまち血が吹き出る龍!その隙を見逃さず、ひるんだ龍へ止めの一撃と言わんばかりに深深と頭部へ槍を突き刺す。この方法ですでにハメド一人で3体の龍を倒していた。しかし、それにも限界があった。ランスの中でも重量級のバベルを持ち、しかもただでさえ灼熱地帯で体力が消耗されるのだ、。それに兵士達がやられるにつれて自分への攻撃が激しくなってくる。バベルを構えつつ、ハメドは心の中で「もうダメだ…」と諦めかけていた。兵士も最初は200人は居ただろうに、今はたったの10人くらいになっていた。そう、誰が見ても絶望的な状況。しかし、そこに新たな展開が待ちうけていた。地面が揺れ始めたのだ。ハメドは近くに居る兵士に「爆弾を使ったのか?」と聞いたが、「いえ、我が部隊は爆弾を所持していません。…・なんなのでしょう、この揺れは」と、まったく知らないようだった。しかも何故か龍達がおかしい。何かに怯えてるような…・あきらかにさっきまでとは違う雰囲気だった。ここは灼熱地帯だ。下にはマグマがあるので多少揺れてもおかしくは無いのだが…・それにしても強い揺れだ。そして次の瞬間―
バコン!!!!足場の中央が吹っ飛んだ。幸いそこに兵士は居なかったが。そして足場が吹き飛ぶと下から黒い「何か」が出てきた。それを見ると龍達は一斉に飛び去った。いや、逃げ去ったという表現の方が適切かもしれない。ハメドは今まで感じたことの無い殺気に覆われていた。ハンターとしての直感が判断する。「ヤバイ」と。そして遂にその黒い「何か」の全貌が現れた―


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