ジュネーブその日暮らし(+革モノ作り・レザークラフト)

ジュネーブその日暮らし(+革モノ作り・レザークラフト)

子供の学校




●インターナショナルスクール

 主に駐在日本人子弟が通うのは、International School of Geneva(以下ISG)各校と、College de Lemanのどちらか。この2校は日本からもメールで資料請求や入学希望が出せ、世界各国の子弟の受け入れにも充分な対応が望める。
 これ以外にも私立の英語学校はいくつかあるが、ESLまたはEAL(英語フォロークラス)がないとか、フランス語との完全バイリンガル教育で、子供への負担が大き過ぎる場合もあるので、よく調べること。

 我が家が通っているのはISG国連校なので、その話を中心に。

ISGには、

・La Grande Boissiere
 通称LGBエル・ジー・ビー。旧市街方面にある。世界で最も歴史のあるインターナショナルスクールの本校。高校卒業前にIB試験まで受ける予定ならば、外国語で日本語も選択でき、他科目も充実している本校をお勧め。

・La Chataigneraie
 通称ラ・シャット。ヴェルソワ方面。自然に囲まれ環境は良い。地図では遠そうだが、高速道路出口すぐにあり、実は国連付近からも車で15分程度と、案外近い。家が国連付近ならば、橋を渡らねばならない本校よりこちらの方が通学時間は少なくてすむ(国連付近から本校へは朝の通学時間帯だと渋滞で1時間近くかかる。
 なお、ジュネーブの高速道路は年間チケット制で必ず購入しなければならないため、通学のための高速代は余分にはかからない。


・Campus des Nations
 通称ナシオンまたはサコネ。
 国連など国際機関エリアにある。2006年開校で新しい。このキャンパスでは2年生以下はプレニー校舎で少し離れた場所になる(校舎間は登下校時シャトルバスもあり)。生徒の父兄はほどんど国際機関か各国代表部の職員子弟。

 と、3つのキャンパスがあり、同じ学校でありながら、各校の校風や授業の内容は異なる。
 しかし、父兄は授業内容より、自宅や職場からの近さを基準にしたり、編入の場合はとにかく空きがあるキャンパスを選んでいるという模様。




・入学願書の提出について

 ジュネーブのインターナショナルスクールは常に満員状態。
 赴任がほぼ確実になったら、正式辞令前でも願書の請求をし、できるだけ早く動き始めた方が良い。

 夏休み中(7~8月)は学校事務も休みで、なかなか連絡が取れない。希望する学校、キャンパスに入れない、兄弟でキャンパスが別れてしまった、ということもある。特にISG国連校(ナシオン)は希望者が最も多く、学年はじめ、中途編入とも大変厳しい状況。待機希望が多すぎて、申し込みが遅いとウエイティングリストへの記載すら断られ他校を勧められる。
 もしも国連校を希望であれば、編入、新入学とも、申し込みは1日も早く。

 すでにジュネーブ在住で、幼稚園年少や1年生などの区切り入学などの場合も、9月入学用には、12月ごろまで(最低でも3月まで)に願書を出しておくと良い。この場合も、許可が出るまではちょくちょく状況を学校へ確認する。許可が出てからも、夏休み前に最終確認を忘れずに。




・学校の時間

 ナシオン校小学部(PYP)の場合、月火木金は8時10分~3時15分。水8時10分~12時15分。中学部以降(MYP)は、水曜も含め~3時30分までになる。幼稚園のプレクラス(年少より小さい最低学年)は、お昼まで。
 どの学年も別料金で、放課後アクティビティや、アフタースクールケアが利用できる。
 土日は休み。



・クラスの人数

 1クラスは約26人。ナシオンの場合各学年プレニーは2クラス、サコネは3クラス。year2までは先生とアシスタントの2人の先生体制。
それ以上の学年も適宜アシスタントがつく。



・学費の目安

 ジュネーブのインターナショナルスクールは、どこも大体年間 180~250万円くらい(2008年現在)。学年が上がると授業料も上がる。また、ここに遠足や教科書、文具代などが含まれない学校もある。




・スクールバス

 どこもスクールバスがある。バス利用の場合、距離が近くても、往復で年間30万円以上は見ておくほうが良い。
 ジュネーブでは、中学生以上はバスやトラムなど公共交通機関での自力通学も可能。専用バス路線があり渋滞時は自家用車よりバスの方が早い。中学生以上は申請の上自転車通学も可。
 小学生の徒歩通学は、5年生くらいから認められる。これも事前に学校へ申請する。




・給食

 カフェテリアでは大抵、肉、魚、ベジタリアンの3種類のランチがある。アジア系、中東系の料理が出ることもある。イスラム教生徒に配慮のため、豚肉料理が出ることは少ない。
 1食11Sfr。年間パスだと10万円程度で割安になる(2008年現在価格)。なお、弁当水筒の持参も可。国連校ではアジア系を中心に、2割程度の生徒が弁当を持参している。



・授業

 ナシオン校では専門のカリキュラムコーディネイターが毎年カリキュラムを作成し、教科書を使わず先生のプリントやスライド、外部専門家などの講義を使った概要説明と、生徒参加のグループワークや個人ワーク、実験、実践を組みあわせた特徴ある授業を行っている。社会、理科は教科の区別をせず、ユニット形式の総合学習。



・EAL(English as Acquired Language)

 英語フォロークラスは無料。前任地でインターへ行っていても、母国語が日本語の場合はフランス語の授業中、EALへ行くことを勧められることもある。参加期間はアドバンスイングリッシュも含めると3~5年。

 初年度より体育や美術、音楽は通常クラスに参加し、徐々に通常授業参加を増やす方式で、2~3年目以降はフランス語の授業中のみEAL参加になる。




・外国語

 全学年フランス語必修。中学生からは第二外国語でスペイン語などが加わる。どちらもレベル別クラス編成。
 EAL中はフランス語もスペイン語も免除。数年で帰国予定の場合、外国語の学習については相談できる。
 なお、LGBにはバイリンガルクラスが開設されている(母国語がフランス語の子弟優先)。



・特殊学級(ラーニングサポートセンター)

 ISGには特殊学級があり、知的な障害や身体的な障害のある子供の受け入れも行っている。学費はほぼ倍となる。
 ラーニングサポートセンターの児童には各々専任のサポータが配備され、サポーターと一緒に、可能な限り普通クラスの授業を一緒に受けることになっている。




・宿題の負担

 英語のリーディングを毎日することを勧められている(読書記録ノートあり)。
 提出宿題はYear3くらいまでは、算数、英語とも、週にプリント1~2枚と単語テストのみで、あまり負担感はない。
 Year4後半よりレポート提出が始まる。課題を自分で調べ、英語の文章で提出する(スペルチェックと文法チェックが親に任せられる場合もある)。

 学年が上がるに従って宿題は高度になり、時には毎日2~3時間かけなければならない様な課題、グループ提出のため、放課後友達の家に集まって話し合って仕上げることが必要な宿題も出る。


小学部、授業トピックスや宿題の例)

・難民、戦争、そして、子供の権利(year4 授業)
・思春期の体の変化(year6 授業)
・ポエニ戦争について調べ、図と文章でレポートにまとめクラスで発表する(year5 期限約2週間の宿題)
・絶滅危惧動物を1種選択し、指定された12項目について調べ、冊子にまとめて提出する(year4 期限約3週間の宿題)

 高学年のレポート宿題は、本人の英語力が不足している場合、親が英語ができないと仕上げるのはかなり困難になる。




・準備品について

 おおむね以下のものが必要。個人の持ち物には記名。

1)筆記用具、ハサミ、ノリ、色ペン類。全てを一緒の大きめの文具ポーチに入れ、持ち帰らず学校において置く。

2)PEウェア。体操服のこと。学校指定で入学時購入。

3)PE用運動靴。通学がスニーカーなら外用はそれでも良い。他に室内体育館用も(特に指定はなく、普通の運動靴を室内専用にすれば良い)

4)スモック式エプロン。低学年までは図工作業の時に必要。7月~9月初旬の学年変わりの次期にはジュネーブの子供服売り場や文具売り場で手に入るが、それ以外の時期は見つけにくい。

5)カバン。自由。ディパックの子が多い。A4サイズが入るもの。中学生以上は持ち物が増えるので大きめのもの(高学年はカバンを2つ持っている子もいる)。

6)上靴。先生にもよるが、小学生以下は大体必要。日本の上靴でもよい。

 これらは全てジュネーブで手に入るが、赴任後すぐ編入の場合は、準備も大変なので鉛筆、ハサミなど、わかるものは持参する方がいいかも。

 なお、ISGナシオン校では、以下の授業がある。


・水泳

 プレニー校舎では、課外アクティビティで選択できる。
 year3~year6までは体育の授業の一貫で必須。

・スキー・スノボ

 year1以上必須の授業で、道具が必要。中学生は年によっては合宿になることもある。スキー用品はフランスのスポーツ用品店で比較的安く買えるが、子供がメガネを使用している場合、度入りサングラスは日本で用意してくることをオススメ(検眼費2万5千円、メガネ代約4万5千円と高い上、作るのに時間がかかる)。
 高学年はスノボも選択できる。


・音楽

 year1~3オカリナ(学校で購入)
 year4 ソプラノ笛(持参も可)
 year5,6 吹奏楽(フルート、クラリネット、アルトサックス、トランペット、トロンボーンより選択。楽器は購入またはレンタル。店は紹介してもらえる。)

*3,4年生の楽器は年によって違う



・その他あるといいもの

 辞書は日本から持参する。
 英和、和英は低学年でも家庭での宿題や課題のために中辞典程度は必要。
 また、本人が学校で使うため、辞書を持参している子も多い。小学生の場合は中学生用の辞書程度でも良いが、簡単なものではすぐ使えなくなるので、なるべく語彙の多いものを。

 (財)海外子女教育振興財団の、「新・ことばのてびき」は算数、理科用の日英対訳本で、赴任1~2年目くらいまでは、あると非常に便利である。

 幼稚園児や英語がはじめての子供には、親が説明するために、イラスト辞典があるとよい。


 どのインターでも、ベイクセール、ケルメス(親による野外バザー。大体どの学校でも、日本人父兄はPTAより日本食ブース運営を依頼されている)、クラスの持ち寄りランチ、遠足への付き添い有志の募集、家庭作業に任される大型宿題など、親が積極的に参加すべき行事が幾つかあり、公立校に比べると、親の負担は多いのでそのつもりで。



●ジュネーブの公立校

* 帰国時に帰国中学、高校入試を考えている場合、殆どの学校は日本人学校または英語の学校からの帰国を前提としており、試験や面接も英語対応のみがほとんど。フランス語で試験が受けられる学校はとても少ない。
 もしも帰国枠入試を考えているのならば、公立校ではなくインター校をお勧めする。


 公立校はフランス語。外国人が多い地域では、外国人の子供の受け入れには慣れている。しかし、外国人が多いクラスでは、フランス語能力が充分でない子供が多いため、必然的に学習の到達度レベルは下がるというマイナス面もあるらしい。
 なお、学校での生徒へのフランス語フォローは週1回1時間程度(ハッキリ言ってこれだけでは到底、授業についていけるレベルのフランス語ができるようにはならない)。親が毎日のフランス語フォローができない場合、フランス語の家庭教師をつける方がよい。

 小学3年生からドイツ語必須。ただし日本人はドイツ語の時間は家に帰って勉強しているというお子さんもおり、履修について相談できる模様。

 公立校では6年生の時の成績で、大学まで進むのか職業訓練校へ行くのかの進路が決定され、中学は進路別に振り分けられる。
 外国人の場合、中学進学時の進路分けがどうなってしまうのかは不明。

 公立も学校設備は充実しており、インターと比べても遜色はない。
 クラスの人数も25人程度で同数。
 入学は4歳から(学校併設幼稚園)で、学費は無料。

 学校は8時~4時まで。小学校以下は水曜休み(ジュネーブ州では現在水曜も登校する方向で動いているので、状況は流動的)。
 昼休みは学校が閉まり、生徒は昼食を家でとるか、学校のレストランで食べる。ジュネーブ市では、昼休みの食事と午後の授業までの子供のケアを、1日11フラン(2006年)で提供している(ヴォー州の人によると、同じケアが1日30フラン程度と、かなり高額だそう。ジュネーブ州内でも市が違うと制度が違うかもしれないので、他市は調べること)。朝と夕方のケアもある(有料)。

 公立は、学校行事などの親の負担は、かなり少ない。
 1年通ったが、親の関わりは面談2回とイースターバザーへ行ったくらいで、授業参観すらなかった。


●日本語補修学校

 年中から高校生まで。毎週水曜もしくは土曜。
 JCG(ジュネーブ日本倶楽部)のHPからリンクがある。
 詳細はそこで。

 なお、補習校児童の帰国予定児童の多くが日本の通信教育を受講している。
 ベネッセ・知の翼・Z会・四谷大塚通信クラブなど、海外受講できるものも色々あるので、当たってみるとよい。

 ジュネーブに日系の塾はないので、中学受験を考えているならば、対策教材を取り寄せ家庭で取り組むしか方法はない。四谷大塚(4年~)、Z会受験コース(3年~)など。日能研の模試なども、海外の家庭で受けられる。


●就学前児童

 地域のクレッシュ(託児所)の利用が一般的。申し込み問い合わせは町の役場まで。2~3歳から預けられる。
 公立の園は、仕事を持つ母親以外は入園は困難。費用は年間100万円程度。



●帰国枠受験

 帰国枠受験の場合、滞在期間、帰国時期など学校によって違うので確認のこと。
 滞在期間につぃては、学校の在学証明の他、「親の赴任に伴う」という条件の場合、滞在期間は職場の勤務期間証明が必要で、父親帰国後に通学しても認められないので注意する。


例)親の赴任に伴う滞在で、日本の学年で、5年生以降で帰国の条件の場合。

 父親の赴任期間 4年生の2月まで。
 学校在学期間  5年生に1ヶ月足りないので5年生以降の条件に当てはまるよう、4年3月からは父親帰国後も母子で2ヶ月程ジュネーブに残って通学した。

 この場合、4年生3月以降は「親の赴任に伴う滞在」としては認められず、ジュネーブに残って通学しても、5年生以降での帰国とはならないので帰国枠受験資格が与えられない。

*ただ、私立の学校によっては帰国枠を弾力的に運用してくれるところもある。帰国時期や期間が微妙な場合、あきらめず各学校へ問い合わせること。


 また、受験時期は早いところは11月から始まる(ドイツ桐蔭での帰国枠試験など)ため、願書提出期限にも注意。
 学校在学証明は、ジュネーブ前任地でも外国の学校へ通学した場合、そちらの学校の証明書も必要となる場合がある。取り寄せに日数がかかり、日本語翻訳の提出を一緒に求められることがあるので、注意する。




 ジュネーブ補習校では、帰国枠入試の情報収集はしておらず、フォローは一切受けられないと思ったほうが良い。
 親がすべて仕切る必要があるので、受験時に不備が出ないよう、ネットなどで情報収集をしっかりすること。




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