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2004.01.14
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カテゴリ: 音楽
今日楠勝平さんのことを思い出したのは、夕陽を見にいった帰りにふと自分が自然の中に溶け込んでしまうような感じがしたから。
五つの赤い風船に「美しいものは」という曲があるけど、それに近い感じ。

 ♪ 山を見ていると
 ♪ 家も車も道も 何もほしくなくなる
 ♪ 私もいなくていい

そう、私もいなくていいという、この感じ。
すっと夕焼け空の中に自分が溶け込んでいって、それで何もなくなる。
そこに美しいものが残っているのだから、いいじゃないか。

現実感覚の喪失というのは非常に危険なことなんだけど、いつからかそんなふうに生きてきたように思う。
不思議なことに、ぎらぎらと感受性が痛かったころには、むしろ日々の生活に現実感があったようだ。
自分の周囲に確固とした現実社会があるように感じていた。
その中で他人の痛みのわからない王様になっていたのだろう。

いつどこでそれが崩れてしまったのかわからない。
学校を卒業するのに就職活動をしなかったという時は、もうそうなっていたのだと思う。
ソルジェニーツィンが『イワン・デニーソヴィチの一日』で描いた主人公のように、目の前のことだけを一所懸命にこすっからくがんばってしまう。
一週間以上先のことはわからない、考えない。
これが二十年以上続いてきたような気がする。

現実感覚が希薄なので、あまり恐いものはない。
元が小心者なので、人前で話をしたりするのは恥ずかしいのだが、世間で恐いとされているようなものには恐怖感を持たない。
どこかの組の親分さんと話をした時も、筋を通せば大丈夫だとにこにこしていた。
チンピラ君たちにはからまれるといやなので近づかない。
接近遭遇してしまった場合も、わあわあ吠え立てる声はどこか遠くで鳴っているようで、あまり意味をもたない。
うるさいなあと思うだけだ。

相対化の罠と言えるかもしれない。
絶対的な価値観を持たないと、なんでも、どうでもよくなる。
不思議に目の前の仕事だけは一所懸命やろうとするのだが、それが失敗に終わっても本当に残念だとは思えない。

それで生きたと言えるのか?
自然の美しさに接すると、この暮らしの軽さが本当に重量を失ってしまう。
ふっと存在が消えて、それで幸せでも不幸でもなくなる。

自殺未遂者に対して説得力のある言葉を持っていないというのも、おそらく同じことだったのだろう。
長い時間をかけて、どうすれば相対化の罠から抜けることができるかという解答は得た。
ここでは書かないが、今やっとそこから抜け出せそうなところまで来たのだと思う。
もう遅すぎたのかもしれないが。

少しずつ身の周りを片付けておかなくては。
さて、俺の借金全部でなんぼや?

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Last updated  2005.02.10 05:45:15
コメント(21) | コメントを書く
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Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
chappi さん
幻泉館のご主人様、

自分が存在するという感覚さえ錯覚かも知れない、と思うことがあります。
星を見ているときです。
きらきら光っているけれど,ひょっとしたらもう何万年も前に消滅している星かもしれない。あまりにもここに届くまでに時間がかかるので、まだ光って存在しているように見せてくれているのかもしれません。

あー、でも、自分の身辺を片付ける・・・
荷物たまりまくってそうじさえままならない・・・
見るのがこわいです。
(2004.01.14 00:32:30)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
chappiさん、詩人だ……前半だけ。

私の書斎も寝室もなにかが堆積してえらいことになっております。
ヒナがひっくりかえしてくれると、そこだけきれいになります。
固体にも表面張力があるんだ……ないない。
(2004.01.14 00:38:13)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
執事  さん
☆ こんばんは。今日の借金は50分くらいかな。そろそろ寝なくては。この話、キー坊が出てくるのか、来ないのか。。。

☆ ちなみにキー坊の弟子になるのか、トータス松本(ウルフルズ)に「借金大王」という曲があり、目出度くC...じゃないフジの「ナニワ金融道」のシリーズの主題歌になっておりました。では、また後ほど(^^)。 (2004.01.14 01:45:32)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
執事さん、こんばんは♪
すみません、この話はもう終わってます。
キー坊出ません。
私もめでたく真人間になりましたので(ウソ)、そろそろ寝ます~。
(2004.01.14 01:48:17)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
Dr.悠々  さん
おお、今日の日記は凄くストレートに胸に響く!
ところで、幻泉館さんって、いったい何を生業にしてる人だろうっていつも思ってしまいます。

日記タイトル。
この歌を唄っていた頃の上田正樹のアクの強さと歌のリアリティーは凄かった。それが今はネタの尽きたスタンダード歌手みたいになってしまって(和製ジョー・コッカーかい!)残念です。
地味だった有山じゅんじの方がしぶとくしたたかに音楽活動してるように思います。この歌、有山が唄ってもなかなかいい味でっせ。 (2004.01.14 07:09:45)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
Dr.悠々さん、こんにちは♪

>ところで、幻泉館さんって、いったい何を生業にしてる人だろうっていつも思ってしまいます。

ここまで黙っていたので、言い出しにくくなってしまいました。
霞を食って生きているということにしておいてください。

>この歌、有山が唄ってもなかなかいい味でっせ。

賛成です。

(2004.01.14 11:08:04)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
りり猫  さん
こんにちは。
初めてBBSにカキコミさせていただきます。
「現実感覚の喪失」
私の感じるものとは全然違うと思うのですが、
ふっと自分の居場所がわからなくなることがあります。
生への執着の希薄さと比例しているような・・・。
自然と一体化し溶け込んでしまう感覚。
「相対化の罠」から抜け出すヒント、
教えていただきたいです。


(2004.01.14 12:40:54)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
りり猫さん、こんにちは♪

>ふっと自分の居場所がわからなくなることがあります。
生への執着の希薄さと比例しているような・・・。
自然と一体化し溶け込んでしまう感覚。

まさにそういう感じです。
必ずしも悪いことではないと思うのですが、とても危険な場合もありますよね。

>「相対化の罠」から抜け出すヒント、
教えていただきたいです。

私の場合、結論はとても平凡で月並みなことです。
でも、他人の言葉を見聞きしてそう思い込むのではなくて、自分でたどりいたということが大切なのだと思いました。
(2004.01.14 12:50:28)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
isemari  さん
久しぶりだ…。(ちょこちょこ見には来てたんですけどね~。しかもすっごいレス死体、じゃない(変換ミス一瞬びっくり)、レスしたいスレがあったんだけど、今となってはえっらい昔になってしまったので、タイミング逸したし。まあいいの。それは、また次回)。

で。あたしの(甚だ主観的な)良文レーダーが、すごい勢いで鳴り出したので、慌ててレス。感動さえしちゃいました。恐るべし。良い文(しつこいようですがあくまで主観的に良いと感じる文、の意。TSエリオット的な意味ではない)を読むのは好きです。喉が渇いたときにお水を飲んだような気がして。

前から思ってたけど、幻泉館主人さんって文体の引出しがいっぱいあるんですね。御自分自身でも甚だ多重構造の人格の持ち主だって仰ってるし(え?言ってない?)そういうところが関係してるのかしらん。

さて、本題。
どうなんでしょう? 現実感の希薄化か…。
ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィチの一日』はいい例ですね。背負ってるもの(絶望?)が大きすぎて、かえって日常の細かなことを乗り越えるのに集中して、うん。そうしなければ生きられないんですよね。あれは怖い本です。
一種の麻痺状態を作り出してるのかな。ご主人さんも冬眠状態から最近また息づきだしてるのかしら?ご自分との対話期間だったのかもですね。

ッてお昼行かなきゃ。一回中断。

ってお昼から帰ってきて、もう一度自分が書いたやつ読んだらなんか無意味に小ざかしく見えてやだな。なんか色々書いたんだけどやめる~。書き込んじゃえ。 (2004.01.14 13:19:06)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
isemariさん、こんにちは♪

いよいよ遠距離が急接近するんでしょ。
幸せな時ですよね。
僕は祭りが始まると、もう寂しくなってしまうんです。
それはもったいないよね。
これも現実からの遊離なのかね。

ギリギリまで浸ってらっしゃい。
かけがえのない時間に。
(2004.01.14 13:29:10)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
isemari  さん
>他人の言葉を見聞きしてそう思い込むのではなくて、自分でたどりいたということが大切なのだと思いました。

ちとニュアンスは違うけど、最近思うに。何事にもそこに至るプロセスがあるので、そのプロセスの長さとかは人によって違う。行き着く先も違うと思う。人より長くかかっても、それはあたしにとって必要な期間だったんだなあ、と思います。だから一人でいる時間って必要なのかも。

ところで、明日から1週間渡英してしまうので、最後にご主人さんに引用を差し上げます~。日記読んで、今お昼中色々考えちゃった、そのお礼。ごく最近自分の日記で引用しちゃったんだけど、

私は「一人でいること」が他の何よりも好きなのかもしれない。
しかし、愛すること*をも諦めきれない。
おそらく、いつも私の中には、私にとって何より必要な孤独への強い欲求と、
愛することへの切なる欲求が共存し、その相反から生まれる緊張感に引き裂かれるのだ。

ジャネット・ウィンターソン 「Power Book」

*この愛すること。って言うのは恋愛じゃないです。それも内包しますけど。もっと根本的に人と関わること。とか、人に愛着持ったり人間関係構築することです。「情」の部分ですな。

ではでは。 (2004.01.14 13:41:20)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
isemariさん、ありがとう。
すごい言葉だね、isemariさん、インテリ~!

でも、余計なお世話かもしれないけど、その、頭で考える部分は忘れて渡英した方がいいのかもね。
つかんだら離しちゃダメだよ。

行ってらっしゃい♪
(2004.01.14 16:14:44)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
クろたぬ  さん
 私の父は 特攻の生き残りです 15、6で 予科練習生となり ”神風”になるべく練習にあけくれ 20までには敵艦に1激を くらわす予定でした ところが 戦争が半年くらい早く終わってしまいました 呆然”自失”であります でも じっとしてても 腹は減るので しょうがなく仕事をさがし しょうがなく 母といっしょになって 私が 生まれたんだそうです  
 正月 父から この話をはじめて聴きました 酔いもあってか ふと ほんとは 戦争は半年長引いて 私は 神風 となった 父の”夢”のなかで生きてるのではと 思いました これも自己喪失感ですかね    (2004.01.14 18:54:01)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
isemari  さん
ふむ。花の命は短くて。か~。
ありがとです。さっきからもう行く言いながらまだうろうろしてるけど。楽天を。

>すごい言葉だね、isemariさん、インテリ~!

………。

>行ってらっしゃい♪

は~い。おうちに帰って今日は早く寝ます。ではでは。
(2004.01.14 18:55:46)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
pglove  さん
人に愛着持ったり人間関係構築することです。「情」の部分ですな。

ではでは。
-----
こんばんわ

ここ読んでふと
昔友人のおばさんが
愛情についていっていた。
愛がなくなっても
情はのこると。

ではでは

(2004.01.14 19:25:42)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
片づけて、どこか行かれるのデスカ?@@?

ワタシは「引っ越し」するたびに、
ぜ~んぶ、捨てて身軽になってしまうので、
スッキリ☆

ソンナ話ジャ、ナイノカナ?

・・・ギンコウ残高、まじでヤバイワタシ・・・ (2004.01.14 19:53:40)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
クろたぬさん、こんばんは♪
亡父は内地勤務で終わったのですが、晩年は妙に特攻基地にこだわっておりました。
どうも特攻で死ぬのが夢だったようです。
(2004.01.14 21:45:11)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
>ここ読んでふと
昔友人のおばさんが
愛情についていっていた。
愛がなくなっても
情はのこると。

う~ん。
それはよくわからない。
逆のような気もします。
う~ん、パス。
(2004.01.14 21:50:08)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
>片づけて、どこか行かれるのデスカ?@@?

遠くまで行くんだ。
と言ってみたりして。
(2004.01.14 21:51:08)

Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
>自然の美しさに接すると、この暮らしの軽さが本当に重量を失ってしまう。

空と海と大地はずーと昔から変わらなく時間の流れを飲みこみあります。
あるということに畏敬を感じるとともに圧倒的な自然に出会うとき僕は感動を覚えます。
インドででっかい太陽が沈む時の感動。
今でも瞼に残っています。 (2004.01.15 07:08:03)

Re:Re:俺の借金全部でなんぼや(1/14)  
ジョンリーフッカーさん、こんにちは♪
大陸の夕陽。
いいですね。

あまりにも自然にめぐまれていると、文明が発展しないそうです。
どこか挑むべき部分がないと、包まれて満足してしまうのでしょう。
(2004.01.15 11:48:39)

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