原始人ランナーの部屋

原始人ランナーの部屋

2007日本山岳耐久レース

2007日本山岳耐久レース完走記
☆レースにむけて☆ ・このレースに向けて昨年の大会からロードなどの記録を狙い臨んできました。目標にしている9時間台というのは生半可なものではないというのは重々承知でしたが,あえてそれを目指しました。フルで2時間54分,100kで10時間10分,富士登山で3時間39分とまずまずな成績だったものの,トレイルレースは北丹沢DNSなど,このレースに参加するにあたり『山』に関しては不安も残りました。
 実際,真夏の後半部試走では,ZZZさん,S水さん,なべさんについていくのがやっとで,浅間峠までの試走も脚が痙攣するなどいいイメージはありませんでした。また,レース3日前からは股関節周りも痛み,筋肉にも張りが残りました。
 とにかく持てる力を出し切り,1年間の努力を無駄にしたくないという一心で精神状態だけは集中して『気合い』で走りきろうと決めました。食事はとにかく食いまくりました。体重は増えましたが,肉体を酷使して走るのでフルなど違いベスト体重で臨むことはないと思い,消耗しながら走れば自ずと体重も元に戻り,そんなところから後半部で軽くなるという作戦です。
☆レース前☆
・朝は気持ちよい目覚めではなかったですが,心地よい緊張感で迎えられました。朝食はいつも通りに食べて,チタンテープ,レモシステムなど貼り7時半の新幹線に乗りいざ五日市を目指しました。今回は原始人Rマネジャー(以下原マネ)も同行してくれて,リラックスモードで会場までいけました。五日市線にのるとまさにそれ系の人だかり。短パンで乗り込む選手も!原マネもそれには驚いていました(笑) 会場に着くと,峰さんが場所取りをしてくださっていました。感謝です!
 barmyさん,kuriyさん,ZZZさん,応援のしゃおらいさんを始めとした鬼組や楽天の方々,そして戦友なべさんとも会えました。昨年と違って流れが分かっている分,少しは落ち着いていたし,たくさんの方々とのレース前の歓談が楽しかったです。
 受付をするとさっさと体育館へ。昨年はブースを見て周りましたが,今年は無事帰還したらと決めていました。昼食はかなり食べました。おにぎり,サンドイッチ,白アンパン,蜂蜜ドーナッツ。いや~,苦しかったです(笑)。そんな時にチームの第3の男,走るボーズKが現れました。
 相変わらず独創的な装備。一番笑ったのは原始人風にアレンジした石斧ライト!彼の器用さと発想力はおそらく参加者でも五本の指に入るでしょう。
 レース前1時間を切ったあたりから並び始めました。ここでチーム『原始人ランナーズ』で記念撮影!後ほど公開です。 ここでkojikenさんとも御一緒に。参考になるペース配分カード頂いて感謝感激でした! 選手宣誓はK様こと鏑木毅選手。 やっぱりトップの選手は違いました!
 スタート1分前。kojikenさん,なべさんと固い握手をして,1分の間集中しました。
『やっとこの日が来た。とにかく最後まで切らさない,集中したレースをしよう』
…そしてあのスタートの合図が鳴りました。
☆第1CPまで☆(3時間3分42秒 77位 前年より-12分)
 スタートして原マネの声にも応えられないほど,集中していました。kojikenさんは前に行き,なべさんはゆっくり行ったようです。自分はといえば頭の中で『6割,6割…』と唱え続けました。若い選手や女性のランナーも先を行かれますが,慌てずにです。皆渋滞を意識しているのかなと思いました。お囃子をやっているロードの登り付近で前をみると,鏑木さん,4位になった伊藤さん,斑尾優勝の渡邊さんがいました。
『これは速いのでは?』
 と少しペースを落とします。でも周りは我先にという雰囲気。飲まれないように注意しました。発電所を過ぎて今熊神社手前で昨年サブ10の走るジェントルマン相馬さんに抜かれたのをきっかけに着いていこうと決めました。今熊の上りも腰に手をあてて無理のないペース。そして走れるところでは,上体を前に倒して脚がスッと前に出る感覚でのリスタート。後ろから見ていて,
『走りもトータルに上手だし,落ち着いていて凄い!』
と感心し,またこのうような方と一緒に走れることがなによりも楽しく感じたときでした。
 相馬さんをパックリーダーにし(というか自分がただ付いただけ?)で進みます。浅間峠まではうんざりするようなアップダウン。ここで脚を使っては終わり…ということで相馬さんのスマートな走りががっちりはまっていました。途中我さきにと抜かすランナーも後で歩いてしる姿をみる次第でした。15k過ぎではパワースポーツの滝川さんも混ざり3人のパックで進みました。ここでアブかなにかに足を差されて痛かったですが,気にせず走りました(笑)
『このペースに乗っちゃったね』など滝川さんはホントにレースを楽しんでいて,途中に携帯がなって
『こんな時仕事の電話か~』
と笑わせてくれました。そのせいか,苦しいはずのこの区間が気持ちよく乗り切れました。相馬さんは浅間峠手前ペースが落ちました。先に道を譲ってくれたのでお礼を告げて関門に向かいました。
※ここまでの消費:水約300m,アミノ,メダリスト粉1時間ごと,カーボショーツ1時間,アミノジェル2時間に1個
☆第2CPまで☆(6時間4分16秒《3時間34秒》 58位 前年より-8分(区間))
 ・ここにくるとアップも終了!御前山までの折り返し頑張るぞ!とう作戦でしたが,ここから急にビルトアップする気もなく,落ち着いていくことに。疲労感はまあまあでした。女子で2位の船橋選手がパックを引っ張ります。自分はべスパをとったり,塩おにぎりをとるなどして補給をしながらおちついて,笹尾根を走りました。この区間は走りやすい反面,オーバーペースに陥りやすいのではと思い,あえて抑えます。登りも走れないことないでしょうが,歩く作戦。平地や下りに入って走れなくなる登りはNGだとずっと言い聞かせました。
 こんな感じで笹尾根は落ち着いて走ります。西原峠あたりでもう足元が見えないくらいにガスってきました。パックは誰もライトつけない我慢大会(笑)。少し前でヘッドライトを頭に装着していた自分は,船橋さんなどつけている間にいつの間にやら単独走行になりました。
 そして,三頭山へのキツイ登りに差し掛かりました。その手前でべスパ投入。これおまじないかもしれないけど本当に効きます。昨年はキツイ登りでしたが,今回は息切れしたらペースを落とし
『御前山が折り返し!ここは通過点!』
 と気合いをいれたせいか,それほど苦しまず山頂へ。そして鞘口峠への下りです。大ダワに比べたら好きな下りなので頑張ってみました。下りは下手な自分ですが,後ろのライトのそれほど近づいているわけでもなく感じました。
 鞘口峠を過ぎると登り,下りがあっての第2CPまでの道のり。下りがやっぱり下手で筋肉を無駄に使ったせいか,月夜見山で初痙攣が内転筋に。きた~という感じでしたが,なんとか登り,霧の中の給水もある第2CPに到着です。ここで水を500m補給し,その場でコップに2杯水とポカリをもらいました。
※ここまでの消費:水300m,アミノ,メダリスト粉1時間ごと,カーボショーツ1時間,アミノジェル2時間に1個,塩おにぎり×2個,べスパ×2

☆第3CPまで☆(8時間59分37秒《2時間56分40秒》 65位 前年より-10分)

・第2CPの通過でサブ10も手の届くところまできたいました。脚もなんとかまだ生きているし,吐き気もない。しかし,トイレに行きたくて大きい方をここでしました。
 トイレ後にタイムをみたら5分のロス。ちょっと黄色信号が点滅しました。
 御前山へはますますガスってきて,僕のライトでは足元がやっと。少し恐くなってきて,パックで進みたいなと思っていた矢先に前にライト発見で,それについていくことに。コース上にある赤点滅ライトがあることに安心感を覚えて,やっとのこと御前山に到着。登りで無理をしなかったからか,昨年のような吐き気はなし!よし,昨年の俺よ!見ておけ,大ダワまで下るぞと気合いはあったのだが,またトイレもいきたいし,ガスで見えない~。やっぱりここないい印象がないなと思いながら長い4kを下り,大ダワへ。待ちに待ったトイレ。リスタート4分のロス。
 大岳山へは走りやすいトレイルが続き,なんとかJOGペースでつなぎ,岩場は声をだし気合いで登る。山頂につくと一安心しました。ここからは第3CP目指してです。この下りでかなり転びました。岩や木に脚をぶつけて叫びながらようやく,オアシスの水場へ。ここで久しぶりに選手と話ました。某スポーツ店の選手でした。初参加で熱い走りだなと感心してしましました(笑)。ここで潤いをいただけたのですが,やっぱり腹痛(涙)。長尾平のCP受ける前にまた駆け込みました。(ロス5分)
 ここでタイムを見ると約9時間。サブ10への目標が途絶えて,気持ちも後ろに下がっていました。
☆ゴールまで☆(10時間30分21秒《1時間30分45秒》 63位 前年より-8分)
 ・ここまでくるとあとは精神力のみ。だけど脚は前に進んでいる,しかし気持ちがついていかない感じでした。サブ10への気持ちの崩れがここまで影響したのかと。
 ゴールまで1時間30分で下りたいなという新しいめあても持ちとにかく進むことにしました。この区間は補給もなにもせずにただ走るのみです。日の出山の手前,前方より熊鈴?聞こえてきました。峰さんでした。応援を受けて日の出の山頂へ!
 昨年と同じような素晴らしい夜景が飛び込んできました。
『今年も凄い!』
 声をあげて,ゴールにむけて走りました。この区間は長くダラダラとして嫌ですが,少しずるこの苦しみから解放される喜びと,そしてこのレースが終わる悲しみとで感情が高ぶって走っていました。今にも泣き出しそうな感じです。
 あと5キロ過ぎて,僕の時計は23時,つまり10時間を過ぎました。けどゴールとビイルを目指してとにかく下りました。金比羅神社を過ぎて人里に戻ってくるともの凄い安心感です。
 ああ,やっと帰ってきた!
 最後の角を曲がると,歓声が聞こえてきました。
 もう,ダッシュしかないととにかく走りきり10時間30分21秒でフィニッシュ!
 今回だけはk様の真似でもなく,大の字で横たわりました。
『ああ。終わった~…』
 僕の今年のハセツネはこうして終わりました!
☆レース後☆
 ゴール後は原マネに祝福されて,ビイルを買ってきてみたいな話の途中にチームメイトのなべさんがゴール!
 昨年の悔しさをバネに快走を見せてくれました。エクステラで初めて一緒にトレイルレースを走ったあの時の感覚に近いものを覚えましたし,自分以上に彼のリベンジが嬉しかったでした。 日付けの変わる前に,ZZZさん,S水さんと真夏の後半部試走組がゴール!あの時の苦しみを分かち合えた仲間でそろってサブ11&100以内は頑張ったなと思いました。
 kuriyさんも女子年代で優勝という素晴らしい記録の12時間半でゴール!
 感動は続きました!走るボーズことK,無事に原始人ランナーズとしてのゴール,そしてbarmyさんも自己ベストを大幅に更新する13時間50分台でのゴールでした!
 …この先も感動のゴールシーンは続きました。
 このレースにあえて挑戦し,そして完走を成しえた全てのランナーが素晴らしいと感じます。そういう姿って見るものに,単なる感動ではない別のものをあたえるともさえ思います。
 ここでは書ききれないたくさんの経験をたった24時間で得ることができました。1年分に等しいです。閉会式の前に無料マッサージを受けていた時のこと。してくれる人はほぼ不眠不休でやってくれている学生の方々。ところが嫌な顔をせず,1時間以上も一生懸命に指圧してくれます。
 僕をほぐしてくれたかの奥さんが同郷でいろいろと話しました。で,その方
『このレースをここにきて初めて知りました。みんなあんな楽しいそうなんで凄くいいレースなんですね。僕,少し登山が好きで来年このレースに出たいと思いました』
と。そんなに運動経験なくても,いや何もしていない人もひきつけるのはなぜでしょうね。

 最後は原始人ランナーズで解団式です(一時的な)!
 例のすし屋&中華料理店です。ジョッキを交わしながら思ったのは
『これがずっと続けられたらな!』
 とうことです。せっかく知り合えて,そして年に1度のこのレースに向かう仲間。
 1年に1度の自分調べのように,また来年も頑張ろうと誓う原始人ランナーでした!
~完~

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解団式,原始人ランナーズメンバーなり
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いざ!出陣!原始人ランナーズ!
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ゴール後の原始人。わざとじゃないよ




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