ぎいさんのまったり毎日

ぎいさんのまったり毎日

現実逃避の日々


もともと実家にはよい思い出があまりないし、自分がいることで両親を困らせていると思うとますます気分が落ち込み、医師や両親の反対を押し切って
ひとり暮らしのアパートへ戻った。
1か月の病気休暇でも回復せず、病気休暇をまた2ヶ月延長した。
病気休暇は3ヶ月までと決まっているので、これがリミットだろうと自分では考えていたし、それまでには必ず治っていると思っていた。

調子の良い日には料理をして食べることもできるようになったし、着実に回復していると思っていたが、そう簡単に精神は安定しなかった。

朝はまず起きることができないので昼過ぎにごそごそと起きる。
昼間はすることもなく、ぼーっとしていた。
夜はとにかく眠ることができない。
鬱な気分はだいぶ落ち着くのだが、不安の症状が強く出ていたので、毎晩強力な安定剤を飲むのだが、それでも不安な気持ちが消えない。
意味もなく不安に駆られ、ざわざわしてくるのだ。

そんな毎日が嫌で私は知らないうちに現実逃避を始めるようになった。
今思えば。なんとばかなことをしたのだろうと思うが、そのときはどうしようもなかったとしか言いようがない。

とりあえずタバコ、酒、男、なんでも利用できるものは利用した。
今の不安を消してくれるのならなんでも良かった。
お酒も飲めないくせに酒を流し込んで薬を沢山飲んでトリップした。
気がついたらトイレの前に倒れていたということも何度もあった。
そのときは現実から逃げることができるのだが、はたと正気に戻ったとき、また深く深く自己嫌悪に陥り、数日動けなくなるといった生活が続いた。

多くの人達に迷惑をかけた。
とにかく誰かに、何かにすがりたかった。

あまりに不安で突然病院に駆け込むこともしばしばあった。
主治医は人間関係について辛抱強く聞いてくれた。
恋愛のこと、両親のこと、兄のこと。
あらゆることを聞いてもらった。

このころは抗鬱薬中心の処方から安定剤や、躁鬱にも使うようなお薬が中心になっていった。
たくさんの睡眠薬を飲んで寝る日々。
それでも眠れないときはどうしても眠ることができなかった。
ひたすら不安で仕方がなかった。


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