酒器篇


日本酒に限らずお酒は酒器によってかなり味が変わりますが、日本酒は特にその変化が大きいように思います。
グラスの形状の違いは味の変化よりも香りを引き出したりビールの泡をコントロールするのに使われますが(ベルギービールなどは銘柄毎にグラスが用意されていたりします)、材質の違いはダイレクトに味の違いをもたらします。
ガラスや上薬が塗られて表面がすべすべした材質の酒器は瓶の中のお酒の味をほぼそのまま伝えてくれます。
逆に表面がざらざらした素焼きの陶器でできた酒器はお酒の味をまろやかにしてくれます。
詳しい事は良くわかりませんが、表面のミクロの穴が水やアルコールの分子を整列させてくれるからではないかと密かに考えています。
お酒の熟成とは水とアルコールの分子が綺麗な形で整列することでもたらされる部分が多いと言われているので荒走りに代表される新酒を呑むときには素焼きの陶器でできた酒器を使う事で新酒特有の舌にピリッと来る荒さをカバーできます。
反対に長期熟成されたお酒を呑むときは、ガラスの酒器を使う事で杜氏さんや蔵元が意図したものに近い味を楽しめます。

一度いくつかの種類の酒器で同じお酒を呑み比べてみてください。材質や形状で驚くほど違って感じられると思います。


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