ほねほねﾌﾞﾛｸﾞ

私の軟骨肉腫の治療

軟骨肉腫といっても、できる部位や転移の危険性の度合いは人それぞれ。
私は転移の兆しはみれないものの、定期的な検診はかかせません。

同じ病気になる人が少ないので、ＨＰ上に体験記って少ないんです。
もし同じ病気になった人がいれば、私の場合はこうだったということを伝えたくて体験記として書きました。
現在障害はあるものの元気に生きてます。

＝＝＝手術の話とかダメな方は絶対読まないほうが良いです＝＝＝＝＝＝＝＝

※とりあえず経過を書きましたが、分かりにくいと思います（汗）

2004年12月までの経過です。

[キーワード]
右上腕軟骨肉腫（骨肉腫・骨腫瘍）人工骨・人工骨頭・腓骨・腸骨

＜経緯＞
１９９６年４月
大学入学

１９９６年12月
患部の打撲がきっかけで地元の個人医院にかかり
右上腕骨に腫瘍があることが判明、某厚生病院を紹介される。

１９９７年１月
某厚生病院にて検査開始。
ＣＴ、ＭＲＩなどで確認、組織検査のための
手術をうける。
＜大学の春休みに入る＞
良性とのことで切除範囲の狭い手術を受けることになったが
手術前日になって中止。（後に聞いた話では）他の病院にも
組織を診てもらったところ悪性と判明したため広範囲手術に
切り替え、転院することになる。

１９９７年２月
神奈川県内の某大学病院に転院し、癌転移していないかなど
ＭＲＩや骨ｼﾝﾁなどで検査する。転移はないと判明。
広範囲手術は右上腕骨の中間部～骨頭までとそれに接する
筋肉を切除し自らの右腓骨を取り出して移植する。
ギブスで肩が動かないよう上半身とともに固定。

１９９７年４月
なお固定の状態。大学を休学することに決める。
腸骨を削り移植した腓骨の増強を図る手術を行うことになる。

１９９７年７月
ギブスがはずれリハビリが起動にのり始めた頃退院する。
その後リハビリに通う。
大学を中退することに決め、秋に医療事務の専門学校
に入学が決定する。

１９９８年１月頃（記憶が定かでない）
移植した腓骨が骨折していることが判明。
（私の腓骨は当初より普通の人より細いことが懸念されていた）
（近年、腓骨を移植する際血管ごともってきて血管をつなぎ
生きた骨として移植できるようになったため細くても折れる事は
ないそうである）
人工骨頭への置換術を行うことにする。
骨の細い私は普通の人工骨頭が入らないとの事で
特別加工するため（外国へ依頼）手術は２ヶ月後以降となる。
その後の話し合いで夏休み頃の手術ということにした。

１９９８年４月
専門学校入学

１９９８年７月
人工骨頭を入れる手術を行う。
何度か骨頭が脱臼してしまいそのたびに手術を行う。

１９９８年９月
退院、学業復帰。

２０００年４月
卒業、そして現在勤める会社へ入社。

＜詳細＞

19歳のとき、大学の体育の授業中に、たまたま右肩を強打し、
前から亜脱臼していると思っていた右肩のふくらみが痛かったので
街の病院へ行くと、骨腫瘍だと分かり、大きな病院を紹介される。

大学の春休み（1月末～4月上旬）を使い
大きな病院で病理検査のために手術をする。
病理検査の結果、私には悪性の骨肉腫だということは告知されないまま、
大きな骨腫瘍だから大きな手術になるということで、大学病院へ
転院する。

もう2月中旬、大学病院へ転院するも検査が続き、治療方針が固まらず
大学の春休みもあと1ヶ月半で、焦りはじめる。
ようやく決定した治療方針は、大きな手術が必要なもの。
骨腫瘍でこんなに大きく骨や筋肉を取り除くものか？と思い
本当は骨肉腫じゃないかと疑い始める。

2月下旬、手術本番。
腫瘍と一緒に上腕骨上部～骨頭（骨の一番上、関節部）とその周りの
筋肉を切除し、切除した骨のかわりに、自分の右足の腓骨（下肢の2本の骨の
うち細いほう）をとって鉄の棒で補強し埋め込む。筋肉の代わりには背中の
広背筋を根元は残したまま上腕のほうへつける。
術後、肩の固定のため、上半身にギブスを巻く。脚も板で固定、傷が塞がると
上肢～下肢にかけてギブスをする。

1ヶ月経ち、４月、大学が始まる頃、私はまだ足に負荷をかけられず
移動は車椅子。胴にはギブスがまかれ、右腕は常に心臓の位置くらいまで
に固定されたまま。大学休学の文字が頭に浮かぶ。

４月中旬、上腕骨と移植した腓骨の接合部がもろくなってきている
事が判明。骨盤の腸骨を削り取り、接合部へ移植する手術を受けることに。
大学休学が確定する。
５月、手術の前の日、麻酔科の医師が麻酔について説明に来たときに
持ってきていた麻酔科のカルテに「骨肉腫」の文字を発見する。
ドラマのように衝撃的に病名を知ったが、いくら聞いても「骨腫瘍
だから」と言っていたＤｒ．や両親に訴える気もなく、
投薬治療をしてないから悪性度は低いはずと自分の中で判断し、おさめる。

約2ヵ月後ギブスがとれ、リハビリが始まる。
母が看病疲れで自宅近くの病院へ入院してしまう。
母が退院し落ち着いた7月中旬、私も退院となる。
８月、２０歳になる。

退院後、週数回のリハビリに通う。
Ｄｒとも相談し、来年も大学へ通うのは難しいと判断、中退し
翌年４月から専門学校へ通う事にする。
しかし、専門学校入学が決まった後、移植した腓骨があちこちで
骨折していることが判明。腓骨を取り除き、人工的に作った
骨、人工骨頭をいれることになる。
手術の時期はＤｒにお願いして、専門学校１年の夏休みにしてもらう。
その話をしたときに、「実は麻酔科のカルテで見て病名を知って
しまったんです」と病名の真相をＤｒに聞く。
筋肉組織への転移があったから筋肉も切除したと言う事、
他組織への転移の可能性はまだあるけれど、腫瘍が悪性化してからすぐに
腫瘍の全部を取り除けたから、転移の確率は低いということ、
病理検査をやった病院の偉い先生が「まだ若い本人へ悪性だというと
治療をする気をなくす可能性がある」と言われ、Ｄｒも両親も告知
しない方を選んだと言う事を話してもらえた。

専門学校１年生、夏休みの前に骨折により砕けたものが皮下まで出てきてしまい
前倒しで入院、手術となる。
人工骨頭への入れ替えの手術後、ギブス固定したものの、
骨頭が亜脱臼してしまい、２回の手術で戻す。３ヶ月間の入院となる。
入院中の８月に２１歳になる。

人工骨頭にしたことで、右肩の動かせる範囲の回復は見込めないという
ことで、右肩関節機能障害という障害名がつき、障害者手帳を持つ。
右肩は少しだけ前や後ろ、横に動かせるが上へは動かない。
右手は普通に動かせるので字は書ける。ただ、肩が上にあがらないので、
お箸は左手で使えるようにした。パソコンも手が前に出せないので片手打ち。
人工骨頭が折れないように右手で重いものを持つのはダメとＤｒに注意される。

退院後すぐ学校へ通う。出席日数が足りなくていくつか単位を落としたが
春休み返上で補習を行い、なんとか１年の単位をとり、
２年は就職活動と実習に明け暮れ学生らしい日々を過ごす。
２２歳になった夏に自動車免許も左手だけで運転できる装置をつけて、取得する。
同じく２年の夏に障害者枠で就職先が決まる。

現在、セカンドオピニオンも持ち、両病院で半年に一度＝３ヶ月に一回、
診察と検査に通う。
社会人としても４年目、障害にもずいぶん慣れてきた。
危惧されていた肺への転移も今のところない。

今後の課題としては、人工骨頭は寿命まで生きたとすれば、
途中で入れ替えをしなければいけないこと。（老朽化するらしい）
もう一度足の骨を人工骨頭の変わりに埋め込める可能性もあるが
うまくいけば一生手術しなくて済むが、そのかわり足が悪くなる
危険性もある。
どちらを選択するか考えて置かなければいけない。

右手の使いすぎや転倒や事故で人工骨頭が折れてしまう危険性が
あること。（普通の人工骨頭は折れたりしないが、私の場合、特殊で
人工骨頭を既製品より細く加工してあるため）

障害は右肩だけなのに、転倒してはいけないため、スポーツができないが、
骨を採った右足を鍛えないと将来ひざ関節を痛めやすくなる可能性があること。

寂しいのは楽器のほとんどは重たいので持つ事ができないこと。
好きなピアノが限られた曲しか弾けなくなったこと。
でも最近、工夫すればけっこう弾ける曲もあると弾き方を開拓しつつある。

もっともっと自分にできることを見つけて行きたいと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2004年12月

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