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「もうこれ以上は傷けない。」と感じた私は刺青を入れた。

左腕は「何よりも愛さなきゃいけないのは自分」ということで、

自分の名前と星座のシンボルを。

右腕は涙をポロッと流すキューピット、割れたハートを背景にしている。

両方ともそのときの自分。

刺青師の兄ちゃんが言う。
「こういう刺青(バッドラック的な)を入れるのは、逆に幸運を呼ぶんだよ。」

うそ?

少し希望が沸いた...けど言い伝えでしょ、こういうの。

その刺青を入れて1ヵ月後、今の旦那に会う。

こういう迷信ってほんと?と驚いた。

きっとこれからもう傷つかなくていいのかな~なんて期待もした。

まさか自分が一番愛する人に傷つけられるなんて想像もしなかった。

結婚してすぐ、裁判所からの手紙。

子供の養育費について...私の頭の中は真っ白。

遠距離恋愛だった私達、ある程度の浮気は解っていた。

けど、子供を作ってしまうのはルール違反ではないか?

すべてをぶち壊されたような、自分の心が粉々に砕けてしまったような感覚。

足にも力が入らないし、呼吸も困難になる。

今まで一度も感じた事のない怒りと苦しみがこみ上げた。

自分ではどうすることもできない感情...。

長いこと、その心を癒す方法が見つからない。

なぜだろう...

今まで体験してきた、刺青まで入れた「傷」が小さく感じる。

心にナイフが突き刺さったと思っていた傷が、

今はかすり傷のように小さい。

一番に愛した(愛する)人が、

なぜ一番に傷つける人なのだろう...。

こんなに苦しい思いをしたのは初めてだった。

結婚して6年目の今でも、心の傷は癒されていない...。




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