「ディ-プ・インパクト」は彗星が地球に接近し、洪水が起こって人々がパニックに陥るという物語で「ノアの箱舟」を暗示している。 「ディ-プ・インパクト」は聖書の中の言葉がいくつも出てくる。 100万人の人々が乗り込む“ark”は「箱舟」と呼ばれており、これはノアが大洪水に備えて神のお告げに従い作った「箱舟」のことである。 人類を救うべく打ち上げられた宇宙船は「メサイア号」でこれは「救い主イエス」 を意味するヘブライ語である。 メサイア号の乗組員が自ら犠牲になって地球を救う行動はイエス・キリストの姿と重なる。 キリスト教では、イエス・キリストの死と復活は「自らの犠牲によって人々の罪を背負って十字架の刑に処せられ、預言どおり、復活して人々を救った」 と解釈されているからである。 キリスト教圏の映画の中で犠牲になって他人を救うという場面があればキリスト教徒は感覚的にイエス・キリストの死を連想すると言われている。 メサイア号の乗員は妻子との別れの交信で、教会に行く事を勧めて “I’ll be there right next to you”と告げる。この言葉は「マタイの福音書」の最後にある“I’ll be with you always”を意識したことばである。 映画の最後でモーガン・フリーマンが演説をする。 その中の言葉、“But the water receded”は「ノアの箱舟」を描いている聖書の「創世記8章3節」からの引用である。