1
戻ってください、わたしは待って、待ち構えているのだから―
いいえ、まだ戻らないで、戻ったら、それでもう、おしまいだから
次に来るのは、ずっと先になるのだから
喜びまでの間は長く、めったに来ないから
あなたの来ない間には、わたしにできることをするだけ
「さて、こんど来たら」と、楽しい「こんど」を考える
一人の男性がわたしには、この広い世界中の、男の世界と同じ
愛する人よ、あなたこそわたしの全世界
2
思い出せたらいいのに、あなたがわたしに会った最初の日
最初の時刻、最初の瞬間を
明るい季節だったか、暗いかだけで
夏か、冬かしらと言えるだけ
心に留めずに過ごしてしまった
うかつにも、よく見えもせず、先も読めずに
愚かなこと、わたしの木の芽生えに気づかずに
いくつもの5月に、花を咲かせなかったのに
3
あなたの夢を見るけれど、すぐに覚める、せめてもの願いは
あなたの夢を見て、覚めずに、まどろみ続けること
夏が終わって、夏の鳥たちが行ってしまったように
夢といっしょに、いとしい人が行ってしまわないように、と
(Christina Rossetti)