―人生航路の贈り物―
われ 荊(いばら)なき人生を求めじ
もろもろの悲しみより解き放たるるをも
あるいは常に太陽の照り輝くをも
はたまた常夏の海をも。
なんとなれば 大地の緑は
しぼみ かつ朽つるなり
絶え間なき陽光(ひ)のもとにても
はたまた とこしえの昼のもとにても。
然り 心の深き小部屋もまた
年ふるにつれ
希望のもろもろの若芽をめぶかすを 止むべし
もし涙によりて水を得ざれば。
手のとどく中に横たわれる 数多(あまた)のこと
人生のもろもろの畑を
もし聡明に耕せば
豊かなる刈り取りを 生むものぞ
(サムエル・ウルマン)
(違った訳で)
私はいばらのない道を求めない
悲しみが消えよとも求めない
日のあたる毎日も求めない
夏の海も求めない
輝く陽光と
永遠の昼のみでは
大地の緑は
しぼみ衰える
涙の水がなければ
歳月を通じて
心の奥底は
希望のつぼみを閉じる
人生のどんなところでも
気をつけて耕せば
豊かな収穫をもたらすものが
手の届く範囲にたくさんある
(作山宗久訳)