★冬の午後には……





            ― 冬の午後には…… ―

            冬の午後には
            大聖堂の旋律のように
            おもくるしくのしかかかる
            ななめの光がある

            その光はわたしたちに天上のいたみをあたえる
            わたしたちの発見できる傷は
            ただいろいろな意味のこもる
            内なるちがいである

            だれもそれには何も教えない
            それは封印。絶望―
            空中からわたしたちに送られた
            至高の苦悩

            そのくるときは風景は耳をすまし
            影は息をひそめる
            その去るときは
            死の表情にあるよそよそしさのよう

            (刈田元司 訳)

            世界女流名詩集/角川書店








            handb.gif














© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: