★哀愁


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      哀愁

         1940年  
         監督 マービン・ルロイ 
         音楽 ハーバート・ストサート
         出演者 ビビアン・リー、ロバート・テーラー、マリア・オースペンスカヤ



          ロンドン・ウォータールー橋に車が止まる。中から一人の初老の将校が降り橋にたたずむ。
          胸のポケットから人形「ピリケン、お守り」を出し、握りしめ回想に耽る。
          「これ持って行って」「君のお守りを」「貴方を守ってくれるわ。そう祈ってる」
          「やさしいね」「私を忘れない?」「忘れないよ。絶対に」「いつまでも」・・・
          第一次世界大戦時、空襲警報が鳴り、逃げる女達の一人ビビアン・リー(マイラ)が
          橋の上でバッグを落とし、道路に転がったバックの中身(お守りも)を拾っているの
          をロバート・テーラー(ロイ)は、助け一緒に非難する。
          人でいっぱいの非難場所で優しくかばうロイ・・・。
          マイラが踊り子と知り見に行く。そして二人は恋におちる。
          戦地に向かうにロイに、マイラは大事にしていたお守りを渡す。
          二人は、結婚式を挙げようと教会に行くが、結婚式は午後3時までしかとり行えない
          法律があるので明日の11時からにと断られる。
          明日に控えた結婚式の、買い物をして、公演に出かけようとした時電話が入った。
          ロイが急に戦地に行くことになり、駅に駆けつけ見送るマイラ。
          それが原因で公演に遅刻し、マイラをかばった親友キティ(ヴァージニア・フィールド)と、一緒にやめさせられる。
          病気になったマイラとの生活のためキティは、娼婦になっていた。
          ある日、ロイの母親と会うことになり、指定の場所で待っていた時、戦死者の欄で
          R・クローニンの名を見つけショック状態になり、店員に気付けにお酒を勧められて飲む。
          そうする内にロイの母親が現れる。
          息子の戦死知らせをしらない母親は、酔ってるマイラを見て誤解し、そのまま別れる。
          病気になったマイラとの生活のためキティは、娼婦になっていた。
          失意と生活苦の為、マイラも娼婦になる。
          だが、ある日ウォータールー駅で商売をしていると、引き上げ者の中にロイを見つける。
          過去を隠しロイと結婚しようとするが、やさしく接してくれるロイや家族の
          心づかいにいたたまれなく、ロイの母親に過去を話していまう。
          そして手紙を書き残して、ロイのもとから去って行く。
          ロイは、マイラのあとを追ってロンドンに戻りマイラを探すが、霧深いウォータ-ル
          ー橋を歩くマイラ・・・通り過ぎる車に飛び込む。
          そばにころがるピリケン。悲しい結末です。

          ☆「風と共に去りぬ」のスカーレットと全く違う、はかなげな女性を見事に演じたビビアン・リー、その美しさも際立っている。

          ロバート・テイラーは、コールマンひげがよく似合って、本当に二枚目です。

          ※―失われし青春―

          時として、わたしはおもう
          海辺の 美(うるわ)しい町のことを。
          その昔、なつかしい町の 陽気な通りを
          夢に、いくど 行きつ戻りつ したことか。
          青春の日は、わたしに よみがえり、
          風吹く丘の唄は、いまなお 想いでにまつわる。
          「わらべの心は 風の心よ わかき想いは とおき とおき想いよ」

          街路樹の ゆれる影をみつめ、
          ふいに 光のなかに 私はみる
          はるかな 海の耀(かがよ)いと
          幼い夢に描いた ヘスぺリデーズの島を。
          とおい昔の歌は くりかえし
          いまもなお、ゆるやかに 囁きうたう。
          「わらべの心は 風の心よ わかき想いは とおき とおき想いよ」

          さわやかに美(うるわ)しきは 猟(さち)の森よ
          さながら 苦痛にもかよう喜びに
          わが心 かしこへ 帰りさまよい、
          いまはなき とおき日の夢に
          喪失の わが青春(はる)は よみがえる。
          そして あの美(うるわ)しい、くしびの唄を
          くりかえし、いまのなお 木立はうたう。
          「わらべの心は 風の心よ わかき想いは とおき とおき想いよ」

          (H.W.ロングフェロー)松浦暢訳



          この詩の各節の最後の
          「わらべの心は 風の心よ
          わかき想いは とおき とおき想いよ」

          “A boy’s will is the wind’s will,
          And the thoughts of youth are long,long thoughts.”
          が、この映画に引用された。





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