堕落の天使

No,2



*advice=忠告
 beginning
街には今、奇妙な本が一冊異様に売れている。
其れは一見してヴィジュアル系統が出したような漆黒色で中央に真紅の薔薇がありその上から血が滴っていると言う表紙にadvice God.の題名。
これが売れ続けている。誰が書いて、誰に読んでもらうために世に出したのかすら分からない謎に包まれている一冊。
彼女もまたこれを買いに来ていた
「すみません。此処にadvice God.ありますか?」
「ええ。今人気ですよね。あなたの友人ももっているんでしょう?」
少女は店員の接客会話にニッコリと微笑み
「ええ。まぁ進められて買うんですけど」
「そうなんですか。あ、少々お待ち下さい今、持ってきますから」
「はい。」この本屋はごく普通ではない。
何が違うかというのは外観が蔦の絡まる洋館の風貌,中はテーブルとイス,そして微かに紅茶と洋菓子の焼ける匂いがし,それこそ洋館の書庫の様な本棚,なのにうん十年も昔の本から最新の本までおまけに店員かと思えば店長で、しかもアルバイトも何も居ない。不自然極まりなしだった。
「お待たせ致しました。こちらですよね」
「はい」少女の顔はパッと明るくなりまた微笑し「会計。幾らですか?」
「会計の前に此処で少し御茶致しませんか?」
「ぇ?此処で?」
「ハイ。当店は私の趣味で紅茶と洋菓子全般を造りお客様をもてなして居るんです」
「へぇ…じゃあそうします」
「かしこまりました。では、其処におかけになって少し待ってて下さい」
少女は言われたままイスに腰掛け大人しく店長の戻りを待った。数分後ににこやかに微笑みながら
「おまたせしました。口に合うと良いのですが…」と言いながらクッキーと紅茶を運んできてくれた。
「頂きます…!?おいしい」
店長も気がよくなったのか微笑し「恐縮ですよ」
「いいえ。本当に美味しいです!私の友人よりも何倍も美味しいですしこの紅茶もお菓子に合ってるし」頬を紅潮させ一気に感想を述べられ
「そんなに言われると作ったかいがあります。ちなみにその紅茶はローズティー。薔薇の香味ですそのクッキーには少しばかりハーブ入っているんですよ:」
「へぇ…凄いなぁ、店長さん!私、このお店が前よりもずっっと好きになりましたっ」嬉々と言い花のような笑みを零しクッキーを頬張る、
その姿はつい見入ってしまうほど愛らしさが見える。
「ところで・・お名前伺って好いですか?」
「あ、私 葉梨 鈴華 です」と立ち上がり名を名乗り最期にペコンと髪を軽く踊らせるように頭を下げた。
「実に綺麗な響きのある名前だね。私のことも店長ではなく 凪で好いよ敬語も疲れるだろうしね?」
「はいっ」
-この子は、一体何歳なのだろう?こんなに無邪気な高校生は今時あまり居ないだろうし…鈴華もなんだか聞き覚えのあるし
「?凪サン?私なんかした?」ふっと凪の思考に鈴華が心配そうに顔を机を挟みながらも覗き込んでいた。
「いいえ。鈴華サンは一体幾つなのかなって」
「ああ。17歳だよそれと…サン付けしなくって結構だよ。なんか…照れちゃう」それを聞いて面食らってしまうのを必死に心の中へとどめる-17!?私なんかより5歳下なのか? 
「そうだ。その本 実は私もどんな内容なのか、正直良く知らないんだ」
「へぇ~ぢゃあ今ちょっと読んで良い?」
「?どうぞ」そう言うと鈴華は器用な手つきで綺麗にカバーを外し静かに読みふけった。


nexst?


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