あんよは上手 ♪

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05富士登山競走


第58回 富士登山競走 21キロ
770メートル地点から3776メートルの山頂を目指す
約3000メートル身体を押し上げるレース

山梨県富士吉田市 富士登山競走


すっげ~体験をしてきました。
かなり異質なこのレースは凄すぎでした。
異常な世界。
私の知らない世界でした Σ( ̄□ ̄;)!ハウッ
結果は時間オーバーリタイア。
遠足気分では無理だってことです (♯ ̄▽ ̄♯)ゞポリポリ
本八合目、4時間33分で、ここから下山しました。

大会前日、会社から直行し大会臨時駐車場に21時頃到着。
でっかいグランドに車は僅かしか止まってません。
しかし大会から届いた地図は分かりにくかった。
車中でサンドイッチを食い、すぐ寝る。
蒸し暑かったので、少し窓を開けて寝たのだが、夜中に寒くて目をさました。
車中にあった小さな毛布をかけて寝たのだがまだ寒くて寝つけない。
しばらくして薄手のジャンパーを持ってきたのを思い出し、それを着て寝たがそれでも結構寒かった。
来年、来る時はしっかり準備してきた方が良さそうだ。

朝、5時起床。天気は晴れ。
富士山が静かに待っているようだ。
富士スタート前

装備は、上は半袖シャツ、下はCW-Xロングタイツ。
シューズはアシックスの軽量ゲルフェザー。
リュックには1リットルハイドレーションシステム、Powergel×2個、塩、携帯電話、傷テープ。
駐車場からマイクロバスが15分間隔で会場と往復している。少し待ってすぐバスは来た。
5分ほどで富士吉田市役所に到着。
自分は着替えて手荷物無しで会場まで来たが、ほとんどの人は会場で着替えているようだ。
富士山方向へ向かって、軽くウオーミングアップラン。20分ほどで戻る。

スタート間もなくと思いスタート地点へと向かうがランナーは少ない。
変だと思ったら、30分勘違いしていた。このままここに並ぶ。
約35分並んだせいか、前から20メートル程の位置かな。
スタート間もなく、市役所職員が高台に上がり「本日は残念ながら晴天だそうです…」と始める。普通の大会と異質な感じが笑える。
何度か優勝している女性ランナーの挨拶と地元消防団員ランナーのいかした挨拶のあと、7時半にスタート。

前後左右はランナーで一杯。少しの間、押し合いが続きます。
何でこんなに人を押そうとするのだろうか。後ろからすごい圧力を感じます。
隣の人は前の人を両肘で押している。
私を手で制止ながら自分は前に行こうとする人もいる。
事故になっても不思議じゃありません。 (;´Д`) ちょ、ちょっと

市街地を通り、富士山方面へ向かう。
市街地からいきなり上り坂が続く。「早速上り坂、もうずっとなんだよな上り坂…」この辺はキロ5分半くらいのペースか。
吉田登山道に入り、いよいよ山の中です。スタートして間もないのにすでにバテバテ。
30分が何と長いことか…。
ロングタイツをはいてきたことを悔やむ。暑くて辛くてタイツが蒸れて不快感が一杯。
考えないようにしようと思いながらも何度も、短パンにすれば良かったと後悔する。
一方、舗装道路を走っている分には山岳用シューズを選択しなかったことは正解だった。
スタートしてまだ間もないのにこんなにバテてしまっている (T ^ T)なんでや~

早々と路肩に寄りPowergelを摂取。
少し行って最初のエイド、中の茶屋で冷たい水分補給。頭にかぶる水が気持ちいい。

目指すは、11キロ地点の馬返し。
ランナーズに掲載されていた富士登山競走攻略法では昨年、4時間25分から制限時間内にゴールした151人の平均通過タイムでは、馬返しは1時間8分だ。
それが目標なのだが、一向に馬返しが見えない。
足場も次第に悪くなって走りにくい。
馬返しというだけに馬はマジで通り抜けできないほどの足場の悪さ。
坂がきついだけでなく、所々何のためなのか?人工的に大穴が空いている。
すでに皆、歩きになっている。完全に皆、歩きだ。
間もなく目標の1時間8分だ。
「マズイ!馬返しが近いような気配が全く感じない」森林浴を感じながら思いっきり酸素を吸い込む。急にパワーが蘇る。
がんばってここから走った。走っている人は他にいない。
皆、間に合うつもりなのか?ひたすら追い抜く。
目標を11分もオーバーし馬返し関門は1時間19分で通過。
こんなんで ( ̄口 ̄;)大丈夫か…?。

次は五合目。目標は2時間9分。
ここも殆ど皆歩いている。時間が気になるので時々、歩いている人たちの横を走り抜ける。
ここも目標時間を越えてしまった。

しばらくいくと、「あと5分で~す。あと300メートルです!」と声が聞こえた。
「何!?制限時間?途中関門があることをすっかり忘れていた。間に合うか?」
必死に駆け上がる。 (ノ`Д´)ノ 狭い通路を隙あれば追い抜く。

何とか五合目関門、制限時間2時間半の所を2時間27分32秒で通過。
ここのエイドでまた冷たい水を補給する。レモンが超うまい!
この一帯は登山客も多く、応援もにぎやか。
小休止しているランナーも多いが、タイムが心配なのですぐ走り出す。
地面は砂利や火山灰らしいものが交じっているよう。滑る。
この辺を走っているのは私だけで、目立っていたかな。 ε=ε=(┌  ̄_)┘
50人ほどは追い抜いたと思う、が、歩きに変更。
列

五合目までは、森林だったが、それ以降は遮るものは何もなくなった。暑いです。
地面はとにかく滑る。ここは山岳用シューズが登りやすいでしょう。
ワンタッチで山用でこぼこ部分が浮き出るシューズがこの世にあったらいいのにと考える。
時々、走る。
上に行けば行く程、険しくなっていく。もう走れる状況ではない。
大きな岩をつかんではよじ登る。鎖をつかんでは這い上がる (。x皿x)
足がズルっと滑る瞬間に左ふくらはぎに軽い痙攣が起きる。
今日、ここまで、何人も途中で腰を下ろして足をつかんで苦しそうにしているランナーを見てきた。
「俺もそうなってしまうのだろうか」と頭をよぎる。
しばし、ふくらはぎのマッサージ。

上を見上げると、村の衆が山の神様を祀りにでも行くように、広い富士山をにジグザグに一列に繋がりながら歩いているのが見える。
振り返ると雲が下に見える。
下から雲がこちらに向かって流れてくる。
辛いながらもこの異様で壮大な自然の姿に感動 (。 ̄□ ̄)オォォ

次の目標は本八合目の3時間52分。
なかなか前に進めない。
一歩一歩がしんどい。
腰の痛みは去ったが、顔を上に上げられないため、前傾姿勢で背筋が苦しい。
背筋、腹筋とも筋力不足を痛感する。
少しだけ止まって深呼吸とストレッチをしても、前に踏み出す一歩がやはり辛い。
何とか顔を上げようとすると、めまいと吐き気を催してくる。
何となく頭痛もする。これが高山病なのか?深呼吸してもよくならない。
娘達に応援メッセージをマジックで書いてもらったシューズを履いてきたことを励みに、
ここまで何とか来たのだが… ヾ(≧□≦*)ノ

八合目にやっと着いたが、タイムを計測するマットがない。
ここは違うのか?
山小屋そばにしゃがんでいた二人のランナーの会話を聞いて愕然とする。
「ここは八合目なんですか?」
「八合目は3つほどあって本当の八合目はまだまだ先きです」 なんですと?(`□´;)
ガ~ン!!聞かなけりゃ良かった。道理で…。
その先きを気持ちだけは急いでいるが、その本八合目はなかなか見えない。
「もう直、制限時間だ。だめか…」
次の山小屋まで何とか登った。
ここから下山道を下って行くランナーが目立つ。
しかし、まだ制限時間までは時間がある。
「とりあえず本八合目までは行きたい」 ヽ(#`皿´)ノ 必死に登る。
きっと亀の様だろう。

少し肌寒くなってきた。
3400メートルの表示が見えた。
「もうすぐ八合目で~す」という声が聞こえた。
その瞬間、力がみなぎる。
やっと本八合目到着。マットを踏んで4時間33分。 ヽ(TдT)ノリタイア…

ここでもらったパンパンに袋が膨らんだアップルキャンディを頬張る。「う、うまい」
ここからバスが待っている五合目まで自力で下山です。

頂上を見上げると、ずっと上から駆け降りてくるランナー達の砂埃が連なって見える。
かえりだかえり
ずっと下までそれが続いている。 w( ̄Д ̄;)w
「しかし、すっごい壮大な景色だなあ、何なんだあ?この異様さも」「完走したランナー達もきっとこの中にたくさんいるんだろうな」
首にかけているバンダナをマスク代わりにする。
地面は急なだけでなく火山灰混じりの砂利で思いっきり滑る。
しっかし足場が悪い。そして半端じゃない砂埃。
シューズ中に入った砂利を取り除くため何度も立ち止まる。
「きっと完走したランナーの足取りは軽いのだろう。次々と飛ばしていくのがそうだろう」
「自分はどうだ…」頂上まで行けなかった悔しさが急に込み上げてきた。
娘達に絶対完走して帰ってくるからなと言ったのにと思ったら、な、涙が-。
「悔しい、悲しい」「しかし、一体あとどのくらいで五合目に辿り着くのか、なげ~よ」
途中、たくさんの登山客とすれ違ったが、富士山で自然を堪能するには今日は無理だろう。
頂上から下までずうっと砂埃の嵐だよ。
マスクなどしていないランナーの顔はしわに汚れが付着して彫の深い外国人のようだ。
外国人といえば登山客の過半数が日本人じゃない。
どうして外国人がこんなに多いのだろうか。

五合目まで1時間半もかかった。
頂上からだと2時間は降りなければならない。
これをものともしない体力と精神力もなければ完走はできないだろう。
しかし、この怒濤のごとく異様な下山には、マスクとサングラスが最低、必需品だ。
全身、埃まみれで髪の毛もごわごわだ。
五合目では、おにぎり3個のお弁当をいただく。
バスの所まで少し歩く。
観光バスで40分後、市役所に到着。
ここまで来て気がついた。
ゼッケン受け取り時にもらったパンフや記念メダルを五合目荷物引き渡し所から受け取ってくるのを忘れたしまった…。
記念は思い出とゼッケンだけとなってしまった。 (┳o┳)

会場では表彰式が行われている。
私の近くに海上自衛隊と書かれたランシャツを着たランナーが数人いる。
このような猛者の中に交じって競技できたことだけでも光栄だった。
会場で振る舞われるうどんが具沢山で旨い。
シャワーはたくさんの行列だ。
自分はこのまま汚れたままで、マイクロバスに乗り、駐車場へ向かった。

しかし、行きも帰りも凄いレースだった。
GTメールでの私の山頂到着予想は5時間17分だそうだ。
まだまだです。
富士山は広い。
山頂は遥かに遠い…。ゴダイゴのガンダーラのようだ。
残念だったが、この体験は大きい。
楽しかったなあ、 来年はリベンジだ\( ̄^ ̄)/


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