はぴぶら☆しあわせ探し♪日記

はぴぶら☆しあわせ探し♪日記

幽体離脱できる女の子


僕は「不思議少女ナナちゃん」と呼んでるのですが、
彼女の話をちょっと。
ええ、不思議な話ですよ。


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


「あやまさん、不思議な話聞きたいですか?」

笑顔でやってきたのはナナちゃんでした。
当時まだ20歳で、外見は、ぽわーっとしてるように見えて
……ええ中身もぽわーっとしてるんですけども(-_-;)


「聞きたいでしょ、あやまさん」

「うん。なになに?」

「わたし、昨日、幽体離脱したんです!」


ひぇぇぇぇーっ!
超常現象話のお話大好きです♪
でも幽霊とかはよくありますが、幽体離脱の話ははじめてです。


けれどもあの「ぽわーっとしたナナちゃん」が幽体離脱?


まぁ、仕事中はたまに机に突っ伏して、遠い世界へと旅しているようですが(俗に居眠りという)。
それに話が飛んでしまい、話題離脱もしているようですが(←失礼)。
鋭さ、というか霊感なんてまったくなさそうなんですが(←さらに失礼)。


「ナナちゃん、夢見てたんじゃないの?」

「ひどい!あたしは幽体離脱したんです!」


ナナちゃんはいつになく真剣でした。



○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


「夜中に寝てたら、ふっと自分の身体から抜けることができて、
気付いたら上から自分の寝顔を眺めてたんです」


まぁ、テレビとかでよく聞く話ですよね。
予想の範囲内です。


「わたし、寝てるときにヨダレたらしてたんです。
みっともない、恥ずかしい」

……ん?
僕はちょっと引っかかりました。
なんかちょっとリアルじゃないですか?


「それであたし、ひとまず外に出てみたんです。
窓と雨戸をすり抜けて、外に出たんです。
ちょっと雨が降ってました」


……あ、昨晩は昼間からずっと小雨が降り続いていました。


「それで、しばらくふわふわ飛んでたんですけど、なんとなく
お隣のうちにお邪魔しに行ってしまったんです。なんとなく」


な、なぜ、隣に?
ああ、なんとなくですね(-_-;)


「それで玄関からすり抜けて中に入って、居間にお邪魔したんです。
天井にすこし傾いたシャンデリアがあって、テレビの上にはハワイアンの人形があって、
棚にはお酒がいっぱい並んでるんです。
すごくないですか?
行ったこともないお隣さんの居間を見てきたんですよ」


やたらとつぶさな観察に僕はいつしか、

「幽体離脱って本当にあるんじゃないか?」

そんなことを思い始めていました。

だってやたらと真実味がある話じゃあないですか!
具体性だってありますし。
それになにより。
ぽわーっのナナちゃんがそんな嘘をつくとも思えません。


「それでナナちゃんどうしたの?」

「はい、台所に行って冷蔵庫の中身をチェックしようと思ったんですけど……」


……をい。
君はなんで、幽体離脱までして隣の冷蔵庫を覗きに行くんだ?
なんの意味があるのだ、その行動に。


「ど、どうして?」

「いや、なんとなく」


……な、なんとなくだそうです。


「はいはい、それから?」

「結局、そこで終わりでした。残念でした」


……ま、隣りの晩御飯じゃああるまい、覗いても楽しいことはそんなになかったと思うんですが……。

オチがないところもまたリアルですよね。



○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



なにがともあれ、世の中には不思議なことがあるもんです。

僕はこの世神秘をすべて知ってしまったくらいの大きな気持ちで(←今日のおバカ)
ナナちゃんに話しかけました。


「そっか。じゃあ今度うちにも来てね、ナナちゃん」

「本当に幽体離脱したんですっ! あやまさんも信じてないでしょ!!」

すっかり僕も「ネタのために幽体離脱したい」と思っていたのに、ナナちゃんはすこし怒っているようでした。

「あやまさんも!」
と言ってますし、きっとよその先輩にからかわれたのでしょう。
ま、無理もないんですけどね……。

「確認したんです! あたし、朝、お隣さんに行ってきたんです」


……をいをい。
なんていう行動力!
どうやってお邪魔したんでしょう。


「あ、ども♪ 幽体離脱してお邪魔したんで、確認させてください♪」

とか。
……実は聞きそびれたんですけど、とにかくお邪魔したらしいんです。


ナナちゃんは真剣に僕を見つめています。

さあ、話もそろそろクライマックスです。
事実があったら、僕だって幽体離脱の存在を信じるしかないじゃないですか!!
それだったら幽体離脱の事実を世間に公表しなければなりません♪
そして僕の人生観だって変わってしまうということにだって!!
真実の扉が今、開かれるのです!!


だから僕も問わずにはいられません。

「そ、それで、ナナちゃん。
お邪魔して、居間のシャンデリアは傾いてたり、
ハワイアンの人形があったりを確認できたの??」


「それが」

ナナちゃんはにっこりと微笑みます。

「居間は幽体離脱で見たのと全然違う感だったんですけど♪」

「…………」

「でもあたしは絶対幽体離脱したんです!!!」

「…………………」

僕は大きく息を吸い込みます。
そうして町中の人が振り返りそうな声で叫びました。







「完全に夢じゃん!!!!」






●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


みなさんも幽体離脱したことありますか?
あるいは隣りの冷蔵庫が気になったことがありますか?
よろしければおしえてくださいませ♪

それではまた♪





© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: