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山さんの刑事部屋
5(完)
『ブラザーブラッド』
登場人物表
柿原 衛(二六)男性。銀行員。
沢城 武(二八)男性。衛の兄。
能登 奏(二〇)男性。フリーター。
中村 慎吾(三〇)男性。衛の同僚。
中村 麗華(二八)女性。慎吾の妻。
稲田・・・男性。衛の上司。
阪口・・・男性。衛の同僚。
野島・・・男性。奏のお目付け役。
洪/成/元・・・すべて男性。野島の友人。
ミヤビ・・・女性。ガールズバー店員。
ロクさん・・・男性。監視員。
福山・・・男性。外交官。
エルンスト・・・剣士。ゲームキャラ。
メロディ・・・聖女。ゲームキャラ。
●領事館・応接室・夜
瀟洒なデザインの室内。
部屋の中央に、場違いな拷問器具。
台座から屹立した鉄の支柱。
頂点には左右に伸びるアーム。
アームに取り付けられた滑車とロープ。
ロープの先は絞首縄状に。
輪に通された衛とミヤビの頸部。
手足を拘束されて直立姿勢。
口枷を嵌められた顔が前を向く。
向かい合うテーブルにティーセット。
ソファに悠々と掛ける老紳士・福山。
英国製スーツに季節外れのストール。
福山「外してあげなさい」
二人の口枷を外すメイドA。
メイドB、カップに紅茶をサーブ。
口が自由になって咳き込む衛。
衛「・・・何なんだよこれ」
不自由な首を回してミヤビを見る。
支柱越しに見えるミヤビ、ぐったり。
衛「ミヤビさんに何をした!」
福山「不当な事は何も。少々お暴れになった
ので、やむなく鎮静処置を」
一瞬、膝が抜けそうになるミヤビ。
衛「ぐっ」
衛の首縄が瞬時に絞まる。
床から離れかけた衛の爪先。
メイドA、落ち着いてミヤビを支える。
連動して緩む衛の縄。
衛「・・・一体どうなって」
福山「単純な仕組みです。シーソーと同じ」
満足そうに紅茶を味わう福山。
虜囚の苦悶の表情を見ながら。
福山「お連れ様を死なせたくなかったら二本
の足で立っていて下さいね」
●同・前・夜
閉ざされた門の外で押し問答。
押しかけた男と門外の警察官。
館内からも職員と警備員が出て来る。
外国語でまくし立てる男。
中に入れるよう要求している様子。
*****
二十メートルほど離れた路上。
路駐された郵便車。
領事館前の騒動を見守る運転手。
無線機で誰かに連絡を。
●同・裏・夜
領事館の裏にある民間パーキング。
一番奥に駐車された冷凍車。
●冷凍車・車内・夜
設備が全て取り外された庫内。
迷彩戦闘服姿の男たちが蹲る。
顔にはそれぞれ違ったペイント。
その中心に、奏と野島の姿。
受信機に耳を澄ます野島。
野島「駆け込み亡命みたいですね。いい具合
に揉めてくれてます」
奏「・・・行こう」
●領事館・裏・夜
後部扉から降り立つ五人。
奏と野島の他は、洪・成・元の三人。
目隠しの生垣を手早く刈り取る元。
その向う側は領事館の塀。
奏「まだ突っ込まないの?」
野島「警報、それにこの塀の上にも電流が。
まあ見ててください」
腕時計の蛍光文字盤を見ながら。
野島「あと一分。装具用意」
男たちの手に鉤付ザイルやカラビナ。
野島「あと十秒。非常電源作動までは二十秒。
出遅れた奴はトーストだぞ」
次の瞬間、一帯の灯が全て消える。
●同・敷地・夜
最後に塀から転げ落ちる太っちょの洪。
まるでハンプティ・ダンプティ。
振り返って物音を戒める野島。
先行する成と元、奏は野島の傍。
改造スプレーガンを取り出す成。
監視カメラに向けて発射。
建物の裏口に駆け寄る元。
同時に内から開く扉。
慌てて飛び出す二人の警備員の影。
元、背後から一人に組み付いて。
気づかず先へ進むもう一人。
成が脚を搦めて地面に倒す。
元と成に向けて、野島ハンドサイン。
野島「(ハンドサイン)穏便に、穏便に」
倒した警備員を尻目に元は裏口へ。
後を受けて失神者を物陰に隠す成。
次の瞬間、明々と照らされる敷地内。
すかさず建物の影に潜む野島たち。
元が裏口から顔を出す。
野島「(ハンドサイン)警報は?」
元「(ハンドサイン)切った」
元に続いて裏口から侵入する一行。
●同・応接室・夜
消えていた明かりが再び灯る。
瞬きしながら目を慣らす福山。
福山「外を」
メイドB、廊下に出て行く。
デスク上の電話が鳴る。
福山、メイドAに目配せ。
電話を取り二三言交わすメイドA。
受話器を押さえて福山を呼ぶ。
福山、ソファを離れてデスクへ。
●同・三階廊下・夜
エレベーターホールに続く廊下。
メイドBの眼前で開くエレベーター。
慌てふためいた警備員がよろめき出る。
素早く駆け寄って体を支えるメイドB。
メイドBの耳に何事か囁く警備員。
●同・応接室・夜
微かに動くミヤビの唇。
ミヤビ「・・・お怪我は?」
聞こえるか聞こえないかの掠れ声。
衛「コレが、痛いだけ」
縄を軽く揺らし、同じく小声で。
ミヤビ「・・・よかった」
衛「良くない。ミヤビさんが酷い目に」
ミヤビ「・・・ボクはどうでも」
衛「これも大切な人とやらのため? 自分は
何ひとつ危険を冒さない卑怯者の・・・」
ミヤビ「・・・違います」
思いの外、強い声。
電話に向かって熱弁する福山。
恭しく控えるメイドA。
二人の会話には気づかない。
衛「違うって何が」
ミヤビ「ボクたち、三人しかいないから」
衛「・・・たち?」
ミヤビ「あなたの見ていないところであの方
はいつも・・・お父上の時だって・・・」
衛の瞳に宿る戸惑い。
メイドBが戻ってくる。
電話中の福山を一瞥して。
空になったカップに紅茶をサーブ。
●同・一階廊下・夜
監視カメラに吹きつけられるスプレー。
無人のビザ申請窓口を通過する奏たち。
しんがりを務めるは洪。
一行が過ぎた直後にトイレから人影。
のんびり手を拭くスーツ姿の職員。
場違いな迷彩集団の後ろ姿に驚愕。
ハンカチを投げ捨て、懐に手を。
気づいた洪、素早く巨体を踊らせる。
下敷きになった職員の手からインカム。
先陣も二メートル級の職員と遭遇。
小柄な元を捕まえようとする巨人。
元、股下を滑り抜け後ろから蹴り。
腰を蹴られて前にたたらを踏む巨人。
成、傍らのベンチを器用に蹴り上げて。
巨人の顔面にクリーンヒット。
*****
給湯室にまとめて押し込まれた職員。
廊下から眺める奏。
奏「趣味の集いって・・・何の趣味なのさ」
野島「ワンダーフォーゲル同好会です」
奏「普段は熊とでも戦ってるの?」
野島「最低限の護身術ですよ。今は国際問題
化も避けないと」
●同・応接室・夜
受話器をメイドAに渡す福山。
メイドB、福山に耳打ち。
福山、衛たちに微笑みかける。
福山「近隣一帯が停電だそうです。この国の
インフラは案外脆弱と見えます」
メイドAに手で合図。
福山「さっさと始めましょうか。あなた方も
退屈でしょう」
*****
拷問機のハンドルを回すメイドA。
組み合わされた滑車が回転。
引き上げられる縄、衛の足先が浮く。
抵抗むなしく宙吊りになる衛。
活きのいい鮮魚のようにビチビチ。
撓む反対の縄、膝をつくミヤビ。
福山「・・・ダウン」
メイドA、ハンドルを逆回転。
衛の足がつき、ミヤビが起こされる。
死にそうなほど咳き込む衛。
福山「どうです。そろそろ話す気になって頂
けましたか」
衛「・・・どうしてここまで」
福山「それはあなたが一番ご存知でしょう。
捕まったスパイの運命がいかなるものか」
衛「スパ・・・それ何かの間違い」
抗弁の途中で福山の合図、拷問再開。
福山「・・・ダウン」
冷徹に命令に従うメイドA。
衛の苦悶、さらに増して。
衛「もう・・・やめて・・・」
福山「ならば素直に教えて下さいよ。あなた
がどうやって存在しない筈のセキュリティ
ホールに気づき、それを突破したか。そこ
から得た情報を何処へ流したか。そもそも
あなたの雇い主は?」
メイドBに紅茶のお代わり催促。
福山「この国の機関ではありませんね。赤子
同然の防諜後進国にはとても出来ない芸当
でしたから。それにあなたを守る二重三重
の壁。今まで我らの手駒を何人失ったこと
か」
衛「本当に何も知らない。見当もつかない。
知らない事をどうやって」
合図、繰り返される絞首、そして緩和。
衛、もはや自分の足で立つのも困難。
膝が折れるに従ってミヤビの足が浮く。
ミヤビの喉から弱々しい呻き。
福山、視線をちらり。
福山「そちらの青年・・・いやお嬢さんかな。
彼女に訊いた方が効率的かも知れませんね。
あなたほど腹が据わったエージェントも他
にいないでしょうから」
メイドA、ハンドルを逆回転。
吊り上げられるミヤビ。
唇と鼻腔から血が流れ始める。
膝をついた衛、くわっと開眼。
衛「・・・もうやめろ」
福山「はい?」
衛「全て話す! だから今すぐやめろ!」
●同・二階廊下・夜
両側にオフィスが並んだ廊下。
四方を警戒して慎重に進む奏たち。
野島「平日の夜にしては人が少なすぎる」
奏「よっぽどホワイトな職場なんじゃない」
野島「事情を知らない職員は遠ざけているん
でしょう。それにしても・・・」
成たち、オフィス内を一室ずつ確認。
一つの部屋の前で手招きする元。
*****
部屋を覗き込んで呆然とする一行。
めちゃめちゃに破壊されたオフィス。
あちこちでのびている男たち。
散乱する鈍器や刃物。
奏「国際問題は避けられそうにないね」
野島「・・・無頓着な先客がいるようです」
気苦労を感じさせる溜息。
一番手前に倒れていた男。
突然飛び起きてナイフを野島に。
野島、凶器を叩き落としてワンパン。
再び倒れる男、その間一秒弱。
●同・応接室・夜
縄に引き上げられながら睨む衛。
ミヤビの足が床につく。
衛「彼女の縄を解け。解かないと吐かない」
福山「実に慈悲深い。いいでしょう」
福山の目配せで首縄を外すメイドA。
ぐったりと床に崩れるミヤビ。
衛「ミヤビさん! ミヤビさん!」
呼びかけにピクリともしない体。
衛「・・・惨すぎる」
福山、紅茶を啜って残念そう。
福山「冷めてしまいました」
衛「こっちを向け外道! お前がやった事を
その目で見ろ!」
福山「急に威勢が出てきましたね。結構」
ミヤビの傍に屈み込み、手を伸ばす。
か細い首に刻まれた条痕を撫でて。
福山「・・・美しい」
衛「な!?」
立ち上がって衛と正対する福山。
福山「美しいと思いませんか。これこそ生命
が紛れもなく存在した証。命と引き換えに
得た死の装飾品」
衛「・・・一言も理解できない」
福山「頭で解らなくとも体で解ったのでは?
あなたには見えませんでしたか、朦朧たる
意識の果の永遠を。感じたでしょう、苦悶
の先に繋がる夢精せんばかりの快楽を」
自分の首のストールを引き抜く。
福山の頸部を一周する古い傷痕。
福山「私には一瞬しか見えなかった。ネバダ
での降下訓練・・・パラシュートが開いた
瞬間に紐が・・・」
自分の世界に入った福山。
外したストールで首を絞めるように。
福山「どうしてすぐに助けた・・・もっと見
ていたかったのに・・・宇宙よりも美しく
孤独なあの深淵を・・・」
衛の前で踊り回る福山。
メイドAの咳払いで我に返る。
福山「これは失礼。少々はしゃぎすぎました。
・・・酸素」
メイドB、しずしずと小型ボンベ。
福山、酸素を一服して冷静に。
衛の首に両手を軽く添えて。
福山「さあ、約束通り吐いて頂きましょう」
福山の手の下で震える衛の喉。
福山「どうしました?」
衛「アハハハハハハハ!」
衛、狂気じみた大笑。
●同・三階エレベーターホール・夜
何度も開閉を繰り返す扉。
かご内に上半身を入れて横たわる女。
あられもない下着姿で。
腰の辺りを延々と扉に挟まれ続けて。
その姿を黙って見下ろす奏たち。
●同・応接室・夜
まだ続いている衛の哄笑。
首に手をかけたまま無言の福山。
衛「アハハ、アハ、アハ・・・スパイか何か
知らんけどバッカじゃないの。こんな素人
のハッタリを真に受けちゃってさ。情報も
クソも知るかっつーの。これ以上あの子が
痛めつけられるのを見てらんねーんだよ。
僕を殺りたきゃ勝手に殺れよ変態ジジイ。
ションベンとクソまき散らして、このいけ
好かない部屋に僕を永遠に刻んでやる!」
福山の両手に力が入る。
蛙のような声が衛の口から。
福山の肩を叩く手。
メイドBである。
廊下への扉が内側に吹っ飛ぶ。
洪、戸口でミドルキックのポーズ。
メイドAの両手に光る峨嵋刺。
洪に向かって突進!
洪の頭上を越えて背後から元の攻撃。
拳と蹴りの応酬の合間に閃く暗器。
奏「マモっちから離れろ!」
室内に駆けこんだ奏、福山に叫ぶ。
福山、固まったように不動。
メイドBの手を肩に乗せたまま。
奏「聞こえないのか!」
そのまま詰め寄ろうとする奏。
福山「・・・動くな、こいつが死ぬぞ」
奏の足が止まる。
福山「誰か早くこっちに・・・」
元とメイドAの戦闘は続く。
次第に押され、傷つく元。
助太刀の洪もメイドAの蹴りに撃沈。
何処からか脚立を持ち出した成。
突き出された峨嵋刺を受け止めて。
その勢いでメイドAに振り下ろす。
腕ごと踏板の間に嵌るメイドA。
封じられた敵の頭部に洪の回し蹴り。
福山「貴様らいい加減に・・・」
野島「動けないんでしょ?」
奏を制して前に出る野島。
福山「待て、本当に喉を潰すぞ・・・」
構わず歩を進める野島。
衛を絞める福山の両手を掴んで。
力任せに引き剥がす。
そのまま膝から崩れる福山。
福山の肩から手を離すメイドB。
衛の元に駆け寄った奏。
メイドBの顔を見て唖然。
奏「・・・タケシさん!?」
照れくさそうに微笑むメイド姿の武。
武「カリスマメイドの淹れたお紅茶が効いた
みたいだな」
*****
目を開けたまま硬直して横たわる福山。
野島に爪先で顔をツンツンされて。
縄を外された衛、奏の膝の上に。
奏「マモっち、マモっち・・・」
応えない衛。
武は倒れているミヤビの傍へ。
頚静脈に指を当て、顔を歪める。
野島「ちょっと、どいててください」
ミヤビを抱え上げた野島。
後ろ抱きで活を入れる。
一瞬の後、息を吹き返すミヤビ。
奏の方を向いて、野島得意げに。
野島「見ましたか、若・・・」
奏、膝抱きにした衛に唇を重ねて。
思わず目を逸らす野島。
慰めるように肩を組む武。
何度目かの口づけの後、戻る衛の息。
薄っすらと瞼を開く衛。
奏「・・・おはよ、オーロラ姫」
●同・一階ロビー・早朝
硝子扉から射し込む清浄な陽。
その光を浴びて佇む戦士たち。
左右から衛に肩を貸す奏と野島。
ミヤビをお姫様だっこするメイド武。
足元にはいつの間にかキャリーケース。
奏「いいの? あのジジイほっといて」
武「あいつは<ペルソナ・ノン・グラータ>
だよ。既に母国からも見放されてる」
奏「絞め殺してくれーとか泣き喚いてたけど」
慎重に出口の様子を伺う野島。
野島「どうします、我々と一緒に裏から?」
武「いや、正面から出るよ。車を置いてる」
奏「ちゃんとお医者に見せてあげなよ、その
お姉さん」
武「おう。無保険だから闇の方だけどな」
二人に支えられた衛。
衛「あに・・・兄ちゃん」
武「なんだ弟よ」
衛「その・・・・・・ありがとう」
武「おい、調子狂うな」
武、まんざらでもない様子。
衛「一つだけ聞いていい?」
武「一つと言わず幾つでも」
衛「親父の事故のこと・・・」
武、一瞬動揺の色。
すぐに遠い目になって。
武「さあ。忘れたな」
そのまま行きかける武。
衛「これからどうしたら・・・」
武、歩みを止めて。
武「後始末は任せとけ」
奏「マモっち、もう逮捕されない?」
武「不幸な行き違いで済むよ、きっと」
ミヤビを抱いたままケースに手を。
衛「あと一つ」
再び動きを止める武。
武「幾つでもとは言ったけどさ・・・」
衛「そのケース」
武「ああこれ」
無造作にキャリーケース一蹴り。
武「おい、両手が塞がってるんだから自分で
歩けよ」
一人でに回る数字錠。
パカンと大きく開く蓋。
呆気にとられる衛たち。
ケースから這い出した超小柄な男。
ロクさん。
服の埃を払って関節を曲げ伸ばし。
ロクさん「乱暴だなあ、ったく」
衛に向かって一礼。
ロクさん「長らくお世話に。風呂と便所だけ
勝手にお借りしました」
ケースを畳んで持ち手を調節。
武「ロクさん、抱くの替わってよ。ここじゃ
ほとんど働かなかったんだからさ」
ロクさん「人使い荒いよ。ピンチヒッターは
出番が無い方がいいのに」
文句を言いながらミヤビを受け取る。
小さな体に漲る怪力。
武、代わりにキャリーケースを。
衛「もう行くの?」
武「ああ。こいつの容態が急変したら困る」
ロクさんの腕の中のミヤビ。
弱々しい笑顔でバイバイ。
歩き出す武たち。
衛「また作ってよ、美味いオムレツ!」
武、振り向かず軽く手を挙げる。
三人のシルエット、陽光に溶けて。
*****
成、野島に駆け寄って耳打ち。
野島「行きましょう。今なら誰にも見られず
トンズラできます」
奏「あれ・・・!」
奏の指す方を見て凍りつく衛。
床に長々と残された血の痕。
武が去った方に尾を引くように。
●市立医療センター・ロビー・午前
麗華の押す車椅子で退院する中村。
麗華「罪は一緒に背負ってあげる。腐っても
夫婦だもん」
中村、無言。
麗華「でも、一つだけ赦せない罪があるの。
分かってるでしょ?」
二人の向かう先、待つ刑事たち。
●㈱スカベンジャーズ・事務所前・午前
門を出んとする廃棄物トラック。
横ざまにぶつかってくるキャリアカー。
トラックを押したまま門前に横づけ。
キャリアの荷台から次々と降りる車。
そのまま敷地内に進入してゆく。
黒塗りの車群を迎え撃つトラック群。
砂埃の中で鳴り止まない衝突音。
●公園・午後
少年時代に遊んでいた公園。
馬型ジャングルジムの上。
横ざまに掛ける衛と奏。
衛、空を見上げて。
奏、足をぶらぶら。
奏「電話つながった?」
衛「やっと」
奏「やっとか。ひねくれた兄上を持つと苦労
するね」
衛「兄ちゃん、カナデも弟と思ってるって」
奏「げっ、マジ? ・・・で、今どこに?」
衛「ジャマイカだとさ」
奏「今度は何だろ、小型核爆弾とか?」
衛「さあね。知らぬが花」
奏「仏じゃないの?」
衛「どっちでも同じでしょ」
奏「じゃあ、知らぬが仏花」
衛「勝手にくっつけんな」
衛のツッコミをよける奏。
奏「でも、まさかネトゲのせいであんな目に
遭うとはね」
衛「完全に懲りた。しばらくは活動休止」
奏「引退ではないんだ?」
衛「まあ、次の事も考えなきゃだしさ。足元
が固まるまで充電ってことで」
奏「仕事辞めることなかったんじゃない?」
衛「まーた始まった。それは聞きとうない」
奏「本当に後悔してないの?」
衛「・・・認めるよ。七割がた勢いだった」
奏「あーあ、どうするのこれから」
衛「そうだなあ、とりあえず前向きに考えて
みるか。気ままな旅の始まりってことで」
奏「ゲームみたいなこと言っちゃって」
衛「だって、いつもそうだったじゃん。我ら
がパーティーの旅のスタイルは」
奏「・・・確かに」
衛「ワクワクするでしょ?」
奏「・・・ヒック」
衛「ほら始まった」
空を臨む二人の後ろ姿。
そこに重なるメロディとエルンスト。
●公園・ベンチ・午後(回想)
クラブの近くの公園ベンチ。
空になったコーンスープ缶。
前からの友達のように談笑する衛と奏。
奏「で、今度実装されるレア装備なんだけど
・・・ヒック」
衛「ん? 何か飲んだら?」
奏「ヒック、大丈夫、ヒック、もう全部飲ん
じゃったし・・・ヒック」
じっと奏の瞳を見つめる衛。
衛「・・・もしかしてエル?」
じっと衛の瞳を見つめ返す奏。
奏「・・・メロ?」
せわしない街の中で。
ベンチの周りの時間だけが緩やかに。
了
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