消そうとした記憶


よみがえってくるのはツライ思い出ばかり

悲しくて 寂しくて・・・
誰にも理解してもらえない悔しさと
自分に対する絶望感

いっそのこと私を苦しませる思い出なんかすべてなくしてしまえれば・・・
そう思った。

記憶喪失になって嫌な思い出なんか忘れて
ゼロからやりなおせたら・・・

気がついたら手首に刃をあてていた
手首についたたくさんの傷
流れ続ける真っ赤な血
痛いはずなのに私が私でないように何も感じない

止まらない涙
日に日になくなっていく表情・・・

そんな日常から連れ出してくれたあの人
今流れている涙は
悲しみの涙ではなく嬉しさの涙

少し前の涙はあんなに冷たかったのに
今私の頬を濡らす心の雫はとても温かい

今はもう記憶をなくしたいなんて思わないよ
だって、あなたと一緒に過ごした日々を消してしまうなんてイヤだから
何度も言ってくれた優しい言葉を忘れたくないから

私の手首にはまだあの時の傷が残っている
でも、それは私の心が癒されていくのと同じように薄くなりつつある

今過去を振り返ると思い出すのはあなたのこと
ねぇ、あなたの思い出の中でも私は生きてる?

もうつらい過去から逃げたりなんかしないから
あなたの思い出の中にも私の存在を残してほしい・・・



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