3度の飯より音楽好き♪

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その15


COMPLETE A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD(Bluenote)

DISC ONE

1 A NIGHT IN TUNISIA
2 I’VE GOT YOU UNDER MY SKIN
3 A NIGHT IN TUNISIA(EVENING TAKE)
4 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE(ALTERNATE TAKE)
5 FOUR
6 INTRODUCTION
7 WOODY’N YOU
8 INTRODUCTION
9 OLD DEVIL MOON

1,2
SONNY ROLLINS(TS)
DONALD BAILEY(B)
PETE LA ROCA(DS)

3,4,5,7,9
SONNY ROLLINS(TS)
WILBUR WARE(B)
ELVIN JONES(DS)

1957.11.3

1957年11月3日、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブです。
ピアノレス・トリオというシンプルなフォーマット。
みなぎる緊張感ですが、どこかリラックスしたようにも聞こえ・・・
ロリンズのテナーの音色の輪郭が
より、くっきりと浮かび上がってくるような演奏です。

A NIGHT IN TUNISIA
ご存じ、ディジー・ガレスピーの曲ですね。
拍手の音から始まり、アップテンポで演奏されます。
のっけからこのスピード・・・!
ロリンズ吹きまくり、ラ・ロカ叩きまくり・・・
まさに駆け抜けるような、「チュニジアの夜」です。
ドラムのソロは、間近で見たい!と思うほどの迫力。

I’VE GOT YOU UNDER MY SKIN
こちらも、ベースブンブン、ドラムガンガン、
アップテンポで演奏されます。
この曲、改めて聴き直して、気に入りました。

A NIGHT IN TUNISIA・・・
イブニング・ヴァージョンとクレジットされています。
前2曲は、ベースはドナルド・ベイリー、ドラムはピート・ラ・ロカですが、
この曲からはウィルバー・ウェアと、エルビン・ジョーンズに交代します。
オープニングを飾ったヴァージョンより、ゆったり目の演奏で、
私はこちらの方が好きかも・・・ロリンズも余裕がある感じで。
ドラムソロは、こちらも迫力満点ですが、どちらかというと
これに関しては、ピート・ラ・ロカの方がいいかな?
う~ん、甲乙つけがたいですね。(^^)

SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
けさは雨が降っているので、この曲のタイトルのようには行きませんが
ゆったりスローに演奏されているこのヴァージョンは好きです。
こちらは ALTERNATE TAKE とあり、
2枚目の方に公式ヴァージョン(?)が収録されています。

FOUR
マイルス・デイビスの作のこの曲、ロリンズは自分のものとして
素敵に消化しています。アップテンポが心地よい。
後年、NOW’S THE TIME というアルバムでも
ロリンズはこの曲を演奏しています。
ロリンズは驀進!といった感じで吹きまくっているのですが、
ベース、ドラムとの呼吸がいい感じです。

INTRODUCTIONを挟んで
ガレスピーの WOODY’N YOU
ロリンズのちょっと抜けたような(?)音で始まるこの曲
やはり FOUR のペースと同様のテンポで吹きまくっています。
後半での、ブンブンうなるベース・ソロが印象的。
その後続くロリンズのソロはよく歌っているし
最後のカデンツァも、しみじみと聴かせてくれます。

さて、やはり INTRODUCTION をはさみラストは
OLD DEVIL MOON
コンコンチキチキ♪軽快なリズムで始まるこの曲は
どことなく暖かく、しみじみとしています。
ミディアムテンポながら、ロリンズが終始流れるような調子の音色で
聴かせてくれます。
どことなくミステリアスな雰囲気を持つメロディーです。

Disk1は、ロリンズのメンバー紹介で幕を閉じます。


さて、ここから Disc2・・・

A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD Disc2

1 WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
2 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
3 SONNYMOON FOR TWO
4 I CAN’T GET STARTED
5 I’LL REMEMBER APRIL
6 GET HAPPY
7 STRIVER’S ROW
8 ALL THE THINGS YOU ARE
9 GET HAPPY(SHORT VERSION)

SONNY ROLLINS(TS)
WILBUR WARE(B)
ELVIN JONES(DS) 1957.11.3

スタンダード・ナンバーがてんこ盛りです。

WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
恋とはなんでしょう というタイトルでお馴染みですね。
エルヴィンのドラムの音から始まりました。
ロリンズが低めの音でフレーズを細かく刻んでいきます。
底で流れるウィルバー・ウェアのベースの音に耳を奪われます。
後半になるに従って、じわじわとヒートアップ。
ロリンズ対エルヴィンのバトル(?)も聞き物。
延々3分以上にわたる、エルヴィンのドラムソロは白熱!
そのあとに続くロリンズもそれに刺激されるかのように
エンディングを迎えます。

ロリンズの曲紹介のあと
SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
あのなじみの深いメロディーです。
ここではロリンズの、味わい深い歌心ある音色が楽しめます。
ウィルバー・ウェアがソロで奏でるテーマが印象的です。
このベーシスト、以前にもロリンズと共演していますが
このライブでの演奏がとりわけ素晴らしい気がします。

SONNYMOON FOR TWO
この曲はロリンズのオリジナル。
SonnyMoonとはいったいどんな月でしょう?(^^)
ちょっとブルージーな雰囲気が好きです。
思わずカラダがスウィングしてしまうような、ロリンズワールドです。
ロリンズの力強いブロウが続いていきます。

I CAN’T GET STARTED

一転、スローバラードです。
スローなテンポの曲でのロリンズの歌心は
誰にも、ひけをとらないと、勝手に思っています。
しっとりしたメロディーの中に、力強さも感じられ
全編でロリンズ節がたっぷりと満喫できます。

THANKYOU,THANKYOU,THANKYOU,VERY MUCH とロリンズの
挨拶のあとに続くのは・・・

I’LL REMEMBER APRIL
しっとりした感じの演奏が合いそうですが、
どっこい、アップテンポでの演奏です。
バックのベース、ドラムもノリノリです。
後半は緊張感あふれるプレイが繰り広げられ
やがてテーマへと戻っていきます。
ラスト近くの抜けたような、ロリンズのテナーの音と
エルヴィンのシンヴァルの音が好きです。
カデンツァもあり、聴き所はいっぱい。
この曲は、ブラウン&ローチクインテットの
「アット・ザ・ベイスン・ストリート」での演奏と聴き比べてみるのも一興です。

GET HAPPY
ロリンズも、ウェアも、エルヴィンもしょっぱなから走っています。
カラダが小刻みにタテノリしそうです。
ロリンズ対ベース&ドラムバトルの印象が強いですね。
ここでも、ロリンズに煽られるかのようにエルヴィンのソロが白熱しています。
ベースのウェアの音も捨てがたい。

ところで、エルヴィン・ジョーンズというと、
どこかファンキーでブルージーな
「ヘヴィー・サウンズ」のイメージが強かったのですが、
ここでは本当にバリバリ、ハードバップの音を聴かせてくれます。
こうなると、コルトレーンカルテットなどもぜひ聴いてみたい、と思うほど
印象的なソロをたっぷり聴かせてくれます。


STRIVER’S ROW
ロリンズの「サンキュー。ドラムス、エルヴィン・ジョーンズ」の声に続き
エルヴィンのドラムの音でスタート。
ロリンズは前半から吹きまくっていますが、
ラストの方で聞こえるウィルバー・ウェアのベースの響きが印象的です。

ALL THE THINGS YOU ARE
これもお馴染みの曲ですね。
力強さの中に、どことなく哀愁を感じる高音のフレーズがあります。
ベースのソロも、低く低く響き渡り、なぜか切なく・・・
でもそんな感傷を振り払うようなエルヴィンのドラミング。
静かに余韻を残して、エンディングを迎えます。

GET HAPPY(SHORT VERSION)
いよいよ最後の曲です。
先の白熱したGET HAPPY のショートヴァージョン
こちらの方が、ゆったりとした雰囲気ですが
ロリンズは我が道を行くというかの如く、ブロウしています。
そしてそれに吸い寄せられるかのようにやはり
どんどんクライマックスに向け白熱していきます。

「その16」へ♪

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