3度の飯より音楽好き♪

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その29



There Will Never Be Another You(Impulse)

1 On Green Dolphin Street
2 Three Little Words
3 Mademoiselle De Paris
4 To A Wild Rose
5 There Will Never Be Another You

Sonny Rollins(ts)
Tommy Flanagan(p)
Bob Cranshaw(b)
Billy Higgins(ds) 1,2,3
Mickey Roker(ds) 4,5 1965.6.17

インパルスにおける初録音は、ニューヨーク市近代美術館でのライブ録音です。

・・・と申しましても、この録音が日の目を見たのは1978年のことでした。
ラジオ放送が目的だったため、アルバム化するという意志はロリンズにはなかったようですが、
78年にマイケル・カスクーナによってお蔵入りになっていたテープが発見されたとか。
ちなみにこのライブは、「ジャズ・イン・ザ・ガーデン」という名で
NY近代美術館とダウンビート誌の共催で、1965年6~8月、毎週木曜の夜に行われていたうちの
ひとつだとのことです。
ロリンズのグループの他に、フレディ・ハバード、リー・モーガン、マッコイ・タイナー等も
登場していたと記録に残っているようです。

ジャケットがロリンズの横顔の似顔絵、です。
この頃の髭は、まだ黒いですね・・・(^。^;)
インパルス・・・というとやはりコルトレーンのイメージが強いですが、
ロリンズも4枚の作品を残しております。(うち1枚はサントラ)
トミー・フラナガンとのサキコロ以来、久々の共演です。

On Green Dolphin Street
軽快なテンポでの演奏です、トミ・フラのピアノがよく歌っています。
ロリンズは軽く吹きさる・・・という感じ?
でも音がぎゅうぎゅうに詰まっています。
それにしても、この原曲ってどんな感じだったかなぁ・・・(^^;)

Three Little Words
これは以前、Standards でも演奏されているレパートリー。
いきなり、エンディングのような趣を感じつつ、
そのあとロリンズの、ドラムをバックのソロにつながり
この曲の世界に入っていきます。
ここでもトミ・フラのピアノは軽快、特にそのソロ部分に惹きつけられます。
いぶし銀、とは誰が言い始めたのでしょうか。言い得て妙ですね。
ロリンズがソロをとるところでは、出過ぎず、引きすぎず、とちょうどいいあんばいです。
ラスト、ワルツ調のテーマに入る前にロリンズが吹きまくっていますが、その音数の多さには驚かされます。

Mademoiselle De Paris
ちょっと小休止的に演奏されるこの曲、好きです。
ワルツなテンポがロリンズにはよく似合います。
1分半くらいの短い演奏ですが、このバンドのエッセンスがつまっている気がします。

To A Wild Rose
ロリンズは後のアルバムでも、この曲を演奏しています。
(まだ先になりますが、いずれ触れます、The Cutting Edge というアルバムですね)
(あとで聴き比べてみるのも一興)
この演奏、ちょっと小粋な感じが素敵です。

There Will Never Be Another You
50年代に発表されたものとはだいぶ趣を異にしています。
当時のものは、おおらかなトーンが特徴的でしたが、
こちらはどちらかというと、ライブならではの即興に徹しているとでもいうのでしょうか。
ドラムがよく歌っています。(歌うドラム、というのもあれですが・・・)
この演奏、2ドラムになっているようです。
レギュラーのミッキー・ローカーの他に、その前にモーガンのバンドで出演していた
ビリー・ヒギンスが飛び入り参加したようです。
ふたつの音の重なりがなんだかいいです。
ラストで、テーマのあと、ラテン調のリズムが少し入り、
ロリンズ、トミフラ、ドラムスが音を奏で、エンディング・・・と思いきや
拍手を挟んでまたテーマに戻る・・・ライブならではの雰囲気です。

ライブということを念頭に置いて聴いてみると、
新たな発見があるアルバムだと思います。
やや、音質がよくないのが難点でしょうか。
(欲をいうときりがありませんが・・・)
貴重な60年代半ばの音です。

ロリンズの音色は「ブオッ、ブォツ・・・」というあの逞しさは
少しなりを潜めているようですが、全体的に軽快な感じがします。




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