はるがやって来た

はるがやって来た

「判決」…そしてその後


 昨日、愛おしい悠との面会中、「検査結果の話がありますので、ご主人と一緒に来て下さい。」と言われた。
「とうとう判決がくだされる日が来た…。」そう思った。

『心房中隔欠損症がある』『手足の付け根の骨が短い』『モザイク型 ダウン症』であること…。
覚悟は出来ていたつもりだったのに、ショックは大きかった…。涙が溢れ出して止まらない…。悠がお腹の中に居る時から、『何か障碍があるかもしれない』と言われていたけれど、「何で…?何で…?」って頭の中をグルグルと回っていた…。

 パパさんもショックだっただろうに、「悠がこうなったのは、誰のせいでもない。頑張って育てていかな!」そう言ってくれた。
今からが大変だ…。でもきっと『悠が私たちの元に生まれてきてくれてよかった!(*^_^*)』と笑って言える日がやってくるだろう。

 心臓の穴は。5.8mm。自然にふさがることもあるので様子を見ていく。
『ダウン症候群』は、薬で治る訳ではない…。私たち親が真実を受け止め、悠のペースに合わせてしっかりと育てていくしかない。

 「流産」のほとんどは、染色体異常があると言われている。悠は、その生命の危機を乗り越えて生まれてきた、生命力の強い子どもです。おばあちゃんが助けてくれた(私の祖母は、私が妊娠する前に亡くなり、私が切迫流産しようとしていたまさにその日に、納骨だった。)ということは、何か意味があって生まれてきたのでしょう。私とパパさん、そして私たち夫婦の周りにいる家族や友人を見て、神様が授けてくださった宝物です。

 NICUで知り合ったママ友達が来てくれた。悠の初めてのお友達のママ。そのママは、自分の子どもがまだNICUに居て、自分も辛いのに、私の話を一生懸命聞いてくれた…その後、二人で抱き合って、声をあげて泣きました。

11/6
 昨日は、笑顔で悠に会うことが出来た。
昨日、私の事を心配してくれていた友人に、「悠が生まれたこと。ダウン症ということ。」をメールで伝えた。お腹の中の悠に、異常が見つかって以来、友人と連絡をとらなくなっていたから…。返信されたメッセージの中には、「そんなこと言われても困る…。」なんて人もいたけれど、みんな私たちの力になってくれそう…。よかった…。

11/14 生後24日で退院。体重2,524g

11/20 体重 2,726g 身長 47.5cm
 今日は、1ヶ月健診。ここまで長かったような…短かったような…。「悠がミルクを飲み過ぎる」と言っては心配し、夜中に一度も起きないと心配し…。悠を他の子と比べては落ち込み…。でも、悠が私の一番と言うことに変わりはない…。
 今から先、もっと大変なことが待ち受けているに違いないと思うけれど、その時は家族みんなで力を合わせ乗り切ればいい!

12/27
 久しぶりの日記。ここ2ヶ月間、悠の飲みムラや寝ないこと、いろいろな仕草とか…ひとつひとつが気になってイライラしてしまうことが多い。
悠は悠…、頭では分かっているつもりなのに、ついイライラしてしまう自分がいる…。
 寝ない日があって当たり前、飲まない日があって当たり前、機嫌が悪い日があって当たり前…赤ちゃんはみんなそんなもの。
悠が「ダウン症」だから…そんなの関係ない。

悠が生まれてから2ヶ月…。いろいろな思いを抱きながらの毎日でした。他人のちょっとした一言に傷つき、落ち込み、泣きました。
 悠は、お腹が空いても、オムツが濡れて気持ち悪くても、かまって欲しくても、ほとんど泣きませんでした。いえ、泣けなかったのかもしれません。 ミルクの1回量は20~30ccでしたが、たったこれだけの量でも悠にとっては大変でした。飲むことに一生懸命になると、チアノーゼが出てゼロゼロ言い始めました。悠はおとなしく寝ているだけなのに、死んでいないか心配で眠れない日もありました。

 1ヶ月半過ぎて、「お宮参り」に行った時のこと…。そこで会った見ず知らずのおばさんに「生まれたばかりね。」と言われ、何だか無性に腹が立ちました。きっと、そのおばさんには、これっぽっちの悪気もなかったのでしょう…。
そして、パパの実家に行く度に、親戚の子どもと比べられている様に感じ、辛い思いをしていました。悠が「ダウン症」だと知らない親戚やパパの友人に、普通の子と同じように成長することを前提に話をされるのが、嫌で嫌でたまりませんでした。

 悠が成長するにつれ、健常児と比べることが難しくなってくると、今度は同じ「ダウン症」の子どもと比べるようになっていました。「悠はこんな事も出来る。」とか「あの子は、もうこんな事も出来るのに、悠には出来ない。」と一喜一憂していました。頭の中では、他人と比べることが無意味だと分かっているし、みんなその子なりのペースで成長していると理解しているつもりでしたが、悠を他の子と比べては落ち込むことが多くなっていきました。


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