Verweile doch Du bist so schon

G線上の魔王 



真冬。粉雪の舞う大都市に“魔王”が出没した。
望みは、無論、人間社会の崩壊である。

主人公・浅井京介は、学園に通うかたわら、養父のビジネスを手伝って、存外な大金を動かしていた。
倣岸な養父に影響を受けた彼は、才能を余すところなく発揮して、ついには有名企業のブレインとしての顔を持つようになっていた。
けれど、彼は普段はクラシックを愛するひょうきんで明るい青年である。
クラスメイトの椿姫と義理の妹の花音、親友の栄一に囲まれながら、楽しい学園生活を送っている。

そんな京介の平凡な日常にも、危機が迫っていた。
花音の出場するフィギュアスケートの全国大会が脅迫され、椿姫はずっと守ってきた家から立ち退きを迫られる。
学園は謎の集団が人質を取って立て篭り、市内でも富裕層の子供たちが次々と失踪していく。
一連の事件はすべて、地下都市を根城とする“魔王”の仕業だという。

そんなとき、一人の少女が訪ねてくる。
少女は、正体不明の“魔王”をあぶりだすべく、頭脳を駆使した心理戦をしかけていった。
流れるような長髪の美少女、宇佐美 ハル。
彼女こそが、京介の忌まわしき少年時代を、ともに戦ってくれた“勇者”だった。

十年ぶりの再会
いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる



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