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お久しぶりです。皮膚科医独身です。わが街名古屋市から気になるニュースです。 12月11日の中日朝刊に 『名古屋市 病院累積赤字168億円 09年度 再建事業に転落確実』 との記事が掲載されました。 2008年度の病院会計は48億円の赤字の見通しで、累積赤字は168億円に達する見込みで、このままでは09年度には、国が定める 『財政再建』 事業に転落確実という記事です。 過去のデータを見ますと、市民病院財政は、2002年度以降赤字です。 近年特に赤字額が増大しています。 06年度は12億円、07年度は39億円、そして08年度は48億円の見込みです。 国は 『財政健全化法』 を作りました。 自治体本体の収支(普通会計など)だけでなく、病院・水道などの特別会計や第三セクターも含めた財政の健全性を示す指標が示されています。夕張市が病院事業に隠れ借金を作って、市本体の財政実態をごまかしていたことに対する反省がこの法律には込められています。 またそれとは別に、総務省の「指導」により、病院事業を持つ自治体は2008年度中に 「公立病院改革プラン」 を策定し、その自治体病院の将来像を示すことになりました。 『財政健全化法』「公立病院改革プラン」の参考はここ! ↓ 名古屋市民病院と公立病院改革プランの行方(名古屋医師会報) (PDF版) (HTML版) 自治体病院は、救急や僻地医療や婦人科、小児科などの不採算医療を扱うから赤字を出していてもいいんだという時代は終わったようです。 少なくとも国の姿勢は、自治体病院も不採算のものは整理しろとの方針のようです。と同時に、『財政健全化法』で見え隠れするのはバスを含め交通事業や病院事業、第3セクターなどの規模は、それぞれの収入に見合った規模のものしか運営できなくする意図がみえます。 そうしないと、ここの事業を「再建事業」と認定するだけでなく、それを保有する自治体も「再建団体」に認定されちゃうわけです。 この3月(年度末)に、いろいろな自治体から「公立病院改革プラン」作成の結果、病院事業廃止との厳しい判断が続出するんじゃないでしょうか? この4月名古屋市長選が行われます。多額の税金を使っても市民病院の今の規模を維持するのか? 再編をしたり、すでに独立行政法人化した名古屋市立大学病院との統合などの新しい方向を打ち出すのか? 山田教育次長か? 細川昌彦 中京大学教授か? 充分な名古屋市長選の争点になりそうですが。。。。。
2008.12.13
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『外来管理加算問題』 を何度か取り上げてきました。 医師会よ!しっかりしろ! 『外来管理加算問題』 http://plaza.rakuten.co.jp/hifuka/diary/200802290000/ 『外来管理加算問題』 その2 http://plaza.rakuten.co.jp/hifuka/diary/200803250000/ この件に関係し、厚生労働省のとんでもない騙しのテクニックが明らかになりました。 厚生労働省、調査データを不正流用。外来管理加算5分ルールで。保団連の情報開示請求により判明 http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/080601gairai.html 『外来管理加算』に対し、医師側は「医療の質は時間ではかれない」として反発したが、厚労省、原徳壽医療課長は2007年12月7日の中医協基本問題小委員会で、「内科を主たる標榜科とする診療所において、医師1人当たりの、患者1 人当たり平均診療時間の分布を調査したところ、平均診療時間が5分以上である医療機関が9割という結果であった」という資料を提示し、これを根拠に外来管理加算の時間要件が決定した経緯がある。 先月「行政機関の情報公開法」に基づき厚労省にこのグラフの出典開示を請求したところ、実際には外来管理加算の対象となる再診患者に対する診療時間の調査は実施されておらず、「平成19年度厚生労働省委託事業 時間外診療に関する実態調査結果」の数値をもとに作成されたグラフであることが判明した。 元のデータは、時間外の調査ですよ! 通常の診療時間まで待てなかった重症患者が多いこと想定されます。 また、時間外ですから他の待ち患者もなく際限なく時間が取れる状況のデータです。 よくグラフを見てください。一番多いのは30分以上のところです。 一人に30分以上診療時間を取るという事は、一日6時間診療をする開業医さんは患者数12人以下の医院ですか? 通常の診察時間の根拠にこれを使うのは明らかに不正です。 『厚生労働省、調査データを不正流用』というより、条件が全く異なるデータを用いて診療報酬の元にしたのですから敢えて『厚生労働省、調査データを捏造』とさせていただきたい。 外来管理加算を削られ、4月より開業医は厳しい経営を迫られています。 実際には5分以下なら算定なし、5分以上なら算定なんてできません。 時間を計っているわけではありませんので。 受診のたびに支払う金額が違うことに納得できますか? 私”皮膚科医独身”の医院では一切算定していません。 幸い皮膚科では患者さんに処置をすることが多いので外来管理加算の影響は少ないですが、処置のない内科医院は本当に大変でしょう。 しかしながら、当院でも先月一ヶ月で100件程度は以前算定していた外来管理加算を取らなくなりました。 まさに医院の利益の部分ですから、月50万円が消失していることになります。 私の儲けがなくなるだけなら我慢しますが、新しい医療機器の導入をあきらめたり、更新を遅らせたり、まさに患者サービスの質の低下に結びついてしまわないか心配です。 こんな状況に開業医をさらした『外来管理加算の5分ルール』の根拠が捏造とは。。。。。厚生労働省の姿勢には恐れ入ります。 日本の医療の将来はこのままでは本当に暗いと思わざるを得ません。 開業医の愚痴でした。
2008.06.05
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75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の問題でもちきりです。 一度、高齢者の医療保険制度の歩みをまとめてみます。<実際には高齢者の定義(年齢)等が変遷していますので参考までに>○1961年 「国民皆保険」スタート高齢者は、自営業者などを対象とする国民健康保険(国保)に加入したり、被用者保険の子どもに養われる被扶養者として医療を受けてきました。○1960年代後半高度経済成長時代に大きな変化が起こりました(当時、高齢者の窓口負担は5割。負担軽減が叫ばれていた。)1969年に東京、秋田が実施した高齢者窓口負担の無料化が実施された。これが、瞬く間に全国に拡大。老人高福祉政策です。○1973年「老人医療費支給制度」政府が後追いし、70歳以上の窓口負担分を公費で埋める「老人医療費支給制度」が始まりました。○問題点5年間で70歳以上が医療機関にかかる率が倍近くに増え、病院待合室が「サロン化」も問題に。高齢者の割合の高い国保は、深刻な財政難に陥った。○1982年「老人保健制度」高齢者の医療費を別枠にした上で「拠出金」として、各保険者が平等に負担することにしました。○その後窓口負担も徐々に引き上げられてきた。 2001年から定率1割に 2002年から現役並み所得者は2割 2006年から現役並み所得者は3割○2008年「後期高齢者医療制度」1300万人の高齢者が加入する全く新しい制度です。 かかった医療費から地域の保険料を決めるため、都道府県ごとに設けられた広域連合は医療費を抑制しようとするでしょう。 高齢者に応分の負担を求める一方で、現役世代の負担も明確になります。 高齢者だけの公的医療制度は、日本以外ではアメリカのメディケア(加入者約4200万人)があります。 老人保健制度は、どの保険者がどのように高齢者の医療費を負担するのかを定めた財政上のルールに過ぎません。 超高齢社会にふさわしい制度として定着させるためには、高齢者だけでなく国民全体の理解が欠かせません。
2008.05.05
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旧保険証も4月中は有効・後期高齢者医療制度巡り救済策 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080410AT3S0901109042008.html 厚生労働省は4月から始まった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)を巡って、新しい保険証が本人の手元に届かないケースが相次いでいる事態への対応に乗り出す。旧保険証も4月中は使用可能にするよう、近く全国の病院・診療所に通知を出し、新保険証を持っていない高齢者も原則1割の自己負担で受診できるようにする。制度を運営する各都道府県の広域連合には9日、保険証の再送などの措置を速やかに実施するよう指示した。 75歳以上の約1300万人の高齢者は1日、これまで加入していた国民健康保険などを脱退して新しい医療制度に移った。市町村は3月中に新しい保険証を高齢者の自宅に郵送したが、転居や不在で届かなかったり、誤って捨ててしまったりして、入手していない高齢者は全国で数十万人いるとみられている。冗談ですか?この記事?立法と行政の不手際を、厚生労働省の準備不足を全国医療機関の窓口に押し付けるつもりでしょうか?医療機関に対処する様に「通知」なんですって!えっ「通知」!我々医療機関は厚生労働省の出先機関ですか? 耳を疑います! 今月に入ってから 後期高齢者の問い合わせで区役所は老人からの保険料やなんやらの問い合わせで大騒ぎです。 保険証をもって来なかった老人のために資格確認を善意でしている我々医療機関窓口からの電話も(一般市民からの電話により)全つながらない。 4月に入ってから区役所の保険係に我が医院から一度も電話がつながりません!高齢者救済という精神は十分理解します。それにケチをつけるつもりはありません。現に、受付では困難な資格確認を一生懸命やっています。しかし、我々の保険請求コンピューターは4月の新保険に対応しバージョンアップしてとっくに旧保険証の入力は受け付けませんよ!問題もいっぱいです。4月から3割になった人の対応は?社保から後期高齢者になった場合はどうなるんでしょう?健保組合が保障するのですか?方策が間違っていませんか?現実的にやるなら『資格の年齢であれば医療機関の受付では1割支払いで処理する。残り9割は国が責任を持って医療機関に支払うから医療機関も協力してください』でしょ。そのうち、患者さんも「新しい保険証持ってこなくても古いやつで大丈夫と言われた」「運転免許証でも大丈夫」なんて受付で言いはじめますよ!厚生労働省対応が本当に行き当たりばったりです。開業医は ぶちきれ寸前です!国民への不手際に対する謝罪と関係者の責任の糾明はどこに行ったのでしょうか。
2008.04.10
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民主党から以下のような声明が出されました。医療制度の抜本的な総合改革が必要だ -08年度の診療報酬改定の中医協答申について民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣 山田正彦『先に中央社会保険医療協議会から答申された診療報酬改定が4月から実施されようとしている。 今回、緊急課題への対応として、病院勤務医支援を目的に1500億円規模の診療報酬引き上げが行われるが、焼け石に水であり、改革と呼ぶにはほど遠い。病院勤務医の疲弊や、医療崩壊は深く広く進行している。今回の対策の1500億円という規模は、33兆円規模の国民医療費の0.5%以下にすぎず、現状打開には不十分である。 加えて毎年2200億円にのぼる社会保障費の削減が過剰な医療費圧縮を生み、他の先進国に類を見ない医療崩壊を招く一因となっている。 民主党はかねてから、医療崩壊を食い止めるには、診療報酬の上げ下げで医療政策を誘導すべきではなく、大胆な一般財源の投入が不可欠であると主張してきた。 こうした一般財源の投入により、制度面でも、勤務医の労働条件の向上・女性医師の就業維持と職場復帰支援・医師養成定員増員・無過失補償制度の整備などが必要である。 民主党は現在、医療崩壊の現状を打開するべく、総合対策を打ち出す準備を行っている。 今回の改訂では、医療費削減策として、外来管理加算などの算定に、5分以上などの時間の目安が導入された。 こうした時間の目安を設けることによって、丁寧な診療が行われ、診療の質が高まるとの見解を厚生労働省はとっている。 しかし、医療の現場実態や医師の専門的判断、裁量を無視するような施策は、一つの医療機関で受診できる外来患者数を抑制しかねない。 民主党は、この5分ルールの導入により、医療崩壊や医師不足がさらに深刻化するのではないかと危惧している。 さらに専門医不足に対応し、地域医療を支援するためにも、病理診断のみならず放射線の遠隔診断評価なども検討されるべきだ。 4月から導入される後期高齢者医療制度への対応として、後期高齢者を対象とした新たな診療報酬も定められた。 しかし、その内容はまさに高齢者いじめである。 例えば、後期高齢者診療料は、その報酬の範囲内で検査や処置を行うことを前提とするもので、定められた報酬が極めて低く、後期高齢者は、従来と同等の検査や処置を受けられなくなる恐れがある。 民主党は、高齢者いじめに断固として反対する立場から、後期高齢者医療制度廃止法案を4野党共同で提出したところであり、このような後期高齢者医療制度の廃止を実現する決意でる。』山田正彦先生、ご尽力いただいた外山斎先生 本当にありがとうございました。本当は我が地元自民党愛知県連 大村秀章先生が、かつ自民党が責任政党として このような声明を出していただけると私『皮膚科医独身』は嬉しかった。
2008.03.25
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今日は弱小開業医の愚痴です。 皆様にはありがたい話ではないので、医療に対し批判的な方は読みとばしてください。 さて先日取り上げた『外来管理加算問題』の話です。http://plaza.rakuten.co.jp/hifuka/diary/200802290000/ 突然降って沸いたように『外来管理加算算定基準』の話がでてきました。 4月1日より新診療報酬が適用されますので、事実上『外来管理加算』を算定しない診察がまもなく始まりそうです。 厚生労働省の解釈は『外来管理加算を5分以上診療しないと認めない』です。 我々医者は、待ち時間を緩和するために短時間に分かりやすく診療する努力をしてきました。 ただ単に時間だけで測るならば,その努力は報われない無駄なものになりさがります。 悪意あるテレビや新聞などのマスコミの報道により、患者さんとこの『5分間』を巡って今後ゴタゴタが生じそうです。 結果、外来管理加算を全く算定できなくなりそうです。 我が弱小医院でも毎月数十万円の減収が試算されました。 売り上げではなく、まさに医院の儲けの部分ですからあまりに影響が大きすぎます。 一生懸命働いてくれているスタッフの給与を減らすことなどとても考えられません。 医療はマンパワーで成り立っていますから、収益確保のためこれ以上削れるものは何もないのが現状ではないでしょうか。 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」に示されているとおり、政府は医療費の大幅削減を目指している<2006年度の社会保障費31.1兆円に対し、2011年度には自然体で39.9兆円になる。これを政策的に1.6兆円削減し38.3兆円に圧縮するという計画である>。 嫌味ですが、この調子なら充分目標達成ですね。 『医療とは、心身の苦痛や不安を持つ病者が最良の治療を望み、医療提供者は生命の尊重を第一義として、最善の治療によって病者を癒し、健康の回復に努めるという、極めて人間的な活動を原点とする。 両者が求める最善の治療の選択において、健康や生命の価値を価格に換算することは決してない。医療の対価は、常に科学的専門性と倫理的自律のもとに成立してきたものであり、いかなる改革においても、この普遍的理念を阻害してはならない。』 午前診療と午後診察の間の休みを食事も取る時間もなく、学校医、予防注射、介護保険認定審査会などなどに供出し、週末をつぶし休日診療所の診察にあたる。 我々開業医の社会的存在意義をもう少し評価いただいてもいいのでは。。。。というのは我々開業医のエゴでしょうか? 私のような人間は きっといつまでも医者やってちゃいかんのだろうな。。。。寂しくなるような今日この頃です。
2008.03.13
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「医療費が財政を圧迫している!」と言われているが、日本の医療費は決して高いわけではありません。 むしろ、世界の水準から見れば、安いのである。 GDPに対する総医療費の割合は、日本は8.0%でOECD 30ヶ国中18位であり、それにもかかわらず平均寿命では世界一位であり、乳幼児死亡率の低さも世界トップクラスです。 日本の医療を支えていくためのコストがいくらかかるのかという議論がほとんどされていないのは残念でなりません。 外山斎参議院議員が『外来管理加算問題』をブログで取り上げています。 「医療崩壊へのシナリオ 外来管理加算」 http://blog.goo.ne.jp/izki-toyama/e/2c7661a38efe9a349a6abd383a24b7ac 外山先生も開業医のご子息なので、この大切な的確な意見も身内の見解と捉えられてしまうかもしれませんが。。。。 問題の本質は厚労省に明確なビジョンがないことである。『厚労省保険局医療課長・原徳壽氏に聞く』「外来管理加算はあくまで5分が目安 再診料はイニシャルコストを包含、外来管理加算こそ技術料」 http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080228_1.htmlにこんなやり取りがあります。――つまり、外来管理加算の考え方が変わったと。はい。前述のように、診察の中から、「丁寧な診察」部分を取り出したわけです。その意義は大きいと思います。したがって、処置などを行った場合でも「丁寧な診察」を行えば、外来管理加算が算定できるという見方も成り立ちます。ただ、まずは今までの体系(外来管理加算と処置などは併算定できず)はあまり大きく崩さないという考えで改定しました。次のステップとして、処置を実施した場合などでも外来管理加算が算定できるようにすれば、本当の意味で「技術料」として独立した点数となるでしょう。 文脈正しいですか? 現場には理解できかねます! 外来管理加算は「技術料」として考えろ。 外来管理加算と処置とあわせて取るのも理論上は正しい。 だけれど、取り合えず今回は今までの体系(外来管理加算と処置などは併算定できず)を崩したくはないので処置などとあわせて算定するのは駄目。 『医療コストが下がれば何でもいい』としか取れませんね。 いやみですが、財務省には『医療コストを下げる』明確なビジョンがあるといえます。 医師会も交渉が弱くありませんか!保険局医療課長がこうはっきり見解を述べているのなら、外来管理加算の解釈を変えるのならば、処置などを行った場合でも「丁寧な診察」を行えば外来管理加算が算定できるようにしないと! 厚労省のビジョンは「開業医崩壊」か?
2008.02.29
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病院に勤務している医師はほぼすべての人が思うでしょう。夜の病棟管理、いまやコンビ二化した夜間救急外来で。私たちがいましているのは「宿直」?神戸市関連3病院:「宿直」を廃止し「勤務時間」に変更【2008年2月8日】 神戸市は昨年4月、市立医療センター中央市民病院など関連する3病院の勤務シフトから「宿直」を廃止した。 これまでの宿直勤務の時間帯を、実質的に時間外勤務と通常勤務の時間帯と見なすことによって、翌朝から休暇を取得できるようにシフトを変更。勤務医の長時間連続勤務の解消を狙う。しかし実際には、ほとんどの医師がシフト通りに休みを取ることができない状態が続いており、勤務医の厳しい労働環境があらためて浮かび上がった格好となった。宿直を実働時間として評価 これまでの勤務シフトは、午前8時45分から午後5時半までの勤務後に、翌朝午前8時45分までの宿直に当たるというもの。 宿直終了後は、そのまま午後5時半まで継続して勤務することになっていた。 変更後のシフトでは宿直の設定を廃止し、午後5時半から午前0時までを「時間外勤務時間」に改めた。 さらに午前0時から午前8時45分の時間帯に、翌日の勤務を前倒しして組み込むことで、翌朝からの勤務時間帯に休暇を取得できるよう整えた。ただ、医療法の関係から、時間外勤務時間は形式的に「宿直」と定義している。 翌朝からも勤務せざるを得ないケースでは、午前8時45分以降の実働時間を時間外勤務時間と見なす。 従来の勤務シフトは、いわゆる公務員の勤務時間に合わせて設定されたもの。 したがって宿直は正規の勤務時間として組み込まれておらず、突発的な対応がなければ仮眠も許される勤務形態のはずだった。 ところが市立病院の救急対応の負担は大きく、仮眠を取るケースはあり得ないのが実態。 宿直では医師が少なくなるため、場合によって日勤より過重な労働を強いられる勤務もあるという。 市はこのような状況を受け、「このまま宿直として評価し続ければ、実態とかけ離れたものになってしまう」と判断。2007年4月から、宿直を実働時間として評価するシフトへの変更に踏み切った。 また、市保健福祉局経営管理課の担当者によると、連続勤務を24時間の拘束に抑えて「医師の肉体的、精神的負担を軽減する」ことも、今回の取り組みの重要な目的に位置付けた。 新シフトが適用されているのは、中央市民病院、市立医療センター西市民病院、西神戸医療センターの3病院。対象者は医長級以下の医師全員で、中央市民病院204人、西市民病院49人(12月1日現在、両病院とも研修医を含む)。 市が出資する財団が運営する西神戸医療センターでも、市採用の医師に限り適用される。 シフト変更に伴って市は、一律2万3900円だった宿日直手当を見直し、実働時間に対して時間外勤務手当を支給する仕組みを取り入れた。 担当者によると、1回当たりの時間外勤務による手当は、それまでの宿日直手当を上回る額になる。市では時間外手当分などとして、今年度予算に1億7400万円を計上した。入院患者への対応などで休暇取得は1割に満たず ただ、見直し後のシフト通りに休みを取れたケースは、ごくわずかにとどまっている。 中央市民病院の昨年5月の勤務状況を調べたところ、翌朝からも勤務に当たったケースは382回のうち347回(90.8%)で、休暇取得率は1割にも満たない。 また、翌朝が平日だった場合は278回中270回(97.1%)と、さらに取得が難しくなっている。 担当者によると、シフト変更はしたものの、入院患者の急変への対応、救急患者の手術、外来診療などによって、勤務医の多くが病院に残らざるを得ない状態が継続。直近の調査は行っていないが、状況はそれほど変わっていないという。 具体的な改善には勤務医の増員しかないが、担当者は「一足飛びに医師確保にまでいかない」と頭を悩ませる。 一方で、医師数の維持が今後の病院運営に不可欠になることから、新シフトには「勤務医の離職を防ぐための処遇改善策」としての効果に期待をかけている。 今後は、大学の医局を中心に医師派遣を働きかけるほか、女性医師の復職に力を入れていく方針。 女性医師に関しては、院内保育所の運営時間延長など復帰支援体制を検討するため、アンケートによるニーズ調査を実施した。 さらに、少しでも休暇取得率が上昇するよう、当面の取り組みとして非常勤医の増員に着手した。担当者は「シフト実施に必要な医師数は分からないが、少なくとも宿直明けの外来診療は回避したい」と話している。記事:Japan Medicine 提供:じほう何をいまさらでしょうが、医療の世界にもちゃんと人権が保障されるのは良いことです。厳しい勤務体制の中で、あぶらの乗り切った働き盛りの医師が体調を崩し この医療の世界から惜しまれて去っていくのを何度みてきたことでしょう。
2008.02.13
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今週の毎日新聞に名古屋市の市民病院改革の話題が掲載されました。『名古屋市:病院局を新設 独立性高め経営改善--来年度予定 /愛知 名古屋市立病院の経営立て直しを図るため、市は地方公営企業法を病院事業に全部適用し、独立部局の病院局を新設する。 5市立病院の収支は02年度から赤字決算を計上し、累積赤字は約80億7000万円に上っている。 病院局設置によって市長から特別職の局長に権限を委譲し、独自に給与表を定めたり予算原案を作成するなどして経営を改善する。 21日開会の市議会11月定例会に条例改正案を上程し、来年度設置される見通し。 市病院管理課によると、東、緑、守山、城西、城北の5市民病院と市役所本庁の病院事業本部の職員数は合わせて約1500人。病院局の設置により、経営責任を明確にし、経営の自立を目指す。また、成果主義を導入して職員の意識改革を図るとしている。(11月15日 毎日新聞)』 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000050-mailo-l23 名古屋市の5市民病院事業を地方公営企業法のもとで、現行の健康福祉局の管理から外し、病院局を新設し、その病院局長が管理責任者となる構想です。 地方公営企業法(昭和二十七年八月一日法律第二百九十二号) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO292.html 地方公営企業法の全部適用か?一部適用か?という細かい議論はここでは省略しますが(詳しくは下記サイトへ)、わが国の自治体立病院の主流は地方公営企業法の財務規定のみが適用される一部適用であるのに、名古屋市が地方公営企業法の全部適用まで決断した<管理者を設置し、人事労務をも委ねる>のは評価できます。 地方公営企業法(全部適用、一部適用比較) http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/06/dl/tp0602-1b3.pdf主な変化は(1)事業管理者の設置。すなわち管理責任者が 市長 → 病院局 となります。 事業管理者は市長が任命し、 内部組織の設置、職員の任命、給与等の身分取り扱い、予算の管理の権限を得ます。(2)医療法上の病院管理者(病院長)の任命者が 市長 → 病院局 となります。(3)職員の任命者が 市長 → 病院局 となります。(4)当該地方公営企業独自の給料表を設定可(人事委員会勧告の対象外)です。(1)(2)について 管理責任者が市長から病院局長に移る。病院長の任命も病院局長権限となる。 病院局長も、局長が任命する病院長もこれ機に民間人の登用を考えてはいかがでしょうか? 名古屋市立大学で教授になれず市民病院の部長となり、年功序列に近い形で院長や副院長に登用されるという公務員的な人事を続けては市民病院の再生はありません。 病院局長についても、行政に精通していないといけないのであれば、各保健所勤務の医師免許保持者を登用してはいかがでしょうか?(4)について 給与が人事委員会勧告から外れるすなわち、安いといわれる名古屋市市民病院医師の給与を適正額に変更できることは職員のモチベーションをあげるのにも効果があると思います。 また、正規職員数を自由に変えられる(現在は職員数は定員管理の対象となっているが、これがはずれ業務の実際のニーズに応じて自由な対応ができる)ことも現場には朗報だと思います。 正規職員と同じ仕事をしていながら、職員定員の壁に阻まれパートや非常勤としての身分しか与えられない不自然な職員の身分はこれまたモチベーションの低下になっています。しかし、課題も多い。 2007年度は5市民病院で赤字11億8000万円を出している。累積赤字80億7000万円にのぼる。 病院局を新設(来春にも名古屋市)中日新聞 http://kasamatsu.sakura.ne.jp/mizuhira/0711142.jpg 『5市民病院 赤字11億8000万』 中日新聞朝刊(8-29) http://kasamatsu.sakura.ne.jp/mizuhira/sidai.jpg 団体交渉権が認められるなどの問題点も(市民病院がストライキでは困りますよね)。 11月定例会(11月21日(水)から12月12日(水)まで)病院局新設 地方公営企業法全部適用が名古屋市会の議案になるそうです。 水平かずえブログ http://mizuhira.sblo.jp/article/6775326.html
2007.11.17
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アタマジラミ激増中 無理解一因 耐性種も確認 2007年10月09日 asahi.com http://www.asahi.com/health/news/OSK200710080029.html 戦後にほぼ絶滅したとされながら、10年ほど前から増え始めた「アタマジラミ」に感染する子どもの被害が拡大している。戦後世代の若い親らがふけなどと勘違いし、適切に対処できていないことが一因とみられる。 駆除薬に耐性を持つアタマジラミも国内で初めて確認され、「国立感染症研究所」(東京)はサンプルの収集に乗り出した。 「これが卵かな」。 広島県世羅町の甲山小学校で今夏、児童の頭髪をかきわけた男性教諭がつぶやいた。髪の根本に1ミリ弱の白い粉のようなものが付着し、別の児童3人からも見つかった。 町教育委員会によると、5小中学校で7月末までに58人の児童、生徒がアタマジラミに感染し、駆除した。町教委は「前例のない大量感染で驚いた。何とか対応でき、ほっとしている」。 国内唯一のシラミ駆除薬「スミスリン」シリーズを販売する「ダンヘルスケア」(大阪市によると、アタマジラミは戦後、有機塩素系殺虫剤のDDTでほぼ全滅。71年以降に海外から持ち込まれて再び増えたが、スミスリンが発売された81年から減少に転じた。 しかし、96年ごろから同社のスミスリン出荷量が増加に転じ、06年には10年前の2倍に。同社は「年間感染者は小学校低学年を中心に約50万人」と予想する。感染拡大の理由に「アタマジラミを知らない世代の親が増え、子どもがかゆみを訴えてもふけが出ていると判断するケースもある」と指摘する。 大阪府によると、06年度に府内の小学校と幼稚園から寄せられた被害は1419件。02年度から4年で3倍に増えた。兵庫県管轄の保健所への相談は、02年度の16件から06年度には46件。東京都でも今年度の相談件数は昨年度の5割増だ。 急増を受け、国立感染症研究所は今年度からスミスリンへの耐性を調べるDNA解析に着手。 これまでに感染者102人から採取した226匹のうち、4人の9匹に耐性が確認された。 冨田隆史・昆虫医科学部殺虫殺そ剤室長は「4%ほどの確認では急増の主原因とは言えないが、将来増える可能性はある」。9月からホームページでシラミのサンプル提供を求めている。 私の病院でもかなり増えています!(1)アタマジラミを知らない世代の親が増えた。核家族化で、おじいちゃん、おばあちゃんの知恵が生きていないのです。昔は『これシラミだよ』と指摘してくれたものです。(2)プールに入る機会が多く、感染機会が増えている。などなど急増の原因はいくらでも挙げられますが、まずはアタマジラミの存在の周知、啓蒙活動を公的に行う必要があるのではないでしょうか。
2007.10.15
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奈良で妊婦がたらい回しされ、流産してしまうという悲しい事件が起こりました。 この件に付いて、奈良県立医大附属病院がホームページで「今般の妊婦救急搬送事案について」と題し事情説明をしている。 「今般の妊婦救急搬送事案について」 http://www.naramed- u.ac.jp/~hp/20070831.pdf 医療機関に身をおく人間として、この事件を機会に是非国民の皆様に是非理解していただきたいことがあります。 行政も、メディアも、国民も 「たらい回し」「拒否」などとセンセーショナルに議論している場合ではないとおもいますよ。 医療を抜本的に考えるときです。 医療崩壊と言われて久しいですが、そこをなんとか医療従事者が労働基準法を無視して、無理に無理を重ね制度を持たせてきたのが今の医療の現状なのです。 「今般の妊婦救急搬送事案について」を読むと、当直医は一睡もしないで次から次へと仕事をしていたことが分かる。 もちろん次の日も引き続き通常勤務をしている。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++平成19年8月28日の当直日誌記録より(産婦人科当直者 2名)対応内容8月28日(火)19:06 前回帝王切開した患者A(妊娠36週)が出血のため来院 診察終了後、患者A帰宅19:45 重症患者B(妊娠32週) 妊娠高血圧のため搬送入院、病状管理に努める23:00 重症患者Cの手術終了(9:00~手術開始) 医師一人が術後の経過観察を実施23:30 患者B 早剥のため手術室へ搬送、緊急帝王切開実施(00:08終了)8月29日(水)00:32 患者Bが病室に帰室重症であったため、医師一人が朝まで術後の処置等におわれながら、他の患者への処置等を応援、当直外の医師1名も、重症患者の処置応援にあたり2:30頃まで勤務02:54 患者D(妊娠39週) 陣痛のため緊急入院、処置02:55 救急隊から1回目の入電(医大事務当直より連絡があり、当直医一人が事務に返答。「お産の診察中で、後にしてほしい」03:32 患者E(妊娠40週) 破水のため緊急入院、処置(患者Eの入院により、産科病棟満床となる)04:00 開業医から、分娩後に大量出血の患者Fに関する入電があり、搬送依頼あるが、部屋がないため他の病棟に交渉を開始04:00頃上記の直後に救急隊から2回目の入電(医大事務が説明したところ電話が切れる)「今、医師が、急患搬送を希望している他医療機関医師と話をしているので後で電話をしてほしい」05:30 産科満床のため、患者Fを他病棟に緊急収容05:55 患者Dの出産に立ち会う その後も、患者Fの対応におわれる08:30 当直者2名は一睡もしないまま、1名は外来など通常業務につき、他1名は代務先の医療機関において24時間勤務に従事++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 過密業務でよく問題となる、トラック業界やバス業界でこのような勤務体制をしていたら、経営者は間違いなく処罰されるだろう。 でも、人命を預かる医師をこのような勤務に従事させ、今回の奈良県立医大附属病院のように堂々と公表しても院長は処罰されることはない。 医療現場に対する見方が 理解されず 厳しすぎるのである。 そもそも今回の当直医の勤務状況は、『当直』といえるのか???? 当直というのは、滅多にない緊急事態に備える勤務を言うのだ。毎度毎度診療に追われる今回の事例のことを普通『夜勤』というはずだ。交代制で行われなければならないのだ。 今回の当直医の勤務は『日勤』『夜勤』『日勤』なのである。 医師は、たとえ一睡もしなくても『当直』なので勤務ではないと見なされる。だから連続30時間以上の勤務が放置され、その前後にも休日はない。この状況が放置されているのである。 人間の限界を超えるような勤務態勢を放置して、それでも不十分だとしたら、体制そのものを変えなければならないことくらい、行政も、メディアも、国民も、理解すべきである。 この場に及んで医療にかけるコストを減らす議論がされる。 一度医療が完全に崩壊しなければこの事態を理解出来ないのだろうか?
2007.09.09
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奈良で妊婦がたらい回しされ、流産してしまうという悲しい事件が起こりました。救急車に乗ってから病院到着まで実に3時間もかかったということです。 事件の本質を考えるとき、いまや税金の使い道のひとつとして問題視されている『公的医療機関』の経営、あるいは 医療改革・医療改正というと言えば耳触りの良い言葉で断行されている医療政策の「医療費削減」をあわせて考える必要があると思います。 都市部の病院も医師不足が問題になっており,過疎地ではそれ以上に医師が少なすぎるのです。ほとんどの医師や看護師は労働基準法違反の労働を強いられています。 生活を守るためには『余裕のある医療』が大切だと思います。これを無駄だというのは,安全保障という概念の欠如した考えだと思います。 普段は必要がなくても,いざというときに受診できる医療機関が近隣にあることが絶対に必要です。小児科医のいない所に安心して若い夫婦が住めるはずはありません。一人暮らしの老人でも歩いてゆける距離に医療機関があればそれだけで安心です。いつでも医療機関を受診できるという安心感,この安心感こそが国民医療にとって最も大切なことです。 国民の健康と生命を守る日本の医療を,警察,消防,救急と同じように国民の安全保障と捉えるべきです。犯罪の増加により警察官が増員されたように,医療の質の向上と安全を求めるならば,医療にもそれ相応の費用をかけるべきです。医療を経済で考える最近の風潮ほど愚かなことはありません 。 医療を論じる場合,医療には必ず医療費という問題が付随することを忘れてはいけません。医療はタダではありません。ですから医療を論じる場合には,医療費について同時に論じなければ解決には結びつかないのです。 この単純な理屈抜きで、医療の議論に時間をかけても的はずれの結論にしかなりません。現在の医療を考える上で最も大切なことは,医療を支える医療費の議論です。良い医療を求めるならば,あるいは安全な医療を求めるならば,それを確保するための医療費をどうするかの議論が必須条件になります。 医療費は天から降ってくるものではありません。 残念ながら、現在は「医療費削減」の名のもと『余裕のある医療』の『余裕』部分が削られています。 医療も経済と同じと考え,経済が低迷していることを理由に,国民医療費を抑制しています。国の政策には,医療を何よりも優先するという家庭的感覚が欠如しているのです。国は「医療の質と安全性を高めよ」と言っています。しかしそのための予算は出していません。すべて医療機関の持ち出しになっています。つまり,国はかけ声だけで,国民の健康や福祉はどうでもよいと思っているとしか思えません。 医療費を削減することが今の国の政策ですから,残念ながら日本の医療が良くなるはずはありません。患者の健康と生命を考えず,患者の自己負担を増やすような政策では日本の医療は悪くなるだけです。 『公的医療機関』の理念も考える必要があります。 医療改革(医療改悪?)の初期は「経営」だけを第一に考えない県立病院、市民病院など『公的医療機関』が頼りでした。しかし、近年は自治体において、『公的医療機関』も財政再建のターゲットになっています。すなわち、公的な機関さえ財政的な観点で考えられ厳格な「経営」の論理が突きつけられています。 日本全国で以下のような『公的医療機関』の赤字が報じられています。 『5市民病院 赤字11億8000万』 中日新聞朝刊(2007/08/29) 今回の事件でも、救急車がまず問い合わせたのは『公的医療機関』奈良県立医大病院でした。本来なら、こうした公的な病院が最後の砦として機能するべきなのです。 「官から民へ」のスローガンは、すべての悪を一掃するというようなイメージで支持されました。しかしながら、その中で民ができないこと、やりたくないこと、儲からないことは、切り捨てられています。「経営」の論理ではうまくいかない分野に、公の制度があるはずなのですが。 新厚生労働大臣桝添さんは最大限の努力を『国民の目線で』がんばってください。 加えて、閣内では唯一の医師免許保持者 鴨下一郎環境大臣も『医師の目線で』がんばってください。 一開業医の切なる願いです!
2007.08.31
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自民党は歴史的敗北となった。この敗北には喜ぶべきこともあるように思う。先の衆議院選挙は自民党が勝ちすぎた。自民党の運営におごりがあったのも否めない。参議院の過半数を野党が握り、野党議長になることで、これからは政府案と野党案が国会でガチンコでぶつかることになる。(たとえ与党が過半数を取れなくても、自民、公明が統一会派を組んで議長をとるという裏技も使えないほどの大敗となってしまった。)オープンな議論なしには、法案が通らないわけである。自民党本部の中での閉ざされた部会での議論ではなく、国会のオープンな場での議論を展開していかなければならなくなった。今回の選挙では、日本医師連盟が推薦した武見敬三氏(自民)が落選した一方で、反執行部派の一部都道府県医師会が推した自見庄三郎氏(国民新党)が当選した。また、歯科医の石井みどり氏(自民)は当選したが、薬剤師候補2人、看護師候補2人は全滅。以前から懸念されていた医療関係団体の集票力の低下が、ついに現実のものとなったようです。医療現場の苦しさを表現する方法には関係者は悩んだことと思います。(武見敬三氏の得票を増やし医師会の存在感を示す? あるいは 自民に投票せずに国民新党自見庄三郎氏に投票する?)しかしながら、現在の自民党の医療政策への不信は十分示している今回の選挙結果と私は考えます。 煌めきの未来へ 交響詩・名古屋城 ↑ 価格1,000円のうち100円が名古屋城本丸御殿積立基金に寄附されます。
2007.07.31
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権丈善一慶應義塾大学商学部教授の興味ある記事がありました。医療崩壊を食い止めよ 年金問題より医師確保を 連載企画「1票の意味-参院選インタビュー」権丈善一慶応大教授 記事:共同通信社 提供:共同通信社 【2007年7月19日】 -今回の参院選で社会保障分野の課題は。 「医療提供体制の立て直しが最も重要だ。医療現場は崩壊しつつあり、この流れを食い止めるのに残された時間はまったくない。特に地域医療は瀬戸際にあり、緊急に手を打つべきだ。いま大騒ぎしている年金記録の問題は議論が出尽くした。だが、医療問題は政治レベルの判断が手付かずのままだ」-政治の判断とは。 「医師も看護師も疲れ切っている。医療従事者が自分の仕事を続けることに希望を抱ける政策に転換するべきだ。公的医療費の抑制をやめ、かつ医師を増やして数を確保する必要がある」 「有権者全員に問題の深刻さを理解してもらえるかどうかはともかく、せめて全国約200万人の医療従事者に絞って呼び掛けたい。毎日の生活の中で医療政策の矛盾を肌で感じながら過ごされている皆さんは、各党のマニフェストを冷静に読み比べた上で、医療崩壊の阻止に取り組む政党を選んでほしい、と」-具体的な選び方は。 「1997年と昨年になされた2つの閣議決定を撤回する姿勢を示せるかどうかだ。97年の決定は医師数は充足しているとして医学部定員を減らす方針を打ち出した。昨年は社会保障費を5年間で1兆6000億円削減するとの内容。これらが生きている限り、医師は増えず、医療費が今後も削られるのは自明だろう」 「何も与党批判をしたいのではない。与党が誤りに気付き、自ら方針を変えるなら評価できよう。日本では医師1人が診ている患者の数は米国の5倍、欧州諸国の3、4倍に及ぶ。医師数を増やさないとどうしようもない。医療費についても、欧州諸国の平均水準まで増やす方向に行かないとダメだ」-財源は。負担増は経済成長を阻害しないか。 「欧州並みに社会保険料を引き上げる選択肢があってよい。政党は『社会保険料をアップして医療に充てる』と約束すべきだ。個々の企業側は嫌だろうが、経済活動全体から見れば、医療や介護の分野のサービス需要や雇用をつくり出す貢献は大きい。結果的に高齢者が多い地方に所得が再分配され、地方交付税のような役割も果たし得る。ただ、消費税は他に充当すべき政策もあり、医療費を増やすにはまず社会保険料を考える方が実現可能性が高い」-年金については。 「論議は記録問題から制度論に入ってきた。民主党の年金改革案は年収600万円以上の所得者に給付制限があるなど、現在の支持者もいずれは失望するだろう。メディアがあおる不毛な年金論争に振り回されて投票先を決めては、国民はせっかくの国政選挙を1回無駄にし、取り返しのつかない医療崩壊を受け入れることになるだけだ」私 皮膚科医独身はすべての考えに同意します。 医療政策は選挙で変える
2007.07.19
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注目すべき記事です!研修医指導に専任医 名市大が新制度、チーム態勢で初期診療2007年6月25日 中日新聞夕刊http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007062502027087.html地方の病院に医師を供給してきた大学病院に研修医が残らなくなり、全国各地で医師不足が深刻化する中、名古屋市立大病院(同市瑞穂区)が、専任の指導医を置いてチーム態勢で内科の初期診療を学ぶ新しい研修制度を始めている。全国でも先進的な取り組みで、同病院は「多くの研修医を呼び込みたい」と意気込んでいる。二〇〇四年度から導入された新しい臨床研修制度により、研修医が主体的に研修先の病院を選べるようになったため、初期診療を幅広く学ぶことができる一部の民間病院などに人気が集まり、大学病院に残る研修医が激減。結果として、大学が地方の病院から医師を引き揚げ、医師不足を招く悪循環が指摘される。名市大病院も、新制度が始まる前は卒業生が毎年四十人ほど残っていたが、今年は十四人だけだ。新システムは、内科の各分野の専門医五人を専任の指導医に任命。研修医全員と「コア診療ユニット」という診療チームを組むとともに、「総合診療病床」を新設し、このチームが入院治療を担当することにした。従来の研修では、指導医が診療と研究を兼任、指導体制も不十分になりがち。研修医も内科の中で循環器、呼吸器、消化器などの各診療科を短期間で回り、別々の指導医から細切れの指導を受けるのが実態だった。そこで、同病院では研修の受け皿を充実することで“研修医流出”の食い止めに乗り出した。新しい制度は、チームでの研修期間を六カ月とし、腰を落ち着けて内科の入院患者の治療に当たり、初期診療の能力を身につけてもらう。一方で、それぞれの患者については責任診療科を決め、「ユニット」と協力することで万全の態勢を敷く。今年四月から、二チームを編成して始動した。同病院総合教育・臨床研修センター長の早野順一郎教授(51)によると、臨床研修に特化した有給の専任指導医を置く研修病院は、全国的にもほとんどない。ユニットの主任を務める兼松孝好医師(39)は「大学に多くの研修医が残ることによって、大学の医師不足、地方の医師不足を解消させる一つのモデルにしたい」と話している。私も過去に記事でhttp://plaza.rakuten.co.jp/hifuka/diary/200704220000/『「新医師臨床研修制度」導入にあたり大学側は,臨床研修終了後(卒後3年目)の医師は、以前のように大学へ戻るだろうと楽観視していた。』と大学の見込みの甘さを指摘した。しかしながら、『大学病院は、診療人員とともに教育人員も備わった教育機関である。日々の診療に追われる臨床研修病院より、医師教育の受け皿として適しているのは当然のことである。私は、大学病院にこそ新しい時代のニーズに耐えうる医師臨床研修システムを構築すべきと考える。』と大学病院への切なる希望を述べさせてもらった。独立行政法人化した大学病院や臨床研修病院が、研修医獲得のためにさまざまな創意・工夫をするようになった。このことは、大いに評価すべきである。ちなみに名古屋市立大は私皮膚科医独身の出身校です(笑)。早野先生がんばれ!
2007.06.29
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記事:Japan Medicine 提供:じほう にこんな記事がありました。【2007年6月22日】後発品で医師の意向を把握前年度の調査によると、後発品への変更可能な処方せんは全体の約17%にとどまっている。厚生労働省は、低迷の原因を探るには、処方せんを発行する医療機関の管理者や医師の意向を調べる必要があると判断。後発品使用時の問題発生の有無や、使用に関する基本的な姿勢を聞き、「患者からの要望があっても基本的には処方しない」と答えた医師らには、品質や安定供給など具体的な理由を選択してもらう。厚労省は後発品の利用促進について、数量ベースで16.8%(04年度)のシェアを12年度までに約2倍の30%以上とする目標を打ち出している。医師らに対象を拡大した今回の調査について保険局医療課は「利用拡大ありきというわけではない。後発品への『変更可』とされた処方せんが少ない原因がどこにあるかを検証するのが狙い」と説明している。現場の医師として 処方の根本に関わる考えを述べたいと思います。後発品が先発品と同じ効果があるという保障を厚労省はしてくれるのだろうか。厚労省は後発メーカーの技術をちゃんと検証しているのだろうか。不用意に患者さんの不安をあおりたくはありませんが、有効成分が同じだからといって製造工程も違い、品質管理の質の違う薬を 我々医師は、安いからといって責任を持って患者に処方できる環境にないのです。ある一定の後発品を使った経験のある医師は、成分が同じでも効果が同じでないということを知っているのです。例えば、松坂牛を素材としたステーキであっても、ステーキ専門店で料理してもらうのと、家で調理して食べるのと値段が違って当たり前でしょ。某後発品メーカーが『効き目は同じで値段が安い』と宣伝しています。このメーカーは、後発品メーカーのなかでも大手で品質もしっかりしていると私は判断します。が、、、”後発品への変更可能な処方せん”を発行すると基本的には後発品メーカーの選択は、院外薬局の薬剤師に基本的に委ねることになるわけです。厚労省の後発品の利用促進を16.8%(04年度)のシェアを12年度までに約2倍の30%以上とする目標はわかる。しかしながら、この後問題となる後発品の質の問題も十分患者に周知すべきだろうと考えています。『後発品への変更可とされた処方せんが少ない原因がどこにあるか』、、、、の明確な答えです。安いだけで効果が悪ければ、病気を悪化させて余計医療費の浪費しませんか。そのリスクも国民の皆様にわかっていただいた上で議論すべきだと私は思います。
2007.06.26
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マイケルムーア監督 映画「Sicko」http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=2700『事故で指をなくしたひとが、病院に行ったが、保険がないので多額の医療費を請求さるので、2本のうち1本しか元に戻すことができなかった話や 緊急で運ばれた病人が保険に入っていないという理由でなげだされたところを隠しカメラで捉え、どんな事態がおこっているのかを映している。 赤ちゃんが40度の熱を出して、病院に連れて行くと保険に入っていないという理由で治療が受けられないという話など涙をそそる場面もある。』まさに 今の日本の医療政策はこのアメリカをお手本に進められているのです。医療崩壊まっしぐらです。今回の映画は日本医療の5年後の状況かもしれない。米国の医療費はGDPの約15%であり、一人あたりの医療費は5635ドル、世界で最も高いレベル。この医療費の支払い元の内訳を見るとトップが「民間保険」で36%。日本で言うところの健康保険とは意味が全く違っており、日本のような健康保険は「メディケイド(低所得者向け医療扶助)」というのがそれに相当しており、高齢者や低所得者しか適用されません。つまりほとんどの人は民間保険になるわけですが、これは任意加入。大体は会社が従業員に加入させている。もちろん負担は会社にとって大きい。そして65歳未満で見た場合、民間保険加入者は7割、1割はメディケイド、そして残りの2割はなんと「無保険」になっています。ムーア監督は言いました『病気は共和党 、民主党 を選べない 』日本では『病気は自民党 、国民新党 を選べない 』かな??日本医師会は『地域の特殊事情』と説明しているが、地方の医師会が国民新党の自見さんを推薦していることにも十分配慮すべきであろう。
2007.06.21
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2006年4月の診療報酬改定で、看護師1人が受け持つ入院患者数による区分を、従来の15人、13人、10人の3区分から新たに7人を加えた4区分に変更。手厚く配置した病院に診療報酬を上乗せする方針となった。 おそらく、患者側から見れば”看護師が多くて手厚い看護”と喜ばれるかもしれません。 しかし、よく考えてみてくださいよ 看護師資格のある人が無職で遊んでるわけじゃないんです。2006年4月に資格を取った新人看護師がいることはいるでしょうが、需要が急激に膨らんじゃったわけです。看護師が不足することくらい、厚生労働省もわかっていたでしょうに! 過去にこんな記事がありました。【2006年11月30日】 厚生労働省は、国立大学病院など全国423の大病院が来春に採用を予定している看護師が、今春の1.5倍に当たる1万8740人に増加したとの調査結果を、29日の中央社会保険医療協議会(中医協)に提出した。 大病院の採用急増のあおりで、中小病院の看護師不足が強まることを懸念する声もある。 中医協では「区分による診療報酬の格差が大きく、看護師争奪戦に拍車をかけている」などの指摘が出た。 募集の内訳は、45の国立大学病院で本年度比2.2倍の5420人、国立病院機構の146病院で同1.2倍の4500人など。 看護師不足 は 完全な厚生労働省の失政ですよ! わが名古屋市も、今年4月名古屋市の基幹病院である 緑市民病院、東市民病院で『看護婦不足による病棟一部閉鎖問題』がおこり、現在も事態は解消されていません。 元々名古屋は、九州を中心にした地方出身者が医療機関で手伝いをしながら看護学校に通い、看護師資格をとる方々が多い地区でした。逆に言えば、名古屋に根を張っていないので他に地区へ転職が可能な方が多いともいえます。 昨年から、『東大病院、大阪大学病院が幹部を名古屋へ派遣し看護婦集めをしている』という噂はありました。名古屋はまさに絶好の草刈場となったわけですね。 足りないのは医者だけじゃない!看護師も不足してるんです! 全国の議員さん!代議士さん! 看護師不足も問題として早く取り上げてください!
2007.06.16
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医療機関の倒産急増 診療報酬引き下げで収入減 医療機関の倒産が急増している。信用調査会社の帝国データバンクのまとめによると、法的整理による倒産件数は今年1~5月で全国で28件に上り、01年以降で最悪のペース。06年度の診療報酬引き下げによる収入減が大きな要因で、同社は「小規模の医療機関を中心に年後半はさらに増えそうだ」とみている。 帝国データが全国の医療機関(病院、診療所、歯科医院)による民事再生法や破産手続きの申請など法的整理件数を調べたところ、02~06年はほぼ横ばいだったが、今年は例年の倍近いペースで増加。01年以降で最も多かった04年(32件)を超える勢いだ。 今年の28件のうち、民事再生法が8件、破産が20件。負債額5億円未満が15件と約半数を占める一方、30億円以上の倒産件数(5件)は過去6年間の合計件数にすでに並んだ。事業規模の大きい医療機関は民事再生法、診療所や歯科医院など規模の小さいところは破産を選択する傾向が強くなっているという。 主な倒産原因については、診療報酬の減少による「販売不振」が7件、「設備投資の失敗」が8件と多く、「放漫経営」が3件だった。 国民の皆さん 早く気付いてください。。。気付いた時にはもう 病院が 診療所が無くなっているかもしれないんです!
2007.06.14
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毎日新聞社の興味ある記事がありました(提供:毎日新聞社)医師数:1000人当たりの数、2020年にOECDで最下位に◇日本福祉大教授が試算 人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた少なさが浮かんだ。【鯨岡秀紀】【2007年5月28日】 OECDによると、診療に従事する03年の日本の医師数は人口1000人当たり2人。OECD平均の2・9人に及ばず、加盟国中27位の少なさで、▽韓国1・6人▽メキシコ1・5人▽トルコ1・4人----の3カ国を上回っているにすぎない。 一方、診療医師数の年平均増加率(90-03年)はメキシコ3・2%、トルコ3・5%、韓国は5・5%に達する。日本は1・26%と大幅に低く、OECD各国中でも最低レベル。「医師が過剰になる」として、養成数抑制政策を続けているためだ。 近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し人口1000人当たり診療医師数の変化を試算した。09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。30年には韓国6・79人、メキシコ3・51人、トルコ3・54人になるが、日本は2・80人。 近藤教授は「政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」と批判している。現場を知っているの人間なら当然納得です!私も言いたい!「政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」
2007.05.29
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夏の参議員選挙が近づいてきました。日本医師会の支持候補は自民党武見敬三さんです。日本医師会の元会長武見太郎先生の子息ですが、医師ではありません。麻生グループ代表麻生泰氏(麻生太郎衆議院議員の弟)の和子夫人は武見敬三さんの妹です。ところが、茨城県など、国民新党公認の自見庄三郎元郵政相の推薦を決めるところもある。自見さんは元自民党とはいえ今は国民新党の方です。医師会の中央の力が落ちているのもあると思いますが。。。。医師は医療現場の声を政治に必死に伝えようとしているのだと思います。茨城県会長は推薦理由をこう説明している『今の自民党は、極端な医師不足に悩む県の実情をよく理解していない。医師免許を持ち、現場の窮状が分かる自見氏が適任だ。医療費抑制ばかり言っている自民党はダメだという声を多くの医師から聞いている。』自見庄三郎ホームページ『アメリカに「右に倣え」の医療制度改革』 http://www.jimisun.com/sinsou.htm 医療に関する見識はすばらしいと思います。是非一度お読みください。医師が自分の儲けを云々議論する時期はもうすでに過ぎてしまったようです。これからしばらくは、医療がすべての国民のために存在するのか、一部のお金持ちのために存在するのかの攻防になっているように思います。
2007.05.26
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医療費は削減し それで 医者の数増やすんですか?医療費は削減し それで 夜間診療も充実させるんですか?医療費は削減し それで 地方医療を充実させるんですか?医療現場の人間としては、さすがに『ええ加減にせい』ですな。医療は物を製造してるわけじゃなく、マンパワーに頼る世界ですから コストダウン、人員削減には限界があります。今でこそ問題視されますが、多くの公立病院はつい最近まで赤字垂れ流しでしたよね。しかしながら、命を預かるわけだからと政治は容認してきたわけです。良心的な医療をし、医療機器を十分に利用し、となれば今までの診療報酬体系でさえ不十分だったわけです。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」に示されているとおり、政府は医療費の大幅削減を目指している<2006年度の社会保障費31.1兆円に対し、2011年度には自然体で39.9兆円になる。これを政策的に1.6兆円削減し38.3兆円に圧縮するという計画である>。この国はいつから国民の命を 財政をものさしにして考えるようになったのでしょう?きのうのTVタックルでいいこといってた。 『命を十分に保障して医療コスト増やすか、命の保障はそこそこでいいから財政のことを考えるか!参議院選挙の争点にしてもいいくらいだ』私はいつも以下の言葉を大切にしています。以前このブログでも紹介しましたが、以前書いた論文の終わり書きです。 医療とは、心身の苦痛や不安を持つ病者が最良の治療を望み、医療提供者は生命の尊重を第一義として、最善の治療によって病者を癒し、健康の回復に努めるという、極めて人間的な活動を原点とする。 両者が求める最善の治療の選択において、健康や生命の価値を価格に換算することは決してない。医療の対価は、常に科学的専門性と倫理的自律のもとに成立してきたものであり、いかなる改革においても、この普遍的理念を阻害してはならない。 私のような人間は きっといつまでも医者やってちゃいかんのだろうな。。。。寂しくなるような今日この頃
2007.05.22
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医療の原点を考えた改革を~医療現場より医療政策提言~その2皮膚科医独身『医療の原点を考えた改革を~医療現場より医療政策提言~その1』からの続き<終わりに> 医療とは、心身の苦痛や不安を持つ病者が最良の治療を望み、医療提供者は生命の尊重を第一義として、最善の治療によって病者を癒し、健康の回復に努めるという、極めて人間的な活動を原点とする。 両者が求める最善の治療の選択において、健康や生命の価値を価格に換算することは決してない。医療の対価は、常に科学的専門性と倫理的自律のもとに成立してきたものであり、いかなる改革においても、この普遍的理念を阻害してはならない。 <<文献>>(1)「平成18年研修医マッチングの結果」(医師臨床研修マッチング協議会 平成18年10月発表資料) http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/10/dl/h1019-1a.pdf http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/10/dl/h1019-1b.pdf http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/10/dl/h1019-1c.pdf(2)「研修医の処遇に関する調査」(文部科学省・厚生労働省調べ)(3)「平成17年度臨床研修に関する調査中間報告」(厚生労働省研究班)(4)「学制百二十年史」(文部科学省) http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz199201/hpbz199201_2_135.html(5)「第1回医師の需給に関する資料(全国医科大学医学部入学定員の年次推移)」(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0225-4c11.html(6)「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/06/h0628-2.html(7)「厚生労働省における政策評価に関する基本計画女性医師バンク(仮称)」(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/05jigyou/05.html(8)「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006について」 http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/0707/item1.pdf(9)「OECD Health Data 2006」 http://www.oecdtokyo.org/pub/pub_ads/dyk_hd2006.html<<表>> 表AからE(.ppt ファイル)この表の閲覧には、PowerPoint Viewer 2007が必要です(無償)。 ダウンロードはここから → ダウンロード
2007.04.22
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医療の原点を考えた改革を~医療現場より医療政策提言~皮膚科医独身<はじめに> 私は皮膚科開業医である。「大学の医師派遣打ち切りによる地方病院の崩壊」「医療保険の財政問題」など医療問題が頻繁に話題になる。日本は1961年の国民皆保険実現以来、医療保険制度が年々整備の進んでいく医療提供体制とともに、国民の安心と生活の安定を支え、世界最高水準の平均寿命や高い保健医療水準を実現してきた。しかしながら、高齢化、経済低迷、国民の意識変化など医療を取り巻く環境は大きく変化しており、医療保険制度を将来にわたり持続可能なものへと再構築していくために、その改革が求められている。これは、国民生活に直結する課題であり、政府は目指すべき将来の医療の姿を十分明らかにし、国民の理解を得ながら議論を進めていく必要がある。また、将来に禍根を残すことのない改革を遂行しなければならない。日本の医療現状を鑑み、医療現場より問題点を数点指摘したい。(1)「新医師臨床研修制度」の廃止提言 医師の特定地域への偏在および医師不足(特に地方の病院)は深刻である。その最大の原因は「新医師臨床研修制度」(以下「新制度」と略す)であると考える。医師免許取得後2年間の臨床研修はこれまで努力規定であった。それが、平成16年4月から必修となり研修が義務化された(表A)。「平成18年医師臨床研修マッチングの結果」 1) によれば、来春新卒医師の臨床研修先は大学病院が48.8%であり大学離れをおこしている(参考:旧制度の大学病院研修は71.2% ) 2)(表B)。また、臨床研修医充足率(募集定員に対する割合)を都道府県別でみると、最高が東京の90%で、以下京都、福岡の順。最低は新潟の40%で、鳥取、富山、三重、青森と続く。加えて、臨床研修終了後の進路(卒後3年目医師の進路)も同様の傾向があり、大学病院での研修・勤務は48.6%と5割を下回っている 3) (表C)。「新制度」は新卒医師の進路を大きく変えてしまった。一般社会人の就職が都市偏重であるように、研修医にとっても「新制度」は自由な就職活動機会になった。「新制度」が医師の大学離れ、医師の都市集中を生んでいるのは明らかである。大学に研修医が残らなくなり、大学医局は人手不足になる。医局の医師派遣余力が小さくなり、結果、これまで大学医局を供給元にした関連病院に対する医師供給システムに破綻をきたした。研修医を集めにくい地方大学ほどこの状況は厳しく、さらには関連病院の中でもより僻地にある病院は希望者が少なくさらに影響が大きい。これが、地方病院の崩壊の真相である。「新制度」導入にあたり、大学側は,臨床研修終了後(卒後3年目)の医師は、以前のように大学へ戻るだろうと楽観視していた。結果は、大学へ戻ることはなかった。 そもそも、日本では1974年「一県一医大(無医大県解消)構想」 4) が掲げられ、人口の分布とは一致しない形で医学部学生が全国に分散していた。卒業後、出身地に帰る者、都会へ研修に出る者も存在していたのであるが、多くは卒業大学に根付く(すなわちその県の医療従事者となる)システムであった。「新制度」は、「一県一医大(無医大県解消)構想」の医師分散効用を打ち消してしまった。医局制度には人事権を握る教授が、過疎地の関連病院に半ば強制的に医師を配置する側面があり、医師配置の不均等を是正する機能があった。「新制度」にも利点がないわけではない。独立行政法人化した大学病院や臨床研修病院が、研修医獲得のためにさまざまな創意・工夫をするようになった。研修医に選択権があるので、魅力のある組織でないと研修医が集まらなくなった。このことは、評価すべきである。しかし、医療は”社会資本である”という考えで守られてきた分野である。国民の命を守る使命を持った医療分野に自由競争市場原理を無批判に持ち込んでよいものであろうか。 大学病院は、診療人員とともに教育人員も備わった教育機関である。日々の診療に追われる臨床研修病院より、医師教育の受け皿として適しているのは当然のことである。私は、大学病院にこそ新しい時代のニーズに耐えうる医師臨床研修システムを構築すべきと考える。厚生労働省の目的は(1)専門の診療科に偏った研修の是正(2)研修医の処遇改善と研修に専念する環境(3)客観的な研修成果の評価<出身大学やその関連病院での研修では評価不十分>である。これらが新制度への移行で解決されたとは評価できない。大学病院の医師臨床研修システムの改良で十分達成できるものと思われる。私は「新制度」廃止を提言したい。(2)女性医師の活用提言~医師増員政策の前にすべき政策~ 医師不足が問題となったのは、これがはじめてではない。1961年の国民皆保険の実施に伴って医療需要が拡大し、医師不足が政治問題化した。そこで、1974年に「一県一医大(無医大県解消)構想」がスタートし、医学部入学定員の増加が政策的に計画された。1979年沖縄県琉球大学の医学部開設をもって全都道府県での医師養成が可能となった。医師増加政策の始まりである。ところが、その琉球大学医学部の第一期入学生がまた在学中の1980年代初めに、既に行政改革と医療費適正化の対策の一つ(臨時行政調査会第三次答申)として医師数の削減を始めた。当時話題になったのは、逆に医師過剰問題だった。医師過剰キャンペーンには、医療の供給側を絞ることによって医療費増大に歯止めをかける狙いがあった。10年にも満たない期間で医師削減政策へと逆の舵を切ったのである。その意味では、現在の医師不足はこの20年間にわたり新卒医師を減らし続けた政策的結果 5) (表D)であって、当然の結末である。医師数削減の答申に利用された推計は実に粗いものだった。高齢化社会到来を考慮していなかったばかりか、若手医師が勤務の過酷な診療科をさけたり、結婚や育児との両立に悩む女性医師(以下「女医」と略す)の存在も想定していなかった。日本の医療政策が場当たり的で一貫性がなかったことの責任とも言えよう。 「新たな少子化対策の推進」で産科及び小児科医療システムの充実が項目として挙げられている。子供を生みやすい、育てやすい環境として、産科、小児科の充実は必須である。ともに女医が大きな割合を占めている。女医の医師全体に占める割合は15.6%にすぎないが、産科で20.6%(40歳未満で42.2%)、小児科で30.7%(同40.6%)である。「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」報告書 6) は「小児科医は最近10年間、むしろ僅かながら増加しているが、実際の活動性は明らかに低下している。その最大の原因の一つは、女医の結婚、出産、育児のための離職」と分析している。仕事と子育ての両立が困難で離職する女医は多い。女医が仕事と家庭を両立できる環境の整備は医師不足対策の重要なポイントといえよう。私は医師不足解消策として休職女医の有効活用を提言したい。すなわち「女性医師バンク事業」の育成及び活用である。復職したい希望を持つ女医が、パートタイム勤務など就労希望条件を登録して、条件にあう医療機関を選定しやすくする事業、それが「女性医師バンク」 7) である。さらには、女医2人で1人分の仕事を分け合う働き方<ワークシェアリング>も検討に値するのではないか(日本では社会保険などの保障や給与体系の抜本的な変革が必要であるが)。医学部入学者数を増やす前に、即効性のある政策はまだあると私は考えている。(3)財政にとらわれない医療政策議論を提言(日本の医療費は適正か?) 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」 8) に示されているとおり、政府は医療費の大幅削減を目指している<2006年度の社会保障費31.1兆円に対し、2011年度には自然体で39.9兆円になる。これを政策的に1.6兆円削減し38.3兆円に圧縮するという計画である>。政府の現在の医療に対する見解は「マクロ的な数字自体に過大な問題があるとは思わない」すなわち「医師は基本的には足りている」とのことである。本当にそうだろうか?診療報酬改定の度に入院病床が削られ、外来で入院させたい重症患者があってもなかなか入院させられない。夜間当直の翌日も、普通に外来診療をしなければならない病院勤務医の現状。そもそも、現在の日本の医療費は本当に適正水準なのだろうか? 「OECD Health Data 2006」 9) によると、2004年の対GDP比総医療費支出(介護保険サービス費や健康・予防関連の費用、管理コストなどを含むコスト)のランキングで、日本はOECD(経済協力開発機構)加盟30ケ国中21 位である(表E)。1996 年のデータでも、29ケ国中21 位であり、日本は医療費においては後進国である。1人当たりGDP が平均以上の国で、1人当たり総医療費支出が平均以下なのは日本、イギリス、フィンランドの3か国である。日本は経済力(GDP)に比べて、総医療費支出が抑制されているのがわかる。また、国民1人当たりGDPが平均以上の国の中で人口当たり医師数は最下位である。現在、各国は医師数を増やして医療の質を上げる努力をしているが、日本は大きく立ち遅れているのが読み取れる。2004年度の国民医療費は70歳以上の医療費の割合が初めて40%を超えた(総額32兆1111億円に対し、65歳以上で16兆4097億円<50%以上>、さらに70歳以上の医療費は13兆0414億円<40%以上>)。高齢者医療費の伸びにどう対応するかは医療制度改革の継続的な課題なのは間違いない。改革の課題は、国民皆保険やフリーアクセスの原則を守り、限られた財源の中で、将来とも良質な医療を確保し、持続可能な皆保険制度に再構築してことである。しかしながら、近年の医療制度改革試案は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」の方向性に配慮するなど、基本的には当面の財政収支の修復に終始しているに過ぎない。 国民の健康の維持・増進を図り、医療、保健、福祉の向上に努めるべき国の責任については、全く言及していない。 医療の本質を理解せぬまま、財政偏重の誤った改革を遂行すれば、将来、必ずや国民の健康不安を招来するばかりか、国家のあり方をも誤った方向に誘導しかねないことを政府は強く認識すべきである。日本の医療提供体制は現状ですら先進諸国に大きく水をあけられている。これ以上の高齢化が進む前に医療提供体制の再構築に向けて検討し、必要な医療資源を確保するための新たな財源手当ても検討する必要があると私は考える。『医療の原点を考えた改革を~医療現場より医療政策提言~その2』へ続く
2007.04.22
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薬価改定:来年度は見送り 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会は25日、07年度の薬価改定の見送りで大筋一致した。政府は2年に1度の薬価改定を毎年度実施に改める方針だが、定例の改定年度である08年度に続いて09年度も改定し、以後は毎年引き下げに踏み切る。薬価の毎年度改定は、薬の公定価格を市場の実勢価格に近い値段に引き下げる機会を増やし、医療費を抑制するのが目的。厚生労働省は1.8%減とした06年度に続き、07年度の引き下げも視野に入れていたが、医薬品業界の反発などで同部会の議論が長引き、07年度改定は時間切れで見送る流れとなった。ただ05年の公定薬価は市場価格より8%高いため08、09年度の連続改定は避けられない情勢。 (記事:毎日新聞社)【2006年10月26日】 多くの診療所は、従業員5人くらいの細々とした中小企業なんです。薬の公定価格改定の度にコンピュータソフト改定料を何万も取られる。経営上とても痛い。こんなの毎年やられちゃ、、、大変です。官僚、政治家は机上で考えるんじゃなく、現場を知らなきゃいけないですね。『公定薬価は市場価格より8%高いため』とありますが、(1)医療機関は消費税を転嫁できない(2)常に製品ロスはある<有効期限が切れた薬は、捨てざる得ない(当たり前だけど)>(3)薬価改定により常に在庫価値は下がる<3月末に100円薬価(新薬価90円)の薬が在庫としてあると、100円で仕入れ90円で売るから10円損をする>感覚として、今の価格差位で2年トータルでプラスマイナスゼロくらいじゃないでしょうか。よく『病院は薬を出せば出すほど儲かるから』などと偉そうに話す”にわか医療評論家”がいますが、それは昔話です!
2006.10.27
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卒後臨床研修先の進路2007年度からの卒後臨床研修先を決める医師臨床研修マッチングの最終結果が10月19日まとった。大学病院に決まった研修医は48.8%、市中病院は51.2%で、市中病院の方がやや優勢。この割合は昨年とほぼ同じで、研修医の大学離れが依然として続いている。研修必修化前は約7割が大学で研修していたが、今は5割弱。病院の募集数は1万1306人。募集定員に対し決まった医学生の割合(充足率)は市中病院72%、大学病院71%。都道府県別で充足率が最も高かったのは東京の90%で、以下京都、福岡、沖縄、神奈川の順。逆に最も低かったのは新潟の40%で、鳥取、富山、三重、青森と続いた。大学病院では東大、京大、慶応大など20病院で充足率が100%となる一方、旭川医大、弘前大、岩手医大、秋田大、新潟大、三重大など10病院は30%以下だった。大学病院の中でも地域による差が大きくなり、地方は苦戦続きです。医師偏在の問題は、一層深刻化しそうです。新研修制度第一期生の3年目の進路臨床研修を修了した後の進路は、大学病院での勤務・研修が全体の48.6%と5割を下回った一方、市中病院は38.2%で、卒後臨床研修における「市中病院人気」が3年目以降の専門研修にも反映されていることが明らかになった。これは、厚生労働省の研究班がまとめた「臨床研修に関する中間報告」の結果。04年度に始まった臨床研修医制度は、医師を首都圏に集中させる結果になっていますね。”一県一医大(無医大県解消)構想”で、医学部生はうまく全国に分散しているのに。
2006.10.20
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医療ネタになると閲覧数が伸びますね。いかに国民の関心が高いかがわかります。私は現役の医師です。『医療供給側からの意見だ!』とおしかりを受けることも多いですが、今や医師はマイノリティ。発言する機会さえ失われています。議員は医師批判をすれば票になる、マスコミは医療不祥事を書けばよく売れる。正しい批判は大歓迎ですが、最近の風潮は度を越していないでしょうか?『医療現場の意見を政策に』その気持ちが今の活動の根源です。よろしくお願いします。自民党参議院比例代表区の森元恒雄先生のメルマガに興味ある意見が掲載されていましたので紹介したいと思います。■□■===============================================■□■ 参議院議員 森元恒雄の国会だより 2006/10/11---No.234 http://www.t-morimoto.com/■□■===============================================■□■● 医師不足 離島やへき地など条件に恵まれない地域における医師不足は相変わらず深刻ですが、最近医師不足を巡ってちょっとした状況の変化が起こっています。離島やへき地の医師不足はますます深刻化しているだけでなく、都市部においても公立病院を中心に医師の確保に困窮するところが続出しているのです。 なぜ急にこのようなことになってしまったのでしょうか。 原因の一つは、平成15年に北海道内の大学に在籍する一部の医師が、勤務実態がないのに名義だけを医療機関に貸し、その対価として報酬を受け取っていたことが発覚したことです。これがきっかけになって全国的に名義貸しを取り止める措置が講じられたため、大学は文字どおり実力相応の医師数しか派遣できなくなり、医師不足の実態が顕在化することになりました。 そして第二の原因は、これまで医師免許取得後の2年間の臨床研修は任意であったものが平成16年4月から必修となったため、大学病院に比べ処遇の良い都市部の民間病院に研修医が流れる機会が増え、また、内科、外科、救急部門、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療の7科目を全て研修しなければならない制度になったため、対応に追われる大学医学部や大学病院の医師派遣余力が小さくなったことです。 さらに、最近の特徴は、とりわけ小児科、産婦人科、麻酔科などの、医療事故が起こりやすくリスクが大きい割りに、診療報酬が低く実入りが少ない特定の診療科目を希望する医師が少ないことです。 そこで、このような事態を打開するため、政府は本年8月31日「新医師確保総合対策」をまとめ、(1)小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくり、(2)都道府県における地域医療対策協議会の活性化、(3)大学に代わる医師派遣・キャリア形成システムの再構築、(4)医学部における地域枠の拡充、(5)医師不足県における医師養成数の暫定的な上乗せ、などの措置を講じることにしています。 ところで、離島やへき地など、条件に恵まれない地域における慢性的な医師不足を解消するには、二つの方法しかないと思われます。 一つは、医師が条件不利地域に魅力を感じるほどの高い診療報酬を、例えば地域調整手当てにより設定し、経済的にインセンティブが働くようにするか、あるいは税金を投入して地域勤務手当てを支給する方法です。なお、いずれの方法によるのが適当かは、その費用を誰が負担するのがより望ましいと考えるかによって異なります。 二つは、地域ごとに保険医の定数枠を設定し、それをオーバーすると保険医の資格が賦与されず、自由診療しかできないようにする方法です。 確かに憲法で保障された職業選択の自由との関係を考えると、医師が開業若しくは勤務する場所を制限することはできないことかも知れません。しかし、保険医としての資格を賦与するか否かは保険者たる国が自由に決定できることであると考えれば、その数を地域ごとに設定することは法的に十分可能なことではないかと思われます。ただし、このような方式を採るには、まず医師の理解と賛同が必要なことは言うまでもありません。 参議院議員 森元恒雄◆=====================================================◆私も非常に近い意見です。氏の述べられている、経済的なインセンティブは必要だと思います。2006.10.12の記事で取り上げた市立尾鷲総合病院の産婦人科医の件も、この医師を公立病院に勤める”公務員”と考えるからややこやしくなるんです。元開業医が医院を閉めてまで請われて来た訳ですから、3千万超の報酬を周りがあれこれ言うのはいかがなもんでしょう。『1年にお休み2日。夜間は役所に詰めています』という尾鷲市職員をみてみたいものです。氏の述べられている”04年度に始まった臨床研修医制度(『医師不足の真相』その1参照)”及び”名義貸しを取り止め”により医局で派遣医師のこま不足がおこった。これもありますね。地方大学医学部卒業生も研修先を自由に選択できるようになったが、若手医師を管理する医局制度が崩れ出し、指導医が充実する首都圏の病院に人材が流れている。”一県一医大(無医大県解消)構想”で、医学部生はうまく全国に分散しているのに、それを卒業後首都圏に集中させる結果になっています。そのあおりを、特に僻地の病院が食ったという構図です。そもそも『医局制度』の崩壊も根底にあります。権力者”教授”の命令は絶対で、たとえ赴任地が僻地であったとしても命にそむくわけにはいかなかったのです。もちろん”3年後には大学のに戻す”とかなどのアメは用意されていたわけですが(笑)。医療の世界はかなり封建的な社会です。それが必ずしもいいとは思いませんが、自由な社会になればなるほど『一般社会と同じ現象』(都市集中、ないしは地方は高コストを要する)になるのは当たり前なんです。
2006.10.16
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報道が報酬の問題に置き換わっています。この医師に対し、報道が厳しすぎるのでは?年間2日しか休みがないという労働基準法違反そのものの実態は放置し、高額の報償の非難ばかり。『医師は悪者』の姿勢がありありです。実情は、この医師にとってはお金の問題ではなく(もちろん命を削ってというレベルの仕事をされているようですが)病院の経営陣、行政、議会の過度の介入に嫌気がさしたようですね。元々は給料も非公開の約束だったようです。9月4日の投稿 地方在住医 さんのコメント【伊勢新聞記事の引用含む】が、正に核心を突いた意見だと私は思います。 ↓http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/09/post_d6f6_1.html伊勢新聞より(内幕が一番詳しい) ↓http://www.isenp.co.jp/news/_2006/0901/news00.htm このような悪例のために、過疎地へ赴く尊い意思を持った医師が減らないことを希望します。
2006.10.12
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毎日新聞社〔三重版〕【2006年10月11日】 『4医師退職の意向 三重県立志摩病院長が窮状訴える 県議会委』 県南部の医師不足が深刻化する中、県立志摩病院(志摩市阿児町)の田川新生院長が、10日開かれた県議会予算決算特別委員会で「今年度内に少なくとも4人の医師が退職の意向を示している」と述べ、地域医療の窮状を訴えた。志摩病院では現在、28人の医師のほか、山田赤十字病院(伊勢市)から常勤で派遣されている医師2人が産婦人科の外来診療を行っており、計30人が勤務している。田川院長は「医師不足で全く休みが取れない。若い医師は、年に1-2カ月間は(最新医学の)勉強をする時間が欲しいと訴えているが、それもできない」などと現状を報告し、30人のうち4人が退職の意向を示していることを明らかにした。その上で「地域医療が崩壊し、パニックにならないと、この状況は改善されないのではないか」と、今後の医療体制について危機感を示し、行政が早急に医師確保対策を講じるよう求めた。実は私、この田川院長と知り合いなのですが、、、「地域医療が崩壊し、パニックにならないと、この状況は改善されないのではないか」重い言葉ですね。
2006.10.11
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今日は大学院に提出した『新総理の課題』と題したレポートを!もちろん、安倍総理が読んでくれるわけじゃありませんが(笑)、、、題 安倍新総理の課題 『医師問題』 氏名 皮膚科医独身(笑) 医師の特定地域への偏在や、産科・小児科の医師不足は深刻な社会問題である。安倍新総理の課題としてこの点を指摘したい。 最近、産婦人科・小児科だけではなく一般的な医師不足という問題がマスメディアを賑わしている。日本で、医師が不足していることが問題となったのは、これがはじめてではない。1961年の国民皆保険の実施に伴って医療需要が拡大し、医師不足が政治問題化した。そこで、1974年に一県一医大(無医大県解消)構想がスタートして医学部入学定員の増加が政策的に計画され、1979年沖縄県琉球大学の医学部開設をもって全都道府県での医師養成が可能となった。医師増加政策の始まりである。ところが、その琉球大学医学部の第一期入学生がまた在学中の1980年代初めに、既に行政改革と医療費適正化の対策の一つ(臨時行政調査会第三次答申)として医師数の削減を始めた。当時話題になったのは、逆に医師過剰問題だった。医師過剰キャンペーンには、医療の供給側を絞ることによって医療費増大に歯止めをかける狙いがあった。10年にも満たない期間で医師削減政策へと逆の舵を切ったのである。その意味では、現在の医師不足はこの20年間にわたり新卒医師を減らし続けた政策的結果であって、当然の結末である。また、医師数削減の答申に利用された推計は実に粗いものだった。高齢化社会到来を考慮していなかったばかりか、勤務が過酷な診療科を若手医師が避けたり、結婚や育児との両立に悩む女性医師の存在も想定していなかった。日本の医療政策が場当たり的で一貫性がなかったことの責任とも言えよう。そしてここ数ヶ月の政策議論は、医師不足を理由とした地方大学の時限的な医学部定員増である。『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』に示されているとおり、現政府は医療費削減を目指しているのである。医師数を増加させる政策は一貫性を欠く。 インターネットの発達などにより、近年は地方に住むことの困難が軽減されている。また、人口の都市集中も以前ほど議論されなくなっている。しかし、医師の偏在は人口の都市集中を再加速させる因子となりはしないか?『新たな少子化対策の推進』で医療システムの充実が項目として挙げられているが、産科・小児科の医師不足はその弊害となりはしないか? 休職女医の有効活用を目的とした「女性医師バンク」の活用など、医師数を増やすことなく実働医師を増やす策は多くある。医師問題は生活に密着した国民の関心が高い項目である。目先にとらわれない安定したシステム作りを望む。(参考) 「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」女性医師バンク(仮称) http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/05jigyou/05.htmlこう考えてみると僕のレポートって普段このブログに”つれずれなるままに”書き込んだ文章をまとめたものになっていますね。民主党からの愛知県会議員立候補のお話も完全にかたがつきました。これらは『自民党員の一兵卒として』がんばっていく所存です(笑)厳しいご批判を!
2006.10.10
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医師が不足していることが問題となったのは、これがはじめてではないのは覚えているだろうか。1961年の国民皆保険の実施に伴って医療需要が拡大し、医師不足が政治問題化した。そこで、1974年には一県一医大(無医大県解消)構想がスタートして医学部入学定員の増加が政策的に計画され、1979年沖縄県琉球大学の医学部開設をもって全都道府県での医師養成が可能となった。医師増加政策の始まりである。 ところが、その琉球大学医学部の第一期入学生がまた在学中である1980年代初めに、既に行政改革と医療費適正化の対策の一つ(臨時行政調査会第三次答申)として医師数の削減を始めた。当時話題になったのは、逆に医師過剰問題だったことを覚えている方もいるだろう。医師過剰キャンペーンには、医療の供給側を絞ることによって医療費増大に歯止めをかける狙いがあった。10年にも満たない期間で医師削減政策へと逆の舵を切ったのである。その意味では、現在の医師数不足はこの20年間にわたる新卒医師を減らし続けた政策的結果であって、何の不思議もない現象なのである。 日本の医療政策が、場当たり的で一貫性がなかったことの結果である。
2006.09.29
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『医師不足の真相』その1でも触れたが、平成16年に新医師臨床研修制度ができ、新卒医師の最低2年の研修が義務化がなされたのである。多くの新医師は”幅広い診療能力が身に付けられる?”(私は少なくとも肯定はしないが)総合診療方式(スーパーローテイト)による研修を受ける事となるのである。さてここで、私のように昔の医者は何の迷いもなく出身大学の希望科(私の場合は皮膚科)に卒業後即入局(ストレート入局)し大学附属病院の研修医として2年の研修医生活を送るのである。批判はあろうと思うが、この2年間は皮膚科以外の科に属することはなかった。ただし、他の科の先生方と同じ患者を見る機会はいくらでもあり私自身は有意義な研修生活を送れたとは思います。”スーパーローテイト=幅広い診療能力が身に付けられる”とは思いません。『新しい臨床研修制度が定着していけば数年で解決していくはずである。理論上は!!』と敢えてかかせてもらったが、今、後に問題となりそうな傾向が発生しているように感じる。平成16年新医師臨床研修制度(幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式(スーパーローテイト))のスタート以来、地方の医師不足が一気に進み、都市への医師集中が起こってきています。新卒医師の行動パターンに大きな変化が起こっているのです。大学卒業後の”就職活動”が医者の世界で起こったようなものだと私は考えています。一般社会でも就職は都市部に集中しますよね。ブランド有名企業にあこがれますよね。一度東京に出たら、地方になかなか戻りませんよね。日本では”一県一医大(無医大県解消)構想”のおかげで医学部生はうまく全国に分散しています。旧システムでは、本来行きたかった出身校以外の大学の医局に入っても優遇されないかもしれない、あるいは、ルートがなくて入れない、そのため何となく様子のよく分かる出身校の医局へ進んでいた人がほとんどでした。”一県一医大(無医大県解消)構想”のおかげで、新卒医師も均等に分布していたのである。ところが、新制度により進路は自由に決められるという状況になりました。ゆえに、大学受験時にはあきらめた東京に行ってみたい、あるいは、有名病院に行ってみたい、という”想い”が実現されるようになったわけです。一般大学生は卒業後、通常は企業に入ります。地方大学を出た学生は、ブランド有名企業にあこがれます。都市にあこがれます。大量に採用してくれれば、憧れの企業に入社が決まり、東京に行きます。そして、地元に帰ってこなくなる。スーパーローテの開始により、医者の世界も一般社会と同じ構図になったのだと思います。”一県一医大(無医大県解消)構想”の効果が打ち消され始めているように感じます。
2006.09.20
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しばらく連載で医師不足について『医師不足の真相』と題し論じたいと思います。今日は『医師不足の真相』その1です。 最近、産婦人科、小児科だけではなく一般的な医師不足という問題がマスメディアを賑わしている。この問題を考えるにあたり、ここ数年だけは例年とは異る”特別な背景”が存在している事を理解する必要がある。平成16年の新医師臨床研修制度である。 新卒医師の臨床研修制度が平成16年から変わり、最低2年の研修が義務化されたのである。 医師国家試験に合格後の若手医師の研修期間が長くなり、医局(例えば○×大学小児科)に2年間は新卒の若手医師がはいらない。定年であったり、開業であったり医局員が減る因子は例年と同じように起こるため、医局員が足りなくなる。結果として、関連の病院(▲市民病院小児科)へ常勤の医師を派遣できない事態も起こりやすいのである。医師の需給ギャップが一時的に引き起こされているのである。 もちろん、この問題自体は新しい臨床研修制度が定着していけば数年で解決していくはずである。理論上は!!医師臨床研修制度の変遷http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hensen/index.html(1) 昭和21年 実地修練制度(いわゆるインターン制度)の創設 国民医療法施行令の一部改正により創設。昭和23年に現在の医師法が制定され、同法に基づく規定となる。 大学医学部卒業後、医師国家試験受験資格を得るための義務として、「卒業後1年以上の診療及び公衆に関する実地修練」を行うこととされた。 (2) 昭和43年 実地修練制度の廃止、臨床研修制度の創設 大学医学部卒業直後に医師国家試験を受験し、医師免許取得後も2年以上の臨床研修を行うように努めるものとするとされた。(努力規定) (3) 平成16年 新医師臨床研修制度 診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修を受けなければならないとされた。(必修化) (4) 参考 (1) 従来の臨床研修制度 ・ 研修医は、約13,500人(2学年分、対象者数の87%)。その7割が大学病院で、3割が臨床研修病院で研修を実施(平成13年度)。 ・ 研修医の4割程度が、出身大学(医局)関連の単一診療科によるストレート方式による研修を受けていた。 ・ 一方で、幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式(スーパーローテイト)による研修を受けていた研修医は少なかった。 (2) 必修化の背景 ・ 地域医療との接点が少なく、専門の診療科に偏った研修が行われ、「病気を診るが、人は診ない」と評されていた。 ・ 多くの研修医について、処遇が不十分で、アルバイトをせざるを得ず、研修に専念できない状況であった。 ・ 出身大学やその関連病院での研修が中心で、研修内容や研修成果の評価が十分に行われてこなかった。 (3) 研修の必修化 医師の臨床研修の必修化に当たっては、 ・ 医師としての人格を涵養し、 ・ プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するとともに、 ・ アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備すること を基本的な考え方として、制度を構築してきた。
2006.09.19
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医師の偏在による特定の地域や産科、小児科の医師不足は深刻な課題となっており、早急に解決する必要がある。日本で医師が不足していることが問題となったのは、これはじめてではない。1961年の国民皆保険の実施に伴って医療への需要が増大したために、医療の供給側である医師の不足が政治問題化した。そのなかで1974年には一県一医大(無医大県解消)構想がスタートして医学部入学定員の増加が図られ、1979年には全都道府県で医師養成が可能となった。結果、1984年には「人口10万人あたり医師150人確保」の目標をはやばやと突破した。1980年代初めには行政改革と医療費適正化の対策の一つ(1982年の臨時行政調査会第三次答申)として医師数の削減が開始されてしまったのだ。1984年のピーク時に8280人だった医学部の入学定員は現在では7625人に削減されている。臨調答申に盛り込まれていたという政治的文脈からも分かるように、この医師過剰キャンペーンには、医療の供給側を絞ることによって医療費増大に歯止めをかける狙いがあったともいわれる。その意味では、医師数不足は政策的にこの20年間にわたって医師を減らし続けた結果であって何の不思議もないのだ。 『新たな少子化対策の推進』で産科及び小児科医療システムの充実が項目として挙げられている。子供を生みやすい、育てやすい環境として、産科、小児科の充実は必須である。ともに女性医師(以下女医と略す)が大きな割合を占めている科目である。女医の医師全体に占める割合は15.6%だが、産科で20.6%(40歳未満で42.2%)、小児科で30.7%(同40.6%)である。厚生労働省「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」報告書は「小児科医は最近10年間、むしろ僅かながら増加しているが、実際の活動性は明らかに低下している。その最大の原因の一つは、女性医師の結婚、出産、育児のための離職」と分析している。私も医療従事者であり切実に感じることであるが、仕事と子育ての両立が困難で離職する女医は多い。女医が仕事と家庭を両立できる環境の整備は医師不足対策の重要なポイントといえよう。 私は医師不足解消策として休職女医の有効活用を提言したい。すなわち「女性医師バンク事業」の育成及び活用である。復職したい希望を持つ女医が、パートタイム勤務など就労希望条件を登録して、条件にあう医療機関を選定しやすくする事業、それが「女性医師バンク」である。さらに、あわせて厚労省は、再就職を希望する女医に第一線の技能・知識を習得してもらうための講習会の開催を計画している。 昨今、医師不足を理由に、時限的な医学部定員増加や地方大学医学部の「地域枠」(へき地出身者を対象とした推薦入試)創設などの医師増員策が計画されているが、『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』(骨太の方針06)に示されているとおり、現在の政府は医療費削減を目指しているのである。医師数を増加させる政策は一貫性を欠くのではないか。 「女性医師バンク」の設立に加え、院内保育所の整備や柔軟な勤務形態の導入、育児休業を安心してとれる体制の整備など雇用側にも総合的な対策が求められる。「女性の仕事と育児の両立」「男性の働き方の見直し」など男女共同参画をめざす「子ども子育て応援プラン」は一般家庭を対象に策定されているが、医療従事者の家庭も例外ではない。女医への対応は、医療システム充実対策であるとともに、子供の生み手対策の意味を併せ持ち、重要だと私は考える。(参考文献)「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/06/h0628-2.html「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」女性医師バンク(仮称) http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/05jigyou/05.html
2006.08.30
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