それでもなお平穏な日々

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カテゴリ: 社会
【続き】
2 『断絶した国の歴史、連綿と続く民族の記憶』

 前回の日記では表題のうち『断絶した国の歴史』についてまで述べた。
日本という国は昭和20年8月15日に終戦によって誕生したが如き「主義の方々」とその眷属教師の教育は、平成のこの世になって最も彼らの望まない形で結実したというのが前回の私の日記後半の要旨である。
あえて付け加えるのならば受験教育を重視する余りに、日本史は「明治維新から自由民権運動まで」を主として教育を行い、試験対策のための年代暗記に偏った教育を行ったことにもその責を負わせるべきだろう。
歴史的事件にはそれに至る時代背景に密接に連携した原因が存在しており、それを無視して年代と事件名と概要のみを憶えたところでそれは「歴史の知識」とはなり得ないからである。
 そしてそういった詰め込み型教育が、歴史の背景を無視して「現代の論理」で行為の善悪を判定しようという「自らが神の視点を持っていると思いこむ誇大妄想狂」の発生につながっていることも厳然とした事実なのである。


 さて前回の日記の内容が当てはまるとした場合でも、その成果が結実した世代が「靖国を参拝すべし」という意見を持つと断言するにはにはやや力不足であることも否めない。
ここにおいてこれを明確に説明するためには、本章タイトル後半の『連綿と続く民族の記憶』について語る必要がある。
国家の歴史は前述のとおりの理由で断絶させられた。だが、大日本帝国も現代日本もその構成員たる国民は一貫して同じ「日本民族」であることを失念してはいけない。(日本民族という人種的区分は厳密には存在しないのではあるが)
 そして日本の民族意識的風土と中韓におけるそれとの相違点が、靖国神社参拝に関する対応・思考法に現れているのだ。

 まず次の文章を読んでもらいたい。
「私がこの本の中で力を入れて説きたいと思う一つの点は、日本人の死後の観念、すなわち霊は永久に、この国土のうちに留まって、そう遠方へは行ってしまわないという信仰が、おそらくは世の始めから、少なくとも今日まで、かなり根強くまだ持ち続けられていることである。」
これは著名な民俗学者柳田國男氏の「先祖の話」という本の中の一文である。執筆時期は第二次大戦末期の空襲のあった時期であるらしい。
その過酷な時代から60年を経た平和な今でもこの「信仰」の基本スタイルはまったく変わっていない。
この考えの間接的証拠として例を挙げれば、我々日本人は亡くなった先祖のために、その命日にあるいは盆にまたあるいはお彼岸に、お経を上げてもらい、あるいは墓にお供え物をしているではないか。
柳田國男氏はこれを宗教とその本に書いておられるが、私は宗教と言う強圧的なイメージを持つものよりもむしろ「精神的風土」なのではないかと思う。多くの日本人が前述の日々に、普段は足を向けることがないような先祖の墓参に行ってしまうのはそれが既に潜在意識の根底部分に刷り込まれているからと考えるのがしっくり来るからである。

 では対する中韓はどうなのか。「諸君!」8月号において佐々淳行氏が「罪九族ニ及ブ」という「法家思想」の存在について述べている。
「誰かが一人罪を犯せばその罪は子々孫々、一家眷属に及ぶという、およそ現代の日本でも国際社会でも全く通用しない中国の封建思想である。」(諸君!8月号の佐々淳行氏記事より)というものだ。ちなみに韓国もこれと同様の思想から戦時中日本に協力した人間を裁く国内法を施行したのは記憶に新しい。
このような思想は、国が変わるたびに前王朝の功績を全否定し絶対悪化し続けた中国系の国家における特徴的思想だ。
また日本においてこれに類似した思想は、「江戸時代初期」には無くなっていたことは対比の上では面白い。到底「近代国家の行動論理」にはなり得ない野蛮な思想・風習が今でも続く中・韓と、それを三百年の昔に捨て去った日本。
その双方の民度の違いは、産業・工業・科学の差よりもよほど大きな差があると考えられよう。
こういった思想が残っているのならば、彼らの記憶の根底に「60年前に中国(韓国)を支配していた日帝」を彼ら自身の歴史上の過去の王朝になぞらえて扱われるのもある意味当然の論理である。(なにしろ実際に国土を統治していたのだから)
その場合「既に滅び去った大日本帝国」は彼らの認識上「悪」であり、悪の時代の記憶に従ってそのかつての拠り所に参拝する現在の政府要人を「悪の手先」「悪の復活を目論む」と罵るのも彼らの論理からすれば十分正しいと言えるのである。
これに加えて先に述べた「祖先の悪行の報いは子々孫々、一族郎党に及ぶ」法家思想が現存するということを考慮対象とすれば、彼らの行動にも説明が付くのである。


3 『エイジアンパワーゲーム』

 日本にしろ中韓にしろ、こういった思想的背景を抜きにしてお互いを否定・非難し合うことの愚は判らないはずがない。
実際日本では靖国神社参拝に賛否両論が存在し、中韓の思想的背景にまで考察を及ばせている。日本としてはただ非難し合う「その愚」を認識しているのである。そして中韓の参拝否定論に対して多くの日本人が反感・違和感を感じる理由はこれとは別の事象面に存在しているのである。(ほとんどの人がはっきりと、あるいは薄々と感じている、理解していることではあるが)

 ここで考慮すべき事実とは、中韓は米国やベトナム、北朝鮮等が行う戦死者墓地への国家指導者の参拝・追悼に何ら反対を表明していないということだ。ではなぜ日本だけがそういった批判の矢面に立たされなければならないのか。
その矛盾に対する疑問こそが「歴史の断絶」でも述べた「なぜ今の日本だけが干渉されたり謝罪したり賠償したりする必要があるのだろうか?」といった日本国内の昨今の反応に繋がっていく。

 ここで中韓の真意を読み解くべく、歴史の流れを振り返ってみる。

 中国と韓国では靖国反対を言い始めた時期は中国が遙かに早い。その関係上当初は中国について述べることになる。
靖国神社にA級戦犯が合祀されたのは1978年、発表は翌年の春の例大祭直前である。しかし中国が首相の公式参拝に対してクレームを付けてきた最初の年は1985年、実に6年の歳月が開いている。
この6年の間に中国が態度を変化させるための何らかの要因があったと考えるのが妥当である。ではいったい何があったのだろうか。
勘のいい読者の方は既に思いついておられるだろうが、この間は「冷戦真っ最中」なのである。
冷戦と言えば「共産主義陣営vs自由主義陣営」と考える人がいるが、実際にはそうではない。
 ソ連と中国はともに共産主義国家であったが、この2国はけして蜜月関係にあったわけではない。むしろ冷戦終了までの間どちらかと言えば対立期間の方が長いのである。しかも外交的対立だけではなく実際に戦火を交えてさえいる。
中ソがにらみ合っているその時代において、まだ発展途上とはいえ中国をしのぐ経済力を持つ国家である日本と対立することは当然得策ではない。加えて言えば「日本は防衛力を強化すべきである」という意見まで当時の中国から出ているのである。
もちろんその目的は「対ソ連」の外部からのプレッシャーの増加にあったことは言うまでもない。
 そういった時代の流れの中で米国とソ連の対立が激化し、結果としてソ連の対中圧力の比が下がることになる。
(これはレーガン時代到来とほぼ同期している)
ソ連の対中圧力が下がれば、当然日本の防衛力強化は中国にとって第2の仮想敵国である米国を利する行為となるとの判断から、一瞬にして中国の「日本防衛力増強提案」は消滅し軍事大国化を懸念する意見がこれに取って代わった。
その「軍事大国化の懸念」という捏造(当時から日本の防衛費はGNP比でかなり低いものであった)を、諸外国に対して強く主張するためには何か具体的な事例が必要であり、そのために「A級戦犯を合祀した神社への首相の参拝」がやり玉に挙がったのである。
 こうした一連の行為のうちに、米国との軍拡競争に耐えきれなくなったソ連が崩壊し、冷戦時代は終結することになる。
冷戦時代の終結に伴い、中国の外交姿勢と内政は大きな変革を迎える。
ソ連という国境を接する「仮想敵国」は崩壊し中国内においての切迫した危機感が低下するに伴い、「竹のカーテン」の隙間から漏れ出す旧西側諸国の発展と豊かさが中国人民の間に広がり始める。
自国の貧困・格差に対する不満の膨張は戦争勃発の可能性の低下を触媒に、民主化運動となって中国人民により大きな動きとなって急速に拡大した。その噴出が「天安門事件」である。
隣接する国家との戦争の危険性は低下し、自らの国を省みる余裕の出てきた国民は民主化運動を活発化させ、結果として国内は不安定化の一途を辿る。その運動を鎮圧・弾圧することが更に政府への不満につながり不安定化は更に拡大する。
中国共産党にとっての悪循環であった。

 この状況を打破するために中国共産党が新たなるスケープゴートとして照準を定めたのが、海を隔てた経済大国の小日本だったわけである。
人間は共通の敵があれば不満不平があってもその敵に関する問題が解消されるまで一致団結する。
そして中国人民は「過去の戦争を悔いることなく再び軍拡を目論む極東の経済豊かな軍事国家日本」を憎み、倒すために大同団結した。

【まだ続く】





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Last updated  Jul 10, 2005 12:03:52 AM
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