【小説】罪 第5話


第5話

「もう俺達別れよう…」
「ど、どうして…」
「俺達…最初は、いい加減でつきあったじゃん」
「そ、そうだけど…私達、つき合っていってお互いに好きになったんでしょ」
「………」
「それを…どうして…」
「俺…実は今好きな人ができたんだ…」
「えっ?」
「だから……」
「……さ、最低!!」と同時に大きな音が鳴り響く

そして彼女は車のドアを開けて、その場から去っていく。

僕は追いかけたかったが…できず。

「俺って…罪だな……」

「最低!!どうしてあんな人と…」苛立つ彼女。

1年後私は知った。
彼が病にかかっており1人で死んでいった事を
そして私の為にあんなことを言ったのかも…
どうして気づかなかったんだろう…
悔やむのも悔やみきれない状態で一晩中泣いた…

そして翌日の夜私は決めた…彼の所に行って謝りに行こうと。

私は浴槽にお湯を溜め、右手にはカミソリを持ち左手にあてようとした瞬間
彼の声が聞こえてきた。

「さゆり…」
「え…あつし!?あつしなの!?」
「俺は…自分のために別れた。さゆりのためじゃないから
死のうとしないでくれ」
「でも私…」
「君の気持ちだけ十分に伝わったよ」
「でも…」
「俺が生きられなかった分生きてくれ…な」
「あつし…」

これは幻だったのかわからなかったが自分が気がついた時は
朝だった。私は決心し彼の為にも生きる事を決意した。


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