その日、楽しく飲み、帰る際にお金を渡され
タクシーで家に………。

「…あの時、お互いに抱きあってしまった
彩がお金目当てなのなら、私……前川さんの事を」と
半々の気持ちのままベッドに入り、朝まで考えていた。

翌日、私は彩に睨みつけられようがわざとぶつけられようが
関係がなかった、私自身友人だった彩より、今自分が
好きだという前川さんの事だけでいっぱいで
何とも思わなかった。

それから私達は、誰の気兼ねもせず昼間に出かけたり
夜にドライブにと殆ど毎日会い、一ヶ月もしないうちに
私達は正式に付き合うことになった。
だが幸せというものはなかなかつづかないもので
……いや彼とのつきあいは何も問題はなかったが
どうやら彩の耳にはいってしまったのである。

「ねぇ、明美」と声をかけられ、後ろをふりむくと
彩だった。
「……なあに」
「ちょっと話があるんだけど……」
「話?私は…話なんかないけど…」
「いいからちょっと」と言い、屋上に行く。
「なんなの話って、早くすませてよ」
「……率直に言わせてもらうわっ、前川さんと
つき合っているんだって」
「……もし、そうだったら何だって言うのよっ!!」
「随分と強気ね、な、何、私から奪ったことで
勝ち誇ったつもりなの」
「別に勝ったとは思わないわ、でも……
私と前川さんがつき合ったことで彩に迷惑を
かけたわけでもないし、もう関係がないんだから…」
「関係ない!?私達は…」
「彼は言っていたわっ、彩との関係は終わったって」
「えっ……そ……そんな事………」
「ちゃんと彼は言ったわ…だから彼も事で
私に対する行動をやめてほしいの、私から言うことは
それだけよ」と言い、ドアの方へ向かう。
「……明美、私は……私は絶対に認めないからねー!」と
大声をだす。
だけど、私は振り向くことなくドアを開け下へ……。

「ぜ、絶対に許さない」と嫉妬の炎を燃やす彩。

そして彩の逆襲がはじまった…。

仕事が終わると、携帯が鳴る。
もちろんこの時間にかけてくるのは彼の充だった。
「もしもし…」
「明美。今日手術が入ってしまったから俺の家で
待っててくれないか」
「えっ、いいの…」
「当たり前じゃないか、俺達はつきあっているんだから」
「うん……でも鍵が………」
「鍵のある場所だけど……」と鍵のある場所を
言葉で告げられる。
「うん…わかった、もしわからなかったら」
「そうだな、管理人に開けてもらえるように
しておこうか、今度、合鍵を作っておくよ」
「えっ」
「当然だろっ、これから緊急が入って明美を
困らせたくはないからさ」
「充………」
「それじゃあ、そういうことで……」
「うん…じゃあ部屋で待っている…」
「ああ……」と言い、電話を切られる。


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