輝きの風景 Ocean View

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第二一部 「時間」


まずい。おじいさんの声だ・・・。
「はい・・・。」
「あれほどいったろう・・・。ここの部分は、こんな弱いゆるみ方だとすぐに狂ってしまうわい・・。」
「すみません・・・。でも、なんだかこうやった方がいいと思うんです。」
おじいさんの目がぎらりと光った。まずい・・・。
「あのなぁ・・クロノ・・・いいか?大事なのは基本じゃ。確かにお前の考えも合っているかもしれん。しかしな、お前はまだ見習いだし、1秒でもくるって見ろ。お前の首どころか、わしの首まで飛んでしまうわい・・・。」
「ごめんなさい・・・師匠・・・。」
「分かれればよろしい。それではそろそろ、夕飯の支度をしなくてはな。準備をしてくれんか?腰が痛くなってしまったわい。」
「はい・・・師匠・・。」


「あれが、時計塔か。」
クロスは、シールと一緒に三日歩き続けてやっとここまで来たのだった。
「そろそろ・・・休まないか・・・。はぁ・・・。」
シールは息切れしていた。しかし、クロスは疲れた様子もなく、「いや、時間がないんだ。行くぞ。」と、言い続けここまで来たのだった。そして、今時計塔を見ていた。既に針は六時を指し示していた。
「おっ、珍しくあのシールくんも疲れたとかは言わないな。」
クロスがバカにした様子で言う。
「はっ!誰かさんのおかげで、鍛えられましたからね!」
シールも負けずに言い返す。
「まあ、それはそうと、一人目だな。あそこにいるわけだ。`時間`の、能力を持つ奴は。そうとなりゃ、急がなくちゃな。」
シールも同意し、時計塔を目指す。

「ごめんくださーい。セルゾさんはいらっしゃいませんかー?」
暗い時計塔の中へ、二人は入っていった。既に時計は七時を過ぎていた。
「わしが、セルゾだが、何のようだね?少年よ。まさか、この時計塔で働くとは言わないだろうな。あいにくだが、人は足りているんでね。」
「いえ。違います。ただちょっと、貴方だけに話があるんです。」

シールとセルゾが入り、クロスが部屋へ入ろうとしたとき、クロスは少年を見た。なるほど、確かに人は足りているようだな、と思った。

クロノは、何を話しているのか聞こうとした。しかし、なんどか「お願いします!」などと言いながら、机を叩いているような音がしばしば聞こえていたので、びっくりして急いで部屋へ逃げていった。そんなことがあった野田が、いくつか会話を聞くことができた。まず、「わしは行けない。」という会話。これは師匠だろう。あと、「お願いします。」とか、頼み事をしているようだった。
そして、しばらくして出てきた。師匠が前へ出てきて、
「荷物の用意をしなさい。この少年達と一緒に、旅へ出るのだ。お前はまだこの町のことしか知らない。他の町のことを知り、知恵を広げろ。」
とだけ言い、部屋へ閉じこもってしまった。


そして、翌朝、クロノを連れて旅へ出た。
クロスは、昨日のおじいさんの言葉を思い出していた。

「確かにわしが、`時`をあやつる神だろう。しかしなわしはもう歳じゃ。手伝えるどころか、足手まといになるだけじゃろう。だからな。わしの弟子のクロノを連れて行ってもらいたい。」
「なぜです?彼は、神ではありません。神でない人を連れて行くことはできない。」
「ああ。確かに違う。しかしな、おぬしも知っているはずじゃ。神ではなくても、能力は受け継がれると。わしが死ねば、あの子が神となる。」


そう言っていった。そして、

「これを、あの子に渡してほしい。お前さんがあの子はもう神になった、と思ったとき、これを渡してほしい。時をあやつる、剣。この時計塔の秘宝じゃ。これを持てば、あの子は強くなるじゃろう。神にならない間は足手まといになるじゃろうが、その時はかわいがってくれぬか?あの子には、親もいなければ、身よりもないのだから・・・・。」

そう言い残し、部屋へ入っていった。
「どうかしましたか?クロスさん?」
クロノが問いかけた。
「ああ。大丈夫。それよりよろしくな。クロノ。「
「はい。」

こうして、時の神の弟子が仲間となった。


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