輝きの風景 Ocean View

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第三十九部 「龍」


フォールがすかさず、新城次と、シールを押し倒した。そして、フォールは、黒龍の火炎を直撃した。
「フォール!」
シールが叫ぶと、デュークが動いた。
「先輩!どいてくれッス!!」
シールがどくと、デュークは黒龍に自分の所属している、風の魔術を使って、相手をひるませた。それでも、黒龍はすぐに体制を立て直し、二人に攻撃態勢が入った。が、黒龍は動かなくなった。その中に、一人の声が聞こえた。
「ふう・・・間に合って良かった・・・。」
影から出てきたのは、火炎でやられたはずのフォールだった。傷一つなかった。
「フォール!?あの火炎をどうやって・・・?」
シールが言うと、ため息をついてフォールが言う。
「知りませんでしたか?私は、影が専門ですよ?無論、影をつかって幻を作ることも、相手の影と自分の影を一致させ、とらえることだって可能ですよ?」
それでも、黒龍は苦しそうに喋った。

{ほう・・・!!おもしろい!わしを手なずけたのは、長だけじゃ。ほう、今日はなかなかおもしろい客がいるじゃあないか・・・!!}

と、全員の心に響く。そして、シールが言った。
「とにかく、オレら無駄な時間を過ごすわけにはいかないんだ。早く、ここから出してくれ」
龍が言う。

{出ることは不可能じゃ。わしを認める限りな・・・!!しかも、わしとの時間を、無駄な時間じゃと・・・?おもしろい!ほとんどがわしを見ると、瞬く瞬間にいなくなると言うのに、お前達はおもしろい奴だ。いいだろう!わしとの勝負に勝てたら、ここから出してやる!}

そう言うと、影の呪縛術を力尽くで解いた!そして、その矢先に黒い火炎弾が、シールに向かった。
「先輩!」
デュークが、風で火炎弾を吹っ飛ばした。しかし、黒い影がシールに直撃した!シールは壁に吹っ飛ばされた!
「先輩!!」
すると、暗がりからまたあの声が聞こえた。

{若いの・・・、お前はわしと戦うには早すぎたな・・・}

「ちっ・・・、火炎弾は目くらましか・・・!!」
フォールと、デュークでシールを起こした。しかし、二人はシールに異変を感じた。おかしい・・・。なんだか、違う。シールがしゃべり出す。
「思い出した・・・。あんた、オレと戦ったことあるだろ・・・。それで、オレの父さんから貰った、剣を喰った」
龍が言う。

{何・・・?わしは覚えておらん。しかし、剣は覚えている・・・。あれは上手かった。}

「先輩・・・?大丈夫ッスか?」
デュークが、声をかけると、首になにか浮き出てくるのが見えた。デューク自体、見覚えはないが、感覚で分かった。シールは神に目覚めた!しかし、それを引き出す能力者、クロスがいなかった。シールは、デュークが自分の首の印を見て驚いているのに気づき、言った。
「心配するな。引き出し方なら、知っている」
そういうと、シールは自分の印に、二本の指を起き、くるりと回す。すると、印は消えた。

{いいかげん腹が減ってきた・・・!!準備は大丈夫なのかな・・・?}

龍が言った。すると、シールはうなずき、右手を前に出して龍に突進した。
「デューク!横から先輩を援護するのだ!」フォールが言った。
そして、右手をかざしたまま、シールは龍に向かっていく。龍は大口を開けていた。向かってくるシールをそのまま喰うつもりらしい。そうはさせまいと、フォールは影の準備をし、目くらましの風をデュークも準備をした。しかし、その必要はなかった。デュークの風も、フォールの影も、そして、龍の大口も必要なかった。シールは、そのまま龍を通り過ぎ、しっぽの先で止まり、しっぽを右手で、ポンと触れた。その瞬間だった。一瞬、龍の体と、シールの右手が光ったと思うと、次の瞬間、龍の体内から大量の剣が出現し、龍の体を襲った!!龍は、激しく吠えた。 {グオオオオオオオオォォォォ・・・!!!小僧・・・!!!何をした・・・!!!} そして、龍は倒れた。
「先輩・・・・、一体何を・・・?」フォールがシールに言った。シールは答える。
「どうやら、オレは神になったらしいな。おそらく、時の暴走で出会った、あの予言者の言ったことが本当ならば、おれは {物質の創造神} らしい。」
「物質の創造神・・・?」
「ああ、あの予言者が言ってた。{物質の創造神とは、物質の神を総一する神であり、その種類はすべてを越える。}とか、わけのわからんが、どうやらいろんな物質を錬成し、例えそれが小さくても、それを大きく具大化するようだ。今、おれはこの龍の皮膚を具大化させた。だから、おそらくダメージは少ない。かすり傷程度だろうな」
デュークは言い返す。
「でも、そんなことだったら、龍は倒れないッス!」
「いや、周りを見てみろ。龍はいるか?」
周りは真っ暗で気配すらない。
「い・・・・いねえ・・・ッス」
「反撃のチャンスを狙っているのだろう。快復もかねてな」
「来ましたね・・・」
フォールが言った。そして、右手を二人に向けた。その直後、火炎弾の雨が来た。

{話は聞かせて貰った・・・!そうか成程・・・!そう言うことだったのか!神は上手いだろうな・・・!!}

そして、雨がやむと龍は舞い降り、しっぽを振り上げ、左方の地面に叩き付けた!その瞬間、その場所から勢いよく、フォールが現れ、龍に向かう!
「破っ!!!」 右手を龍に振り上げ、動きを止めた。
「今だ!デューク!先輩!」すると、次は、突風が龍を襲い、目をくらませた!龍が目を離している隙にシールが龍の懐に潜り、錬成の準備をした。そして、右手を当てた!しかし、錬成はできなかった!!龍は消えていた!そして次の瞬間、三人は吹っ飛ばされた!

{甘い!!甘いわ!!!わしが、術を使えないとでも思ったか!!いや、使える!今のは、「影の幻」!!さっき、あんたが使った奴だ!!}

三人は起きあがった。
「ちっ・・・迂闊だった」
シールが言うと、フォールがまた向かおうとした!が、動かなかった。
「う・・・・動けない!!」
また龍がしゃべり出す。

{ははは・・・!!終わりだな。「影の捕獲」。わしと、同じ動きをする魔術じゃ・・・!わしが動かなければ、お前達も動かない・・・。これで、お前達の足は動かなくなった・・・!結局、お前達は、わしには一回もダメージをおわさず、餌となるのだ!}

そう言うと、龍はまた口を開けた。

「死ぬが良い!!」

「くっ、このまま三人焼かれるってのかよ!」
デュークが言うと、シールは三人に合図をした。幸い、二人は理解した。
「チャンスは一度だ・・・!!」
すると、フォールがデュークと、シールに両手をかざす。

{フハハハハ!!「影の幻」か!?残念だが、それは移動魔術!わしが動かない限り、お前達も動くことは決してない!!}

「動かねえよ」
シールが言った。
「お前を倒すまではな」

{何?}

「動かずにお前を倒す。それで十分だ」

{バカな!ここで魔術を放っても、どうせわしの火炎弾の方が、お前達より早く、届く!}

それでも、続いて、シールとデュークは龍に両手をかざした。

{本当にやる気か・・・!まあ良い!わしの糧となるが良い!!}

そして、龍は火炎弾を放った!
「今だ!!」
シールが、龍の体内に錬成術を書けた!そこに、デュークが風を送り込んだ。そして、火炎弾が三人を襲った!!


{死んだか・・・}

龍の声だけが残った。しかし、次の瞬間!また、龍の体内から剣が出てきた!!今度は真剣だった!龍の皮膚ではなかった!!!

{グッ・・・・・グオオオオオオオオオオォォォォ!!!!}

「どうやら、おれ達の勝ちだな」
煙の中から、三人の影が見えた。三人は生きていた!

{なぜだ・・・・ッ!!確かに火炎弾は当たった・・・!!}

「当たってねえよ」
シールが言う。
「確かに、オレの錬成術をあの距離から飛ばして、先にあんたに届くはずがない。その前に、あんたの火炎弾でやられる。だから、おれの術を、デュークの風で飛ばした。それで、あんたの火炎弾より届き、「影の獲物」から解放され、フォールが「影の幻」を使った。それだけだ」

{グッ・・・・!!!待て・・・!!この剣は何の物質を錬成したのだ!!わしの腹に、このような剣を作る物質は、ないはず・・・!}

「その剣は、お前の腹の中にある剣で錬成した。あくまで、この作戦自体が賭けだったんだが、お前の腹の中に剣があるか・・・。そっちの方が賭けだった。あんたは、前に一度、オレと手合わせをした。その時に喰ったじゃねえか・・・。おれの剣をよ!!!」

{見事・・・・!!!}







龍は倒れた。






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