バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

ドイツマルクにご対面



   KoblenzからLuxembourgへ行こうと計画を変更したのだが、寒さの為  AM8:30に目が覚めてしまった。
 列車内の暖房が止まっている様だ。
 ほんのり、明るさを増した外を見ようと、窓に手を当てる。
 いつの間にか、雪は消え山肌に残雪を残すだけの、景色が目に飛び込んで きた。

   黒っぽい屋根に、白い壁が、自然に融合して美しいシルエットを創り 出している。
 しっとりとした、重量感溢れる家々が立ち並んでいて、シックな佇まいを 忍ばせている。
 右手に、ライン川だろうか、・・・・バーゼルの街中を流れている姿を見 て以来の再会だろうか。

   バーゼルの街中を流れて来た水は今、このドイツの地を流れているは ずである。
 俺を拒んだドナウ川と違って、ライン川は、俺の心をいつも癒してくれる ようだ。
 列車は今、どの辺を走っているのか、まるで分からない。

  (Koblenzで降りたいのだが・・・・。時間からすると、もうとっくに通   り過ぎてしまったかも知れない。)

   次の駅は、「Bonn」。
 そのすぐ近くの駅、「Koln駅」に、AM9:50到着した。
 外はまだ暗い。
 雨も降っている。
 Koln駅に降り立ち、すぐマネー・チェンジを行う。

       TC5000円券を二枚と20シリングを両替する。
       82.30DM(≒10300円)を手にする。
       1DM≒125円らしい。

   重たい荷物を、コインロッカーへ預けて(1.5DM)、インフォメーション へ向う。
 時刻表などを見て回る。

   街の地図は、扱っていないと言う事で(ツーリスト・インフォメーショ ンで扱っているらしい。)、手に入れることが出来なかった。
 外は寒く、散策してみようという気になれない。
 雪は俺を外へ連れ出してくれるが、雨は俺を駅から出してくれないよう  だ。

   駅前には、黒い大きな大聖堂が聳え立っている。
 雨が石畳をしっとりと濡らしている。
 四つの大きな旗が、ドイツ国旗だろうか、風に靡いている。
 雨が降り、風も強い。
 寒い。

   ハノーバーに行こうか、アムステルダムに行こうか、まだ決めかねて いるのだ。
 とにかく、落ち着こうと、駅の中にあるカフェに入ることにした。
 コーヒーとトーストで昼食を取る。
 コーヒーはポットで二杯分。
 トースト三枚とバター・ジャム。
 これで、6.0DM(750円)もする。

   高い!高い!!
 日本の東京に居るみたいだ。
 コーヒー二杯分あるとはいえ、高い。
 それに、俺はコーヒー二杯くれとは言っていないのだ。
 ドイツも俺を見捨てるのか。

                      *

   五日目の夜も列車の中。
 ヨーロッパを走る列車の、1Classともあろうものが、半分も暖房が効かな いなんて、詐欺じゃないの。
 俺の15日がもうすぐ終わりを告げようとしている。



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