バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

大雪原現る



昨晩は、二等寝台にて・・・ゆっくりと、眠る事が出来たようだ。
ストックホルムの街を離れると、だんだんと雪が深くなり
大雪原が眼下に広がりを見せ初めた。
真っ白な雪に、黒い針葉樹の森・・・そして、ポツンと
寂しげな人家が現れる。
その小さな人家の小さな窓から、漏れる灯りが・・・
赤い灯火となって、脳裏に深く刻まれていく。

列車のパンタグラフだろうか、パチパチと音をたてて
断続的に青い光を放っているのが真っ白な雪に映し出されて見える。
まるで・・・・雷鳴のように・・・。
青い光は、白い雪を瞬間的に、青白く浮かび上がらせる。
鉄橋を渡る音が聞こえてくるが、列車の下を覗き込んでも
川らしい川は見えてこない。
おそらく、川は氷を張り・・・その上に
雪が降り積もっているのだろう。

地図で見る限り、この辺には美しい湖がいくつも点在しているはずなのに
真っ白な雪が、覆い隠しているに違いない。
夏に訪れれば、きっと美しい姿を見せてくれていただろうに・・・。
駅を少し離れると、人家はもう姿を消していく。
針葉樹の森と、白い大雪原だけが・・・どこまでも続いていくようだ。

あらゆる木々の枝葉、白い花をつけている。
レールに沿って、丸太と鉄線で柵が設けられているのが見える。
東ドイツとは違い、森の動物達が列車に巻き込まれないようにと言う
配慮からなのか・・・・・。
雪煙を上げながら、列車は快調に走っている。
もしも、日本がこのスカンジナビア半島を領土としていたら
この美しいヒヨルドの大地は・・・・消えていたかも知れない。
もう少し、眠りにつこう。



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