バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

コペンハーゲン駅


目を覚ますと列車は停まっていた。
コンパートメントから通路に出てみると、列車はコペンハーゲン駅に停まっている。
「起こしに来てくれないのかな!危ない危ない!」
外はまだ、朝早いらしく寒そうだ。
昨日の夜、少々パン(と言っても、長いのを1本だけ)を食べすぎたのか胃の当たりが重かったのだが、今朝は調子が良い。
駅構内に出て、すぐ両替をしたいと思うのだが、朝が早いため両替屋はCLOSEで両替できないときている。
おかげで、ロッカーに荷物を預ける事も、カフェに入って熱いコーヒーも飲むことができない。
銀行はAM9:30からだろう。
ここの待合室は、駅のプラットホームと繋がっていて、外からの冷気が入って来てる。
寒さが身に染みる。
今日は、1月21日。
            ★
駅構内をうろうろしていると、銀行が開いていた。AM7時から営業をしているようだ。
もう身体は冷え切っている。
インフォメーションにて時刻表と街の地図を手に入れて、街の中を散策することにした。
積雪などはあまり見られないものの、海が近いせいか寒風が肌を切る。
セーターも欲しい、手袋も欲しい、耳当ても・・ぶ厚い靴下も欲しい。
とにかく寒いのだ。
街の中には、気温測定器がある。
只今、気温ー2℃。
海からの風が吹いているため、体感温度はもっと寒く感じる。
我慢して街の中を歩き回るが、もう限界。我慢の限界だ。
デパートの中に飛び込む。
こういう寒いところでは、デパートの中にいるに限る。
しかし、物を買ってはダメだよ。我慢我慢。
細かい雪が街を走り出した。
空腹に我慢できず、ソーセージを買ってかじりながら、また外に出た。
下着も欲しい、洗濯した衣服も欲しい。
冬のヨーロッパは、とにかく厳しい。
            ★
バルト海から吹いてくる風さえなければ、コペンハーゲンは素晴らしい街なのに・・・。
コーヒー1杯360円くらい(ポットで持ってきてくれるので、2杯分はあるかな)。
北欧の物価高にならされてしまったようだ。
と言うより、寒さと空腹に耐えきれなくなったと言った方が、良いのかも知れない。
列車をホテル替りにしているのだが、確実に1日10弗は消えて行ってるみたいだ。
パリで貰ったユーレイルパスが無かったら、とても北欧を旅することは出来なかっただろう。
北欧は、東京並みの生活を強いられるのだ。
その割に、みんな良いものを食べ、良いものを身に着けている。とは言っても、日本ほど物は溢れていない。
精神的なものが、東京以上に豊かなのかも知れないな。
こう寒くては、街の観光どころではなくなってきた。
早くイギリスに渡りたいのだが、後一週間は頑張らなくてはと思っている。
スペインのマドリッドを立って、もうすでに10日。
移動移動の毎日は、やはりキツイですな。
しかし、1ヶ月以上列車の中で生活していたという柴田さんの事を思うと負けていられないのだ。
もうここまで来ると、残された訪問国はイギリスだけ。
この後、2ヶ月をどう過ごすかが、この失われた旅をどう完結させるのか、生かすも殺すもこれにかかっている。


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