バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

《オランダ》


ファーストクラスのコンパートメントで、やっと女性と一緒になることができた。列車の旅もこうだと疲れないのだが・・・いつもこうとは限らない。幸運が舞い込んできたのかもしれない。
 これもいつもの行いの良さから、神様が遣わした天使かも知れない。 
 二人ともアメリカ人で、スクールツアーに参加して、ヨーロッパに来ていると言う。もう1ヶ月もいるということで、二人とも大きなバックを抱えている。身なりもきれいだし、彼女たちも「10弗で旅する本」を持っていた。
 二人組で旅している女の子は、どちらかがかわいくてどちらかがぶさいくって言うのが鉄則にになっているが、この二人も例外ではないようだ。
 行先は同じアムステルダムとの事。彼女たち、早速シートでベッドを作り始めた。3人で寝るには、ちょうどいい広さのコンパートメントである。ベッドを作り終えると、化粧を落とすのかと思いきや、化粧を直し始めたではないか。
 片言の英語で話をしたり、おやつを食べたり、久しぶりに楽しい夜行列車となりました。
 しかしそれもつかの間、夜も遅くなってくると、入れ替わり立ち代わり、カスタムだの車掌だのがやって来て、せっかくの良い夜を妨げてくれるではないか。
 デンマークからの出国、ドイツへの出入国、オランダへの入国、そして車掌のチケット拝見と、横になったり起き上がったりとなんと目まぐるしい事か。
 朝は朝で荷物の検査。3人の中で一番良い?身なりの、俺の荷物だけが取り調べを受ける羽目になってしまった。
    係官「ハッシッシは持っているか?」
    俺 「ノー!!」
    係官「ピストルは持っているか?」
    俺 「ノー!!」
    係官「これからどこへ行く?」
    俺 「アムステルダム」
    係官「アムステルダムで、どのくらい滞在する予定       か?」
    俺 「ワンウイーク」
    係官「それからどこへ行きますか?」
    俺 「ベルギーを経由してロンドンへ行くつもりです      が?」
    係官「お金はいくら持っている?」
    俺 「アバウト、US700$」
    係官「US$か?」と、係官が驚いている。
 身なりの割に多額の現金を持っていたから驚いた様子だった。
    係官「帰りのチケットは持っているのか?」
    俺 「日本へのか?」
    係官「そうだ」
    俺 「チケットはロンドンで買うつもりだけど」
    係官「トレインかエアープレインか?」
 この係官、今までになくしつこく質問をしてくる。荷物の中の物もすべて外へ出されて、徹底的に調べられてしまった。
 隣にいた女の子たちが気の毒に思うくらいにだ。
西洋の女を連れていると思われての取り調べだったのかも知れないな。こういう時、よく連れの女が薬を持っていて、同罪として捕まるケースが良くあるから気をつけなくていけない。
 オランダの国境がこんなに厳しいとは知らなかった。
 参ったのです。


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