バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

ポルノ映画



  鉄臣(テッシン)が久しぶりに訪ねてきた。
  (鉄臣は「東京~アテネヒッチハイク競技大会」の完走者の一人である。)
 玲子ちゃん(和智会長の嫁さんの妹)に貸していた本が見つかったとかで、わざわざ届けてくれたのだ。
 ここへ来る途中、大使館へ寄って来たらしく、玲子ちゃんからの便りがバンコックから届いたと見せてくれた。
 今タイは、36℃らしい。

  今日も雲が厚く外に出る気がしないのだが、食事を取らないわけにいかない。
 鉄臣とモナスティラキ駅近くのバザーに出かけてみる事にした。
    「ホラホラ・・・・・あのホテルが売春宿ですよ!」と、鉄臣が知ったかぶりをする。
    「どれだよ!」
    「ほら!あそこですよ!この近くのホテルはほとんどそうらしいですよ。」
    「・・・・・・・・。」
    「昼間だとですね、短いスカートをはいた、それと解る女の人がいつも二三人は立っているんですけどね。もうお仕事中なんですかね。」
    「だろうね。」

  なるほど、言われて見れば、それらしい感じのホテルがひっそりとたたずんでいるように見える。
 Stadiou St.に入り、映画館に入る。
 ポルノと中国映画の二本立てで40Dr(320円)。
 窓口でチケットを買い、階段を四五段駆け上がると突当たりのドアの前におばさんが座っていて、チケットを見せると半分に切ってくれる。
 半券を受け取るとおばさん、何を思ったのか「バクシーシ!」と、言って手を出すではないか。
 チップを要求しているのだろうか。
 逃げるようにして、横の階段を駆け上がり中に入った。

  ポルノだけあって、なかなかの入りだ。
 あまり清潔な映画館とは言えないが(日本でもこんなもんか!)、さすが内容は日本の比ではない。
 ポルノ解禁の国、ギリシャならではの内容に、ゴックン!
    「ネー!ネー!明日も来ましょうよ。」と、鉄臣君。
    「そんなに金が続く訳ないだろう!俺は貧乏旅行なんだから・・・おまけにこれから物価の高い北ヨーロッパを廻らなきゃなんないんだから・・・・勘弁してよ!」
    「良いじゃないですか!」
    「お前は良いよ!ここから日本へすぐ帰れば良いんだから!」
    「そんな事言わず!おごりますから・・・・!僕知らなかったなー!ギリシャがポルノ解禁の国だなんて・・・。最高ですね!ギリシャは。」
    「本なんか買って、日本に持ち帰ろうなんて気を起こすんじゃないぞ!税関で捕まってみろ!みっともないから。」
    「買わないですよ!」
    「ヒッチハイク協会会員捕まる。・・・なんて恥だからな。」
    「この国で見るんだったら良いでしょ!」
    「鼻血止まんなくなっちゃうぞ!」
    「でも欲しいですね!」
    「あ~~~~~あ!病気だな。」

                      *

  ”Rex1”にて「The World by night」と言う題の映画を見に入った。
 世界の夜が紹介されている映画で、日本では「トルコ風呂」が紹介されている。
 他の国がショーであるのに、日本のそれは・・・・そのもの。
 これが日本の現実なのだ。


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