発泡ウレタン補強


発泡図
☆ 発泡ウレタン ☆
最高のコストパフォーマンスを誇るボディ補強です、
自分で実行すれば、通販代込み、約2万円で剛性は約250%UPです。

僕のEVOⅢ号も約10万キロ走行時に自分で作業を行って注入しました。

現在、14万キロを不満が少なく走行できるのは、
発泡ウレタンの補強が基本ベースになっていると思います。

パワー、足回り、ギア、潤滑、冷却、駆動、
全ては、ボディー剛性のうえに成り立っています。

後日、体験記を追加したいと思います、
基本的に外気温20度以上がベストですので、
冬季の実行はお勧めできません。

<こちらは記事抜粋、これを見れば効果は十分理解できますね>

ラリー情報誌「ラリーX(エクスプレス)」より、
編集長のランサーEvolution のボディーチューンアップを行いました。
その記録が同誌に紹介されました。

<6万キロからのエボチューン>
サイドシル空洞部発泡ウレタン充填

☆ 究極のボディ補強、の巻 ☆

これから紹介するのは「こんなチューニングはふだんはやらんよ」と、
ベルコの鈴木さんが教えてくれた究極のボディ補強術。
ボディのサイドシルに発泡ウレタンを充填して、
ボディ前後への曲げ剛性を高めるという恐ろしい技だ!

いよいよ発泡ウレタンをランサーのシャシー、
サイドシル部に充填する。

まず作業をしやすいように、
シートを外し、各部にマスキングを行う。

ウレタンは2液混合タイプだ。
フォーミュラーカーのシート合わせに使うものと同じだとか。

この注入作業の難しい所は、
作業の直前に2液を攪拌させるのだが、
その注入タイミングが難しい。

1リットルの液を攪拌すると20倍に膨張してしまうからだ。
注入場所は、フロントピラーの付け根、センターピラー、
そしてその間のスカッフルプレートの下で、
ゴムで蓋のされている穴を利用して注入する。

注入はクルマを前傾させて、
前の方からウレタンを充填させる。

サイドシルのみならず、
リヤタイヤハウスの前側にも、
ゴム蓋をはずして充填した。

こうして片側約1時間ほどをかけて作業は終了。
はみ出した部分はカッターで切り取る。
発泡ウレタンが完全に硬化するには約1日。

ストラットタワーバー付きリヤ・アルミ隔壁の効果と相まって、
ランサーのシャシーは新車以上に剛性感の向上が得られた。
またボディがしっかりしたために、
サスペンションやタイヤがキチンと動いているのが実感できた。

しばらくしてから、ベルコの鈴木社長から電話があった。
「そうですか、そんなに変わりましたか。
それではノーマルのエボとシャシー剛性のチェックをしましょう。
どれくらい剛性があがったか楽しみですねぇ」。

こうしてノーマルのエボと私のエボが、
ベルコでヒネられることとなったのだ。

☆ 剛性比較試験を実施(1) ☆

ベルコで施されたボディ補強術によって、
走りも激変した

そもそも何のためにボディの補強をしなければならぬのか。
そして補強することによってなぜ走りも良くなるのか。
さまざまな疑問を解明すべく、お待たせッ、ついにねじってきました。

発泡図
実験は2種類。

下から荷重を掛けるWLテストと、
スチールホイールの横から荷重を掛けるBLテスト。

いずれもジャッキで負荷を掛けていくことによって、
各測定ポイントでの変化を見る。
発泡ポ2発泡ポ1

ジャッキとホイールの間には、
負荷を測定するゲージを設置し、
50kg単位で掛けられる負荷を厳密に測定する。

右前輪に負荷を掛けた時にボディにどのような歪みが出るのかを測定する。
測定ポイントは全部で8ヶ所。
フロントサスのピックアップポイント右に各1ケ所、
左右のサイドシルに各3ヶ所ずつ(前/中/後部に)設置。

少しずつ負荷を加えていた時にどういった数値の変化が表れるかで、
歪みを測定する。

ベルコでボディー補強を施してから約3か月。
東へ北へと約5000km走行した後に、どの程度ボディーチューンの実績が
上がったかをテストすることになった。
このテストで我々にとって具体的に分かることは、
低速、高速旋回性能(フロント周辺の剛性アップ)と、
ボディーのねじれ剛性である。 

ボディ剛性をあげることにより、
ハンドリングやサスペンション・ストロークに対し、
人間、ボディ、サス、タイヤ、
地面の間に発生する”逃げ”を減らすことができる。

ステアリング系のガタをなくしたり、
ボディ補強、サスパーツの補強、ブッシュのメタル化、
タイヤの扁平化、ダンパーの初期フリクション減少、
といった様なことで対処できる。

つまりメーカーでできなかったこの辺のツボをうまく押さえることが、
ファインチューニングのポイントだ。

これによりタイヤは、
設計者の描いたとおりのアライメント変化を発生し、
4輪が計画値のコーナリングパワーを発揮する。
つまり切り出し応答性・操舵リニアリティ・限界の向上に結びつくのである。

発泡ウレタン注入によりフロントとリヤの両方が向上して自転・公転系の
すべてが向上しているはずだし、もちろんドアの合いもよくなる
ランサーに限らず、がんばって走る人の車は、
大体ドアがトホホの状態になっているよね。

一般的に自動車のボディの強度を計る時は、
ホワイトボディで計測するため、
このような市販補強パーツを装着した実車を計測するのは初めてだそうだ。

まず計測に使った2台のランサーは、
それぞれ約6万キロを走行し、
各部のブッシュはラリーアート製の強化ブッシュに交換されている。

補強車はフロント上にオイルクーラー兼用のゴツイストラットタワーバー、
フロント下にベルコ製の3点式ロアアームバーを、
サイドシルには発泡ウレタンを注入、
リヤにはストラットタワーバー一体式隔壁を装着したGSR、
ノーマル車はストラットタワーバーも外したRSである事をあらかじめ断っておく。

計測の状況を見てみよう。
発泡測定中発泡測定垂直

テストは2種類、縦方向(垂直加重)のWLテストと、
フロント横方向(座屈荷重)のBLテストである。

ランサーの4輪は、鉄の定盤上に固定され、
フロント右横と右下からそれぞれ一定の力が加えられる。

そして左右の各A、B、C
ピラーの下にかかる力、
左右のフロントアーム端にかかる力を、
それぞれ8か所に置かれたマイクロメーターで計測するのだ。

マイクロメーターは、
歪んだボディがどれくらい移動したかを、
100分の1ミリ単位まで計るためだ。

フロントアームの計測は、
3点式のブラケットを装着した効果を計るためでもある。

ベルコではテスト用に専用の治具を用意してくれた。
強化パーツを装着した状態で、
路面から入る力がボディー各部にどうかかるか、
の計測のために、
クルマの可動部分をなくしたのだ。

つまりダンパーを動かなくしたわけだ。
発泡サス1発泡サス2

そのためにダンパーの代わりに、
鉄棒をダンパーの長さに切ったものを用意し、
それにピローボールで、
アッパーマウント用の鉄の円盤につなげたものの下に、
ハブ+ブレーキを装着できるようなブラケットを設け、
ランサーのオリジナルハブ・ブレーキを装着。

タイヤの路面への接点をできるだけ小さいものにする、
ということから、直径3センチ、長さ5センチくらいの鉄棒を、
上を鉄の円盤でふさいだ中華鍋状の底にこの棒を装着。

その鍋の上に、
ランサー用の鉄ホイールを固定するための鉄のホイール受け箱を装着し、
そこに鉄ホイールを溶接。
右前輪横からジャッキで50kg単位の力を加える。
ジャッキとホイールの間に計測器をはさんで、
加える力をキチンと計っている。

一見、新作のサスペンションのようだが、
これはベルコで製作されたダミーダンパー。
可動部を無くし、
負荷をリニアにボディに入れるためにわざわざ製作された道具。
実はただの鉄棒。

ダミーのダンパーを前後左右のサスペンションに組む。
荷重を掛ける右前ホイールをのぞいた3輪は、
全て中華鍋のような治具に溶接。
下部にある直径3センチの鉄棒を定盤に溶接する。
接点をできるだけ小さくするためだ。

準備はOK、あとは右ホイールにパキパキと荷重を
加えられるのを待つばかり。
発泡測定垂直
いよいよテスト開始。
これは下から荷重を掛けるWLテスト。
50kg単位で負荷を与えるために、
ジャッキには測定用のゲージが組み込まれている。

☆ 剛性比較試験を実施 ☆
Dataで理解できるボディーチューンの神髄、の巻

今回のテストでは比較のために、
全部で3台を捩じった。

1号車は、
ベルコ製リヤバルクヘッドの隔壁&サイドシル内への
発泡ウレタン&高張力鋼ロアアームバーで最強の補強が施された
我が愛機エボⅠ(GSR)。

2号車は、
ノーマル・エボⅠ(RS)。

さらに比較のために、
3号車 (2号車にロアアームバーのみの補強を施した)を用意した。

いずれも各ブッシュ類はラリーアート製の競技用強化品に変更されている。

最初に、
垂直方向への荷重テストだが、
この試験では-漠然とした表現だが-ボディー全体の剛性が分かる。
これがきちんと確保できているということは、
サスペンションが設計者の意図どおりに動き、
タイヤがキチンと路面をグリップしていることを意味する。
グラフ
まずグラフ①
左前輪に垂直荷重を掛けた時の、
右前輪ロアアームの変位を表したものだ。
1号車の補強ランサーは入力された荷重に対し歪みがないため、
正比例の傾向となっている。
これはボディの剛性が高いために、
受けた荷重がボディー各部に直接伝わった結果と考えられる。
補強効果により入力された荷重への反応がリニアになった結果と言えよう。

対してノーマル・ランサー2号車は、
荷重の入力を受けると剛性の弱い部分で荷重を吸収し、
歪みを発生しながら少しずつボディーに荷重を伝える(つまり反応が遅い)が、
途中から急激にグラフが急上昇し(つまり歪みが発生している)ことが分かる。

3号車も傾向としてはノーマル車と同じだが、
ボディ強度は確実に向上している。

ノーマル車に対し、ロアアームバー装着車は11%の補強効果があった。 

グラフ2
続いて、垂直荷重を掛けた際に、
サイドシル部に現れる変位を表した グラフ② を分析してみよう。

1号車は入力された荷重に対して変位が直線的な傾向となっている。
これは前項でも触れたとおり、
ボディー剛性が高くなったために、
受けた荷重がダイレクトに伝わった結果と考えられる。

これに対してノーマル車の2号車は、
ある荷重以上から、
数値が逆方向に変化しはじめる。こ
れはボディーが歪んで、
唐突にヨジレが発生した状態になっているためだ。

ノーマル状態のEVOを、この状態で走行した場合、
ドライバーがクルマを正確にコントロールすることは困難であろう。

ノーマル車にロアアームバーを装着した3号車の場合、
ノーマル車と同様にヨジレるが、
そのポイントは高い荷重まで耐えることが分かった。
数値的に言えば約10%の向上が得られている。

グラフ3
さて、最後に水平方向への入力比較テストの結果が グラフ③だ。

これは、旋回性能が低速から高速まで向上しているかどうか、
ということが分かる。

同一変位値時の荷重を算出し、
各車の比率を算出すると、
ノーマル車に対し、
ロアアームバー装着車は1.28倍、
補強車の1号車は想像を遙かに超えた2.27倍という数値が出た。

つまりストラットタワーバーについても、
左右のストラット部をガッチリ押さえつけるスチール製のものなら、
同様の効果が得られそうだ」とコメントしている。

これらのテストから、
きちんとした剛性を確保のためには、
ロアアームバーとともに、
サイドシル部への発泡ウレタン充填
+リヤ隔壁一体式ストラットタワーバーの併用に加え、
頑丈なフロントストラットタワーバーと、
ラリーアート製強化ブッシュの装着がきわめて有効であることが分かった。

ランサーオーナーに限らず、
読者の中でさらなる操縦安定性の向上をめざすなら、
ボディ剛性の向上は必須と言える。

グラフ
図①:垂直荷重テスト
(フロント・ロアアーム部の変位)
右前輪に下方向から荷重を掛けた際に、
左前輪のロアアーム取り付け部に現れた変位を表す。
ノーマルの変位が小さいのは、 
ボディの捩れが大きいため。
1号車の変位は直線的だった。

グラフ2
図②:垂直荷重テスト(サイドシル部での変位)
同じく垂直方向への荷重だが、
ボディーの右側のサイドシルに現れた変位を表す。
グラフが右下がりなのは、上
方向への荷重に対して、
変位がマイナス方向(下方向)であるため。

グラフ3
図③:水平荷重テスト(フロント・ロアアーム部の変位)
右前輪に横からの荷重を掛けた際に、
左前輪のロアアーム取り付け部に現れた変位を表す。
補強車は、対ノーマル2倍以上の剛性アップを果たしていることがわかった。



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