シェフオオシマの住宅雑記帳

シェフオオシマの住宅雑記帳

第17~20回


第18回 日本の家の寿命について
第19回 日本国内の輸入住宅
第20回 書斎が欲しい!】

★【第17回 リサイクルと住宅】

 地球温暖化対策のひとつとしてリサイクル法が制定され、住宅金融公庫でも除却工事の割増融資が受けられるようになりました。
 これから家を作る上でもリサイクルも頭に入れなければいけない時代ですね。

 将来再利用できる部材、ごみになっても有害にならない部材など勉強しなければいけないことが増えてきました。が…一番の問題は現在の住宅は平均20数年で建替えしているという事実だとおもいます。ビックリしますよね!この数字は。

 いくら再利用可能、無害の部材を使っても2、30年で建替えを続ければ再利用するコスト(=エネルギー)がかかることに変わりないということです。

 又現在良かれと思っている材料でさえ2、30年後に無害であるという保証もない。(現在それが有害とわかっている材料さえ世間に有害と公表されていないものあると思いませんか?)

 それならまず長寿命の家を作ってこなかったのが一番問題!?

 ローンが終わったら解体して孫や子がまた建築?!
その時莫大なゴミがまた出ます。

 私は現在の住宅は耐久性という意味では長持ちするものが増えてきていると思います。
ただし2、30年後に耐久性は良くても、諸設備などの発達によって使い方が時代に合わなくなるという別の機能面の問題もあるでしょう。

 当然、家族構成も変化します。何十年先の事まで見据えれる事が無理なのは分かっていますが、少しでも近づける努力はしたいものです。リサイクル材料を使う事も大事ですが、家を長く使うためにはどうすべきなのか?

 私は家を作る立場及び住む立場としてその事の方が大事だと実は思っています。
70年、少なくとも自分の孫の代までは使いたいものです。

 そういった意味ではこれからは『スケルトン・インフィル』の考え方が一つのヒントになり、リサイクル問題の一つの解決法になるのではとも思います。

(スケルトン・インフィルについてはまたいつかこのコーナーに)

 アメリカの家は平均44年、イギリスは75年といわれています。
 なぜ日本は26年?(30年ともいわれていますが)

次回は『日本の家は長持ちしない?』がテーマの予定です。


★【第18回 日本の家の寿命について】   

アメリカの家の寿命は平均44年、イギリスの家は76年、日本は26年だそうです。なぜ?についてまずは社会的(!!)に考えてみましょう。

 ①家のメンテナンスに問題が!

 特にアメリカについては中古住宅の流通が盛ん。要は住み替える為に家の価値を下げてしまえば、当然次に価値のある家に住まない。彼らは自分でメンテナンスを行いかえって価値を上げて住みかえる。またメンテがし安いつくりにもなっているんじゃないかな。 ペンキ塗替えをしている場面を外国映画などでは見かけますものね。(街並みの義務としてもあるみたいだけれど…)

 ②資産価値評価に問題が!

 ①にもからむのかもしれないけど、日本の家は金融機関が担保として見る場合及び売却時に、(新築時は問題になりにくいのですが)中古になると借入年数、担保評価などが厳しくなっていますね。

 更地ならば35年返済可能になるところ、中古住宅付になると築10年ぐらいでも、返済年数が15年とか20年に短縮され、資金計画が成り立たない事もありえるわけ。

 そこで耐久性とか使用について問題ない家も解体せざるを得ないって事が起きてくるのです。


  ③外観デザインに問題が!

 TVなんかで外国の街並みを見てわかる事が一つあります。それは古い建物でも、新しい建物でもデザインパターンがそう幾つも無さそうだなという事です。

 実はこれも家を長持ちさせる要因じゃないかと。振り返って思い出せば『あれは10年前流行した**ハウスのデザインだ。今あのデザインで造る家って無いよなあ』と。

 国民性なんだといえばそれまでなんだけど目新しいものにどうしても目が行ってしまう。その時はカッコ良く見えたかもしれないけど…。中古になった時、陳腐に見えないデザインとは…。

 では輸入住宅が良いのか?これは次回のテーマに!


★【第19回 日本国内の輸入住宅 】

住まいの設計というと、単に平面的な間取りとか外観だけのように思われがちです。

 ですが、住まいの質を決めるものには、光の設計、風の設計、温度の設計、音の設計、香りの設計、色の設計、人の健康の設計、家の健康の設計…きりが無いです。

 今、列記したものはすべて、自然環境、社会環境や国民性を無視してできるものではありません。

 そこで輸入住宅はどうなんだと、長持ちするのか…なんですが…。

 注意してチラシなどを見てください。
これが輸入住宅だという間取りはありません。
外観(外壁、屋根)で輸入住宅風のデザインだと言いたい事はわかるのですが。

 なぜでしょう。結局そのまま輸入してきたようなつくりとか間取りでは、日本ではやはり問題があるからなんです。

 一例で窓をとりあげます。友人がアメリカへ研修に行きまして、『窓がどこも小さい、家の中が暗い』と言うんですよ。なんで?ていうと彼らの瞳の色素の違いだってこと!まぶしく感じるから小さく窓を作る。小さな窓はやはり必然性があるのです。

 『逆に日本くらい窓を大きくすると、彼らはサングラスをかける』とのこと。瞳の色素の違いで同じ光でも感じる明るさはちがうという事なのです。

 玄関の使い方一つとってみても、輸入住宅はやっぱり日本風にせざるを得ない。靴のまま部屋に行くような設計はやはり日本では無理が多いですね。

 乱暴な言い方をすれば、日本に輸入住宅はほとんど無い?と思えます。外国製の床材、壁紙とか部品では結構な数の輸入品が使われていることは確かです。安く良い品物がたまたま外国製だったってことだと思うのです。

 ユニクロの製品が国内で作られていないのは誰でも知っていますが、もしそれが外国製商品の見本市とかに出品されていたら違和感がありますよね!

 そういった意味で現在日本にある『輸入住宅』は『輸入品住宅』ってことかなと思えるのです。輸入住宅風外観デザイン、内装デザインが特別気に入った人以外にはお勧めしにくいものだと。

 『外国の住宅は長持ちする』って話も輸入住宅に必ずしも当てはまらないってことなんです。



★【第20回 書斎が欲しい!】

 書斎が欲しいですか?出来れば欲しいお父さんは多いですよね!
実は頑張って書斎を造った家でも、何年か経つと書斎と名のついていた部屋は納戸に変わってしまう事があるので注意が必要ですよ。そうですその原因は3つ思い当たります。

①書斎の設置場所   
 単独室で書斎を設けた場合は、他人の目に付きづらい利点はあるのですが、逆にその利点は他のことにも利点になるのです。
 お中元、お歳暮、捨てられない古い家具、お母さんの目がぎらっと光ったらおしまいです。又あなたは一人きりで一所に長時間居ることが好きですか?

 余り使わない部屋になるとおかあさんの目も容赦しないのは当たり前で納戸、物置に化してしまうのは時間の問題かな。

②目的の無い利用方法  
 書斎で何をするかがはっきりしていないと。
本来の意味での書斎として考えている人ばかりだとは思えないのです。趣味、娯楽、仕事に繋がる何かの目的がありますよね?
 残業部屋?マッサージ室?トレーニングルーム?AV室?パソコン室?瞑想室?熱帯魚ルーム?
またそれは、あなた一人だけしか使えない部屋とするのですか?
 目的が合ってない造り方をすれば誰も使いこなせず、『俺の部屋が…』という主張も通るわけも無く、結局納戸化に!

③書斎の大きさ
 ②の目的にするには一体どれくらいのスペースが必要ですか?また単独室にする必要がありますか?
 利用目的にも拠るのですが、単独室でも2m×2mの場所があれば殆どの目的が達成できそうな気がします。たたみ2枚程度のスペースです。

 私が欲しいのはその大きさで十分と思われる、AV室兼マッサージ室。この大きさでちゃんと普段から使っていれば納戸化はしない?
 ほかの用途では食堂廻りに少しスペースがあれば、あえて単独室まで要らないかなと思います。
皆さんはどう思われますか?


 私の個人的な理想を言うと、部屋の隅の小さな冷蔵庫にはいつもビールがたんまり冷えていれば文句無し。好きな音楽、映画、ビールにマッサージ!!これを実現するのにそんなに大きなスペースはいらなく、また居間の片隅でもコーナーがスコシできればよいような気もします。



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