■切な系100のお題
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076:喪失
取り戻せるもの、取り戻せないもの
私がなくしたものはどちらなのか
希望を持つと、いずれ体が止まってしまう
私よ、いつまでも笑っていて
そう願うのに、笑顔が返らない
077:赤信号
あなたの思考にはもう我慢ならない
私の意思はちゃんと此処にあります
アナタ、アナタ、アナタは自分のことしか考えてない
私はあなたの中では認められぬ存在
単なるおもちゃのペット
だけど今おもちゃは動く、鋼の刃を握り締めて
078:コンプレックス
自信がなくて、毎日、毎回、自分の揚げ足取り
落ち込んで、また、落ち込んで
どんどんと自分を嫌いになっていく
好きが見えなくなったから、もう消えたい
自分を愛せない人は、何もかもを愛せない
好きがない世界は、何もかもがつまらない
079:留守番電話
流れるのはあなたのものじゃない無機質な声
せめてあなたの声だけでも聞きたかったのに、望みさえ夢となって散る
連絡は途絶えたまま、あなたは今日も行方知れず
080:少女
少女と呼ばれたものは何だったのだろう
他人がとらえる少女の肖像に私は見覚えがない
勝手に少女と呼ばれ、勝手に規定を押し付けられる
少女になれない子たちは今、少年に憧れるのだ
081:初恋
こんなに人を愛したことがない、
そう思った瞬間、
恋は何度だって初恋へと変わる。
今までの経験は役に立たない
あらゆるものが未経験となって押し寄せる。
だから対応できない、あなたの反応に
もう、どうしていいかも解からなくて
後は顔を赤らめるばかり
082:気まぐれ
気まぐれに肩を並べて他を見やる
その行為がどれだけ私を傷つけているか、思いもしない
はっきりとしない態度
お別れが近いの? それともまだ私を愛してくれているの?
肩から暖かさが消えていく
あなたの心はいったい何処にある
083:体温
寂しいとは違うよ、愛しているんだ
証拠に肌をぎゅっと重ねる行為も、あなたでなければ嫌
心で感じる体温は、愛がなければ温かくない
084:毒薬
気付く? 気付かない?
もう、そんなことはどちらだっていい
後は躰に回った毒の効果を待てば良い
徐々に仕込んだ言葉の魔薬は
あなたの意識を支配していく
はまった罠からはどう足掻いたって抜け出せない
囚われない秘密は知っている、けど……教えてあげない
085:シークレット
真実をあかさないのは自分が異端だと自覚しているから
視覚でとらえられる情報を見てしまうのが怖いから
言葉の上ではどんなイイ人だって、
意識から表れる些細な変化は隠し通せない
冷たい空気、戸惑いの沈黙、
耐えられないのは自分の心のせい
自身を失いたくないから、隠し通す本当の姿を
086:二重奏
私の声、と、誰かの声、が重なって聞こえる
助けて、助けてと、響く声は、
何度もぶつかり決して途絶えることはない
お願い助けて、私はあなたを助けられないの
お願い助けて、僕も君を助けられないんだ
まねっこ、真似っこ、睨めっこ、
事は進行しない、どうしてばかりが増えていく
087:ドライフラワー
永遠の美しさを保って君は、果てしない眠りに就いた。
散りばめられた花は君のために、
魂魄が穏やかでありますよう願いを込めて、
夢見た時は、夢の中。
君は何も知らぬ顔で、ただ眠り続けている。
088:あこがれ
憧れの気持ちだけが心を突き動かし、僕の足を前へと進ませる。
いつまで歩けば、あなたへ追いつける
いつか止まらない、あなたを追い越せる日は来るのだろうか
今はまだ旅の途中、終わらない挑戦への連続だ
089:ピアス
両手を伸ばして、君を傷つける。
この手が柘榴の雫を掴んだら
そっと君の唇に紅をのせる。
飾りなんていらない、そのままの君が何より美しい
090:強さと弱さ
光があって影が存在するように
正反対のものは常に共にあるものだ
強さを感じてしまうから、弱さが露顕したように感じられる
弱いと思えば、強さに羨むようになる
強さと弱さ、決めているのはきっと自分の胸の内
091:真実
一つしかないけれど、時に人の都合により移り変わるもの
嘘に隠されて、見えなくなっていく、それが真実
092:無彩色
色のない世界には、感情というものがないことを、私は知りました。
暖か味もなければ、冷たさもここにはない、
味わいや、痛みでさえも消えていく
私は誰? ここには生と死さえ存在しない
093:ただひとりの君を
君は何にも気付いていない
君といて心休まる僕の気持ちを
僕の脳に刻み込まれた、大切な存在になっていることを
傷ついた胸から零れる悲しみの言葉は
君を愛し始めたこの胸に、同じ悲しみを宿す
ほかにはない、ただ一人の君を、この地上から消したくはない
094:血縁
僕を縛り付けるのは、いつも同族の血
生まれてから、この身に宿された罪
死なない限り消えない、その重荷は
誰かと出逢うたびに邪魔となる
僕だけが変わり者であり、僕だけが除け者である
他族の仲間なんて出来やしない
ひとりひとり死にゆけば、後は僕が残るだけだ
095:季節が巡るように
くるくると変わる時の中
人の関心は季節が巡るように移り行く
見捨てられた時の中に、置き忘れられたものたちが、
また貴方に出逢えるよう、待機している
やってくるか解からない……そう、貴方を……
096:深海魚
深い水底を好むのは、ただひとりで地球と会話をしたかったから
一番あたたかく、一番しずかな、真の地球の声がここでは聞こえる
誰よりも優しく、誰よりも厳しい、そんな貴方のもとで私は眠る
097:手書きの文字
たとえ死した後の骨がなくなっても
貴方がいたという証は記された書より明らかとなる
繊細でいて、大胆な筆遣いは、時に性格までも垣間見さす
098:タリナイ
求めていたものは見つかったかい?
飢えて、飢えて、仕方のない頃だろう
どんなに探し見つけても、呑み下せば皆同じ
時間が経てばすぐに満たされなくなる
仕入れた獲物から、愛だけは吸いだせない
099:非常階段
隠れ家のような、あなたと私の思い出の場所
そっと黙ってキスしたこともあった秘密の場所
今はもう、行くことも近寄ることもない場所
100:最後の楽園
安らげる、そう思っていた場所はみんなもう壊された
いつやってくるか解からない不安に脅されて、なくなったものは数知れない
もう悲しいことは起こらないようにと…
それでも、私は泣いている
それでも、不安を感じている
最後の楽園が失われやしないかと…
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