宇宙は本の箱

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福来友吉『共同生活と労資問題』



福来博士の本は手に入りにくいこともあって三四冊しか読んだことがない。
以前何気なく高野山時報を読んでいたら、福来博士の文章に当たったということがあり、高野山時報の大正時代のものを求めてみたけれど、高野山で福来博士の講義を受けていたという人の話が読めただけで、時報も矢張り入手困難なものだった。
福来博士のものは真言宗法務所からも、多分、何冊か出ているがそれも入手難。



今日はその中の一つ『共同生活と労資問題』から抜粋。
最初にウパニ沙土から。


宇宙の一切活動に自現する神は 人心に寄りては崇高の霊となる

刹那の直覚によりて神を自證するものは 不死の生命を得べし




意義ある生活とは、自我の執着を超越して自他平等利益の共同生活のために奉仕することであります。
人間の胸底に潜んでいる本音の菩提心は、常に宇宙に拡がり行かんとしておるのですから、如何ほど強い我執に囚われていても、共同生活の理想国を幻に見られずには居られないのです。

人類進化の理想は其処にあります。

人類の歴史にどんな誤謬があり、どんな過失があり、どんな罪悪があり、どんな戦争があっても、結局進み行くその目的地は共同生活の浄土であります。

共同生活の理想を実現するには、人間は『即身に成仏』せねばならないです。

即身成仏とは、父母所生の身に即して霊格を得ることです。

霊肉の抱合を完成することです。

事実に即して無限を開くことです。

特殊に即して普遍を語ることです。

事実に即して理想を現すことです。

物質に即して光明を輝かすことです。


即ち 即事爾真に帰着 します。








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