宇宙は本の箱

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子育て支援?


ボンボン育ちの大酒呑みの、今で言えばドメスティック・バイオレンスの夫は収入のほとんどを自分の酒の為に使い果たしてしまい、母の苦労は並大抵のものではなかった。母は血を吐いた。心臓が止まってもなお死者の国から甦り、私達を世間に恥ずかしくないような人間にと育ててくれた。私達姉妹は私達を産まなくても良かったのにといつも思った。

「そんなことはない」と、母は言った。
「お前達は生まれたいと自分でいっていた」と、そう言った。
「どんなに貧乏でも、その子の食い扶持はその子が持って産まれてくる、案ずることはない」
そうも言った。

我が子を産んだ時、私はなにも持っていなかったが、主人もまた同じで定職も持たなかったが、「その子の食い扶持はその子が持って産まれてくる」と言った母の言葉を信じていた。そしてまた、子供の一人や二人、たとえ一人でも育てられないでどうする、そうも思った。

小さな指。愛しい。
やすらかな寝顔。愛しい。
食べてる顔を見てるだけで嬉しさがこみ上げるなんて!
よし、働こう!かわいい服を買おう。幼稚園に行かそう!大学までやろう!
頑張ろう!頑張ろう!頑張って家も買おう!
子供は親のやる気をも誘うように産まれてくる。自分だけでなく親をも生かす。

なんの子育て支援か?
子供は親が責任持って育てるのだ。それが人というものだ。
政府のやるべきもとはもっと違うことのはず。

「政府は余計なことをしてはいけません」

「親は親たる任務を放棄してはいけません」


なぜ、今の人達は結婚しないのか?なぜ子供を産もうとしないのか?
言わずとも知れたこと。理由は三つ、四つ。
そこが問題なのだ。


さー、そして国の長がもっとも恥ずべきことは、食べられない国民がいるということなのだよ。決して諸外国に技術が劣ってるとか、文化がどうのこうのとそういう事ではない。
食べられない国民を出さないこと。それが国づくりの基本中の基本だろう。

五穀豊穣。
祭られている神様のほとんどは国土創生の神、そして食物神だ。
祭事、政事。
政祭一致。



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