宇宙は本の箱

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無償の愛


それで今もまだ勝手に涙が出て来てとまらないんだ。
あんなに悲しく切なくなくったっていいんだけどね、
愛されなかったと思ってた子達にああいうのをね、知ってほしかったんだね。
愛は無償。

「愛の教えは『未来永劫』無償」

ヨ師は一番最初にそう決めたんだ。


三つ子の魂百までもっていうけど、
心を器に例えると、コップの下の方からものはたまっていく。
だから心の下の方に一歳の時のこと、二歳の時のこと、そんなふうに沈殿していくんだ。
記憶はなくなっても沈殿して底の方にあるんだ。
年月は容赦なく色んなものを器に沈殿させていくから、下の方のものはどんどん固まって強固になっていくんだ。
だから、生涯の最後まで残るその器の下の方に、
綺麗に泣けない思い出をいっぱい持ってる者のその強固な心の奥に入って、
それを溶かし違うもので固めていけるのは、それは無償のだけなんだ。

思い出したら綺麗な涙が流れる思い出。
そんなものを知ってほしくて。。。


昔、私は有償のものが好きだったって話をした。
一の愛をくれたら一返せばいい。ニの愛をくれららニ返せばいい。
気が楽だった。私の心を重くするものはなにもない。

無償の愛は重い。重い、重い、重かったから、
誰も私を愛するな!誰も私を好きになるな!私は行くんだ!そう叫んだ。
そんな目で見るな!私は誰も愛さないんだ!愛したくなんかないんだ!
私は叫んだ。


無償の愛は重いから、その重さに比例して、心の器の下の方にそっと忍び込む。
そしてそこを棲家にする。

そんな話。
覚えているかな?

覚えているかな?
私がしたかったのは「無償の愛」なんだ。




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