宇宙は本の箱

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竜馬がいない!



「うん、なんか麻生が一番いい政治家のように見えてきだした。それにしてもあの騒ぎはなんなん?麻生よりええのんは誰か言うてから騒いだらええのに」

「俺や!ってよういわん奴ばっかりや。そんで今度は一人づつ勝手にマニフェストやて!」

「マニフェスト、マニフェストってどっこから誰が導入したんか忘れたけど、馬鹿マスコミもいいすぎやん。昔は個人個人が選挙公約みたいなことを口で言って、それを党で統一して公約にして文書化して、それを今度はまた個人でマニフェストだって言って、口約束じゃなく文書化でって話?なんじゃらほい。馬鹿くさー。大体選挙公約達成できなかったら次は選挙しなくても自動的に違う党に変わるとか、個人は次は立候補出来ないとか、悪いことしたらもう一生議員になれないとかの法律もないのに、厚顔無恥の代表みたいな政治屋になんのマニフェストよ。私は違うと思うんや~。やっぱり政治でも企業でも宗教でもトップの問題だと思うよ。この人が右と言ったら右、左と言ったら左になってもいいというくらいの人物いるかって話やん。政策見てとかいうけど、大きくなった国の舵取りなんてそんな容易じゃない。で、この人が死んでくれって言ったら死んでもいいと思えるような人物が誰かいるかとか、いたとして、自分は死ねるのかって、結局、そういう話だと思うんだ。人間なんて究極は生き方死に方の問題やん。私は今頃になってイエスマンの必要性みたいなことに目覚めてきた」

「小沢ももうちょっと演説うまかったらだいぶ得するんやけどな~」

「小沢はやっぱり黒子でいたかったんじゃないかって思う。またそれが似合いそうやし。だけど、インパクトあって小沢なんか国民は見えないような顔のある忠実な下僕がね、いないんだ。いないってことは自分がだめなのかもしれなし。周りが本当は利己主義の馬鹿ばっかりなのかもしれないし。鳩山は忠実な下僕じゃないよね」

「今は大政奉還の混乱なんやな~」

「じゃー、竜馬がいないってわけやん。東は竜馬になろうとしたん?」

「いやー、竜馬なら最初から高知県知事にはならんやろー」

「竜馬みたいな身軽なすごいのっている?竜馬は彗星のごとく現れる?」

「現れそうもないな~」

「西郷とかね、竜馬みたいに身軽やないけど、西郷には若い日に島津おったやん。君主やね。
今、誰が誰を君主と仰ぐちゅうの?」

「小泉チルドレンも自分のことで小泉から離れたがってるのいっぱいおるしな~。小泉城も落ちそうや」

「なんかうまく言われへんかったけど、眉唾の胡散臭いお城やった。そやのに、なんであんなに人気あったかって言うと、言いたいこといいが、国民には毅然とした人間に見えたからやろ?」

「今までにない政治家やったからや」

「おっかしいの。あれがそばにいて言いたいこと言うてみいな。言われた方はブスーッとしてあれは人に嫌われるタイプやのに、ね!」


政治家には到底なるはずもないが、小泉に似たキャラクターの我がご亭主は、政治から自分への批判に話題が移行しかねないことを察知して、

「あ、僕、きょう、忙しいねん」

急に思い立ったようにパジャマを着替えだした。






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