らっくんちのまいにち

らっくんちのまいにち

その1・ひより


性別・女の子
生年月日・1998年9月23日 今年の秋に8歳になります。
種類・キャバリアキングチャールズスパニエル
カラー・ブレンハイム
性格・いばりん坊
既往症・心臓病 2005年秋、発見。

  「ひよりとの出会い」
 私がひよりに初めて会ったのは、1999年でした。当事、私は2匹の猫を飼っていましたが、キャバリアキングチャールズスパニエルという世にも愛らしい犬がいることをテレビかネットで知り、直接キャバリアを見てみたいと思ってました。でも、キャバリアなんて犬を見かけたことなんてないので、図鑑で見るだけでした。

 でも、市内にキャバリアのブリーダーがいたんです。ダメもとで近くのペットショップに問い合わせてそれを知り、すぐに電話してアポイントを取り、キャバリアを見に行きました。4月に引っ越して新生活を始めるに当りって、キャバリアを飼い始めたいと思ったからです。

 ブリーダーはとても若い女性で、犬のしつけもやっているということで、庭に大きな檻がおいてあり、中からバーニーズが淋しそうな目で私を見ていました。その女性は自分の親の家に住んでいて、庭にプレハブ小屋を建て、その中で犬の繁殖をやっていました。プレハブの入り口を開けると、臭いもかなりありましたが、それよりもすさまじい鳴き声でした。そんなに狭いプレハブ小屋ではないけれど、中にはシーズーがわんさか入っています。その中は3つに仕切ってあり、一番手前にはフードやオヤツ系のものがぎっしり並べられていて、次の仕切りの中にはサークルが4つ並べてあり、その中にシーズーの親子が4組入ってました。外が明るいせいか、中がとても暗く見え、一番奥のしきりに何があるのかはよくわかりませんでした。

 私はそのとき、シーズーの子犬を可愛いなと思って見てました。そこに到着した時、お目当てのキャバリアが1匹、庭のちっちゃなドッグランにいたんですが、その子は成犬で、今、売りに出してる子達の母親だと聞きました。キャバリアとはとても思えない顔と体型をした子で、私はキャバリアを諦めかけていたのです。

 私がキャバリアに幻滅したのを、彼女は見抜いたようで、シーズーを勧め始め・・・少しして、例の暗くて何があるかわからないプレハブの一番奥から、奇妙な犬を出してきました。連れてきたのではなく、ちっちゃなケージごと抱えてきたんです。

 それは、パピヨンに見えました。でも、妙なものがいっぱいくっついてます。10円玉くらいの大きさで、楕円形で、色は灰色、汚れたふとん綿のかたまりみたいなものが、体のあちこちに無数にぶら下がってるんです。
 それ、なんですか、と聞くと、「毛玉です」との答え。

 犬って・・・長毛犬って、こんなにいっぱい毛玉ができるのか、と驚きました。その犬は、絶えず、グキュルルルルルッ、とうなってキャウキャウギャウギャウ吠えてました。一生懸命吠えてるんだけど、うまく声が出なくて、かすれたようになってます。それでも必死で吠えてました。

 彼女が言うには、とてもとても血統の優秀な犬で,すごく高価だったそうです。彼女の母親が欲しがったから買ったんだけど、最近少し体調がイマイチで世話があまりできないから、もし欲しければ安くお譲りすると言うことでした。一応値段を聞くと、2歳のパピヨンのオスで、12万ということでした。

 いやあ、犬ってそんなに高価なのか・・・と驚きました。
 シーズーの子犬なら、たくさん生まれてるから10万でいいと言われ、東京の市場に送らなきゃならないから、欲しいんなら早く言わないと間に合わないと言われましたが、そこの犬たちの吠え方と、プレハブの一番奥に、毛玉だらけのパピヨンと一緒にいる何かが気になって、結局、出直すことにしました。

 プレハブから出てみると、外の檻の中の犬が増えてました。キャバリアが2匹入ってます。成犬レベルの大きさだけど、とっても可愛い顔をしてます。でも、さっきちっちゃなドッグランにいたキャバリアの子供だと聞き、やっぱり出直すことにしました。

 ブリーダーを訪ねたのはその時が初めてだったから、比べることはできませんが、正直言ってブリーダーというものに幻滅しました。だから、そこのブリーダーの犬を買う気なんて全くなかったんですが、明らかに売れ残って大きく成長した可愛い2匹のキャバリアのことがどうしても気になって、一月後に電話してしまい、勢いで2匹とも買うことにしてしまったんです。

 うちに来たとき、生後7ヶ月だった2匹のキャバリアは、不自然な太り方をしていて、15キロほど体重があり、1匹はずーっと下痢をし、何度も吐いて、5日後に死にました。ブリーダーに何度も電話したけれど、ずっと留守電で、やっと電話がつながったのが1ヵ月後でした。

 1匹死んだことを伝えると、彼女は、7ヶ月まで成長した犬が、そんなに簡単に死ぬはずはないから、そっちで間違って毒になるものを食べたんでしょう、の一点張りでした。私も、引っ越した先が離島で動物病院もなかったのと,海があれてフェリーが出航しなかったこともあって,医者に診せないまま死なせてしまったことへの負い目があり、ただただ悲しいばかりでした。

 その時、生き残ったのがひよりです。たくさん遊んでおいしく食べて、15キロあった体重はすぐに減りました。大柄ではありますが、決して太ってるわけではありません。正直に言うと、けっこう問題のある犬なんですが、私には宝です。ずっとずっと、ひよりと一緒に生きていきたいです。

 そういえば、半月ほど前に、偶然ひよりが産まれたブリーダーのホムペを見つけました。彼女は1年ほど前に結婚したようで、ホムペではしゃいでました。現在はチワワ専門のブリーダーとしてやっていて、チワワ専用の可愛い服などもホムペで紹介して売ってました。商魂たくましい。

 あの時、私が見た「毛玉だらけのパピヨン」はどうしたの、って聞いてやりたいわぁ。


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