ロシア旅行(40)



フォンタンカ運河からネヴァ川に出ると、突然視界が開け、
遥か先に、ペトロパブロフスク聖堂の黄金色の尖塔が見
えたときには感動した。

ペトロパヴロフスク聖堂

 ネヴァ川の川幅が広くなる河口のデルタ地帯に、兎島と
 いう小さな島がある。 ここに、ピョートル大帝が要塞の
 建設を始めたのは、1703年5月27日(旧暦16日)で、
この日がサンクトペテルブルグの誕生日となっている。
 この要塞は、スウェーデン軍に再びこの地を奪われない
 よう、ロシアを守るために建設したものである。

 1712年に聖堂の建設が始まり、1733年に完成した。
 ここには、ピョートル大帝からアレクサンドル3世(没
 1894年)までの歴代ツァーリが埋葬されている。

 尖塔には避雷針が無かったので、たびたび火災に遭
 った。 1756年の火災では、尖塔とオランダ製の時
 計が焼けてしまった。 1850年には鉄骨の塔となり、
 高さも121.8mとサンクトペテルブルグで最も高い建
 築物となった。

 皮肉な事に、軍事的には殆ど使用されず、帝政時代
 にはドストエフスキーも入れられた政治犯の牢獄が
 あった。 また造幣局があり、現在も使用されている。

要するに、ペロトパヴロフスク要塞が、今日のサンクト
ペテルブルグの原点である。 この要塞が陥落すると、
ロシアは海への西の出口を失うことになる。 

船は、「跳ね橋」へと向かう。 大きな船が、ネヴァ川
を遡上するために、真ん中から跳ねるようになってい
る。 しかし、現在はたまに観光船が通行する時以外
は使用することはない。 真夏の夜、点検を兼ねて、
ライトアップし、観音開きになるというから、一度見て
みたい。

跳ね橋を潜ると、前方に、「ロストラの燈台柱」が見え
る。 川から眺めると、なるほど、燈台であることが確
認出来る。

進行方向、左手に、「エルミタージュ美術館」が見えて
来た。 今朝も、対岸から見ているが、やはり川を下り
ながらズームアップの感じで眺めるのは格別である。

先程通った「夏の宮殿」にたいして、ここは、「冬の宮殿」
である。 早く、中に入って見学したいと、期待が高まる。

宮殿橋を過ぎた所で、Uターンして帰途につく。 僅か1
時間ちょっとのクルージングであったが、大いに満足す
る。 着岸して上陸しても、運河通りは依然として渋滞で、
バスがやって来るのが大分遅れた。

ペトロバヴロフスク聖堂の尖塔(午前中陸上で撮影)

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跳ね橋(船窓より)

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ロストラの燈台柱

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追加画像は下記をクリックして下さい

エルミタージュ美術館が見えてきた へジャンプ







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