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2007.01.18
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 今日の産経新聞「 産経抄 」は、矢祭町の「もったいない図書館」について。
 矢祭町で不要になった本を集めているという記事を読んだときに、我が家も送ろうかと思ったのだが、送料が大きな負担になるのでやめたのだった。
 しかし、世の中には太っ腹な人が多いと見えて、29万冊あまりが集まったそうだ。
 燃えるゴミとして捨てられたりしなくて良かった。
 書物を疎略に扱うな、という趣旨には大いに賛成。
 しかし、最後まで読んでずっこけた。
 唐突に、
わが論説室で矢祭町を褒めそやしたら、岩手にも北上市というユニークな町があるとの声が上がった。作家の井上靖も名誉館長を務めた日本現代詩歌文学館がある。全国から明治以降の詩集を集めている。本の敵、ネットも、まだここまではできまい。

と結んでいる。
 なぜここにネットが出てくるのか意味がわからない。(私は、「ネット」という表記を好まないので、以下、「インターネット」と表記する)
 「詩集を集める」というのは、「詩集」という書籍(物体)を集める、ということなのだから、デジタル信号しか存在しないインターネット上に集めることができるわけはない。
 単に、「詩」を集めるだけなら、インターネット上でもできる。どこかのサーバーに蓄積すればいいだけの話だ。
 さらに、何の根拠もなく「本の敵、ネット」と言い切られても首をかしげるばかりだ。
 いつからインターネットは本の敵になったのだろう。
 インターネットが本の敵だというのなら、インターネットによって本が駆逐されるはずだが、現実には、インターネットの書き込みから生まれた書籍もいくつもある。
 また、一度は書籍になりながら、絶版になり、世から消えていってしまったものを、デジタルデータとして保存し、後世に伝えようとしている運動もある。
 例えば、私がほんの少しだけお手伝いしている「 青空文庫 」では、本の形では入手できなくなったものも読むことができる。
 むしろ、インターネットは、書籍の側面支援をしていると考えた方がいい。
 もし、ほんとうに、産経新聞社では「本の敵、ネット」と考えているのなら、産経新聞社は、一切、インターネットの利用をやめ、インターネットを利用しないよう、人々に呼びかければいい。
 しかし、そうする気配はない。

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Last updated  2007.01.18 10:48:04
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