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2008.01.02
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 徳間文庫。2004.11.15初刷。

「化猫騒動」岡本綺堂
 何度も読んだのに、はじめの方は忘れていた。

「黒兵衛行きなさい」古川薫
 掌編。理屈がないのがいい。

「猫のご落胤《らくいん》」森村誠一
 シリーズものの一つらしい。やや理に走りがち。
 地の文が少なく、台詞が多い。
 また、地の文で、「サバイバル」や「ライバル」という語がつかわれているのが時代小説には珍しい。

「おしろい猫」池波正太郎
 友情や愛情よりも悪いやつの欲の方が深いという話。

「猫姫」島村洋子
 文章が凝っているというか屈折している。
亡くなった上様のご寵愛を受けて剃髪《ていはつ》した妹のあってはならない噂

という文章などわかりにくい。
 若い女性らしく、叙情性が前面に出ている。

「化猫武蔵」光瀬龍
 冒頭に「耳袋」の一話が惹かれている。
 江戸には、化け猫に見えた母を殺してしまい、自殺した息子の話というのがいくつもあったのだろう。(岡本綺堂の「化猫騒動」も、そういう話に基づいているわけだ)
 「耳袋」は全部読んだが、猫の話は一つも覚えていない。

「大工と猫」海野弘
 短く、余韻の残る話。話し手が自分のことはほとんど説明しないのがいい。

「猫清《ねこせい》」高橋克彦
 事件帖スタイル。長い物語の一挿話というところで、登場人物の関係がわかりにくいところがあるがおもしろい。

「野良猫侍」小松重男
 のんびりした大衆小説。

「薬研堀《やげんぼり》」平岩弓枝
 「御宿かわせみ」の一つ。

 編者による解説は、「文学における「猫」の位置づけ」と題しているが、「位置づけ」というような大仰なものではなく、猫好きが、猫の出てくる話をいろいろ並べて、「ほーら、みんあ猫が大好きなんだ」と言っているようなもの。
 それだけに読みやすくおもしろい。

(12月24日読了)

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Last updated  2008.01.02 17:32:07
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