The Life Style in The New Millennium

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Master21

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2005.01.10
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かつて、伝言ゲームというのが学校で流行ったことがあった。

何チームかに別れて、あるメッセージを耳元で囁いて伝言を
伝えて行き、正確に伝えられたチームが勝ちというルールだ。

たしかテレビ番組でもタレントがやって、
伝わって行くうちに全然違った伝言になって、大笑いしたものだ。

好子も小学校5年生の時に、昼休みの時間にクラスメートたちと
この伝言ゲームをしたことがあった。
その時に、好子にヒソヒソ伝えてくれた一人が卓也だった。

牛乳瓶の底のようなメガネをした卓也は、
好子の好きなタイプではなかった。

でも、卓也のヒソヒソは、耳がくすぐったいけれど、
とってもいい気持ちだった。
だからってわけではないが、よく伝言が分からないから
「ええ?」
とか言って何度も聞き返したりした。

このことがあってから、好子は卓也のことが好きになった。

中学も高校も同じ学校だった。
好子の気持ちは変わらなかった。

それから、8年後の高校卒業式の日に、好子は卓也に
「結婚を前提につきあってください」
と手紙に書いて手渡した。

その場で、読んだ卓也は、
「ええ、結婚前提!」
と言って鼻血を出すほどビックリしたそうだ。

それから4年、
好子は短大を出て幼稚園の先生になっていた。
卓也は大学を出て、中学の社会の先生になった。

その年の6月だった。
結婚式の披露宴で、新婦の好子がこの話をした。
その切り出しの文句が、
「彼は、ワタシを初めて感じさせてくれたヒトです」
だった。







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Last updated  2015.08.26 11:14:32
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