infection


infection

あたしの中の

全てのものが・・・

爆破して、散っていく・・・・


「本とうっ!?」
「あぁ。お前ももう一人前じゃし・・・・って、うわっ!!?」
「ありがとうお師匠様っ!!私、頑張るよ!!」

私は龍華。ここ、如月忍流の里のくの一なの。
今日、忍者の基本的な技術・・・潜伏術だとか、暗殺術とか・・・そういった大体の修行と卒業したんだ。
といっても、勿論、これからも修行は続けるよ。
ただ、これからは何もかもを自分一人で片付けなきゃなんないんだ。
今までは、お師匠様が横からみっちり、しごいたけど、今日からはすべて一人で考えるんだ。
確かに、やっと一人前になれて、嬉しいってのはあるよ。
でも・・・、なんていうか、私は・・・自分で考えんの、苦手でさ。
そういう点では、まだお師匠様が何をするのか指示してくれたほうがいいかなぁ、なんて思っちゃったり、してんだけどね。

「こら、そんなに浮かれて・・・怪我をしても知らんぞ。」
「あっハイ!!」
そうなんだ!!
私は今日から一人前になったから、ほかのみんなとおんなじように、任務ができるんだ!!
こーしちゃいらんない!
しっかりしないと・・・一見平穏そうに見えるこの里にも、任務をしてて殉職した人たちが沢山いるんだ。
特に、今日は初任務・・・気ぃ引き締めないと、私もそうなりかねないや。

「・・・ところで、お師匠様、私の任務ってのは?」
すっかり忘れてたけど、私の任務って何だろう?
もしかして・・・人、殺すかな?
私、とても言えた義理じゃないけど、人を殺したりするの・・・嫌なんだ。
じゃあ何で忍者なんかになったんだ、っていうとね。

私、孤児なんだ。
戦で・・・親をなくしてさ。最も、親の顔なんて覚えてないぐらい小さかったから、あんまり悲しくはないんだけどね。
丁度、私が一人で戦場後をうろついてるところを、当時まだ現役だったお師匠様に運良く拾われたんだ。
それで・・・決めた。
これ以上、戦で悲しむ人が増えないようにって・・・そう思ったんだ。
私と同じように、親を失って悲しむ子達がいなくなるように・・・していきたい。
その為だったら、たとえ戦で駆り出されて傷つけ、殺し合おうとも・・・それは仕方のないこと。
悲しいけど・・・私は戦うよ。

「お前の任務だがな?」
「えっ!?」
あちゃ~!!すっかり忘れてた!!私から訊いたのに~御免、お師匠様。で、私の任務は?
「お前の任務は・・・極めて危険なものだ。」
お師匠様はきつい顔つきになり、私を睨んだ。
「危険・・・っていうのは・・?」
「うむ・・・」
咳払い一つして、お師匠様は続けた。
「お前も・・・望月のことは知っているな?」

・・・知ってるも何も・・・私の両親を殺したのは、望月だっていうじゃないか!
憎い敵さ、あいつらは。

望月っていうのはね、望月忍流のことだ。
さしずめ・・・私たち如月の昔っからの宿敵っていったところかな、なんせ仲が悪いんだ。
なんでも、向こうの頭領が、如月に何がしかの恨みがあるってんで・・嫌ってるらしいんだ。
こっちに言わせりゃ、いい迷惑だけど、でも、昔は、望月ってほかの流派から軽蔑されてたらしい。
中でも、特に邪見にしてたのが如月だったっていうのは・・・私も少し聞いたことがあった。
本当かな・・?

「知って・・・います。忘れもしません。」
「あぁ・・・そうじゃったな。それで、任務だが、お前を合わせて、五名で遂行してもらう。」
「複数、ですか?」
「左様。」
そう言って、お師匠様はますますきつい顔つきになった。
お師匠様がここまで・・・それも、五人でするなんて、結構きつい任務なんだろう。命も・・・落としかねないのかもしれない。
そう思うと・・・段々、冷や汗が出てきた。
そんな私の様子を察したのか、お師匠様は話を進めた。

「時間は今宵、丑の刻。望月の忍がとある城の密書を携え、峠を越えるとのことだ。お前たちの任務は、その密書を奪い、殿に提供することだ。判ったら、いけいっ!!!」
「はっ!!」


(さむ~いっ!!)
何この寒さ!半端じゃないわ!!

ここは例の望月の忍者が通るとされる峠。
もうすぐ、現れる頃だと思う。

私は木に影に隠れてるんだけど、私の他には、上忍の方や、目上の方がいっぱいいる。
こんな人たちと任務を一緒にさせてもらえるなんて光栄だけど、それほどに、敵は恐ろしく、危険ってこと。
・・・すごく、緊張する。

この人達の他には、一人、私の幼馴染の、海斗がいる。
海斗も、今日が初任務。
見てると、すっごい緊張した感じで、前を睨んでた。

(・・・ふふ、緊張してるんだぁ。)

何故か、笑いがこみ上げてきて、私は慌てて口元をふさいだ。
私も集中しないとね・・・!

それからすぐに、それは起こった。
上忍の一人が、峠の道に下りて、黒い影に突進したかと思うと、ほかの人たちも、同じようにしていくのが見えた。

遂に来たんだ!!

私は、急いで、峠の頂上へと向かった。

黒い、影が見える。
倒れてる人もいるみたい。
きっと、上忍の方が敵を倒したんだ!!

けれど・・・・まったくの逆だった。

「え・・・?」
あれ、上忍の人だよね・・?
倒れてる・・?血を流して?
それに、笑いながら、返り血を浴びているのは誰?私、こんな人知らないよ?

「ハッ弱過ぎだ。如月の奴ら、いつの間にこんなに弱くなったんだ?俺たちを笑う割には、大したことねぇじゃねぇか!でかい面しやがって!!」
血を浴びた男は、刀を死体から抜くと、今度は私を見た。

「あぁ・・・?」
「!?」
「・・・なんだ・・・まだ”殺し”もしたことねぇ餓鬼か。いけねぇなァ、嬢ちゃん。あんたにゃあ・・・ちいっとばかし・・早すぎだっ!!」
赤い男が、私に刀を突き立てて向かってくる。
私は、気が動転しているのか、体が動かなかった。
ただ、忍の本能で、このままだたと殺されると、判っていた。

―――怖いっ!!

「・・・?」
あれ・・?私、生きてる?

何でだろう、そう思って・・・前を見て、私は・・・失神しそうになった。

「海、斗?」
「龍・・・華・・・」
え?どうして!?どうして海斗がここにいるの!?
「良かった・・・無事で・・・」
「え?海斗!?海斗!!何?いったい・・・!!」
刀・・・刀が刺さってる!!
海斗の背中から、べっとりと赤い血を流して・・・怪しく、刀は光っていた。

「ちぃっ・・・余計なことを・・・」
男は、悔しそうに、言った。
「龍・・華、逃げろ・・・ぐ、ふっ・・」
海斗は吐血をするばかりで、私は大きなショックで逃げようともしなかった。
否、情けなくも・・・・腰が抜けて・・・足が動かなかった。
「海斗・・・嘘でしょ、海斗!!」
「龍・・・華・・・はや・・・・」

コトン・・・

「え・・・?」
海斗は・・・もう何も言わなかった。
ぐったりと、頭を下げて・・・名誉ある殉職だった。

「海斗・・・?」

「ったく・・・・ま、いいか。どうせ・・・今からあんたも殺すしな。」
「・・・なんですって・・・?」
「あの世で仲良くしな!!」
男は、また私に向かって走り出した。
私は・・・ゆっくりと、刀を抜いて・・・

「―――許さないっ!!!」

「・・・・俺にたてつくから、こうなるんだぜ、お嬢ちゃん。」
何・・・?
私は、どうなったの・・・?
「まァ、良く頑張ったって誉めてやるよ。」
私は・・・・死んだの・・・?
「俺に、傷をつけるたぁな。正直、びっくりしたぜ。」
ぐったりして、眼を閉じている、自分が見える。
あぁ、もう私、生きられないんだ・・・今日・・・やっと、一人前になったのに・・・御免、お師匠様。
こんな・・・役立たずで。

「俺は・・・千堂陽影。望月を、束ねる者・・・」


千・・・堂、陽影・・・・
忘れない。
きっと、忘れない。
私は・・・生まれ変わってでも、あなたに復讐するわ・・・
魂を、悪魔に売ってでも、必ず・・・!!


         爆破して、飛び散った心の破片は。

         もう二度と・・・甦らない・・・

        悪い病気に伝染したように、私は・・・    

           完全に、意識を失った。


                            ――END――


~言い訳~
何・・・・コレ・・・
変な物でごめんなさい~鬼束ちひろでごめんなさい~!!
今回は・・・・とあるくの一の生涯(?)みたいな。
こんなのもありかな、と。いや、ごめんなさい。
「infection」というのは、病気が伝染する、という意味があるらしい・・・です。
でも、全然違うじゃんっ!!
鬼束~!!




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