Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
January 15, 2007
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カテゴリ: 小説
「...もう、手伝い終わったのか?」踊りながら、尋ねてきた。「...うん。後はシスターと二人でも、大丈夫だって...。」言葉が続かない。告白の返事をしないと思っているのに言えない。触れている手をずっと、触れていたと思うのに、言葉がでない。そんなことを考えながら踊っていたら、曲が終わってしまった。「...寒くないか?中に戻ろう。」葛城君は手をすぐに離し、歩き出していた。「あの...。待って...。」追い掛けようとして、走ったら躓いて前に倒れ込みそうになった。「キャア...。」「裾野?!」葛城君が慌てて振り返って受け止めようとしたが、そのまま尻餅を着き、鈴蘭を抱え込んでいた。「...裾野、大丈夫か?」真っ赤になりながら、謝らないと思ったのに、別の言葉が出ていた。「...好き。葛城君が好きなの...。」自分で可笑しなことを言っていることは分かって恥ずかしい反面、燃え尽きた。パニック状態になっていた。彼は驚いた顔をしていた。深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。

「...ごめんなさい、変なこと言って...。私は怪我してないけど、葛城君は大丈夫だった?」何も言わずにそのまま抱き寄せられた。「...葛城君?!」益々パニック状態に陥りかけていた。彼の手が震えているのが判った。「...良かった。怪我がしなくて...。俺、裾野のことが本気で好きだから、極端に避けられている気がして怖かった。俺の傍にいてくれ...。」嬉しかった。「...私で良かったら、ずっと傍にいさせて下さい。私、葛城君に嫌われるのが一番、怖い...。」また、何も言わずにそっと優しいキスをした。「...好きだ。ずっと一緒にいて下さい。」また、口付けた。葛城君は自分の上着を彼女に掛け、一緒に手を繋いで会場に戻った。雪の破片達は優しく見護りながら地上に舞い降りて来る。“葛城智尚君、鈴蘭を宜しくね。二人とも幸せに...。”鈴蘭のお母さんはすぐ傍まで来て、囁いた。「...?」気配を感じた葛城君。「...どうかしたの?もしかして、お母さんがすぐ近くまで来ていてくれたのかな?お
母さんの声が聞こえた気がしたの。」不思議なことを言ったが、ふっと笑って「...案外、そうかもしれないな。きっと、心配して逢いに来たのかもな。」そうかもしれないと言い、二人は笑った。
「...良かったね、裾野さん!」途中から二人の様子を見ていた村井君は呟いた。「...さっきの、嬉しかったけど...。もう少し待って...。今はまだ、答え、出せないから...。」波瀬さんも好きだったが、もう少し様子をみたいと思っていた。このことは本人に言わずに、そっと胸の中にしまっておくことにした。村井君は、最後の締めの言葉を言う為に慌てて会場に戻って行った。
この年、たくさんのカップルがこのパーティーで、誕生したらしい。そして、鈴蘭が村井君に言ったとおり、想いの通じ合った恋人達はずっと傍にいることが出来たとか......。

それを証明するかのように数年後、高校を卒業と同時に籍を入れて、結婚式をした。それは桜が満開に咲く春のことでした。真っ白なウェディングドレスに身を纏い、幸せそうに笑う鈴蘭の姿があった。この日の出来事に何よりも喜んでいるのは、鈴蘭の伯父で、牧師様だった。ずっと、親代わりを務めて来た彼にとって、実の娘が嫁ぐような気持ちで一杯だった。だからこそ、二人が交際を始めた当初は煩かったが、付き合う前と変わらず、教会の手伝いやお祈りによく来ていた。ラブラブぷりを見せつけられながらも怯むこともなく厳しかった。二人も負けずに想って来たから今日と言う日がある。優しい桜の香りを嗅ぎながら、式をあげた。
春という遠く感じた、雪降る冬、厳しい寒さの中に優しさを見つけた。

雪の破片はそのことを教えてくれた。厳しい寒さの中に美しい物があることを...。

鈴蘭は、決して強い女の子じゃなかったけど、素直で優しい子だったから周りの人達が助けてくれた。

雪の破片 君の笑顔の隣に

いつだって 見護ってる

冷たさだけが 雪じゃない

七色の光のように 姿 変える

辛いから 心隠すけど 逃げないで

君には 助けてくれる人がいるよ

目を逸らさずに 真っ直ぐ 前を見て

優しさ 笑顔 忘れないで

雪は 優しいんだから

見えない所で 護ってるよ


風が祝いの言葉を運んでくれた。

“鈴蘭、智尚君、おめでとう。末永く仲良くね。”風に乗せて、鈴蘭の母は囁いた。

こうしてクリスマス・イブのラストダンス時に、想いを告げて両想いならずっと傍にいられることを証明しました。



大好きな人、ありがとう。


終わり





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Last updated  August 20, 2008 09:35:48 AM
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