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ブログにお越しいただきありがとうございます。イダケン事務所では大規模修繕の設計・監理業務や、長期修繕計画のコンサルタント業務を行っていますが、5件これから3回目の大規模修繕を迎えるマンションからご相談を頂いています。3回目の大規模修繕を行うマンションの特徴は・・1,資金が潤沢ではない新築時に極端に積立金が安かったこともあり、資金が潤沢に・・というところは、むしろ少なく、節約、節約で何とか修繕費を工面しているところが多いです。積立金が足りないからと言って、各戸の徴収額を値上げするには、新築当初からの居住者が高齢化しているため、総会での合意形成が難しくなります。2,給排水管の改修も控えて、高額な修繕が目白押し当時の配管材料の寿命(耐久性)を考えると、3回目の大規模修繕が行われる前後に、給排水管の改修時期が到来します。工法にもよりますが、給排水管改修を行うと、大規模修繕1回分のお金が吹っ飛びます。3,バリューアップの修繕が検討に加わる。1回目や2回目の大規模修繕は原状回復=傷んでいるところを直すことが主目的となりますが、3回目を迎えるマンションは、当時はオートロックがなかったり、エントランスの扉が手で空ける開き戸であったり、段差が多かったりと、今のマンションでは標準化されている設備がない場合があり、マンションのバリューアップの要望が強まり、原状回復以外の費用がプラスされる場合があります。バリューアップの費用は長期修繕計画に計上されていないため、この工事費の捻出するために、いろいろな工夫が必要となります。4,塗装や防水の被せ工法が限界を迎える。塗装や防水は、新築時の材料を生かして上から層を重ねていく、「被せ工法」を行うことが経済的です。しかしながら、「被せ工法」は、重ねる回数に限界があり、新築時の材料を剥がして、行う時期が到来します。材料を剥がして行う工法を撤去工法といい、この費用は高額になります。5.専用使用部分の建具(住戸玄関扉・サッシ)の改修が必要になる。住戸の玄関扉やサッシは、共用部分の専用使用部分という扱いになり、居住者が独占的に使用することができるものの、管理の区分は管理組合にあります。30-40年も使っていると、開閉しにくくなったり、隙間風があいたり、等の劣化が発生します。交換や全面的にメンテナンスを行うのであれば、管理組合がその費用を負担することになります。以上のように、お金が潤沢に溜まっていない状況で、お金をつかわなければならない要素が盛りだくさんの3回目の大規模修繕。大規模修繕だけに着目してお金を使おうとする管理会社や設計事務所に修繕をお任せするのは不安要素があります。自分たちの財産を中長期的な視点で、どのような考え方修繕を行うのか、しっかり考えていかなくてはなりません。3.
2022.04.15
ブログにお越し頂き有難うございます。イダケン事務所では年間6から8物件の大規模修繕コンサルタントの仕事をさせて頂いていますが、極稀に築20年を超えて、大規模修繕をしたことがないというマンションに出会います。20年以上大規模修繕が未実施な建物は劣化がひどい状態なのかというとそうでもありません。仮に漏水や、目に見えるような大きなひび割れや、タイルが落ちてくるような状況が起きると、すぐに大規模修繕をやらなければと、組合は行動を移します。結局、自覚症状のようなものがないと、管理会社や時の理事会が積極的に大規模修繕をやろうという旗振りをしないと、20年以上も大規模修繕が未実施な建物が出てきます。単純にお金がなくて、大規模修繕ができなかったのでわ?と考えても不思議はないと思いますが、現時点(2021年)で築20年を迎えるマンションは、新築時に修繕積立基金という、前払いの臨時徴収みたいなお金を徴収し、最初の積立金が安くても、1回目の大規模修繕はできるお金くらいは溜まっているケースが圧倒的に多いのです(例外的に、投資向けマンションは、1回目の大規模修繕から資金が不足することがあります)。ただし、大概20年以上大規模修繕を実施していないマンションは、積立金徴収額も新築時のままか、一度少し値上げしている程度の場合が多く、各戸の積立金は安く抑えられている一方、将来的な資金不足が生じる可能性が高い状態にあります。12-15年以内に大規模修繕をしなければ、必ずしも資産価値が落ちるような建物になるわけではありませんが、資金面や実施時期については、常に組合の重要課題として気にかけていく必要はあると思います。
2021.12.12
ブログにお越しいただきありがとうございます。イダケンの自宅は3住戸のテラスハウスで、RC造3階建てです。中古で購入したのですが、築40年近く経つため、大規模修繕の計画を立てています。法律上区分所有権の建物ではないのですが、建物は3件構造的に独立しているものの、ふっついて建てられているため、3件で話し合いの結果、施工会社を複数探し、各社が現地調査、積算をし、材料・工法等を提案してもらう責任施工方式(プロポーザル方式)で進める事となりました。4件から見積が出てきました。まず、金額を見ると・・・現時点では業者選考中のため、具体的な金額は開示できませんが・・・平均値を1とした時にA社:1.61倍B社:1.06倍C社:0.68倍D社:0.65倍となりました。仮に平均値を100万円と仮定すると、161万円、106万円、68万円、65万円ということになります(実際の見積のリアルな数字は異なります)金額差は一番安い業者と高い業者では、2.5倍近い開くがあります。なんでこんなに金額差があるのか?これを読む解くためには、単純に項目の有り無をチェックするだけではなく、工法や材料の優劣を専門的な知識から判断する必要があります。下表が四社の見積大項目の比較表です。わかりやすいように、すべての範囲を網羅していると思われているものを○、一部の範囲が対象になっているものを△、対象外となっているものを×としました。一番見積りが高い会社は、ほとんどの項目で○になります。これが高い理由です。一番中身が濃いということになります。次に最低金額のD社が最も中身が薄いのかというと、そうではありません。二番目・三番目のB社・C社が、A社と比較すると見積の範囲が狭いことがわかります。今回はたまたま、このような結果になりましたが、責任施工方式(施工会社各社提案型)で施工会社を選定する時には、見積金額だけではなく、内訳を詳しく分析しなくてはなりません。高かろう良かろうはあたりまえですが、潤沢にお金があるマンションばかりではありません。でも、安かろう・悪かろうは、誰も望んでいないと思います。総合的なバランスを勘案し、良い業者と契約する。この作業は、難易度が高いと思いますが、責任施工方式を選択したマンションは、避けて通れない作業になります。一般的に設計事務所は、設計・監理方式という、準備段階から、工事が終わるまでの大規模修繕のコンサルタント業務を請け負う提案しかしないケースが多いですが、イダケン事務所は、施工会社選定の補助だけでもお手伝いをすることが可能です。コンサルタント費用にあまりお金をかけたくないが、最低限は専門家の知恵を借りたいと思うマンションにとっては、良いお話ではないかと思います。
2021.11.23
ブログにお越しいただきありがとうございます。2012年に作成されて以来、長らく更新してこなかった「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」および「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の最新版が国土交通省より発表されました。このガイドラインは、イダケンのブログでも紹介させて頂きましたが、マンションの管理の適正化の推進に関する法律の改正を踏まえて、2022年4月から開始するマンション管理計画認定制度の認定基準の基礎資料になる見込みです。特に修繕積立金額の目安の変更は、マンションに与える影響は大きいものと思われます。今後機会を設けて、ガイドラインの変更について解説していきたいと思います。
2021.11.02
ブログにお越し頂き感謝しています。コロナ過の中、会議室に大勢の人が集まるのを避けるために、業者ヒアリング(プレゼンテーション)は会議室とWeb会議システムを併用する期会が増えています。ホストはイダケン事務所。会議室にはイダケン事務所の担当者がパソコンにプロジェクターとスピーカーマイクを接続。時間をずらして、施工会社候補を会議室に招き、プレゼンテーションと質疑応答を行います。説明の資料は、プロジェクターと画面共有(Web会議に参加のPCに投影)を行います。写真のプレゼンテーションの日は四社が候補業者でした。朝9時に開始し、プレゼンテーション会終了後、出席した約10名の関係者に評価表に得点付けして頂き、休憩時間を利用して、エクセルで得点を集計。その結果をもとに理事会へ諮問する施工会社候補を決定し、夕方6時に全てを終了しました。評価の結果二社に絞られ、意見交換をした結果、最終的に満場一致で一社に絞り込むことができました。
2021.06.26
ブログにお越し頂き有難うございます。大規模修繕を施工する前に、必ずと言ってよいほど建物調査⇒診断を行いますが、調査結果をもとに、適切な診断を行っているとは思えない実態を間々見ます。調査:建物の状況を調べること診断:調査結果に基づき、劣化状況を判定し、原因を推察し、工事の方向性の判断材料とすること調査・診断が混同されていますが、イダケンがお仕事をしているマンションでは、調査と診断を分業して実施している物件もあります。事例を紹介します。このマンションは二回目の大規模修繕を計画しています前回の大規模修繕から12年経過し、大規模修繕を提案したマンションでは、現況を調査した結果、屋上の劣化が進行し、早急に再防水をする必要をしないとリスクが生じるという診断をし、大規模修繕が必要な時期に到来し、大規模修繕時には屋上の再防水は必須メニューであるという提案をしてきました。本当に大規模修繕が必要ですか?屋上は本当に防水をやり直さなくてはならないのですか?と理事長から相談を受け、イダケンは一級の建築有資格者を同行させ、現地調査を行いました。結論から言うと、平場及び立上りとも防水の状況は概ね良好、経過観察(大規模修繕時期の先送り)が可能、補修をするならば、再防水ではなくトップコート(保護塗装)による延命が可能。ただし、立ち上げり金物取り合いのシーリング部だけは劣化があり、この部分だけはなるべく早い時期の補修が必要との診断をしました。折角足場を組むんだからと言う変な理由で、調査結果に関係なく、フルスペック(全箇所を全面改修)を提案する施工会社・管理会社・設計事務所が兎に角多いです。彼らの言い分は、最もリスクがありません。安全率を考えるとフルスペックが最上の考え方とのことのようです。大規模修繕をしないと儲からないという発想から、建物調査・診断が本来の目的からそれて、営業戦略に使われているのが残念です。専門家の調査だからと言って、過剰な工事を、前倒しでやらされていませんか?
2021.05.21
イダケンのブログにお越し頂き感謝致します。アッと言う前にゴールデンウィークが終わってしまったイダケンです。10-15年周期で足場を架けて、主に防水・塗装・外壁補修を行う工事を大規模修繕と言います。中規模以上のマンションでは、諮問機関である修繕委員会を立ち上げ、準備から工事完了までの業務を行うことが多いと思います。タイトルの「中間期工事」とは、次の大規模修繕との中間期に行う、足場を不要で出来る鉄部塗装や、防水の保護塗装・部分補修、建物各所の足場がなくてもできる小修繕をまとめて工事を行うことをいいます。足場が不要なので、ばらばらに発注してもよいのかもしれませんが、管理組合が工事業者を探したり、合意形成を都度取ったりする手間が増えます。工事ボリュームを多少なりとも大きくして、スケールメリットでコスト削減を行う目的もあります。小修繕は、どうしても持ち回りの理事会が発注対応をするために、管理会社お任せ方式になりがちで、競争が働かないために割高になります。一つ一つが小さな工事でも、まとめて発注するとそれなりの金額がいきます。こうなると、設計・工事会社の選定補助・工事監理を第三者専門家であるコンサルタントに依頼しやするくなります。先月、鉄部塗装工事とルーフバルコニー防水を中間期工事として実施したマンションの、完了検査に立ち会いました。イダケン事務所では仕様書の作成、相見積取得の補助、完了検査の立会いを行いました。居住者も納得できる仕上がりで、検査の指摘個所もほとんどありませんでした。小修繕を適切な時期で、かつ適正な金額に発注する事は、建物の長寿命化と大規模修繕時期を遅らせてコスト圧縮する等メリットがあります。にほんブログ村
2021.05.07
マンションでは概ね12-15年周期で、建物外装・防水等を主とした大規模修繕工事を実施します。大規模修繕後には、1・2(3)・5・10年とアフター点検と言って、施工会社が不具合の有無にかかわらず自主検査を行い、不備が発見されれば保証の範囲内で無償にて補修を行います。5年目点検を終えると、ちょうど前回と次回大規模修繕の中間時期となります。保証範囲外の不具合や、鉄部の錆が発生する等の痛みが少しずつ出始めます。建物の痛みを早期に直して、次回大規模修繕の実施時期を遅らせることができるように中間時期に外装・防水関係の部分補修を検討することをお奨めしています。建物の不具合を早急に是正しなければならない場合は、早急な対応が必要ですが、ある程度まとめて工事を同時に行うことでスケールメリットによるコストダウンを図れ、かつ組合の修繕実施検討も合理化ができます。にほんブログ村
2020.06.20
緊急事態宣言後初の週末。大規模修繕竣工前検査が中止(延期)になったマンションがありました。通常、土曜日は工事を行っているが現場が多いのですが、休工となった現場も複数見られました。月の会合であった、修繕設計事務所の建築士に聞くと、緊急事態宣言を受けて「現場が止まるかもしれない」との話も聞きました。国土交通省のホームページにおいて、新型コロナウィルス感染症対策の頁が掲載されています。2020年4月15日現在は、まだ緊急事態宣言発令後に更新はされていません。工事後止まった場合、竣工検査ができない場合、竣工引渡しが遅れます。工事が遅延されれば、足場代や工事管理費用が日数が伸びた分、増加となります。発注者側の負担になるのか?受注者側の負担になるのか気になるところです。また、工事が中止となり、足場を架けた状態で工事業者の無人が続くと、防犯面も気にかかります。にほんブログ村
2020.04.15
前回の日記に書いたように、工事定例会とは以下のような会議です。1.期間:工事着工から引き渡しまでの間2.出席者:施主(理事会または修繕委員会が出席)と施工会社とコンサルタント(設計監理会社やアドバイザー)の三者3.頻度:月1-2回で、施主側の都合が良い日4.内容1)前回議事の確認2)工事進捗状況(工程と出来高)の確認3)居住者より問い合わせ事項・対応の確認4)工事増減・実数精算・追加工事の確認5)コンサルタント(監理者)の巡回報告6)工事中に発生した事案の問題提起、対策の検討7)現場パトロール・工程検査※必要に応じて足場に登る8)材料・色彩の確認9)理事会答申事項の検討10)次回工事定例会日程の調整やってないマンションはないと思いますが、4.内容で、漏れていることはあるのではないでしょうか?にほんブログ村
2018.08.14
お盆時期なので、平日と言えども、移動の電車内はレジャー目的の方でいっぱい。ワイシャツ組がマイノリティーな中、仕事をしているイダケンですwお盆真っただ中ではありますが、本日134号線を挟み、目の前が海に面したマンションの大規模修繕定例会に参加しました。大規模修繕工事期間中は、概ね月1-2回は、施主(管理組合)、施工会社、コンサルタント三社同席による進捗会議が開催されます。今回は、たまたま、スケジュールの都合でお盆期間になりました。(イダケンが駄々をこねて、この日程になったわけではありません)このマンションは長期修繕計画上、3年後に実施予定であった大規模修繕を、前倒しに行うことになりました。消費税の駆け込みや、大盤振る舞いな管理組合であったわけではなく、立地条件も多分に影響し、安全性を脅かす不具合が建物全般に散見され、昨年詳細な劣化調査を行った結果、前倒しで工事を行うことが最善であると判断しました。財政事情は余裕があったわけではないため、金融機関からの融資に資金を頼ることになりますが、借り入れをしてまで、前倒しで工事をしなければならない状態であったのです。大規模修繕を12年周期で行うことは、あくまでも目安です。劣化の進行具合によっては、先送りできることもありますし、今回のように、早めに実施しなくてならないこともあります。如何に、建物の状態を適切に見極めることができるかが重要なのです。最上階は、江の島ビュー♪西側は富士山、リバービュー。夜景スポットである湘南平も見えます。さすが気候が良い、西湘エリア。外に出ての確認作業も、それほど苦ではありません。にほんブログ村
2018.08.13
予備費が超過する・・こんなことが起こることがあります。そもそも余裕を持たせる枠として予備費を取ったのに、これを超えることがあれば、組合内は紛糾します。・見積や設計・監理業者の見込みがあまりにも甘かったのではないか・最初から予備費の発注(追加工事、実数精算工事)を期待して、安値で受注したのではないか?基本、見積もりを提出する際には、現地調査を行っています。確かに調査の時間は限られているかもしれませんが、リスキー(例えば予備費が超過するくらいの増加の可能性)があれば、事前に告知するべきであったのでは、と施工会社や設計事務所に文句も言いたくなります。コンサルタントの立場として組合に関わる場合は、限られた予算内で適切な工事を行う・・という「コスト管理」も重要や役割の一つです。修繕積立金の残高は打ち出の小槌ではありません。可能であれば、1円でも多く、大規模修繕の支出を節約したい・・これが管理組合の期待です。競争が激しい・・と言っても、総会で決められた予算を超過するような工事範囲を提案することは問題があります。にほんブログ村
2018.05.28
イダケンの事務所は、大規模修繕において、設計・監理業務を受託する場合もあれば、アドバイザーとして理事会や修繕委員会を支援する立場になる場合もあります。大規模修繕は施工会社が決まった場合・・見積金額(契約金額)=総予算になるわけではありません。通常、大規模修繕は実数精算項目という、工事後増減の可能性がある下地補修工事(足場がない中で積算するため、外壁等の下地補修は想定数量で見積もりを提出するため、増減がありえる)があります。また、足場を架けた際に見積に含まれていない不具合が発見されたり、今回の大規模修繕と合わせて実施した方が良い工事が提案されるたりします。修繕積立金の取り崩しは総会の決議事項であるため、こうした工事の予算として予備費を計上します。総会で決議する大規模修繕の予算は・・・工事会社の見積金額+予備費となります。予備費はどのくらいとれば良いのか・・ですが、一般的に工事会社の見積金額の5-10%を予備費として計上することが多いと思います。予備費が超過する可能性が出てきた場合どのように対処するのか・・次回の日記でご説明したいと思います。にほんブログ村
2018.05.27
マンションの中でひろーいバルコニーがあるお部屋があります。この広いバルコニーをルーフバルコニーと呼びます。なぜ「ルーフ」と名がつくのか?理由は、下に専有部分(居室)があり、その屋根になるからです。ルーフバルコニーの新築時の防水は、アスファルト防水(防水の工法・材料名)の上に、保護として軽量コンクリートで仕上げをします。バルコニーの床面はコンクリートなので、かなり乱暴に扱っても、防水層自体が傷つくことはありません。建物が古くなり、補修をするときは・・・床面のコンクリートを壊すことは手間も時間もかかり、大きな音が発生するため、床面の上から防水施工をする「被せ工法」を採用します。通常は、ウレタン防水絶縁工法を採用します。ここで問題なのが、今まで床面がコンクリートだったものが、修繕後、床面が直接防水(正確には保護塗装)になることです。前述の通り、乱暴に扱っても平気だったものが、歩行は使用上問題ありませんが、モノを落としたり、引きずったりすると、防水層が破れる可能性があります。イダケンは様々な大規模修繕の準備を進めるマンションを見ていますが、この辺の使い勝手の変更を丁寧に説明していることが少ないように感じます。イダケン事務所が修繕に直接かかわると、防水することのメリット・デメリットとして、使用上の問題は必ず説明します。ルーフバルコニーを利用している住戸は少数派だとしても、その利用価値は使用者にとって、非常に重要であるからです。納得はしてくれないかもしれませんが、理解はしてくれないと、防水後に乱暴に使われて、困るのは管理組合や下の階の住民になります。にほんブログ村
2018.05.26
イダケン、勉強不足でした。大規模修繕の共用部リフォームローンは住宅金融支援機構の共用部リフォームローン三菱電機クレジットのマンション共用部リフォームローン代表的なものはこの二つだと思っていましたが、リコーリースでも大規模修繕工事ローンという商品があることを知りました。金利は1.7-3.0%と、住宅金融支援機構0.57%(H30.5現在)に比べると、少しお高めですが、資金が不足しているマンションは選択肢が増えますね。にほんブログ村
2018.05.24
工事が完了して、コンサルタントと契約して良かったか。評価基準はなんでしょう?大規模修繕修繕の目指すべきものは、限られた資金のもと、1)適正な価格で、2)適切な内容(仕様)の工事を3)手抜きなしに行うことです。2)、3)は一般の組合員が評価することは難しいと思いますが、1)はすごくわかりやすい評価です。最近の当事務所事例を見ると・・ケース1(神奈川県約300戸)管理会社当初見積4.5億円長期修繕計画の予定3.2億円発注金額2.9億円ケース2(東京都約50戸)管理会社当初見積5900万円発注金額4900万円コストだけをみると、コンサルタント参入によるメリットは大きいことがわかります。にほんブログ村
2018.05.19
築年数が経過すると、サッシュ(窓)の消耗品が劣化し、開け閉めが悪くなったり、すき間から風が入ったりします。最近の新築マンションは、遮熱性能が高い、複層ガラス(ペアガラス)を採用することが増えていますが、従来通り一枚ガラスを使っている建物は、冷暖房効率が悪い(西日で暑い等)と感じることがあります。このようなことから、3回目か4回目の大規模修繕実施の際、サッシュの改修をどうしようという議論が置きます。サッシュは共用部分の専用使用部分にあたりますので、原則は管理組合が負担して、修繕を行うことになります。サッシュの改修方法は・・・1.既存のサッシュを外して新しいサッシュに交換する更新工事2.既存のサッシュの枠を残して、新しいサッシュを被せるカバー工法3.既存のサッシュを生かして、ガラスのみを交換するガラス交換4.戸車やパッキン等消耗品のみを交換する、部分補修以上四点があります。1から3については、行政から助成金が出る場合があります。(最近は減少傾向)1-4の選択肢は、修繕費が大きく変わります。どのような修繕方針にするかで、修繕積立金徴収額に大きな影響があります。にほんブログ村
2018.05.12
大規模修繕を実施する上で、どうしても借り入れをしないといけないケースがあります。もちろん、借り入れしないでできる方法がないのか、十分に検討を行った上ですが・・借り入れをする場合は、金利が安いので、住宅金融支援機構の共用部リフォームローンを利用します。ちなみに金利は0.57%(平成30年5月7日現在)返済期間は最長10年間借り入れ金額は工事金額の80%が上限になります。借り入れを行うためには・・・まず、住宅金融支援機構に足を運び(事前に予約をする)、申請条件や簡単な予備審査を行います。つぎに総会で、借り入れをすること決議をします。総会決議後、必要な書類をそろえて、住宅金融支援機構に融資申し込みをします。この資料の準備が結構大変・・当事務所で事務代行を行うケースが多いのですが、結構時間を取られます。最終的に工事が終われば融資実行のための申請をします。工事完了後、2か月以内ぐらいに組合口座にお金が振り込まれます。にほんブログ村
2018.05.07
皆様が毎月支払っている積立金は、長期修繕計画をもとに資金計画されています。余裕を持って、積立金を多めに徴収している組合は少なく、ほとんどのケースが、ぎりぎり間に合うように金額を設定しています。築年数が25年を超えると、建物の大規模修繕以外に設備の修繕が多く発生します。一回目の大規模修繕を実施する段階においては、将来設備修繕に必要な金額も会計にストックされるため、よほど計画の精度が低い場合や、積立金の値上げが遅れたマンション以外は、大規模修繕を行ってもお金に余裕があります。お金があるのだからと、大盤振る舞いするマンションもあります。長期修繕計画の予定額以上にお金を使うと、将来資金不足の発生が懸念されます。そうならないために、大規模修繕のメニューを決める際には、長期修繕計画との対比・検証を必ず行うことが必要です『〜大規模修繕時、こうして管理組合の財産が搾取される〜』2018年5月6日(日)13:30〜15:00にほんブログ村
2018.05.02
大規模修繕の準備を進める際、発注方式を始めに議論することになります。発注方式は、大きく分けて・設計・監理方式・責任施工方式の2種類があります。責任施工方式は、設計から工事まで、施工会社一社にすべてお任せするやり方で設計・監理方式は、工事は施工会社に発注するものの、プランニング(設計)や工事中の第三者チェック(監理)をコンサルタントに依頼するやり方です。新築工事においても、両方、ポピュラーな発注方式です。組合に提案する立場が施工する側か、コンサルタント側かによって、自分たちの発注が有利になるように売り込みますので、施工会社の提案であると責任施工方式がベターであると言うでしょうし、コンサルタントの提案であると設計監理がベターと言うと思います。イダケンは一長一短があるとお話しさせて頂き、組合に判断してもらうスタンスを取ります。(発注方式が定まっていない場合)短所があれば、肝要な部分を補完すれば良いと考えます。補完する役割はコンサルタントなのです。責任施工方式で進める組合の手伝いをすることもありますし、設計監理方式の設計事務所の役割を担うこともあります。組合側が何を重要視するか?これが発注方式の選択基準になります。管理会社が推薦していることは本当に間違いがないのか?他に選択肢はないのか?お困りの管理組合様はイダケンにご相談ください。勉強会を開催し、丁寧に進め方をご説明いたします。にほんブログ村
2018.04.02
エントランスの風除室(外側の扉と内側の扉がある部屋)の外側の扉は、開き戸を使用していることがあります。エントランスに使用する開き戸は、寸法が大型なため、・扉への受風面積が大きいため、強風時に相当な力をかけないと開かないことや、バタンと閉まって危ないことがある。・扉の自重があるため、ヒンジや丁番が壊れやすく、交換費用がかさむこのような問題点があります。大規模修繕時に上記問題点を解決するために、開き戸を自動扉化するマンションがあります。足場などが不要ですが、設備工事(自動扉設置)の他、付帯として建設工事(既存扉の撤去や自動扉と建物の取り合い部の工事)が必要なため、大規模修繕に併せて検討することが多いです。イダケンが大規模修繕に関わったマンションでも、何件か自動扉化の事例があります。交換費用のイメージは・・開き戸は交換費が60-100万円自動扉化は、既存扉撤去及び付帯工事を含めて150-200万円くらいです。維持は、開き戸の場合、5年ごとにヒンジの交換、扉の建て付け調整が必要。自動扉の場合、10年ごとに駆動部の交換が必要です。にほんブログ村
2018.03.18
大規模修繕が着工。工事中に要望、苦情、意見、質問がある場合はどうしたらいいかというと…1.工事用掲示板の連絡ポストを利用する。2.現場事務所または現場代理人の電話に連絡する。3.現場代理人のメールを利用する。4.直接現場事務所に出向き、話をする。です。急ぎの場合だと、電話か、直接話してしまおうと・・現場事務所に行くのではないでしょうか?現場事務所へ行ったときに、だれもいないと・・がっかりしてしまいまう。そんな時に・・・写真のように、在室の確認があると、いいですよね!にほんブログ村ちょっとした気配りが、安心感につながります。大規模修繕中のマンションがあれば、採用してみては如何でしょうか?
2018.03.10
2018年1月から着工した大規模修繕の設計・監理を行う物件の中で、1階にスーパーマーケットがあるマンションがあります。駅近のマンションでは、低層階が商業施設(事務所や店舗)で、高層階が住宅のマンションという専有部分構成はよく見るケースです。イダケンが理事長を務めるマンションも、まさにこのパターンです。安全面を最大限配慮することは、用途がなんであっても同じです。商用施設の場合、足場を外周にかけることで、店舗の案内(看板)が見えなくなったり、商品の運搬動線に足場を設置しなければならなかったり・・と、住居専用マンションにはない、気遣いが必要です。にほんブログ村京王線笹塚駅から最寄りの好立地物件です。足場を設置し、外周は黒メッシュシートを設置しています。店舗看板は隠れなかったので、営業中という仮案内幕を設置。商品搬入路に足場を架けていますが、事前に店舗の管理者と話し合いをし、了承を得ています。
2018.03.05
マンションの共用廊下は・・外に面している「開放廊下」と壁と天井に囲まれ室内にある「内廊下」があります。寒冷地やタワーマンションは内廊下が多いです。内廊下は開放廊下に比べて痛みが少ないのですが、歩行する箇所なので摩耗や汚損が進行するので、2回目以降の大規模修繕時には張替を検討します。古いマンションですと、写真のようにPタイルという材質を貼っている建物が多いです。改修を行う際は、歩行音が響かず、かつPタイルに比べて高級感がある「タイルカーペット」を敷く提案をしています。ところで・・共用廊下の床の材質を変える時は、総会の特別決議なのか、普通決議なのか?平成29年度版の標準管理規約には、『敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)』は特別決議要件としています。タイルカーペットを例にあげると・・Pタイルと同じ床材なので効用の変更にあたりません。また、フラットな床なので、形状の著しい変更とは言えません。よって、普通決議で問題ないと思います。にほんブログ村
2018.02.17
はじめて大規模修繕を行うマンションは不安がいっぱい。駅前のマンションなんかで足場を架けてる建物を見ても、中の様子までうかがい知れません。皆様に少しでもイメージを持って頂くために・・イダケンがかかわっているマンションの実例で紹介します。足場を架けた後に、建物外部から見るとこんな感じです。養生ネット(足場の外側に貼る飛散防止のシート)は、透過性が高い黒色を使うことがポピュラーです。にほんブログ村建物の内部から見るとこんな感じです。場所によってですが、かなーり暗くなります。同じく建物廊下から外をみると、こんな感じです。暗くはなりますが、外の景色は見えます。敷地空地に現場事務所(工事会社の事務所や休憩所)や、資材(工事用の材料)や廃材(工事によって発生するゴミ)を置く場所を設けます。場所に余裕がない場合は、駐車場を借用するケースもあります(契約車両は一時的に外部駐車場へ移動)工事用に専用の水道を設置します。塗装等を直接排水管に流すことができないため、沈殿槽を準備します。外壁(タイル)に青色や緑色のテープが張っている箇所は、補修をする部位になります。
2018.02.12
大規模修繕実施に当たって、理事会の下部組織(諮問機関)として、修繕専門委員会を結成し、準備を進めるマンションは多いと思います。専門委員会は、理事会にぶら下がっている期間に関わらず、理事会運営と距離感があるケースを間々みます。どうやって、理事会と修繕委員会の関係性を密接にするか、組織づくりや運営方法が課題になります。先日、イダケンが修繕アドバイザリーを務めるマンションで、理事会と修繕委員会の合同会議に出席しました。なぜ、合同会議を設けたかというと・・1.役員が着工1か月前の総会で入れ替わり、新役員が、これまでの経過や修繕委員会との関係や決裁権について十分把握できていないことがあり、説明が必要であった。2.漏水や著しいタイルの浮きが顕在し、マンション分譲会社に責任追及をすることにあたって、理事会の決済が必要であった3.材料の色決め(外壁や天井や鉄部の塗装色)にあたって、委員会の答申を現場で確認する必要があった。このような理由がありました。会議には、理事会、専門委員会、管理会社、大規模修繕施工会社、イダケンが参加。大規模修繕着工前には4-5回ほどの説明会を開催したこともあって、新役員であっても、ある程度の内容は理解されているため、会議はスムーズにいきました。写真は理事会と専門委員会で現場確認している光景です。理事会と専門委員会が協力して大規模修繕を成功させる!理想的な姿ですよね♬にほんブログ村
2018.02.11
初めて大規模修繕を迎えるマンションは不安がいっぱいです。ちょうど築10年を超えるころになると、管理会社がそろそろ大規模修繕をする時期ですと、これまで理事会では提出がないような品質の、ご立派な資料をもって、様々な提案をしてきます。右も左もわからない役員さんは、プロの言うことだし、日常管理でお世話になっている管理会社の進言は無茶なことはないだろうと、提案内容を額面で受け止めます。本当にこれでいいんでしょうか?イダケンの経験から言うと、管理会社言うなりで行った工事は・・・高い。品質が悪い。アフターフォローが不十分という、結果に至っているマンションが多いという感想を持ちます。んじゃ、どうすればいいか、組合が正しい知識を身に着けるべきです。ここで重要なことは、管理会社にレクチャーを頼んでも、自社が利益になることしか誘導しません。また、コンサルタントに頼んだとしても、管理会社とアプローチが違うだけで、やはり自分のところに仕事をもっていくための営業レクチャーをしている業者がほとんどです。大規模修繕を進めていく選択肢は複数あり、それを決めるのは専門家ではなく、管理組合です。持ち回りで、役員経験が少ないと、ついつい専門家への依存性が強くなります。外装の大規模修繕は、10数年ごとに訪れる、「管理会社にとっては大きな買い物」「施工やコンサルタントを行う業者にとっては大きなビジネスチャンス」なのです。イダケンの事務所では、選択肢を提供する勉強会を開催しています。・大規模修繕とは何か?・大規模修繕工事を行う範囲とは?・大規模修繕工事の実施時期の判断基準は?・大規模修繕はどんな工事をするのか?・大規模修繕時に居住者へ与える影響とは?・大規模修繕の発注方式別のメリット・デメリット・大規模修繕までのスケジュール・大規模修繕工事で管理組合が行わなくてはならないことと、準備体制・会計にやさしい大規模修繕工事を行う方法・目先のお金はもちろん大切。後先のお金も大切こんなことを40-60分かけて丁寧に説明します。マンションへ出向く、出張勉強会も承っています。興味のある方は、お問い合わせください。mail@11kanri.comにほんブログ村
2018.02.05
大規模修繕、足場を架けるタイミングで、バルコニーの防水工事を行います。バルコニーの防水をするためには、私物を一旦片付け、室内に入れる必要があります。この片付けは、各戸で行うことになります。バルコニーで家庭菜園や、植物を楽しまれている方もいます。室内に植木(土)を入れるのは嫌がる方もいます。そこで、共用部分(敷地)の空地に施工会社に依頼し、植栽仮置き場を設け、工事期間中プランターを置くことを認めるようにしているマンションがあります。水やりは、共用部分の散水栓の一部使用を認め、各自が行います。また、仮置き場と住戸の移動も、各自が行います。にほんブログ村
2018.01.30
大規模修繕施工中はバルコニーの使用制限が発生します。使用制限とは・・・・エアコン(冷房)を使用できない・網戸を取り外しているため、窓を開け放しだと虫が入る・洗濯物や布団を干すことができない等です。工事期間中ずっとではありませんが、普段あたりまえにできることが一時的であれ規制されることは居住者にとって大きな負担になります。特にエアコンの規制は、高温多湿の日本の気候条件を考えたときに、梅雨真っただ中と、夏季(7-9月)は避けたいところです。そこで・・大規模修繕で人気の施工時期はこうなります。秋工期(お盆明けか9月ごろから足場を組み始めて、年内中に足場を解体する)冬春工期(1月の三連休明けから足場を組み始めて、ゴールデンウイーク前後に足場を解体する)春工期(3月ごろから足場を組み始めて、梅雨ごろに足場を解体する)この中でも秋工事は、管理組合からの希望が多いです。気候が良い時期なのですが・・・施工会社の現場代理人が人で不足になり、かつ作業員(職人さん)の手配が付きにくいため、ちょっとした天候不順で工期が遅れたり、品質不良が発覚したりしやすい時期でもあります。にほんブログ村
2018.01.26
悪質な設計・監理業者(設計事務所)が横行しています。管理会社に任せるよりも、競争を働かせるので、設計事務所を入れた方が安く済みますよ。実績と経験が僕たちの信用を物語っていますよね なんて、お金に困っている組合に甘い言葉をかけてきます。仮に、設計事務所を「S社」とします。管理組合→設計・監理業務契約200万円→S社こんな契約をします。設計事務所は、つるんでいる施工業者が落札するよう、出来レースをします。・公募の資格要件を多く設け、つるんでいる業者以外が参加し難いようにする・・・そもそも出来レースをする設計事務所の公募にエントリーしても決まらないから、つるんでいる施工業者以外は公募に参加せず、5社とか、6社しか応募がなかったり・仮につるんでいない業者が公募にエントリーした場合は、その業者に不利になるような線引き(判断基準)を組合に提示し、排除したり・・海千山千の設計事務所にとったら、特定の業者に便宜を図らうことはたやすいことです。ここからが問題です。組合が知らないところで、出来レースの謝礼として施工会社からマージンが設計事務所に入るのです。出来レースで決まった施工会社を仮に「F社」とします。管理組合→請負契約5000万円→F社→マージン250万円(5%の場合、10%近く取る業者も)→S社でも、このマージンって、管理組合が支払ったお金から捻出されていますよね!?200万円という報酬に騙されて、結局設計事務所に管理組合は設計・監理契約の倍以上の金額を支払わされる上、適正な競争を阻害され、高い見積りの業者に発注を強いられます。施工会社は、設計事務所が仕組んだ言い値で落札できますから、高いマージンを設計事務所に払っても、痛くもかゆくもありません。むしろ、まともに競争して利益を下げた仕事を取るよりも、施工会社にとってはありがたい話なのです。今、ブイブイ言わせている改修の大手設計事務所が、こんな仕組みをつくりあげ、今や業界団体のようなものまで結成し、「潔白」をアピールしています。なぜ、こんな設計事務所が大手になれるか・・簡単な話です。組合との設計・監理契約をどんなにダンピングしても、マージンがあるから平気。安値と実績につられた組合は簡単に契約してくれます。最近は、国土交通省が通達を出したから、設計・監理業務費は少し高く見積りを提示しているみたいです。でも実際仕事を取る段になったら、組合の言い値にいくらでも合わせてくれます。組合から支払うお金よりも多くマージンを施工会社からもらえば、工事監理も手抜きを黙認しますよね。だって管理組合よりも金払いのいいお客様(施工会社)なのですから・・管理組合のためなんて・・いわないで欲しいな・・とイダケンはいつも思っています。にほんブログ村
2018.01.09
イダケンは、何度か悪しきコンサルタントの実態についてブログ記事にUPしています。2017年春に国交省から通達が発表された後、業界は良くなったのでしょうか?・・否です。管理組合さん、悪しき設計事務所の毒牙にかからないよう用心しましょう!と・・言っても、悪しき商慣行(仕組み)を作り上げたのは、有名どころの設計事務所が多く、公募で設計事務所を募集。実績やプレゼンテーションでふるいにかけていくと、結構高い確率で、毒牙にかかることになります。毒牙にかかるとは・・どれくらい組合が被害を受けるかをお話しします。1)管理会社利益優先方式昔から、やり玉にあがる管理会社特命発注方式(相見積を取らないで管理会社一社へすべて任せるやりかた)の見積を仮に「3000万円」とします。2)真面なコンサルタントによる発注方式真面なコンサルタントが、仕様の最適化(工事内容の過剰・無駄を省き、本来必要な工事メニューのみを抽出)し、適正な競争を働かせれば、コンサルに払う報酬と施工会社に支払うお金を合計しても「2300万円」くらいまで価格が下がります。3)競争にさらされた管理会社発注方式2)のようなコンサルタントが絡む場合、管理会社も頑張る場合があります。2)ほどの金額に下がることはなかなかありません。それでも、コンサルに払う報酬と施工会社に支払うお金を合計して「2600-2700万円」になります。管理会社に工事をお願いするとしても1割以上も削減できる余地があることがわかります。4)悪しき設計事務所による誘導発注方式設計事務所がいろいろなテクニックを使って、仲間内の施工会社グループだけに声をかけるように誘導し、チャンピオンと言われる順番で設計事務所から仕事をもらえる施工会社が、出来レース(競争に見せかけた価格操作をした入札)により言い値で工事受注を取るやりかたです。設計事務所はマッチング(出来レース)の見返りに施工金額の5-10%(大口の場合は3%の場合も)のキックバックを施工会社から受けます。こうした仕組みで管理組合に損をさせる設計事務所でも、営業プレゼンテーション時には、1)の管理会社のやり方を強く否定し、自分たちのやり方を行うと、適正な工事で発注できますとうそぶきます。因みに、このやりかたを取ると、コンサルに払う報酬と施工会社に支払うお金を合計して「3300-3400万円」まで膨らみます。良いコンサルタントと、悪いコンサルタントでは、3000万円の工事を行ったと仮定して、1000万円近くも差が出る。これがマンション大規模修繕業界の実態です。管理会社が施工主体とならず、設計・監理を手伝いますと言う場合も、こんな感じになります。1)の管理会社見積よりも高くなっていることを組合が指摘すると、管理会社の積算のミスとして説明したり、安全を見て管理会社の仕様よりも工事範囲を広くした等のもっともらしい話をしたりします。また、長期修繕計画の金額までには至らないから資金計画上問題ないと、適当な理由付けをして、組合を煙に巻きます。普段穏やかな設計事務所の担当者が、この時はかなりムキになって説明をし始めます。そりゃ、コンサルタントフィーよりも高いキックバックがもらえるのともらえないとじゃ、全然違いますからね。金額は一例でケースバイケースで上方にも下方にも変わってきますが、とにかく、組合が知識不足を良いことに、業者側だけが儲かればいいような仕組みを組合に押し付け、すべてのしわ寄せ(無駄なコストを払う)は管理組合に回ってきます。また機会のある時、詳しくお話したいと思います。にほんブログ村
2018.01.05
イダケン事務所のメイン業務の一つは修繕コンサルタントです。問い合わせを頂く組合様の心配事は・・・「東京オリンピックを控えて、工事価格が上昇しているのでは?」です。管理会社によっては、すでに1割2割工事価格が高くなっているので、早めに工事しましょうと煽っている姿を目にすることがありますが本当でしょうか?2017年春の段階ですが・・ここ数年で全体の工事金額が1割も2割も高くなっていません。確かに仮設工事(足場代)等の一部工事費は上昇傾向にありますが、発注金額全体を見ると、それほど大きな変動はありません。なぜ、管理会社は高くなっていると嘘をいうか・・・工事を早めに行うよう不安を煽り立てる。・管理会社自社施工または、コンサルタント方式による見返り(バックマージン) は、工事金額が高くなればなるほど管理会社の利益が増える。この二点でしょう。皆さま、焦って時期尚早な工事が行われることがないよう、また、割高な工事発注を強いられないよう気を付けましょうね!管理会社の提案に不安を感じたら、イダケンまでご相談ください(^^♪ にほんブログ村
2017.05.21
最近理事会アドバイザリー(顧問)として、関わりだしたマンションのお話です。このマンションは設備の改修を予定。大手の大規模修繕コンサルタント会社(一級建築士事務所)を採用して準備を進めています。イダケンが参画したのは施工会社の書類選考が決まり、プレゼンテーションを行うころです。10月中旬に施工業者を一社内定しました。これからの進め方を協議するうえで、「おや?」と感じたことがあります。イダケン「総会はいつごろ開催すればよいですか?」コンサル「1か月ほど準備が遅れていますので、遅くとも11月中には開催したいのですが・・」イダケン「総会議案書はコンサルがつくるのですか?」コンサル「うちでは総会資料は作りません。」イダケン「総会は出席して頂けるのですか?」コンサル「呼ばれれば行きます」イダケン「管理会社さん、総会資料はつくることができますか?」管理会社「指示があれば作成しますが、必要な資料を頂けないと・・」・・理事会はコンサルがおぜん立てしてくれていると思っているので、イダケンとコンサルのやりとりを黙って聞いています。・・イダケン「11月中に総会議案を決めるのであれば、かなり巻いて話し合いをしないと間に合わないのではないですか?」イダケン「11月上旬までに2回は打ち合わせしないと間に合いません。管理会社さん理事会に出席できますか?」管理会社「お手伝いさせて頂きます」コンサル「総会の打ち合わせ理事会は当社は必要ないので出席しません」・・月次決算を確認すると、今回の工事費を支出すると、残高がほぼなくなる見通し・・イダケン「築年数が古いマンションで残高0円は不安ではないですか?」コンサル「設備改修以外大きな工事は予定されていませんので、そんなに問題はないのではないですか?理事会「使い切りは不安です」イダケン「低金利なこともあり、多少借り入れを行なうことも検討されてはいかがですか?コンサルさん、借り入れの提案はできますか?」コンサル「長期修繕計画作成時には借り入れを含めて資金案提出はできますが、具体的な借り入れの提案はしていません」イダケン「管理会社さんお手伝いは可能ですか?」管理会社「自社で大規模修繕を提案しているわけではないので・・・」このまま進めると、合意形成においても、資金計画においても、あらぬ方向に行きそうなので、イダケンが全面的にフォローすることになりそうですが、そもそもコンサルタントさんの手落ちじゃないかと思うのですが・・イダケン事務所は一級建築士事務所登録をしており、大規模修繕コンサルタントの仕事をさせていただきますが、総会の事務的な支援を行わない、資金計画に関わろうとしない、なんてあり得ません。実績からいうとトップクラスのコンサルタントでも、この程度の仕事しかしていない実態を見ると、困っている管理組合は多いのではないでしょうか?さて、イダケン事務所ではマンション管理セミナーを開催します。今回のテーマは『〜管理コストを見直し「コスパ」の高い管理を実現しませんか〜』です。開催日は平成28年11月23日(祝日)14時スタートになります。詳しくは↓↓から、案内ページをご覧ください。 http://www.idaken.net/study.htmlにほんブログ村
2016.10.19
大規模修繕で施工会社を探す際、情報を知らないと居住者の中で誰か良い会社を知っている業者がいるのでは?と考える方はいると思います。一業者として、他社と比較するならばよいのですが 、管理会社特命発注と同様に、特定の業者に便宜を図らうことはやめた方が良いです。・競争が働かないために、工事費が割高になる・居住者の悪口を言うような気持になり、紹介した業者に色々な要望や苦情が言いにくくなる・居住者の紹介=信頼できると思い込み、会社内容(実績や経営状況)をろくろくリサーチせずに契約してしまう。・居住者がこれまで提出された見積りをこっそり教え、適正な競争を阻害する本当に良い業者ならば問題ないのですが、一居住者の紹介だからと言って、実態も確認せずに過度に信頼することは危険です。金額は安いけど、居住者対応やアフター対応が全くできない。何かあっても紹介した居住者が肩を持ち、まともに施工会社と話ができない。こんなことが起きます!安易な気持ちで紹介の業者に飛びつくと、「安かろう、悪かろう」でコストパフォーマンスの低い工事を発注してしまうかもしれませんよ!! 紹介された施工会社を選択しに入れるときは、同じ物差しで、比較検討し、業者選定することが必要です。【マンション管理勉強会のお知らせ】イダケン事務所では3月21日(祝日)15時より新宿にて「大規模修繕」をテーマにしたマンション管理セミナーを開催します。大規模修繕の裏表を包み隠さずお話しします。興味のある方は、下の画像をクリックし、案内ページからお申し込みください。すでに7名の方から申し込みを頂いています。勉強会終了後は会費制(1000円予定)で管理組合情報交換会を開催する予定です。営業アプローチで行っているセミナーではないため、役立つ知識を十分に学ぶことができます。 にほんブログ村
2016.03.13
管理会社や施工会社が大規模修繕を提案するときに、「今やらなくても良い工事」を提案することがあります。プロだから変なことを言わないという性善説で考えると、管理組合は専門家が言っているこ提案を額面通りに受け止めて、このタイミングでこの工事をした方が良いと信じます。特に組合の総財産を知っている管理会社は、この手の提案を多くします。管理会社は管理組合の味方!?とんでもない。以下に売り上げや利益を上げるか追及する営利企業なのです!「足場を架けているときにこの工事はやったほうがいい」「部分補修は、やってないところとやっているところが目立つので見てくれが悪い 」「スケールメリットが働くので、大規模修繕をするならば、この工事も一緒にした方がよい」終いには、「他のマンションでもこういう工事は当たり前。 実績がある私たちの提案を信用してください」こんなことを言い出します。本当にそうでしょうか? 大規模修繕前に行う劣化診断により工事の優先順位が決まりますが、自分たちで診断を行っておきながら、診断ではまだ大丈夫の判定をしても、いろいろな理由をつけて工事をやらせようとします。管理組合としては「工事をやらせよう」とは思いません。前述の通り、10数年に一度しかない大規模修繕を上手に発注できるノウハウがないので、どうしても専門家依存となり、言うがままで工事内容を決めてしまいます。状態が良い部分、足場が不要な部分ならば、大規模修繕に併せて工事をする必要はありません。廊下や階段の長尺シートを毎回の大規模修繕で張り替えしたり、状態が良い防水をやりなおしたり、お金だけではなく資源の無駄使いになります。何かあっても、提案通り施工しなければ責任を持てません。と組合の不安を煽る管理会社や施工会社もあります。何のために劣化診断をしたの?と言う施工範囲を発注しているマンションは数多くあります。イダケンが知る限り、修繕積立金が潤沢なマンションはごく一握り。多くのマンションは、ぎりぎりの資金計画で修繕計画に基づく大規模修繕を実施しています。今行わなくても良い工事を修繕積立金の残高があるから実施するくらいならば、修繕積立金を下げた方が区分所有者の多くは喜ぶはずです。相見積等工事業者選定に力を入れるマンションは多いのですが、工事メニュー(仕様)の取り捨てに時間をかける管理組合は少数派です(管理会社、施工会社、設計事務所の言いなり)。いくら競争原理を働かせて、適正な金額で工事会社に大規模修繕を発注しても、工事メニューが多ければ、組合が負担する費用は大きくなります。不適切なタイミングで工事を行うことは「ロス」でしかありません。 本来行わなくても良い工事範囲を施工して、大損しているかもしれませんよ!【マンション管理セミナーのお知らせ】平成28年3月21日(祝日)15時より新宿にてイダケン事務所主催の勉強会を開催します。テーマは「大規模修繕」です。一級建築士とマンション管理士が失敗例から学ぶ損しない大規模修繕をレクチャーします。詳しくは下の画像をクリックし、案内ページをご覧ください。 にほんブログ村
2016.03.11
どんなに良い工事メニューを決めても、複数の選考を経て工事会社を決めても、契約通りの工事が実際に行われなければ、絵に描いた餅になります。業界大手の施工会社にしたから、実績豊富な現場代理人がついたから、と言って安心してはいけません。高額の工事で、しかもスーパーゼネコンやブランドがある工事会社が建てる新築マンションも建て替えるような致命的なミスをおかすのです。監理する側の人間が、一人か二人の現場代理人しかいない大規模修繕においては、手抜き工事を簡単に見過ごしてさしまいます。手抜き工事は「腕の悪い職人がいい加減な仕事をする」ことだけではありません。確かに作業の力量は、出来不出来を左右しますが、組織包みで手抜きを許すことがあります。業界大手でも、ブランドのある施工会社もご多分にもれずです1.下請け、孫請けが現場代理人の指導を無視した施工を行う。三度塗るところを一回しか塗らない。下地が悪いまま施工を行う等です。2.工期が少ない、また、予算が少ない等の理由で、元請の施工会社現場代理人が手抜き工事を黙認する。3.工事監理を行う設計事務所等のコンサルタントは、施工会社からバックマージンをもらっていると気付かぬふりをする仕上げをしてしまえば下地の不具合は隠れてしまいます。塗装は塗ってしまうと何度塗ったかわからなくなります。シーリングを打ち替えると、前の材料を取ったかはわからなくなります。大手で実績がある施工会社を選び、コンサルタントを付け工事監理を行なっているから安心なんて、性善説で考えると、安かろう悪かろうでコストパフォーマンスの低い工事をしているかもしれません。 にほんブログ村
2016.03.09
修繕工事を行うと、部分補修以外は、基本的に何らかのアフター保証が付きます。アフター保証とは何か?保証期間中に不具合が生じた際には、無償で補修を行いますと言う約束です。保証があるから、万が一のことがあっても安心。契約時には、「アフター」に拘ります。あれから○○年・・・修繕委員会は大規模修繕後解散し、大規模修繕の実務に関わっている方が持ち回りにより執行部たる理事会からいなくなります。あれだけ拘っていた「アフター」は忘れ去られ、建物に不具合があっても、お金を出して治そうとしてしまいます。大規模修繕だけではなく、新築でマンションを購入した際にもアフター保証が付いてきます。アフター保証期間中の補修依頼は施工会社(または売主)が受け身であることが多いです。なぜならば、アフターで指摘があった部位の補修に要する工事費が別にもらえるわけではないので、アフター保証の約束をしながらも、なるべく補修をしないように、あれこれ理由をつけて管理組合に断りの説明をします。そして・・実際にこんな状況が起きます。1.大規模修繕の施工会社が管理会社であったとしても、大規模修繕担当者とフロントマンとでは分業されているため、理事会のサポートを行う管理会社はアフターのことがわからない。マンション側から言われて初めて確認する2.新築時の施工上の瑕疵と思われる不具合があっても、分譲会社が親会社(または協力関係にある会社)であれば、グループ(協力関係)の管理会社は、分譲会社を守ろうと、アフター保証による補修依頼をしようとしない3.管理会社に大規模修繕を依頼すると、アフター保証の工事は全て自社負担で行わないといけない。余計な出費がでないよう、組合から新たにお金をもらって補修をしようとするアフター保証期間中に治らない工事は、すべて管理組合負担で直さなくてはなりません。また、知らず(忘れていて)にアフター保証期間に保証を出した施工会社とは別の会社に補修を依頼した場合は、保証がその時点で消滅します。新築10年以内であっても、大規模修繕後であっても、管理組合の執行部である理事会が自発的に、保証期間中に適切な補修がなされるよう施工会社や売主に働きかけなくてはなりません。イダケンが関わる1回目の大規模修繕においては、高確率で、新築時の施工上の瑕疵と思われる不具合が発見されます。保証期間が過ぎてからの、売主や施工会社への補修要求は難航をします。過去の施工上の責任問題で、交渉が長期化するのを嫌う、管理会社や大規模修繕施工会社やコンサルタント会社は、過去の瑕疵による不具合が見つかったとしても、経年劣化による不具合と組合側に説明し、「保証期間中に適切な補修をしなかったこと」の実態を明かそうとしません。特に管理会社は、委託契約を結んでいるため、「瑕疵を放置したこと」については善管注意義務違反に問われる可能性があるので、劣化の本質的な原因について一切マンション側に伝えません。アフター保証が生かされないマンション。大規模修繕時に新築時や前回大規模修繕の施工会社が本来補修をしなければならない補修までを管理組合負担で行い、大損をしているかもしれません。【3月21日(祝日)イダケン事務所主催でマンション管理セミナーやります】新宿にて15時からスタート。会費は無料です。テーマは「大規模修繕」になります。当事務所のエキスパートのスタッフが皆様にお役立ち情報をレクチャーします。 にほんブログ村
2016.03.08
みなさん実数精算の工事って、何のことかわかりますか?通常の工事は、図面や現地確認から積算を行い、見積金額以外に追加を発生しないことが前提である「責任数量」で見積が示されます。 足場を架けて工事を行う大規模修繕においては、足場がない状態で見積するために、足場を架けなければ劣化状況がわからない個所があります。このような部位については、想定数量と言われる概ねこれくらいであろうと思われる想定数量で見積を提示し、工事後に数量を確定する「実数精算」で工事金額を確定します。よって、「実数精算」がある大規模修繕は、契約金額よりも実際に支払う金額が増減します。「実数精算」の代表選手は、外壁等のひび割れや浮き等を補修する下地補修工事です。想定数量はどのように導き出されるかと言うと・・・経験観測による想定数量⇒積算する工事業者・管理会社・設計事務所の経験観測から、第1回目の大規模修繕においてはタイルの浮きは全体の**%、ひび割れは全体の**%と言う積算方法サンプル調査による想定数量⇒足場が不要な箇所をサンプル調査をし、その部位の傷み具合を基準として、積算する方法 後者の方が、実際工事をした際の誤差が少ないように感じますが、足場不要面は良好で、足場を架けた面に著しい劣化があることも考えられますので、一概にどちらが精度が高いとは言い切れません。また、サンプル調査した面が、たまたま劣化が著しい場合は、 調査や積算に時間がない場合は前者、時間に余裕がある場合は、後者と前者のミックスになります。下地補修を契約金額から増減が発生しない「責任数量」として契約することも可能ですが、工事会社は安全率を見て下地補修数量を積算しますので、見積数量よりも実際に工事を行う数量の方が往々にして少なく、追加費用が発生しないという安心はありますが、余計なお金を工事会社に支払ってしまうというロスが発生します。万が一、見積数量よりも実際に補修する数量が多くなる場合は、工事会社が被ることとなりますが、実際は発注者である組合側のチェックが行われないため、必要な箇所を補修しないで、見積数量を超えることがないよう調整するのが現実です。実数精算項目を設けることは、無駄のない支出が行えるように一見考えられますが、こんなことが起きるのです。1.設計・監理方式ではなく、責任施工方式で各社提案で見積を依頼する場合、施工会社は見積金額を安くするために、下地補修の実数精算項目の数量を少な目とし、工事受注後に実数精算項目の追加請求で施工会社の売り上げを増やす2. 実数精算項目で、実際工事した数量が減ると、契約金額よりも組合から支払われる金額が安くなるため、組合側が現場を確認しないことを前提に、実数精算項目の工事を水増しして請求する3.設計・監理方式で共通条件(内訳・数量は各社同じ)で見積を依頼する場合、下地補修の単価を高く設定。 工事監理する設計事務所や組合側が現場を確認しないことを前提に、実数精算項目の工事を水増しして報告し、実数精算の追加請求費用が大きくなるような見積構成とするイダケンはいろいろな形態で大規模修繕に係わっていますが、割と高い頻度でこのような事象が目のあたりにします。そこで、組合が不利にならぬよう、必要なタイミングで是正するよう方向修正します。 管理会社や実績のある施工会社やコンサルタントがこんなことを許すわけがない・・と、性善説で考えている方。実数精算で大損するかもしれませんよ【PR】平成28年3月21日(祝日)15時より新宿でマンション管理セミナーを開催します。今回のテーマは、『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。大規模修繕で損をしないよう、イダケン事務所のスタッフがレクチャーします。詳細は下の画像をクリックし、案内ページをご覧ください にほんブログ村
2016.03.07
修繕の実施のタイミングは、「長期修繕計画」の周期を判断材料としている。このようなマンションは多いと思います。ほとんどのマンションの長期修繕計画は管理会社が作成。管理会社の経験観測や文献等を参考に、工事項目ごとに修繕周期を定めています。実際には、環境、新築当初の施工品質、これまでのメンテナンス(延命措置)によって、建物・部位ごとの劣化の進行具合は変わってきます。資金(修繕積立金)が潤沢にあるマンションならば、常に安全を見て早め早めにと考えることもできますが、収支ギリギリで資金計画を立てているマンションは多く、本当に必要な時期に必要な工事を行いたいと考えるはずです。建物・部位ごとに劣化状況が異なっているはずなのに、長期修繕計画通りの周期で、計画通りのメニューの工事を提案する。金額が高い足場を架ける大規模修繕や給排水管の更新、エレベーター、機械式駐車装置、インターホンの交換等はまさに長期修繕計画通りのタイミングで提案されます。「修繕のタイミングはどうやって判断するんだよ?」と言う質問が聞こえてきそうですが、インターホンや給排水管を除き、建物・エレベーター・機械式駐車装置は管理会社が日常管理で、点検を行っているはずです。管理会社から修繕の提案を受けた際には、まずは過去3年くらいを遡り管理会社実施の点検報告書を確認しましょう。本当に修繕が長期修繕計画の周期で必要なのかの基準にはなるはずです。また、足場を架けた大規模修繕は概ね12年周期で計画が立てられていますが、毎回同じメニューで工事をする必要があるのでしょうか?状態が良ければ部分補修による延命を図る。足場が不要な箇所で劣化の進行が遅ければ、今回の工事では補修箇所の対象から外す等のメニュー変更をすることで、適切な時期に適切な範囲で工事を行え、コストがトータル的に圧縮することが可能です。外装の修繕時期についても、大規模修繕や日頃のメンテナンス(延命措置を含む)をしっかり行えば、12年から15年程度に周期を改め、計画を立てることが可能かもしれません。(50年周期で考えると12年周期の場合4.2回、15年周期の場合3.3回で済み、その分トータルコストが下げられます)大規模修繕の準備をしているマンションは、長期修繕計画と併せて工事メニューを検討することが必要だとイダケンは思っています。今回実施される大規模修繕のメニューは次回以降の修繕に影響を及ぼし、トータルコストが変動するからです。 長期修繕計画を鵜呑みにし、工事を行うと、大きな損になるかもしれません。【お知らせ】平成28年3月21日(祝日)15時から新宿にて、イダケン事務所主催のマンション管理セミナーを開催します。今回のテーマは、ブログ記事にも関係がある『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。イダケン事務所所属の一級建築士とマンション管理士が、このブログ記事より掘り下げた内容の濃いお話をさせて頂きます。詳細は下の画像をクリックし、案内ページをご覧ください。 にほんブログ村
2016.03.06
管理会社主導で大規模修繕を進めている時に、役員や専門委員から「管理会社一社の提案では総会でみんなが納得しない」と意見がでます。その際、会議に同席した管理会社担当者から、「では、こちらで何社か見積を取りましょうか?」「当社(管理会社)が高くないか是非確認して欲しい」と回答があります。理事や委員は意見を言っていたものの、どうやって相見積もりを取ればよいのかわからず、管理会社担当者の回答を渡りに船と考えて、申し出を受けます。これって良い話なのでしょうか?管理会社が元請方式で修繕工事を提案する場合、必ず実際に工事を行う下請けの施工会社がいます。下請けの施工会社は、その管理会社にとって使いやすい、過去に何度も一緒に仕事をしてきた協力関係にある特定の会社です。相見積がなく管理会社が受注できる場合は、下請けの施工会社も利益率が高い工事を管理会社から受注できます。協力関係にある施工会社が仲良くできるよう、管理会社は「協力会」なるものをつくり、業者の統制を行います。共存共栄でうま味のある仕事を取るための仕組みです。協力会に加盟している施工会社がケンカしないように、管理会社は順番に仕事を与えていきます。これを業界では「チャンピオン制」と呼びます。今回の事例のように、管理組合から相見積を依頼された場合は、協力会加盟の施工会社を利用します。管理会社の見積金額を提示の上、その金額よりも上回る見積を提示するよう指示するのです。管理会社経由で取得する相見積もりは出来レースです。仮に管理会社が元請ではなく、コンサルタント(設計・監理)や業者選定補助の業務を行う場合であっても、同様の「出来レース」が起きます。協力会社一社が決まるよう、協力会に加盟している会社複数に指定の金額で見積を提示するよう管理会社から依頼します。なぜ管理会社が介在して価格操作を行うかというと、「バックマージン」と呼ばれる紹介手数料が管理会社に入ってくるからです。一般的にバックマージンの金額は安くても10%、高い場合だと20-30%が動きます。管理会社の言うことを聞いていれば仕事が回ってくる協力会の施工会社は、管理会社の指示に反することはしません。管理会社は、やたらに協力会社に対して見積金額の削減交渉を行いません。なぜなら、見積金額が高いほど、バックマージンで入る収入が増えるからです。管理会社経由で相見積を取っても競争原理が働かずコストダウンにつながりません。このような出来レースを、管理会社以外のコンサルタント(設計事務所等)がしている現実があります。公募等で見積参加業者を募集はしますが、特定の業者(管理会社でいう協力会の業者)しか見積を依頼できないよう業者選定時に理事会・委員会にアドバイスをし、見積はコンサルタント指定の金額で提出させ、チャンピオン制で選定された特定の業者が受注できるよう仕込みます。出来レースを行う理由は管理会社と同じです。バックマージンがコンサルタントの収入として入ってくるからです。出来レースは見破れないか?と言うと、ある程度そのような動きがあるという判断できる方法があります。このテクニックについては3月21日開催のマンション管理セミナー(15時から新宿にて開催)においてレクチャーします。セミナーのテーマは 『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。セミナーに興味のある方は下の画像をクリックして、案内ページをご覧ください。 にほんブログ村
2016.03.05
管理会社お任せで大規模修繕を進めると「高くつく」と言われていますが本当でしょうか?相見積を取ると、倍近くも違った!と言う話を聞くことがあります。これは大規模修繕に限ったことではなく、日常管理における小修繕においても同様なことが見られます。 「同じ工事内容ではないから、金額が違うんだ」「安かろう、悪かろうはご免だ」管理会社性善説で考える方たちから、こうした批判の声が一斉に聞こえてきそうです。管理会社に発注することは「悪い」とは言いません。但し、管理会社に全てお任せ(グループ会社を含む)で工事を発注すると、かなり割高になります。 割高なだけ、見合った仕事をしてくるのか?実はそうではありません。金額が下がっても、管理会社と同等の工事をすることは十分にできます。 管理会社お任せで特命発注すると割高になる大きな原因は二つです。1.競争が働かないため、管理会社の見積金額は言い値で、下請けを含めて潤沢な利益を取るため。2.組合の予算を知っているため、組合が承認し得る目いっぱいの金額(または長期修繕計画の金額)まで工事範囲を膨らませるため3.下請け業者は、管理会社と協力関係にあり、競争がなくても、協力業者が順番に仕事をもらえるため、下請けも言い値で見積を提示できる。相見積時には、下請けの利益が少ない、旨味のない仕事を管理会社から発注されるケースもあり、持ちつ持たれつで、競合がない場合は、下請けにも十分儲けさせる元請で提案する管理会社の儲けの仕組みをイメージでお伝えします(細かい部分は実際とやや異なりますが、わかりやすくするために勘弁ください) 上のイラストは2400万円の工事見積が管理会社から提示された場合を想定しています。同じ管理会社へ発注するにしても、管理会社を一業者としてとらえて、適切な競争を働かせれば、同じ工事を行うとしても、3割以上安くなることがあります。さらに、管理会社以外の選択肢を選ぶのであれば・・・なんと、この金額で1000万円のコスト削減が可能となる場合があります。まさか、今時こんな利益を取っていないだろう・・・とお考えの方。大手の管理会社では特命発注の場合30%の粗利設定をしていることもあり、20-25%は大規模修繕においては管理会社の粗利率としては普通に設定している金額なのです。 管理会社一社お任せで仕事を発注しない。大規模修繕で大損しない、第一のポイントです。 【お知らせ】平成28年3月21日(祝日)15時より、新宿にてイダケン事務所主催のマンション管理勉強会を開催します。今回のテーマは、 『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。 ブログ記事の内容を、濃くして皆様へレクチャー致します。興味のある方は、下の画像をクリックして案内ページをご覧ください。 にほんブログ村
2016.03.04
大規模修繕はマンションにとって最も高額な一時支出を伴うイベントです。お金がかかるだけではなく・・準備に負われる執行部(理事会・専門委員会)は負担が増えます。また、住みながら工事を進めるため、工事期間中は居住者はストレスに感じます。基本的にマンションお住まいになられる大半の方が、大規模修繕に対する十分な知識を持ち合わせていません。そこで、専門家(工事業者、管理会社、コンサルタント等)の助言を得て、準備を進めることになります。プロだから間違ったことは言わない・・長年付き合ってきた管理会社だから、組合に過大な負担を背負わせないだろう・・業者性善説には落とし穴がたくさんあります。タイトルに「大損」とありますが、「損」は割高な工事を行いロスが発生するだけのことを指しません。・この時期にやらなくてもまだまだ大丈夫な工事を前倒しで実施してしまった・理事会や専門委員会の負担が課題に増えた・居住者のストレスが増え、苦情が増えた等々。広義で「損」として捉えます。2016年3月21日(祝日)のイダケン事務所主催のセミナーのテーマは『あなたのマンションは大損をするかもしれません!?~大規模修繕工事の失敗例から学ぶ教訓~』です。セミナーでは掘り下げたレクチャーをしますが、「大規模修繕で損をする」リスクについてブログでさわりの部分の記事をUPしていきたいと思います。次回のブログは「管理会社発注による損」についてご説明をします。なお、セミナーにご興味のある方は、下のアドレスをクリックし、案内ページをご覧ください。http://www.idaken.net/study.html にほんブログ村
2016.03.03
工事を発注する場合、一社だけではなく複数の会社から見積もりを取りましょうと考えるマンションは多いのではないでしょうか?見積もりの方法は二つあります。1.共通条件方式⇒発注者である管理組合が見積もり条件を具体的に提示し、同じ内訳で見積もりを取得する方法2.各社提案方式⇒見積もりを依頼する工事会社に、調査をしてもらい、各社の考え方で見積もりを提出してもらう方式。それぞれメリットデメリットがあります。大規模修繕においては・・設計事務所な等コンサルタントを入れて行う場合は共通条件方式コンサルタントに頼らず施行会社お任せで行う場合は各社提案方式を採用します。業者を選ぶにあたって各社提案方式の方が管理組合としては難しい作業になります。なぜ、難しいか事例を紹介します。40年を超え、資金難のため20年ぶりに大規模修繕を予定しています。理事会には建築に詳しい方はいません。各社提案方式で4社から見積もりを取りました。見積の段階ではB社、D社が本命視されていました。今月、4社中2社のプレゼンテーションを行なった後、役員さんは浮かない顔になりました。 上の表をご覧のとおり2番目に安い業者は、一番高い業者と仕様を比べると内容が大きく異なります。状態が良い建物ならいざ知らず、劣化が著しいこのマンションでは下地補修やシーリングや防水をしっかりやらなくてはならないことは、建築に詳しくない役員でもよくわかっています。大切な部分を端折って、安い金額が提示されている状況・・プロが見れば、どこも同じような提案をするだろうと言う役員さんの期待は、打ち砕かれました。来月に残り2社のプレゼンテーションを行いますが、各社の仕様が異なる可能性が高く、 どこまでの範囲で工事を行わなくていけないのか、現状組合は尺度を持ち合わせていませんので、業者選定は一筋縄ではいかないであろうと思います。【セミナー、1名キャンセルあり!参加者募集します】2015年9月23日(秋分の日)10時より開催のセミナーが一名キャンセルが出ました。追加で一名参加者を募集します。テーマは『修繕積立金、こんなに値上げしないとダメなの?』です。受付は前日18時まで、先着優先順になります。 詳しくは下の画像をクリックし、案内ページをご覧ください。 にほんブログ村
2015.09.20
本日顧問先マンションの大規模修繕三年目アフター点検に同席しました。大規模修繕竣工後はアフター保証期間があります。対象となる部位は、保証期間中に不具合を指摘をすると無償で補修してもらえます。組合が黙っていると対応してくれないので自主点検を行います。人間が作業しているものなので、完璧なものはありません。きちんと点検すれば、必ず不具合は少なからず見つかります。 流れとしては・・・全戸にアンケート配付(バルコニーは各戸が調査をし指摘をもらう)↓アンケート集計↓管理組合による自主点検実施(コンサルタントも立ち会います)↓アンケート+点検指摘事項について補修依頼↓施工会社による補修↓管理組合による完了検査実施(コンサルタントも立ち会います)↓検査時指摘個所補修↓完了報告書受領になります。大規模修繕契約時にアフター時の取り決めしないと対応をしてもらえない場合もありますので、しっかり確認し、必要があれば契約に盛り込みましょう。アフター点検や検査時の管理組合立ち合いは持ち回りの理事がやる場合もありますが、イダケンは大規模修繕時にかかわった理事や専門委員会のメンバーが同席することを推奨します。無償補修の対応になるのは大規模修繕の契約範囲のみ。工事発注の詳細を知らない持ち回りの理事会では、適切な指摘や検査を行うことが難しいからです。保証期間中は施工会社が無償で手直しを行ってくれますが、保証が終わると、すべて管理組合負担で修理を行わなくてはなりません。アフターをきちんと行わない=管理組合財産に損を与えることにつながります。時間をかけて建物を見て回ると、日常管理の不備が見つかることもあります。普段時間をかけてみる建物を見る機会は中々ないので、この機会にしっかりと状況を確認し、不具合は施工会社へ、管理状況は管理会社へ是正することで、適切な管理を実現することができます。【御礼】9月23日(秋分の日)開催予定のマンション管理セミナー、定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきます。どうしても・・・という方がいましたら、ご一報ください。キャンセル等があった場合に優先的にご案内いたします。
2015.09.13
20戸未満の小規模マンションにおけるお話です。管理会社お任せで、こんな状況でした。 ・積立金の残高は約2000万円・・大規模修繕は借り入れを約2000万円して工事を行う計画を総会承認・見積は管理会社を介して、管理会社を含む三社から相見積を取得。管理会社が最も見積金額が安く、管理会社を工事業者として総会で選任・長期修繕計画は15年間計画で、項目が歯抜けに関わらず、15年後の積立金2000万円しか残らない。管理組合と協議の結果、総会決議を白紙に戻し、 イダケンをコンサルタントして大規模修繕を準備し直すことになりました。修繕積立金の改訂が遅れ、資金が不足していることから、築17年目にして初めての大規模修繕。新築時の施工品質が良くないため、イダケンが提案した修繕の基本方針(設計)は、所謂フルスペックと広範囲に及び、また外壁の補修数量(実数精算)は平均よりも多めに計算しました。結果は・・・・透明性のある競争を働かせた結果、工事費は半分とまでいきませんでしたが、3分の2以下に圧縮できる見通しがつきました。・借り入れも最小限に抑えることができ、返済も短期、少額で収まる予定です。・長期修繕計画は国土交通省標準様式に基づく30年計画を提示。毎月の積立金を若干値上げすることで、将来生じる資金不足の可能性が最小限に抑えられる見込みです。なぜ、こんなに費用を軽減できたか・・一つだけはっきり言えることは・・ 管理会社お任せだと、ちょっとだけ高くなるのではなく、かなり高くなるということです。これは一時的な工事費だけではなく、修繕積立金の設定根拠である長期修繕計画においても同様です。 費用の健全化のからくりについては、2015年9月23日(秋分の日)に新宿で開催するイダケン主催のマンション管理セミナーにて詳しくご説明させて頂きます。 にほんブログ村
2015.09.09
本日はイダケンが理事長を務めるマンションで竣工前検査が行われました。工期七ヶ月、一億円を超える工事。理事は一級建築士二名にイダケンを含めた四名がチェック。大きな指摘事項がなくホッとしています。屋上はウレタン塗膜防水で施工、膜厚もしっかり確保、良い出来です。ウレタン防水の施工後写真 共用廊下施工前写真(Pタイル)共用廊下施工後写真(タイルカーペット)廊下はPタイルをタイルカーペットに張り替え、工事に合わせて実施した電球色のLEDのライティングにより高級感がグッと上がりました。お金をかけたからには資産価値を向上せねばです。【マンション管理セミナーのご案内】3月8日開催のセミナーは、七名の参加を頂きました。ありがとうございます。さて、次回は平成27年4月29日(昭和の日) 14時から新宿で開催します。 『機械式駐車場は金食い虫!?空き区画の有効活用と維持コストの実態は?』がテーマです。 これまでのセミナー参加者の中でリクエストが多い内容を取り上げました。当日はゲスト講師を招き、中身の濃い勉強会をしたいと思います。 にほんブログ村
2015.03.13
本日はイダケンが理事長を務めるマンションで臨時総会が開催されます。議案は「大規模修繕追加予算の承認」です。H23改訂の標準管理規約の記載であれば問題ないのですが、予算を超過する場合総会決議が必要になります。当初予定していた1億円の予算を1000万オーバーする見込みです。目視点検だけでは確認できない不具合が足場設置後数多く発見。12年ごとに大規模修繕するだけ資金に余裕がないため、多少お金がかかってもしっかり工事を行います。マンション管理業界に身をおいて15年以上立ちますが、いまだに総会は緊張します。仕事の合間なので一時間で終わるといいな♪終わったあとは埼玉で総会出席ですw 【マンション管理勉強会のご案内】2015年3月8日(日)15時より新宿にてイダケン事務所主催のセミナーを開催します。今回は大規模修繕において組合が気をつけていかなくてはならないポイントを中心にお話ができればと思います。短期任期・持ち回りの役員で構成される執行部を持つ管理組合は、管理会社・施工会社・コンサルタント会社との修繕に関する知識は雲泥の差があります。それに乗じ、適当な仕事を高値で売りつける業者の実態を目の当たりにします大規模修繕を失敗しないためにも、どのようなことに気をつけ進めて行けばよいのかレクチャーします。定員は8名、参加費は無料です。管理組合通しの情報交換を行って頂く目的でセミナー終了後懇親会を開催します。前回もセミナー出席者が全員参加で盛り上がりました。自由参加で強制はしません(500-1000円程度の会費制) にほんブログ村
2015.02.28
マンション管理関係の書籍やインターネットの情報を見て思い違いをしている管理組合も多いかと思いますので、ざっと・・勘違いしやすい内容を書いてみました。1コンサルを入れると良い!?⇒コンサルもピンキリです。また、大手=優秀な業者が成り立ちません。大手でも、組合目線とか言いながら、施工業者からバックマージンをむさぼり、施工業者馴れ合いでいい加減な工事に目をつむるコンルはいます。コンサルが競争を阻害し、施工業者が楽して儲けるような仕組みを作っていることすらあります。2公募すると安くて良い業者が見つけられる!?⇒選定の判断基準を明確に持ち合わせていない管理組合は、実績があれば安心。大手は間違った仕事をしない、と思い込み、見積が安い大手の業者を選びます。大手は実績はありますが、だからといって必ずしも良い仕事をするわけではありません3業者はプロだから何でも言うことを信用する!?⇒組合が業者の言うことややることに意見や要望を言うと、プロの言うことだから任せてくださいと聞き耳を持たない事があります。自分たちのミスを誤魔化したり、組合の意見で自分達のやりやすい方法を変えられたり、自己都合であることが多いです。4フルスペックの提案がベストプラン!?⇒安全率を見込み、保証がつくフルスペック提案ばかりを進めてくる業者がいます。劣化診断、マンションの財布事情、長期修繕計画による資金計画を踏まえて本当に管理組合のことを考えた提案なのでしょうか?安心の名の元、この時期に不要な過剰な提案が含まれているかもしれません。フルスペックの提案を採用することはマンションにとって最良の選択肢ではない可能性があります。5コンサルの診断、設計、工事監理は分業がいい!?⇒業務ごとに窓口となる担当を変えてくる業者があります。社内引き継ぎが完璧なら良いのですが、担当ごとの思い込みで仕事を進め、一貫性のない業務が行われることがあります。6長期修繕計画が「ビックリ値」!⇒大規模修繕後、大規模修繕に携わった業者に修繕計画の見直しを行なうと、大幅な値上げが必要と提案されることがあり驚かされることがあります。1回の工事でマンションの将来が保証されるわけではありません。大規模修繕の改修計画立案の段階で、資金面において先々のことをしっかり考えていたのでしょうか?【マンション管理セミナー開催のお知らせ】3月8日(日)15時より新宿にてマンション管理勉強会を開催します。会費は無料。定員は8名です。勉強会後、管理組合の情報交換会を兼ねて懇親会を行います(希望者のみ参加、会費制)今回のテーマはズバリ「大規模修繕」。書籍や一般のセミナーでは教えてくれないような進め方のポイントをレクチャーいたします。詳しくは下の画像をクリックして、専用ページをご覧ください。 にほんブログ村
2015.02.27
イダケンが理事長を務めるマンションでは大規模修繕施工中です。先日足場を解体する前の施主検査に参加しました。イダケンの巨体には足場が低い。体をかがめた姿勢で足場内を移動します。組合が採用した設計事務所がしっかりチェックしてくれているので大きな指摘もなく検査を終えました。下の写真は不良箇所の屋上笠木を全面交換した写真です。屋上からの漏水は水下の排水口部分、端っこの立ち上がり部分、笠木部分が原因になることが多いです。イダケンが理事長を務めるマンションは慢性的な資金難で次の大規模修繕は15-20年先になる見込みです。一般的な周期より長持ちするような仕様で修繕を行っています。マンションがある横浜の関内地区は塩害の影響を受ける環境です。工夫を凝らせば、修繕周期を長く設定することも十分可能です! 【勉強会のお知らせ】管理会社からそろそろ大規模修繕の時期ですよ。慌てて準備を始める管理組合は多いと思います。高額な出費が伴う工事に対して、十分な計画を立てていない管理組合に対して、管理会社は強烈な影響をかけてきます。管理会社がマンションの為を思って、常識的な金額で、品質の良い工事を提供してくれると思ったら大間違いです。管理会社は、無関心な組合からエスカレータ方式で受注してきた多くの大規模修繕実績と、売り主系列のネームバリューで労せず工事を受注します。下請けの管理会社に丸投げ、技術スタッフも最低限の人数しかいない。管理会社お任せだと高い金額で工事を受注できる。手間がかからず大きな売上をあげることができるのです。 じゃあどうすればいいの?2月25日(水)19時から横浜開催の勉強会では、大規模修繕の進め方について、組合としては何をすればいいのか?どのようなことを気をつければいいのかレクチャーしたいと思います。お申し込みは下記画像をクリックしてください。 にほんブログ村
2015.01.31
昨晩は横浜にあるマンションの大規模修繕工事完了報告会に出席しました。準備から完工まで2年と9ヶ月と係わってきたこのマンション。総工費は約3.6億円。これだけの規模の工事の調整を行うコンサルタントの任命を頂き、やりがいのある充実した仕事になりました。報告会後は慰労会に参加させて頂き、お酒を飲みながら遅くまで委員さんと色々なお話しをする事ができました。引き続き修繕委員会は存続。改めて修繕アドバイザーとして起用頂ける予定です。【2015年2月セミナー開催のご案内】イダケン事務所主催のセミナーを次のとおり開催します。 にほんブログ村
2015.01.24
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