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Dog photography and Essay
杭州円縁の旅2
「杭州円縁の旅1」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
北宋の名将であった岳飛を祀る岳王廟から、
北北東2キロ行った所に円縁民俗園はある。
円縁民俗園は黄龍洞と共に公園となっている。
南宋の時代に、江西省の黄龍山の高僧が庵を建て、
この地で説法をしたことから、黄龍洞の名がある。
また黄龍が現れたとの言い伝えが残る場所でもある。
現在は、歴史テーマパークとなっている。
その公園の一角に円縁民俗園がある。
円縁民俗園は縁結びの寺としても知られる。
円内に入ると「縁」の文字が至る所に、
書かれてあり、簡単明瞭であった。
縁とは婚姻に関する事柄が一番で、
運命的な出会いを祈る中国人女性の姿も、
見受けられると話していた。
また願いが叶ってからも、夫婦でこの地を、
訪れ報告をして帰る律義なカップルもあるとか。
縁の文字は、大きな岩にも描かれ、
旅人たちの、記念撮影する姿が後を絶たなかった。
「杭州円縁の旅2」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
杭州円縁民俗園は1995年に造園された。
公園の中は、緑が茂り、その中を、
歩けるように散策歩道が造られていた。
黄龍洞と呼ばれるだけあって、
龍を模った塑像も多く目につく。
縁をテーマとした洞縁民俗園である。
円縁民俗園は道教の建物である。
故事に則り、雨乞いをしていたら、
岩が裂け水が湧き出し、その口が、
龍の口のようだったという伝説がある。
写真は、座った子供たちが円陣を組み、
その中央の穴に古銭が入れば、縁がつかめる。
古銭を台の中央目がけて投げる所は、
「情」と書かれた台の上に乗る。
多くの旅行客が声を挙げながら投げていた。
私は、再度縁談が来ても困るので、
傍観していたに過ぎなかった。
「杭州円縁の旅3」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州西湖の写真を公開しています。
西湖の北、栖霞嶺北麓に建つ月老閣。
南宋時代に江西黄龍山の高僧・慧開が、
説法を行ったことで、黄龍洞と呼ばれた。
写真は、「月下老人」と呼ばる縁結びの神。
中国の多くの地域に「月老」の祠があり、
幸せな縁談を求めて多くの人々が訪れる。
白雲庵の右隣にある「月老閣」内にある。
「月下老人」は民間伝承の中で婚姻を司る神。
紅喜神と言われ、「月老」とも呼ばれる。
道教の神の一人で、祭祀日は8月15日。
「月老」の願いは人々の願いでもあり、
この世のどこかには、添い遂げる人がいて、
必ず結ばれるとあり、前世で定められている。
だが、その縁は悪縁もあるのかもしれない。
いつ頃に描かれたのかは、祠が出来た頃ではなく、
1995年当時に描かれたのかは分からない。
だが、顔料の具合からして20年以内に、
描かれた絵ではないかと思いながら撮影した。
このあとも、壁に描かれた絵を張り付けたい。
「杭州円縁の旅4」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
日本での婚礼衣装の色と言えば、白であるが、
中国では紅色がベースである。最近でこそ、
ウエディングドレスは白が多くなった。
では、婚礼出席者の衣装はどうだろうか。
日本では、親族はほとんど黒であり、一昔前は、
ブラックフォーマルウェアー姿だった。
中国では、現在でも平服で出席する事が多い。
また中国での白は、葬儀のイメージで、日本の、
白無垢の衣裳を着て、結婚式に出る花嫁はない。
壁絵には描かれていないが、中国の花婿は、
紅色の帯を、たすきがけにして胸には、
布で出来た大きな赤い花を飾って花嫁を迎える。
花嫁は頭に紅色のベールを掛け、顔は見えない。
日本では、白のレースで顔は透けて見える。
文化の違いだが、見慣れれば違和感は感じあい。
祝儀袋の色も日本と中国では違うので初めは驚く。
中国で初めて結婚式に出席した折に、私が出した、
祝儀袋が白だったので、受け取った花嫁は、
驚いた表情をしていて、後で聞くと不吉と言われた。
中国での生活に慣れると、白の祝儀袋に名前を、
書くことさえ不吉と思うようになるから不思議だ。
郷に入らば郷に従えという観点以前の問題である。
今でこそ、中国の結婚式も日本より派手になり、
結婚式に掛ける費用も、日本と変わらないくらいだ。
それだけ、中国人の億万長者が増えて来たのだろう。
日本の世帯で1%の世帯が億万長者でも40万世帯。
中国なら500万世帯ほどになるだろうか。だが、
その日暮らしの世帯も500万世帯以上と格差は激しい。
「杭州円縁の旅5」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
中国の「縁」文化をテーマにした観光地。
杭州黄龍洞円縁民俗園庭園には、
伝統的婚礼用具なども展示されている。
縁結びの神である「月下老人」を、
祀った月老祠は人気があり、赤いテープに、
願いを書き木の枝に結ぶ観光客も多い。
その昔、月下老人が夫婦になるであろう男女の、
足首を結び合わせるために使う赤いテープでもある。
月下老人が赤い糸で結び付ける二人は、
その二人が仇同士、貧富の差が大きい二人でも、
赤い糸で結び合わされただけで、二人の縁は、
夫婦となり添わなければならないと言い伝えがある。
道教の教えでは、男女の縁組は、天意であり、
天意には背けないとある。それゆえ、男女の縁組みは、
月下老人により、赤い糸に繋がれた男女が、
この縁を大事にし、幸せな生活を送ったと伝わる。
だが、中国での人口は世界一多く、その離婚数も多い。
日本は22番目、中国は44番目の離婚率からも、
道教の教えからの道徳観が高いのかもしれない。
「杭州円縁の旅6」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州付近の写真を公開しています。
月下祠横にある「積翠僊舘」と名が付けられている。
中には、記念館のように花嫁を乗せる花轎と呼ぶ神輿や、
その他の結婚式に使用される道具なども展示されていた。
下の絵は唐・宋代から近代中国にかけ花嫁が頭に、
被った赤い布で「紅蓋頭」と呼び、現在でも、
富裕層の結婚式などでも見られる。
花嫁は赤をベースにした花嫁衣裳を身にまとい、
頭には赤い正方形の大きな布を披露宴から新婚夫婦の、
部屋に入るまで顔を覆わなければならなかった。
日本の花嫁は角隠しを被る習慣があるが、これは、
花嫁の純潔さを意味し、白は新たな生活を始める事を、
意味する。新婦はもう親の娘ではなく夫の家族になる。
中国の花嫁が頭に赤の布を被る風習は、
この風習によって吉を招き凶を避け、花嫁を、
無事に嫁入りさせるためであると考えられている。
下の写真の「たすき」と花は花婿が肩から掛けるもの。
唐代の「紅蓋頭」は130cm四方の赤い絹で作られ、
四隅に銅銭などの飾りが付けられ重しとされていた。
花嫁は花轎(輿)に乗る前に「紅蓋頭」をかぶり、
顔全体を覆うシーンは多くの中国歴史ドラマで見た。
天地の神への礼拝を済ませ、新婚夫婦の部屋に入ると、
上の2番目の絵のように、新郎が竿を使って、
覆い布を上にめくりあげ、花嫁の顔が見れるようになる。
テレビドラマのシーンでは、花嫁が挿げ替えられ、
元々、花嫁の顔を知らない花婿が「紅蓋頭」を取り除き、
そのまま朝を迎へたというシーンを見て驚いた事がある。
「杭州円縁の旅7」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
写真の「月老祠」の月老は日本語「仲人」の意味。
月老祠の「月老」である「仲人」を祭っている。
月老祠で線香を立て願うと、良縁に恵まれ、
よい嫁または婿を見つけられると言われている。
月老祠の反対側には、「財神」が祭られている。
財神おは日本でいう「恵比寿」にあたる神である。
財神を拝めば商売繁盛し、裕福になるという。
月老祠は、仏教と道教の特徴を融合した建物。
縁を中心とし、越劇(京劇)を特色とする観光地。
黄龍洞の中には滝や洞窟、竹林などがある園林である。
下の写真は、花轎(花嫁の輿)で、中は結構狭い。
歴史の観点から書くならば、南宋(1200年頃)時代、
江南である浙江省黄竜山の南宋の臨済宗の僧彗開が、
護国仁王寺院をつくり、その後、清末(1900年頃)、
道教の道教寺院である道観を建設した。
浙江省では歴史的観点から1983年頃に黄龍倣古園にし、
1985年に西湖新十景の一つに指定とし、1995年に、
「円縁民俗園」と改名した事は有名な話である。
道教の中の喜神は、吉祥の神であり、吉を招き、
凶を避けて喜びや楽しみを追求したい人々の願いから、
「喜神」がつくり上げられた事も道教の中の一つ。
だが、喜神には具体的な廟もなく、抽象的な存在で、
中には、祖先の絵を喜神として祭る人もいる。
また「喜神」を祭る儀式は、婚礼に多く使われている。
「杭州円縁の旅8(完)」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
中国では、深紅(赤)と言えば慶事(結婚式)の色。
旧正月などには門や入り口に貼る春聯も深紅の札。
紅(赤色)は吉という意味があり、結婚式などの、
祝いの時に、紅い服を着るが、肩に掛けるタスキや、
胸の大きなリボンも赤であり、深紅の服装の上に、
花婿が肩から掛けて、花嫁を迎える。
吉祥文化は「福・禄・寿・喜・財」の「五福」で、
人生における幸せの追求で、中国の民間には、
「五福和合」という吉祥図があり、5匹のコウモリが、
蓋付きの丸い器の外側で飛ぶ様子が描かれている。
家庭が円満であるという意味が込められている。
「吉祥喜図」は「喜び」に関係するイメージを、
描いた図であるが、知られているものに「喜在眼前」。
2羽のカササギが古銭を共に見ている図が描かれている。
「喜在眼前」の意味は、喜びは身近な所にありとの意。
カササギは中国語で「喜鵲 Xi3 que シーチュエ」といい、
カササギの鳴き声は、喜び事の前兆といわれた。
伝説的な架空の動物を元にした吉祥文化もある。
龍や鳳凰、麒麟は神話や伝説に現れるイメージで、
獅子像などは一般的な庶民の吉祥文化である。
中国の広く豊かな文化の中で、吉祥文化は、
色々なスタイルを持ち、人々の生活に大きな影響を、
与え続け、これからも与え続ける事だろう。
「杭州近郊の旅1」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭州近郊の写真を公開しています。
杭州は古来よりシルク織りが盛んで、
春秋戦国時代からシルクがあり栄えた。
杭州中国絲綢城に来てシルクが出来るまでを、
見学したが、一階は蚕の繭から糸を紡ぎ撚り集め、
機織り機で布を織ったり、綿を作ったりしていた。
上の写真は、江沢民とブッシュ大統領だが、
お二人ともにシルクのチャイナ服が似合っている。
私は、日本でも野麦峠の映画でしか、蚕を紡ぐ所を、
見た事がなかったので、長い間立ち止まり見ていた。
中国では4000年もの昔からシルク文化が栄えている。
初めは博物館なのかと思って歩いていたら、
色々な商品が売られており、商売にしていると分かり、
旅行先では、必ず付きものの、土産物売り場で、
少し気落ちした気分だったが、蚕の繭は感激だった。
「杭州近郊の旅2」
「中国写真ライフ」では、
浙江省の杭近郊の写真を公開しています。
蚕が写真のような繭を作ると3週間前後で、
成虫になるので、その前に繭を熱風で乾燥し、
中の、さなぎを殺して長期の保存しておく。
また何故蚕の繭を煮るのか意味が分かった。
繭の糸を紡ぎやすいように煮るとの事だった。
糸を操作する機械へ繭の糸をたぐりよせる。
繭を手にとってみたが、外側の糸が絡まり、
セロテープの取り出しを探すより大変と思った。
だが、慣れた人達は簡単に糸口を取り出し、
何本かの繭の糸を合わせ、1本の糸にしていた。
繭の糸がなくなったり、切れた場合、また糸口を、
探す作業や新しい繭から糸を繋いでいた。
繭の糸を紡ぐ作業の所では、3つの団体ツアーが、
通り抜けて行ったが、それでも私は繭を見ていた。
糸によりをかける作業も別の機械でしていた。
その後、1本の糸は交差させながら巻き取られ、
まだ湿っている糸を乾燥する作業もあるそうだが、
この日は、乾燥させる作業はしていなかった。
捲きとった糸の聴力が一定ではないため再度、
捲き直す作業をするとの事で、何回も作業をし、
シルクの糸が出来上がると思った。
私は蚕から繭が出来、その繭から糸を紡ぎ、
その糸で絹の反物を織るという事は、古来より、
当たり前の事のように受け継がれてきている。
私は、実際に見て、カイコの成虫から糸が出来、
それがシルクに生まれ変わる事を新鮮に受け止めた。
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