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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 〔上〕〔下〕
スティーグ・ラーソン ヘレンハルメ美穂 訳 山田美明 訳
ハヤカワ・ミステリ文庫宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。
ミレニアム2に続き、この本でも日本の企業名、“ニコンのデジタルカメラ”“ワインレッドのホンダ”“トヨタのワゴン車”“ミノルタの2×8双眼鏡”が出てきましたし、その他に日本に関するものとして、寿司や箸、空手、更には“東京大学のタカムラ・ヨシト教授なる人物が著した『螺旋―DNAの神秘』という分厚い本”というものまで出てきました。スウェーデンでは日本の企業や文化はかなり身近にあるものなのでしょうか。この本は本当に良く出来ていると思うのですが、やはり一番の欠点は主人公の一人ミカエルの雑誌社ミレニアムについての話。暴露本を出版のためにスタッフが頑張っているというだけならまだしも、今回は他の新聞社での話が加わっているので、本当に余計な話が入っているという感じが否めません。それが無ければ最高の小説と言えるのですが。ちなみに、訳者の癖なのか、“しかし”という意味で“が、”という言葉が頻繁に使われていました。“しかし”は全くといえるほど使われていませんでした。この“が、”は、個人的にはあまり好きではない言葉なので、“が、”ではなく、普通に“しかし、”を使ってほしかったです。
これで、ミレニアムのシリーズを全て読み終わりました。著者が急逝しているので、遺稿の『ミレニアム4』が出版されない限りはこのミレニアム3で完結ということになります。全て読み終わってみると、1年間を通しての長いテレビドラマを小説にしたという印象です。長くて話に枝葉が付いているので、テレビドラマにしたらぴったりという雰囲気でした。自分には余計な話が本編にいろいろとくっついていると感じたので、そういった余計な話を削いでくれている映画の方が気に入りましたし、この本を読もうと思っている人には、読まずに映画を観るだけで充分ですよと言いたいという読後感です。その方がお財布的にも時間的にもかなり節約できます。今後、ミレニアム1を映画化した『ドラゴンタトゥーの女』に続いて、ミレニアム2とミレニアム3も映画化されるのでしょうか。映画の続編も楽しみにしています。
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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 〔上〕
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 〔下〕